露店営業を容認し始めた上海市政府

上海で大激論、「パジャマ姿で外出は禁止?」 - 中国

【上海/中国 10日 AFP】中国で最も現代的かつ流行に敏感な都市である上海で、パジャマをめぐり激しい議論が巻き起こっており、この議論は当分の間、収束ないだろうとされている。
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(c)AFP/Mark RALSTON

AFPBB News


「都市経験を害する」とか「不衛生、粗悪商品の温床」などとして排除されてきた露店での営業を上海市が部分的に容認する姿勢を見せ始めた。どこでも勝手に商売をしていいというわけではないが、適切な管理下での露店商の存在は庶民生活にメリットがあるという姿勢に当局が転換した背景には、失業対策の一助としての効果のほか、現胡錦濤政権の「親民(庶民にやさしい)路線」の影響もあると思われる。

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筆者の自宅近くの虹梅路と延安西路の交差点近くで、夜になると道端にシートを広げてさまざまなものを売る露天商が増え始めたのに気がついたのは2~3カ月前だと思う。それまでも海賊版DVDなど少数の露店は出ていたのだが、しばらくすると追い払われ、姿が見えなくなるという繰り返しだった。

しかし今回は様子が明らかに違う。露店の数が非常に多いうえ、衣服や陶磁器、玩具、日用雑貨など商品のバラエティも豊富だ。だいいち売っている人の様子が違う。百戦錬磨の露天商という感じではなく、服装も地べたへの座り方も明らかに素人っぽい。

もう10年以上も前のことになるが、筆者は中国で2カ月程度、「行商」のまねごとを経験したことがあり、その時の体験を「ぼくの上海行商紀行」(文藝春秋)という本にしてもらったことがあるので、露天商の生態には関心がある。

新たな露店管理規則が登場

中国は日本人からみれば混乱した国家ではあるが、あれだけの巨大な国家が崩壊もせずに一応は成長しているわけであるから、それなりの秩序はある。権力もそれなりに機能はしている。道端の露天商を追い払うぐらいのことは簡単で、当局がやる気になればわけはない。

それがずっと放置されたままで、露店の数がどんどん増えているということは、何らかの変化があったのに違いないと思い、調べてみたら、やはりあった。

それは「上海市都市露店設置導則(訳は筆者)」という規則が新たに公布され、それが今年7月1日に正式に施行されたのである。それを受けた変化だったのである。

この規則の目指すところを各種報道などを総合して要約すれば

「都市の露店というのもは一定の規則のもとに管理して営業させれば、それは都市住民に対して優良な利便性を提供することになり、都市のイメージ向上にもつながる。過度に厳しい取締りばかりを行うことは、都市の活力を失わせる」

ということである。まことに時宜を得た英明な決断というべきであり、こういう柔軟な発想は大いに歓迎すべきと思う。

好き勝手にやっていいわけではないが……

この規則によれば、まず今年5月から特定の数カ所の場所を定め、試験的に露店の営業を認める。その際には業種や経営者の身元などを審査し、登録させたうえで、交通などに影響のない場所と時間に限って営業を認める。一定の管理手数料を納付するといったようなものである。この試験結果をみて、08年1月から適用地域を拡大して本格的に実施するというようなことになっている。

我が家近くの虹梅路は、試験地域に指定されたわけではないが、こういう露店の設置に前向きな規則が公表されたということは、その他の地域の、いわば現時点では違法な露店に対しても、さほど厳しい取締りは行われないだろうという庶民の読みがあり、それが各地での露店の急増を呼んでいるものと思う。

地元の人はまずいない

夜、7時ぐらいになると、虹梅路上には三々五々、露天商が集まってくる。露天商といっても、日本のテキ屋のおじさんみたいな玄人っぽい人ではなくて、ごく普通の男女が圧倒的で、若い女性も非常に多い。普段着にスポーツバッグを抱えて歩いてくるので、全然露天商という感じではない。

適当の地面を見定めて、おもむろにバッグから風呂敷状の敷物を取り出し、地面に広げる。そして瀬戸物とかアクセサリー、爪きりなどといった商品を並べていく。衣類を売っている人は、服をかける金属の横棒式の陳列ハンガーを用意してきている人が多い。

いかにも素人っぽい商売で、風呂敷の脇に若い女性がちょこっと体育座りなどしていると、日本のフリーマーケットみたいである。私などが買いたくなるようなものはまずないが、こういう感じの街をぶらぶら歩くのは嫌いではない。

幾人かに聞いてみると、河南省とか、安徽省、江西省などから来た人が多い。商品は、江蘇省とか浙江省などの雑貨の集散地などから大量に仕入れてくる問屋から融通してもらうらしい。おそらく浙江省の義烏などから大量に買ってきて、上海で卸している人がいるのだろう。

どうもそんなに売れるとは思えないが、大半は昼間は何らかの仕事を持っていて、夜になると副業として露店販売をしている人だと思うので、何らかの足しになれば、ということであろう。仮に1日10~20元程度の利益しかなかったとしても、元手もそうかからないから、1カ月に数百元の利益になれば、収入を3~5割程度増やすぐらいの効果はあろう。

こういう小商売から、中には才覚に目覚めて本格的な商売人になっていく人もいるかもしれない。日本でいえば100円ショップの最大手、ダイソーの創業者みたいな人が出ないとも限らない。

普通の人が手軽にお金を稼げるルートがあるのはいいことで、社会の活力の源泉だと思う。上海の露店がうまく市民生活に定着するといいなと思っている。

カテゴリー[ 中国社会 ], コメント[4], トラックバック[0]
登録日:2007年 08月 23日 12:20:47

コメント

私も梅虹路の状況は知っています。
交通の妨げです。

深く考えると知的財産権等の問題もあるでしょう。
税務上の問題もあるでしょう。
都市の美観の問題もあるでしょう。

梅虹路の状況には否定的です。

お隣ですね。xi-tiより。 @ 2007年 08月 23日 22:22:33

コメントにはお返事が必要です。
社会生活を健全に行うための最低限のマナーと考えますが、如何でしょか?

Xi-TIです。 @ 2007年 09月 10日 00:53:12

コメントありがとうございます。ただ、私はコメントに対する個別のご返事は基本的にしておりません。こうした場で、ご返事することが必ずしも不可欠のマナーとも考えておりません。ご不快な思いをおかけしたようで恐縮ですが、ご了承お願いいたしたく存じます。

田中信彦 @ 2007年 09月 11日 23:35:06

コメントには返事は不要かと。
メールや日記交換ではないので。
最低限のマナーなんて大げさなものではないですよね。

通りがかり @ 2008年 08月 19日 16:47:22

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プロフィール
田中 信彦
(男)
http://chinahr.way-nifty.com/
1959年東京生まれ。早稲田大学政経学部卒。
毎日新聞社記者を経て、日本と上海の両方に活動拠点を持ち、企業の中国事業に対するコンサルティングに従事するほか、雑誌等への執筆、講演など多数。亜細亜大学大学院アジア・国際経営戦略研究科で「日中人事・労務比較論」を講義している。
■主な著書
「中国で成功する人事 失敗する人事」(日本経済新聞社)・「人事・採用の基礎知識--中国編」(メディアファクトリー)・「ぼくの上海行商紀行」(文藝春秋)・「日本人の知らない中国人の私的事情」(講談社)
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