新上海市委書記・習近平とはどんな人か
【上海/中国 24日 AFP】中国政府は中国共産党の上海市(Shanghai)委員会書記に、習近平(Xi Jinping)浙江(Zhejiang)省党委員会書記(53)を任命した。
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(c)AFP/Stephen SHAVER
習近平という人は、印象としてはどちらかというと典型的な中国の大人政治家という感じである。派手な印象はないが、物事に動じない、悠然とした大人の趣がある。
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略歴を簡単に記しておく。
本日付けで上海市委書記になる前は、隣の浙江省共産党委員会書記。浙江省人民代表大会常務委員会主席。浙江省は中国では広東省や江蘇省などと並んで直轄市(北京、上海、天津、重慶)に次ぐクラスの重要な省なので、まあ日本で無理に例えると、神奈川県知事が東京都知事になったようなものか。
元副総理、全人代常務副委員長、中央政治局委員という中国共産党長老の1人だった習仲勲(2002年逝去)の長男として1953年、北京で生まれた。中国的に言うと、戸籍は父親の陝西省富平県ということになる。
15歳の時に文化大革命の影響で反動学生の汚名を着せられて下放され、農村で7年間の労働を経験した。75年に北京に戻って清華大学に入学。正式な学歴は「清華大学工程化学系大学普通班卒業、同大学人文社会科学院在職研究生、法学博士」となっている。法学博士号を持っているが、このクラスの人はいろんな手段で正式な学位を取得していることがあるので、実際の学問的業績のほどはよくわからない。1974年1月、中国共産党に加入している。
79年に大学を卒業、国務院弁公庁、中央軍事委員会弁公庁に就職. 1982年、河北省正定県県委書記、同県人民政府人民武装部第一政治委員、福建省厦門市委常務委員、同市副市长、福建省寧德地区委員会書記、福建省の省都・福州市委書記书记、同市人民代表大会常務委員会主任と順調に出世。大学卒業後15年ほどで有力省の省都のトップに立った。
93年9月からは同省共産党委員会常務委員、福州市共産党委員会書記、市人民代表大会常務委員会主任などを歴任、95年10月、同省共産党委員会副書記、福州市委員会書記、同市人民代表大会常務委員会主任。99年8月、同省共産党委員会副書記、副省长を経て、その後省長代理。2000年1月には正式な省長となった。
その後、福建省から北隣の浙江省に転じ、中国共産党浙江省委員会副書記。02年10月、浙江省副省長、続いて省長代理。同年年11月、中国共産党浙江省委員会書記に。03年1月からは在浙江省人民代表大会常務委員会主任も兼務している。中国共産党中央委員。
陳・前書記に対するノスタルジーも
中国では共産党の大物幹部の子女を「太子(プリンスの意)党」と呼ぶことがあるが、習近平は典型的な「太子党」の1人と目されている。一般的に太子党というと、権力をカサに着て威張ったり、金儲けをしたりするイメージが強く、いい印象の言葉ではないが、習近平に関しては、街の噂話でもあまり悪い話は聞かない。
上海市や北京市のトップというのは、基本的に副総理級と目されているので、習近平もこれで国家クラスの指導者の仲間入りと言っていいだろう。胡錦濤総書記の後継者と目されている李克強や李源潮はそれぞれ現在は遼寧省、江蘇省のトップなので、これら一群の次世代リーダーの中から、いち早く動きが出たことになる。
ただ地元上海の居酒屋談義レベルでは、真面目な習近平がトップになることで、上海の地価が下がるのではないかとか、株価が下がるのではないかといった警戒感が強い。地元で商売をやっている人々はやはりある程度、水は濁っていたほうがやりやすいという気持ちはあるようだ。陳良宇・前書記の時代に上海は急速な発展を遂げたので、その点については陳・前書記に対する上海市民の感情は一概に悪くはない。
福建省に始まって、次いで浙江省、上海市と順番に北上してきた習近平の出世街道。次は一気に北に飛んで北京ということになるのだろうか。
カテゴリー[ 中国社会 ], コメント[3], トラックバック[0]
登録日:2007年 03月 24日 22:55:41
コメント
興味深く拝見しております。
貴重な情報、感謝いたします。
習氏今まで外資系企業に対する態度や、発言などに関する情報がありますでしょうか。
現在上海で商売をやろうと考えておりますので、ご教示頂ければ幸いです。
躊躇男 @ 2007年 08月 14日 14:35:36
そうですか、個人的に習近平には漠然とした悪いイメージを持っていただけに、こういった良い評判を聞くと、少し安心します。
流離 @ 2007年 10月 22日 20:26:04
天皇制は廃止すべきだと思います。なぜなら天皇は皇居、皇族は元赤坂に住むことが定められており、職業選択の自由(会社を辞めるみたいに、天皇は辞たくても辞めれません)、居住および転居の自由、選挙権などの人権がなく、天皇制は非人道的な制度です。
今回の中国の習近平国家副主席との会見のように、天皇が政治的に利用されることがあっても、自由に政治参加や政治的発言をすることは許されていません。はっきりいってかわいそうです。この会見は天皇の政治利用だと批判が沸き起こっていますが、これが天皇制を廃止すべきだという議論につながればいいなと私は思います。
グリム伊藤公雄 @ 2009年 12月 25日 09:52:19
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- プロフィール
- 田中 信彦
- (男)
- http://chinahr.way-nifty.com/
- 1959年東京生まれ。早稲田大学政経学部卒。
毎日新聞社記者を経て、日本と上海の両方に活動拠点を持ち、企業の中国事業に対するコンサルティングに従事するほか、雑誌等への執筆、講演など多数。亜細亜大学大学院アジア・国際経営戦略研究科で「日中人事・労務比較論」を講義している。
■主な著書
「中国で成功する人事 失敗する人事」(日本経済新聞社)・「人事・採用の基礎知識--中国編」(メディアファクトリー)・「ぼくの上海行商紀行」(文藝春秋)・「日本人の知らない中国人の私的事情」(講談社)
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