「googleが英語以外の名前を持ったのは世界で中国だけである」
【北京/中国 12日 AFP】米インターネット検索エンジン、グーグル(Google)は同社の中国名を公開した。これは世界中の中国語使用者にとってグーグルをよりアクセスしやすいものにし、身近に感じてもらおうという試みである。写真は12日、北京のホテルで開かれた記者会見でグーグルの名前を漢字に変えるパズルに挑戦するグーグル経営最高責任者エリック・シュミッド(Eric Schmidt)氏。(c)AFP/Peter PARKS
グーグルの中国語名が「谷歌」に決まったという。「タニウタ」ではなんのことかわからないが、これはまあ「当て字」で、中国語の発音では「グーゴー」みたいな音になる(中国語の発音はカタカナでは表現できないけど)。中国でもグーグルは結構普及していて、これまでは英語の「google」の音をまねて発音していたので、いきなり「谷歌」と言われてもまだピンときていないみたいだ。
でも中国では可口可楽(コカコーラ)じゃないけど、こういう当て字はごく普通のことだから、おそらく遠からずこの谷歌も普及していくのだろう。
ただ、ある中国の新聞に書いてあった一言が面白かった。
「googleが英語以外の名前を持ったのは世界で中国だけである」
この自慢の仕方というのは実に今の中国らしい。とにかく最近の中国の人々(特に知識人)というのは「世界に認められたい」「自分は特別だと思いたい」という意識が実に強烈で、時に奇妙にすら思われるほどだ。
「別の名前を持った」といっても、中国の文字(漢字)には表音文字がないから、中国語の文字で書こうと思えば何らかの漢字を当てはめないと仕方がない。たとえば人名でも、ジョージ・ブッシュは「喬治・布殊」である。中国の新聞ではそのように書かれている。
ジョージ・ブッシュを「喬治・布殊」と書いたからと言って、それを「別の名前を持った」というのはおかしいのであって、「音を別の文字で表現した」にすぎない。日本の文字で「ジョージ・ブッシュ」と書いたのと同じことである。違いは日本語には表音文字があるが、中国語には表意文字しかないということだ。
確かにグーグルが中国市場を重視しているのは事実だろう。なにしろ地球上の人口の5人に1人が住んでいる大マーケットである。しかしgoogleが「谷歌」という漢字の名前を持ったという一事をもってして、「中国だけは特別だ」という意識が出てくるのは明らかに自意識過剰である。まことに東洋の大国らしくない。
そういう反応になるのはなぜか。
一言でいえることではないが、ごく有体にいえは、これまでの中国の国際的地位の低さ、世界からの扱いの悪さに対する知識人のフラストレーションだろう。確かに特にここ150年ほど、中国の世界における待遇にはひどいものがあったから、歴史の好きな中国の知識人に膨大な欲求不満が鬱積しているのは理解できる。
ある程度、経済力が上昇し、国際社会での発言力が大きくなってきた昨今、中国の知識人が「自分たちは特別だ」という意識を持ち始めたのは自然なことと言っていいだろう。
ただ考えてもらわなくてはならないのは、あまりに自意識過剰になると、外からの情報に過度に敏感に反応し、対応がエキセントリックになりがちなことである。外国がちょっと中国に苦言を呈すると「国の尊厳を汚された」といきり立ち、今回のようなほんの些細な事実に「世界に認められた」と胸を張る。
中国のような大国にこういうブレの大きい対応をされると、周辺諸国としてはつきあいにくくて仕方がない。せっかく何百年ぶりかで名実ともに世界の大国になろうとしているのだから、振る舞いも大国らしくしてほしい。
中華文明の周辺国家であるところの小日本としては、偉大な中華文明の後継者たる中華人民共和国の人々に、白人さんが開発した検索サイトに漢字の名前がついたぐらいで大喜びするようなスケールの小さな国になってもらっては困るのである。
カテゴリー[ 中国社会 ], コメント[10], トラックバック[0]
登録日:2006年 04月 16日 18:30:31
コメント
私は偉そうなことを言いたくないのですが、ただ、あなたは中国の文化を理解していないと思います。
王 @ 2006年 05月 19日 09:28:07
田中らしくないなあ。
建 @ 2006年 07月 20日 10:15:43
恥ずかしいとこをいわれましたね、けど立派にまとにあたったことも確かですね。
サイ @ 2006年 07月 22日 20:26:06
「googleが英語以外の名前を持ったのは世界で中国だけである」というのは事実だ。なぜなら、グーグル社自分自身の話だ。
ただあんだが信じたくないだけだろ。
http://www.gs-jp.com/japanese/jp-stray-notes-18.html
ちゃんと見ろ、単に名前が中国語化じゃなく、ログも中国語化だ。
KrAD @ 2006年 10月 18日 15:28:06
「googleが英語以外の名前を持ったのは世界で中国だけである」というのは事実だ。なぜなら、グーグル社自分自身の話だ。
ただあんだが信じたくないだけだろ。
http://www.gs-jp.com/japanese/jp-stray-notes-18.html
ちゃんと見ろ、単に名前が中国語化じゃなく、ログも中国語化だ。
KrAD @ 2006年 10月 18日 15:29:08
本音はいいが、作者自身も問題もはっきり・・・
狭い国だかた心も狭いと思えばどうでもいいけど、偏見と差別で他文化を評価するなら、これから誰が聞いてくれる?
あくまで中立な立場で事実だけ発表し判断は読者に任せばどう?
どうかな~ @ 2006年 12月 04日 19:06:03
Google中国が中国でもっとユーザを確保する為の戦略じゃないの?Googleが中国の為に特別に作られたと宣伝したいだけでしょう?
「谷歌」に対して、中国国内でもしかすると「それがどうした?」と言うかも知らないでしょう?
あの新聞記事をよく理解してから発言すれば?
各 @ 2006年 12月 04日 19:18:02
良い点突いてるとは思うけど、文が稚拙だなぁ。
特に最後の文とかあんまり中国批判しすぎて中国人読者の心証を害さないように付け加えたって感じだし。
結崎 @ 2006年 12月 19日 07:04:23
ちょっと批判されるとすぐムキになって怒り出す、中国人らしいコメントを大変楽しく読ませていただきました。
>王さん
どのあたりの「中国の文化」を理解していないのか述べていただかないと、あなたの書き込みは放言に過ぎません。
>KrADさん
文章の書き方が乱暴すぎませんか?
内容から察するにあなたの日本語能力は高いと思われます。
それなのに「だ」とか「だろ」という物言いは品性が低いと考えざるを得ません。
>どうかな~さん
「狭い国だから心も狭い」
笑いました。
広ければ心も広いのでしょうか?
広ければ偉いんでしょうか?
バカなことは言わないでください。
末端まで管理できていない国、地方行政で賄賂が横行するのを見てみない振りをする国、チベットに於いては民族虐殺すら行っている国。
広いとなにかと大変ですよねwww
蠱歌 @ 2007年 01月 06日 15:29:14
なぜ国の中傷までに発展してしまったのか、残念です。
コメントを読んでいくうちに、感情的になって、議論する気にはならないなあ。
あなたなら田中さんみたいに日中のためにブログを書き続けるのでしょうか。
いいのかな? @ 2007年 01月 22日 16:32:05
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- プロフィール
- 田中 信彦
- (男)
- http://chinahr.way-nifty.com/
- 1959年東京生まれ。早稲田大学政経学部卒。
毎日新聞社記者を経て、日本と上海の両方に活動拠点を持ち、企業の中国事業に対するコンサルティングに従事するほか、雑誌等への執筆、講演など多数。亜細亜大学大学院アジア・国際経営戦略研究科で「日中人事・労務比較論」を講義している。
■主な著書
「中国で成功する人事 失敗する人事」(日本経済新聞社)・「人事・採用の基礎知識--中国編」(メディアファクトリー)・「ぼくの上海行商紀行」(文藝春秋)・「日本人の知らない中国人の私的事情」(講談社)
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