企業名が足りない!経済成長下の上海で起こる珍現象
【北京/中国 6日 AFP】中国政府は6日、インターネット・カフェの今年中の新規開店を禁止した。
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(c)AFP/Peter PARKS
中国で最も企業数の多い上海で「企業名が足りない」という珍現象が起こっている。登記所では商号の登記が認められないケースが頻発、関係者は頭を悩ませている。
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新規設立企業の登記に際して、日本では会社の商号は有名企業と混同される恐れがなく、近隣に類似の商号がない限りかなり自由に名づけることができる。加えて漢字、ひらがな、カタカナが使えるので、様々なバリエーションを打ち出しやすい。
日本社会では会社というものに馴染みが深いから、誰でも社名のパターンを数多く見聞きしている。自社の社名を考える時にも過去の事例を参考にいろいろ発想を広げやすい。
アイデアがなくてどうしようもなければ、「○○ックス」みたいなカタカナ社名をつけておけば、なんとなくカッコいいし、とりあえずはどんな事業でもできる。
ところが中国ではそうはいかない。
それは会社設立時の名称について、さまざまな制約条件があるからだ。まず中国では漢字しか使えない。当然ながらカタカナやひらがなに相当する文字はないし、アルファベットの使用は不可である。
法的な条件も厳しい。企業名は、所在地の行政区域名(上海、蘇州など)、屋号(独自に決める部分)、業種(日用品商店、化学品貿易など)、組織形態(有限公司など)――という4つの部分で構成すべしと明確に決められている。
例えば「上海田中屋日用品商店有限公司」といった具合だ。つまりこれだけ長い正式社名であっても、独自性を出せるのは「田中屋」の部分だけで、同一業種であれば必然的に似たような名称になる構造が存在する。上述したようなカッコよさげで抽象的な社名を作っておけばどんな商売でも対応できるというわけにはいかないのである。
名称のアイデア不足の面も
もうひとつは、社名を考える経営者自身のアイデア不足や縁起担ぎといった要因である。
日本でも自身で会社を設立する人は比率的には少数である。それは中国でも同じだ。また市場経済化が進んだとは言っても、先進国の社会ほど多数の会社とつき合ってきたわけでもない。だからいきなり「会社名を考えろ」と言われても、なかなか斬新な発想は出てきにくい。どうしても「地名と縁起のいい文字を組み合わせて、それに業種名を入れて…」といった単純な構成になりやすい。
前述のように社名の登記に制約が多いのに加え、漢字には個々の文字に固有の意味がある。縁起の悪い字や音の悪い字は避けたいから、みんなが使いたがる字は共通している。その結果、どうしても名前がダブりやすくなる。
例えば「東方」という単語は「アジア」という意味もあり、華東地区の中心・上海のイメージにも合致する。また建国の英雄・毛沢東を称える「東方紅」という曲があるように、建国の歴史に鑑みても輝かしい。それだけに「東方」を商号につけたがる企業は多く、上海市内には1000社以上の「上海東方○○公司」があるという。各業種、各地域に必ずひとつは「東方」を入れた企業があると考えていいだろう。
縁起のよい文字、たとえば「瑞」「安」「泰」「吉」「祥」「美」「盛」「麗」「旺」などは、そこら中の会社で使われている。類似商号が増えて登記できなくなるのも無理はないかなと思う。
登記所で何度も突き返される例も
私の知人が会社を作った時も、散々考えた末、屋号の部分が5文字の案を持っていったが、係官から「3文字以内という規定がある」と拒否されてしまった。知人が「ではクリスチャン・ディオールはどうするのだ」と反論すると、係官は「資本金を増やせば文字数を増やすことができる」。
結局、その知人は2文字の案に変えて再度出かけていったのだが、今度は「類似の商号がある」とまたもや却下された。仕方なく人があまり使わないであろう文字を加え、3度目でやっと登記できたという。
資本金によって使える文字数が変わるというあたりが、いかにも今日的だ。
コメント[1], トラックバック[0]
登録日:2007年 03月 09日 10:52:08
コメント
勉強になりました。
呉 @ 2007年 03月 21日 04:49:17
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- プロフィール
- 田中 信彦
- (男)
- http://chinahr.way-nifty.com/
- 1959年東京生まれ。早稲田大学政経学部卒。
毎日新聞社記者を経て、日本と上海の両方に活動拠点を持ち、企業の中国事業に対するコンサルティングに従事するほか、雑誌等への執筆、講演など多数。亜細亜大学大学院アジア・国際経営戦略研究科で「日中人事・労務比較論」を講義している。
■主な著書
「中国で成功する人事 失敗する人事」(日本経済新聞社)・「人事・採用の基礎知識--中国編」(メディアファクトリー)・「ぼくの上海行商紀行」(文藝春秋)・「日本人の知らない中国人の私的事情」(講談社)
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