中国人が感嘆した釣具店、コンビニ、100円ショップ

4月の貿易黒字が169億ドルに、前年同月比で62.6%増 - 中国

【北京/中国 11日 AFP】新華社通信(Xinhua)は11日、4月の貿易黒字が169億ドル(約2兆250億円)に達したとの中国税関総署の発表を報じた。
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(c)AFP/Mark RALSTON

AFPBB News


中国人のお客を連れて東京を案内した。当初「日本も大したことはないな」という反応だったものが、程なく日本の底力を感じ取り、深い関心を示すようになった。いったい彼らは日本の何に興味を持ったのか。

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中国のお客を案内したことは何度もあるが、昔は本当に楽だった。東京のどこを案内しても、何を見せても中国人は驚き、感嘆してはしゃぎ回っていたものだ。1980年代後半ですら、北京市内に住む知人が「日本に来て電話の便利さに本当に感心しました」などと言っていたくらいである。

今は大変だ。今回の顔ぶれは、日本はほぼ初めてと言っていい人たちだが、中国ではそれなりの社会的地位にある人たちである。

今どき上海にはリニアモーターカーが走っているし、超高層ビルは東京より圧倒的に多い。新宿の高層ビル街など何の興味も示さないし、定番の浅草も欧米人はともかく中国人にはピンとこない。東京タワーはいかにも古色蒼然としているし、電器店に行ってもデジタルカメラの多くは中国製である。東京の観光名所と言われるところで多少のインパクトがあったのは六本木ヒルズの上から見た夜景ぐらいだった。

一方、中国国内のメディア情報などで形成された彼らの東京観は超先端的未来都市みたいなものだから、そこにかなりのギャップがある。どうしても「なんだ、上海と大差ないじゃないか」という感じになってしまう。もちろん異国の街が面白くないわけではないが、失望感があるのは明らかだった。

釣具店の品揃えにびっくり

ところが数日すると状況が変わってきた。 きっかけは釣具店である。

一行の1人が、釣りが趣味の同僚から特殊な釣り糸を買ってきてくれるよう頼まれていた。本人もマニアというほどではないが、釣りを趣味にしている人である。頼まれた品物が見つかるかどうか心配していたが、たまたま通りかかった大手チェーンの釣具店で店員に品番のメモを見せると、たちどころに出てきた。「街のどこにでもある店にこんなに豊富な商品が揃っているのは信じられない」と驚いていた。

次に感心したのがコンビニエンスストアである。

来日当初、レストランでいろいろなものを食べさせたのだが、口に合わないものもあり、一行は次第に飽きてきていた。旅程半ばからは食事となるとコンビニの店内を歩き回り、フライドチキンやカップラーメン、おでん、カスタードプリン、野菜ジュースなどを買い込んでは「店で食べるよりうまい」などと大いに盛り上がった。

接客も素晴らしい。一行が買い物を終えてレジに並ぶと、誰も指示をしないのに店内作業をしていた店員が走ってきて新しいレジを開ける。中国には日本の大手コンビニも多数進出しているが、品揃えや清潔感、店員の動きなどに格段の差がある。日本のコンビニの効率の高さ、清潔さ、商品の質の高さ、店員の応対の機敏さなどにいたく感銘を受けたようだ。

「なぜ中国で同じことができない」

とどめは100円ショップである。100円というと中国元で約6.5元。地下鉄の初乗り2回ちょっとで、そう安くもないかと思えるのだが、中国ではサービス類の価格は安いが、なぜかモノとなるとあまり安くない。特に「安くて質がいい」商品は非常に少ない。6.5元で買えるものはほとんどないというのが都市生活者の実感である。

 大手100円ショップチェーンで一行は「安い、安い」と感嘆の声を連発、レジにある最大の手提げ袋に入りきれないほどの商品を各人が買い込んだ。もちろん商品の大半が中国製であることは承知のうえである。むしろ「商品は中国製なのに、なぜ船で運んでくる日本のほうが安いのか。なぜ中国で同じことができないのか」に興味を持ったようだった。

釣具店にコンビニ、100円ショップと、何の脈絡もないようだが、実はそこには大きな共通性がある。それは豊富で質の高い商品を、途切れることなく、いつでもどこでも、清潔な店舗でサービスよく供給できる総合力である。日本では何でもないことのようだが、中国に限らず欧米諸国でもなかなか得ることができない、かけ替えのない日本の価値だと思う。

外観は立派になったが……

 上海の街を見ていると、確かに外面は先進国と大差はなくなった。商品にしても、手を尽くして探せば世界にあるものの多くは入手できるだろう。ただそうは言っても、一皮めくれば中身の充実度はまだまだ比較にならない。「探せば街のどこかにある」のと「いつでもどこでも安価で入手できる」との開きはとてつもなく大きい。

  実は日本の底力はそのあたりにある。大向こうをうならせる派手さはないが、実は人々の暮らしに最も大切なものを安定的に、安く供給できる。これは日本製品やサービスの持つひとつのの特徴だろう。

  それを実現するには、地道な努力の積み重ねと、日々の仕事の質を絶え間なく向上させていく継続的な取り組みが不可欠である。一朝一夕でどうにかなるのものではない。中国でのセブンイレブンやファミリーマートなどのコンビニが市民の支持を得ているのはそのあたりに理由がある。

  一行はその事実を十分に認識し、日本に対する見方を改めて帰っていった。

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登録日:2007年 05月 16日 22:16:01

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プロフィール
田中 信彦
(男)
http://chinahr.way-nifty.com/
1959年東京生まれ。早稲田大学政経学部卒。
毎日新聞社記者を経て、日本と上海の両方に活動拠点を持ち、企業の中国事業に対するコンサルティングに従事するほか、雑誌等への執筆、講演など多数。亜細亜大学大学院アジア・国際経営戦略研究科で「日中人事・労務比較論」を講義している。
■主な著書
「中国で成功する人事 失敗する人事」(日本経済新聞社)・「人事・採用の基礎知識--中国編」(メディアファクトリー)・「ぼくの上海行商紀行」(文藝春秋)・「日本人の知らない中国人の私的事情」(講談社)
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