波紋広がるグーグル中国のデータベース盗用事件

グーグル10-12月期純利益3倍増、予想を上回る - 米国

【サンフランシスコ/米国 1日 AFP】インターネット検索大手米グーグル(Google)は31日、2006年10-12月期決算を発表し、純利益が10億3000万ドル、1株利益は3.36ドルとなったことを明らかにした。
≫続きを読む…
(c)AFP/Getty Images/David Paul Morris

AFPBB News


Google中国がリリースした簡体字IME「Googleピンイン輸入法」の辞書データベースが中国の代表的検索サイトのひとつ捜狗(Sogou)が提供する無料IME「捜狗輸入法」の辞書データベースを盗用したものであることが明らかになったニュースは日本でも衝撃を与えたようだ。グーグルの中国戦略にも大きな影響を及ぼすとの見方が広まっている。

.
このニュースを伝える CNET Japanによれば、技術担当副総裁、王小川氏へのインタビューによると、Google中国の盗用度合いは「最初のバージョンでは96%が合致、次のバージョンでも79%が合致していた」ほどだという。

中国国内の報道でも、捜狐董事局主席、張朝陽氏は「動かない証拠は山のようにある」と発言、グーグルの剽窃行為を非難した。王小川氏も「グーグルのデータベースの中には、捜狐の特殊な語彙がたくさん含まれている。簡単に言えば『データベースの指紋』のようなものだ。受験生がカンニングをして、当人の名前まで書き写してしまった」と皮肉な表現でグーグルの行為を非難している。(「経済観察報」などの報道による)。

責任者の正式な謝罪なし

事態が明るみに出た後のグーグル中国の対応も世論の反発を強めた。捜狐の声明が発表された後も、グーグル中国は利用者向け公式ブログ「グーグル黒板報」での書き込みにおいて、グーグルのスポークスマン名で「利用された辞書データベースにはGoogle自身のものではないものも含まれていた」ことを認め、謝罪の意を表したのみ。責任者による公式な会見等は開いておらず、これに対して捜狐だけでなく、利用者からも強い反発が出ている。

 特にグーグルという"Do No Evil" (中国語では「不作悪」)を標榜してきた先進的なイメージの企業だけに、利用者に与えた失望感は大きい。それでなくてもグーグル中国はこのところパッとしない。新たなサービスの投入もなく、検索エンジンのトップを快走する「百度」との差は縮まるどころか開く一方だ。

そこへもってきて今回の盗用問題である。世界的には向かうところ敵なし状態のグーグルではあるが、中国では危機的状況と言ってもいい。「これは2人の実習生がやったことで、私は与かり知らないこと」というのがグーグル世界副総裁、中国地区総裁の李開復氏サイドの言い分なのだろうが、なかなか事はそう簡単ではないだろう。

グーグルの牙城を切り崩す「百度」

もともとグーグル中国は、平均的所得水準が高く、知識レベルも高いユーザー層には根強い人気があったが、一般的な若者層には浸透不足で、そこが「百度」に差をつけられる大きな理由になってきた。そこでユーザー層を増やそうと新たな入力法の開発など、比較的大衆的な利用者を意識した施策を実施している。その矢先のトラブルだけに非常に痛い。

 グーグル中国の「大衆化」路線を横目に、「百度」ユーザーの平均収入は年々、急速に向上しており、グーグル中国の牙城を守る戦いは厳しい状況に直面している。グーグル中国が、米国のように清新なイメージを取り戻し、逆にシェアを拡大することができるのか、グーグル中国の戦いはいよいよ正念場である。

カテゴリー[ 中国社会 ], コメント[1], トラックバック[0]
登録日:2007年 04月 29日 20:21:24

コメント

Googleピンイン輸入法の市場占有率はいまでもあまりよくないですね。やはりイメージが悪くなるのも、ひとつの原因かな。

楽訳中国語辞書 @ 2008年 09月 26日 21:28:43

コメントを追加

Trackback

この記事に対するトラックバックURL:

カレンダー
< 2007年 04月 >
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30




プロフィール
田中 信彦
(男)
http://chinahr.way-nifty.com/
1959年東京生まれ。早稲田大学政経学部卒。
毎日新聞社記者を経て、日本と上海の両方に活動拠点を持ち、企業の中国事業に対するコンサルティングに従事するほか、雑誌等への執筆、講演など多数。亜細亜大学大学院アジア・国際経営戦略研究科で「日中人事・労務比較論」を講義している。
■主な著書
「中国で成功する人事 失敗する人事」(日本経済新聞社)・「人事・採用の基礎知識--中国編」(メディアファクトリー)・「ぼくの上海行商紀行」(文藝春秋)・「日本人の知らない中国人の私的事情」(講談社)
最近のトラックバック
検索