「友好」にみる中国社会の変化
【9月15日 AFP】中国の上海で、「上海環球金融中心(Shanghai World Financial Centre)」の建設が大詰めを迎えている。
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(c)AFP
先日、中国の温家宝総理が中国の指導者としては7年ぶりに来日したことはご存じの通り。その際、同首相が国会で行った演説の一節に「建設資源節約型、環境友好型社会」 というくだりがあった。
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「日中」といえば「友好」というぐらい、おなじみの単語ではあるが、あまりにもステレオタイプに使われすぎて、最近ではどうも手垢がついてしまって、あまり使う気もしない。ここでの「環境友好」は従来の「日中友好」とは明らかに違う新しい用法だ。
つまり「環境にやさしい(環境フレンドリー=environmentally friendlyな)社会の建設」ということである。
日本語で「~にやさしい」という言い方が定着したのはいつのことか、記憶が定かではないが、少なくとも20年前には一般的ではなかったと思う。日本語のこの言い方自体、英語の「~friendly(フレンドリー)」という用法の直訳ではないかと思うが、中国語の「~友好」もおそらく同じだろう。
日本語では「環境にやさしい」のほかにも「ユーザーフレンドリー(人にやさしい、使いやすい)なパソコン」とか「市場フレンドリー(マーケットの実態に即した現実的な)政策」、「ドッグフレンドリーな(犬を連れて入れる)ショッピングセンター」、「子育てフレンドリー(子供を育てやすい)な社会を目指して」などという用例がある。
環境友好、用戸友好、市場友好……
中国語の「~友好」はどうかというと、最も目立つのは温家宝首相も使った「環境友好」だ。環境保護に優れた貢献をした「国家環境友好企業」が選定されたとか、「環境友好は和諧社会の建設の最も重要な要素である」とか言った使い方が目立つ。
「環境」以外の用法としては、日本と同じく「用戸友好(ユーザーフレンドリー)」もよく用いられる。たとえば「網站設計除了用戸友好外、捜索引擎友好的設計也是非常重要的(ウェブサイトのデザインには、ユーザーフレンドリーだけでなく、サーチエンジンフレンドリーなデザインが非常に重要だ」といった感じで使われている。
「市場友好(マーケットフレンドリー)」は政府の政策的文章などでしばしば見かける表現だ。たとえばある建設関係の官僚が講演で述べた一節「我們打造的城市応該是和市場友好(我々が建設する都市はマーケットフレンドリーでなければならない=市場原理に即した方法で都市開発を進めなくてはならない)」などが代表的なものだろう。
言葉の成熟が環境変化に追いつかない
こうした英語的な言い回しが直訳されて中国語として定着していく背景には、急速に進む社会の欧風化、グローバル化がある。従来の社会主義中国には乏しかった新たな概念がどんどん流入してくるので、言葉の成熟が生活の変化に追いつかない。
日本でもかつて「経済発展こそが善」だった高度成長時代には、「環境に無理な負荷を与えず、持続可能な発展を目指す」という考え方自体が乏しかった。「環境にやさしい」という言い方が日本語として普及、定着したのは、そういう適切な語感を持った単語が存在しなかったからにほかならない。
「環境友好」に代表される新たな言い回しには、調和の取れた、フレンドリーな社会を目指して変わりつつある中国社会の動きが反映している。
カテゴリー[ 中国社会 ], コメント[5], トラックバック[0]
登録日:2007年 09月 15日 22:55:50
コメント
用戸友好、市場友好??
聞いたことねえ
T @ 2007年 09月 19日 10:18:06
本当分かっている、中国語?!
TT @ 2007年 09月 19日 10:20:51
中国語もどんどん新語が出てくるんです
言うならすぐぴんと来る筈ないのに
上海人 @ 2007年 10月 10日 16:44:33
高速な発展と環境保護をどうやって両立できるか、まだまだ課題はいっぱい残ってますが、早めにその重要さを認識したことこそ幸いですね。
要 @ 2008年 03月 04日 20:02:54
We hate you!!Japanese Murder!!
We Hate You!! @ 2008年 04月 04日 01:16:10
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- プロフィール
- 田中 信彦
- (男)
- http://chinahr.way-nifty.com/
- 1959年東京生まれ。早稲田大学政経学部卒。
毎日新聞社記者を経て、日本と上海の両方に活動拠点を持ち、企業の中国事業に対するコンサルティングに従事するほか、雑誌等への執筆、講演など多数。亜細亜大学大学院アジア・国際経営戦略研究科で「日中人事・労務比較論」を講義している。
■主な著書
「中国で成功する人事 失敗する人事」(日本経済新聞社)・「人事・採用の基礎知識--中国編」(メディアファクトリー)・「ぼくの上海行商紀行」(文藝春秋)・「日本人の知らない中国人の私的事情」(講談社)
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