上海で善戦するファミリーマート

2007年経済成長、前年を上回るか - 中国

【北京/中国 22日 AFP】国営通信は21日、中国の経済成長が2006年の10.7%を上回り、2007年は10.9%になる可能性があるとの調査結果を発表した。
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(c)AFP/TEH ENG KOON

AFPBB News


日本のコンビニ「ファミリーマート」が上海でなかなか頑張っている。コンビニの先駆けとして96年に進出した先発組がこのところやや精彩を欠くのに対し、ファミリーマートは店内も明るいし、接客も気持ちがよい店が多い。市民に着実に定着しつつある。

ファミリーマートは中国では「全家」というネーミングである。その他、ロゴマークなどは日本と同じだ。中国大陸では上海の上海福満家便利有限公司が現在、106店舗を展開。そのほか、広東省広州市の広州福満家便利有限公司が4店舗を経営している。ちなみに台湾では別の台湾法人が2000店舗あまりを展開している実績がある。
 
 上海での1号店のオープンは2004年7月。コンビニだけでも5000店を超えるという上海市内で3年弱で100店舗というペースは決して速いものではないが、私の周辺にいる友人、知人たちへの浸透ぶりでいうと、存在感は確実に高まっている。

努力の跡が見えるサービス

 上海ファミリーマートのホームページを見ると、「服務(サービス)力ナンバーワン」というタイトルが見える。確かに、私が行った範囲でも、店員がサービスに気をつかっているという意識は見える。同じく日系の先発組コンビニでは、どうも国有企業をレイオフされた中高年婦人もかくやと思われるような店員さんが目立ち、サービスにはあまり感心した思い出がない。

 しかしファミリーマートに行くと、店ごとの差はあるものの、笑顔で「ニイハオ」と挨拶されることが多いし、概して接客も丁寧である。また客とのコミュニケーションにも気を配っているようで、「今度こんな新商品が出たが、どうか」とか声をかけたりする人もいて、感じは概して悪くない。

 上海のファミリーマートで特に成功していると思われるのが「プラス1元」サービスである。「プラス1元サービス」とは何かというと、何か特定の商品を買ったり、一定の金額以上の買い物をした場合、「あと1元足せば何かがもらえる」、つまり一定の条件をクリアした客に対して、特定の商品を格安で購入できるようにする販促手法だ。1元は約16円ぐらいになる。

パンを買って1元追加すると……

  私は毎朝、自宅で紅茶を入れてパンを食べているので、普通は自宅近くのパン屋さんで買っているのだが、たまたま買いそびれて夜遅くなってしまうと、コンビニで買うしかない。コンビニのパンは以前に較べれば確実に味はよくなったが、やはり近くのパン専門店で買ったほうがおいしい。ただパン屋さんは夜は8時から遅くとも10時ぐらいで閉店してしまうので、それ以上遅くなるとコンビニになってしまう。
 
それはともかく、昨晩、たまたま通り掛かった「全家」で「Ichido」のパン(「Ichido」というのは台湾人経営者がやっているチェーン店で、典型的な台湾風日式パンである。それなりにおいしい。店名は日本語の「一度」かと思われるが不詳)を買って、レジに向かった。

買ったのはメロンパンと、日本語でなんと言っていいのかわからないが、中国語では「naisu(ないすうー)」と呼ぶ、カスタードのようなものが中に入ったパンで、値段は共に3.5元である。

レジにもっていくと、店員さんが「あと1元足すと牛乳がつくよ。いる?」と、言葉は質問形式の問いかけになっているが、動作のほうは牛乳を一緒にビニール袋に入れようとする。私は牛乳は家に箱ごとまとめ買いした買い置きがたくさんあるので、「いらない」というと、店員さんは「いらない? 本当にいらないの?」と不服そうな表情で、紙パック牛乳を袋から取り出した。

察するに、この「1元プラス」プロモーションは市民の絶大な支持を得ているらしく、該当するお客は喜んで追加の1元を支払って他の商品をもらっていくことがほとんどであるようだ。「いらない」という客はほとんどおらず、意外感があったようだ。

このプロモーションは、どんなパンでもいいから、何かパンをひとつ買うと、定価は2.4元の「蒙牛」ブランドの紙パック牛乳が1元で買えるというものである。仮に上海の実勢価格に合わせて、中国の1元を日本円の50円に置き換えて考えてみると、175円のパンを買うと、あと50円の追加で1パック120円の牛乳がもらえる----という感じになる。

ヨーグルトや「午後の紅茶」も

日本のコンビニで同じことをやったら魅力的かな?と考えてみると、どうも私はあまり利用しないような気がするが、皆さんは如何でしょうか。

このプロモーションは「パン+牛乳」というパターンだけでなく、「10元以上買うと、+1元でヨーグルトがもらえる」とか、キリンビバレッジが上海で作っている「午後の紅茶」
がもらえるとか、そういうのもあって、時期によって内容が変わる。

先日、家内の経営する会社で「午後の紅茶」の情報をある女性社員が同僚に伝えたところ、昼休みにはこぞって「全家」に弁当を買いに行ったというぐらいインパクトがあったという。「午後の紅茶」は確か3元ぐらいだったように思うので、やはり日本的な感覚に置き換えると、「500円以上買い物をすると、50円の追加で150円の飲料がひとつ買える」というイメージだろう。

店側としてもそれなりにコストのかかる話ではあろうが、おそらく商品を提供するメーカーからも協力を得ているのだろうし、これだけ集客力があるのなら、プロモーション費用として考えれば割が合うのに違いない。いずれにしても、妻の会社の女性社員たちは「全家」のファンが多いのは間違いない。

今後、セブンイレブンも上海に進出してくるという話だし、日系コンビニの競争がどのような展開になるのか、興味をもって体験したいと思う。

カテゴリー[ 中国社会 ], コメント[1], トラックバック[0]
登録日:2007年 05月 29日 16:03:32

コメント

同じ中国でも東北地域には日本のコンビニは進出していないのでしょうか。年に何回も大連を訪れるのですが、日系のコンビニの噂は聞きませんね。冬は極寒なので商品の配送がむずかしいのかな?

ダイレン @ 2007年 06月 05日 18:31:19

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プロフィール
田中 信彦
(男)
http://chinahr.way-nifty.com/
1959年東京生まれ。早稲田大学政経学部卒。
毎日新聞社記者を経て、日本と上海の両方に活動拠点を持ち、企業の中国事業に対するコンサルティングに従事するほか、雑誌等への執筆、講演など多数。亜細亜大学大学院アジア・国際経営戦略研究科で「日中人事・労務比較論」を講義している。
■主な著書
「中国で成功する人事 失敗する人事」(日本経済新聞社)・「人事・採用の基礎知識--中国編」(メディアファクトリー)・「ぼくの上海行商紀行」(文藝春秋)・「日本人の知らない中国人の私的事情」(講談社)
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