■さようなら、ではなくて
寒さもあと少し、という時期になりました。やや唐突ではありますが、この15日でAFPBB Newsを去ることになりました。健康上の問題などいくつかのことが急に重なったためです。
新聞からネットに移っての1年間でしたが、とても新鮮で刺激に満ちた世界でした。活字媒体では考えられないようなさまざまな可能性があり、同時に急激に変化しつつあるのでまだ何が起きているのかみんなよく分かりかねている世界でもあるようです。ジャーナリストはこうした変化には特に敏感であらねばならないと思うのですが、自らの足元であるメディアの世界のことなのでかえって見えにくいのかもしれません。それがジャーナリストの欠陥であることが多いので、今後とも厳しく自戒していこうと思っています。
1日の休みもなく、24時間中、世界各地のAFP支局から寄せられるニュース、オフィスの中で飛び交う英語と日本語。時々、というよりしょっちゅう起きるシステム上のトラブル。ウエブメディアの現場はなかなか過酷な職場です。しかし、AFPBBニュースのメンバーたちはそんな状況の中でがんばっています。ウエブ時代のメディアは前例なしのやり方を模索し続けなくてはならないのですが、やはり一番大切なことはニュース内容の質を高めることで、そのための努力を惜しんではならないからです
特に「MODE PRESS」は、世界的にも前例が少ないのでスタッフの創意工夫が必要です。編集部による独自取材の記事も多くて、やりがいのある魅力的な職場です。今後ともぜひご愛読のほどお願いいたします。私事ですが、この後しばらくは文化女子大学で教鞭をとりながら、フリーの立場でジャーナリスト活動も続けていく予定です。
AFPはフランスの通信社なので、最後のご挨拶はフランス語で。
Adieu じゃなくて、A tres bientot!
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登録日:2008年 02月 15日 19:30:47
ロジェ・ヴィヴィエの思い出
ロジェ・ヴィヴィエの新作エキシビション、リステア ミッドタウンで3月中旬まで
【2月14日 MODE PRESS】パリの高級靴ブランド、ロジェ・ヴィヴィエ(Roger Vivier)の春夏新作エキシビションが東京・六本木のリステア ミッドタウン(RESTIR)で開かれている。
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ロジェ・ヴィヴィエの08年春夏新作の展示記念パーティーが東京ミッドタウンのリステアで開かれた。ここで扱うことになったためだが、ファンにとっては嬉しいニュースだろう。パリや香港に行かなければ買えないというのは、ちょっと情けないことだっただろうから。
靴はもちろんのこと、バッグやアクセサリー類もこのブランドらしいセンスが行き届いていて、女性ならずともその美しさに惹かれる思いがした。靴の魅力は一種の象徴的な曲線と、素材のバランス感覚にある。ヴィヴィエのファンだったというイネスの姿を見ていて、もう10年以上も前に東京でインタビューしたロジェ・ヴィヴィエ氏のことがはっきり浮かんできた。
確かもう90歳近かったはずだが、彼はとても元気で変な色気もまだたっぷりあった。あの靴の美しい曲線は、靴を嘗め尽くすようなデザイナーの視線が必要なのだな、とつくずく感じさせられたものだった。インタビューの途中で彼が突然黙り込んで、どうしたのかと戸惑っていたら、「いま靴のアイデアが浮かんでしまったのだよ」と言って、スタッフに鉛筆をもってこさせた。
あの時、彼が描いたスケッチは記念にいただいた。いまも、私の机の資料の奥深くに眠っているはずだ。インタビューの最後に、オフレコでもいいのでと前置きして、「あなたの靴が一番似合う女性はだれだった?」と聞いた。
彼はちょっといたずらっぽい笑みを浮かべて、小声で答えた。「マレーネ・ディートリッヒ」。そして付け加えた。「そりゃあ、ダントツにきれいだった」
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登録日:2008年 02月 14日 14:59:29
「まとも」が毒? 08年春夏パリ・オートクチュール
【動画】ガリアーノが語る、クリスチャン・ディオール08年春夏オートクチュール・コレクション
【1月23日 AFP】1月21日から4日間、フランス・パリ市内で08年春夏パリ・オートクチュールコレクションが開かれている。
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(c)AFP/parismodes
パリのオートクチュールはとりわけのトレンドや新味があったわけではないようだが、08年のメンズと連動したニュアンスが色濃く感じられた。今月から始まったニューヨークの08年秋冬コレクションでも同じ感じを受ける。メンズで書いたが、一言でいうと「まっとうな服」という印象だ。
オートクチュールでは、例えばクリスチャン・ディオールは豊かなインスピレーションを感じさせたが、服は決しておおげさではなかった。象徴派の絵やボードレールの「悪の華」などをモチーフにして、ジョン・ガリアーノは時代への漠とした不安にとらわれた人間の夢や神秘的なものへの想いを語ろうとしたようだ。ディテールはさまざまなイマジネーションを込めたように複雑だ。しかし、90年代の彼のどう着るのか想像もできないほど破天荒だったデザインと比べると、見た目にはとてもシンプルで着やすそうな服に見える。
シャネルの深海の貝をモチーフにした、モノトーンで微妙な造形の服も神秘性とシンプルさが絶妙に並存した印象を受けた。ディオールもそうだが、今回の新作はこのブランドがもつ豊富な伝統的クチュール技術の持ち味がより大きな役割を果たしているように見える。なんだか懐かしくて、着心地よさそうに見えるのも、そのせいなのかもしれない。
いま自分が考えていることをきちんと考え抜いて、それを伝えるために精一杯努力して、かかわっている人たちと最大限協力しあうこと。なにが正解なのか、それが人に結果として理解してもらえるかは分からないが、そういうのが「まとも」ということなのではないだろうか。
ファッションはどちらかといえば「まとも」でないことが多くて、むしろそうだからこそ時代への敏感な批評を込めた毒があった。しかし逆に、まともなことがそんな「毒」になることもあり得る。そんな時代が始まったのかもしれない。(c)UEMA
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登録日:2008年 02月 08日 17:29:48
まともさ、とは? 08年秋冬メンズコレクション
【動画】クリス・ヴァン・アッシュ、ディオール・オム08/09年秋冬コレクションを語る
【1月22日 AFP】1月17日から4日間、フランス・パリ市内で08/09年秋冬パリ・メンズコレクションが開かれた。
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(c)AFP/parismodes
パリで08年春夏オートクチュールコレクションが開催中、その前にミラノ、パリと秋冬のメンズコレクションが終わり、今年も新たなファッションシーズンが始動し始めた。今回は直接見ることができなかったが、MODE PRESSの画面を通してさまざまな息吹が伝わってくる。
メンズで感じたのは、いい意味での、手の込んだ「まともさ」ということだった。とりあえずはクラシックなジャケットやコートを基本にしての素材や柄のひねり、きちんとしたカジュアル、上質な素材づかい……といったところ。こういうスタイルだと味付けへのこだわりが欠かせないのだが、それが表にあからさまに見えないのが。今回のメンズの好ましい点だ。
メゾンチームらとの徹底したワークショップを経てディオール・オムの伝統を生かし、自らの新しいシルエットとボリュームをも進化させたクリス・ヴァン・アッシュ。「伝統的なメンズのワードローブに遊び心を」と、素材とプリントで緻密なひねりを盛り込んだドリス・ヴァン・ノッテン。ドルチェ&ガッバーナも今回は本格的なクラシックスタイルだし、アルマーニも今回は本来の「まっとうさ」があるがままで水を得た魚のような感じだ。
目立たないこだわりといえば、かつての英国の伊達男ブランメルのダンディズムを連想させる。それがある種の「男らしさ」に通じることは事実だが、今回の2008年のこだわりはそんな大げさなものでもないし、着る側(=消費者)に負担をかけるものでもない。あえて言えば、トレンドを作ろうとしたり創造性を打ち出したりするよりも「じっくり作ってみました」という感じだ。そんなまっとうさが、なぜかとても新鮮に思える。
オートクチュールはまだ全体の感じがつかめないが、とりあえず、ジョン・ガリアーノのクリスチャン・ディオールとラクロワに心が惹かれ、それと対照的なのにシャネルが魅力的だ。分析は次回に。
23日に降った東京の事実上の初雪。観測史上でも記録的な遅さだそうだが、後でこの雪をみんなが思い出すようなことになるのだろうか? 「まっとうなことではなかった」ということで。
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登録日:2008年 01月 24日 17:21:19
回顧?で、うろたえ
【1月7日 MODE PRESS】創立10周年を迎えたヴェロニク・ブランキーノ(VERONIQUE BRANQUINHO)がベルギー・アントワープのモード・ミュージアム(ModeMuseum、MOMU)で回顧展『Moi, Veronique Branquinho, Toute Nue(ヴェロニク・ブランキーノ、ありのままの姿)』を開く。
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ヴェロニク・ブランキーノの回顧展が3月からアントワープで開かれる。ヴェロニクといえば、「若い女性の揺れ動く……」みたいなイメージをずっともち続けてきたので、回顧というには何となく違和感がある。しかし彼女を最初に見たのは、考えてみればもうずいぶん前のことだった。
まだショーなどは開いていなくて、パリのマレ地区の貸しアトリエでラフ・シモンズと一緒に展示会を開いていた。ラフの服にバイヤーから注文が入って、彼女が注文書に書き入れていた。繊細そうな美少女で、その姿がとても初々しかったのを思い出す。その時は二人についてはまだほとんど知らなかったが、ヴェロニクの服が本人とよく似た硬質で未成熟なフェミニンさを感じさせた。同時に「ひょっとするととてもセクシーなのかな」とも思った。何か話したはずだが、内容は覚えていない。
その後、パリで定期的にショーを開くようになって、たいていは見ていた。若い女性の繊細な感覚で時々の時代の気分をとらえたコレクションだった。それなりに楽しめたが、その決まった枠組みが何となく鬱陶しくなって、最近はショーをパスすることもあって彼女の服からは遠ざかってしまった感じだった。それが、突然に回顧ということで、なんだか不義理を責められたとか、うかつに時間を過ごしていることを指摘されてうろたえたりするような気分になってしまう。
機会があれば、一度系統的にじっくり見てみたいと思う。(c)UEMA
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登録日:2008年 01月 09日 18:25:35
どうせなら“能天気ウイルス”を
【パリ 5日 AFP】29日から9日間、フランス・パリ市内で08年春夏パリ・コレクションが開かれている。
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(c)AFP
08年の最初のブログです。今年もよろしくお願いいたします。
年末からかなりひどい風邪で正月はずっと寝込んでしまいました。しかしよく寝たおかげで、たまっていた疲れはかえって取れてしまった感じです。医者の話によれば、風邪で熱を出すと、体の中の老廃物や少量の悪性細胞などが燃えて体の中から出るのだとのこと。たまには風邪をひくのもいいことなのかもしれません。インフルエンザでも結果的には(死ななければ)ハッピーなのだそうです。
年末、正月も殺人や外国のテロ事件などが続き、暗いニュースばかり。さまざまな不安や敵意、憎しみなどが世界中で互いに増幅し合って、どこか得体の知れないウイルスのような苛立ちを生み出しているように思えます。そんな“苛立ちウイルス”にうっかり感染してしまうと、本当ならちょっとした体調不良なのに重い風邪になってしまいます。ワクチンは多分、冷静さと、(去年のブログの続きみたいですが)ほかの人たちとつながろうとする想像力なのではないでしょうか?
今年はもしかすると環境問題への取り組みが今までよりずっと前に進むかもしれないし、ブッシュがやめてアメリカがもうちょっとマシになるかもしれないし、日本だって政権交代が起きてやっぱり少しはマシになるかもしれません。それに夏には北京でオリンピックもあって、これもちょっとは楽しそうです。恋をしたり結婚をしたり、楽しい引越しをしたりする人もいるでしょうし、世界中で多くの人間や動物の赤ん坊も生まれます。
そんな風に楽観的に考えているときは、ウイルスも寄り付かないと思うのですが。
そういえば、ファッションの今年春夏コレクションでは、上に書いたようなことがすべてどこかに盛り込まれていました。考えてみれば、後ろ向きの暗い情念でファッションをデザインすることはほとんどあり得ないのです。ファッションはしばしば能天気だと思われがちなのですが、その論議はさて置き、どうせ感染するなら“能天気ウイルス”の方がずっといいのです。
今年もご愛読のほどお願いいたします。(c)UEMA
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登録日:2008年 01月 07日 20:35:44
ご愛読に感謝
<08年春夏パリ・コレクション>イヴ・サンローラン、新作を発表【動画】
【パリ 6日 AFP】フランス・パリ市内で10月4日、イヴ・サンローラン(Yves Saint Laurent)が08年春夏コレクションを発表した。
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(c)AFP/parismodes
ウェブサイトは1年365日、24時間休みなしのメディア。でもシフト勤務のスタッフを別にすれば、28日がとりあえず2007年の御用納め。ウエブに移ってから、以前は制約や責め苦だと思っていた「締め切り」が実は「救いの神」だったことが分かった身としては、こういう時の節目はことさらありがたく感じる。
夕べは、パキスタンのブット元首相が暗殺されたニュースが突然入ってきた。断片的な事実や前後の動き、各国の反応などのAFP電が次々と入って大わらわなのだが、やはり衝撃的なのは損壊した遺体がいくつも横たわった現場の映像だ。この人たちはどんな思いで死んで、いったいだれがそれを償えるのだろうか、と考えざるを得ないからだ。
以前読んだロシアのテロリストの話を思い出す。残虐な圧制者が乗った馬車に爆弾を投げ込もうとして、直前にその長官の息子が同乗しているのに気づいて投げられなかった。多くの民衆の悲劇とたった一人でしかも極悪人の息子の笑顔とを引き換えにしたのか?とテロリストが自問苦悩する話だった。
テロやいやだ、と素朴に思う。しかし国家とか権力が暴力を基盤としている限り、理論的には対抗措置としてのテロを一概に否定できないことも事実なのだ。
ロシアのロマンティックなテロリストを認めるか認めないかはともかくとして、ブット元首相を襲った犯人は、その後に銃口を自分に向けるという道はなかったのか? 死傷者や混乱が大きいほど政治的効果が高い、との理由で巻き添え自爆を選んだのか。多分そうなのだろうが、少なくとも、被害者への想像力を欠いたその自爆は断じて許せないと思う。
年末に妙にカタいことを書いてしまったが、いまの世の中で最も必要とされているのが「想像力」なのではないか、という気がするからだ。自分が信じていることがあって、それで実際に何かをしようとしたら、それにかかわる他者へ想像力をできるだけ働かせること。そういう意味では、テロもクリエーションも同じだ。
ファッションでいえば、今年みた新作ショーで印象に残ったのはみんな、着る側、見る側へのイマジネーションが感じられるものだった。たとえば、来年春夏のバレンシアガよりサンローランのコレクションの方がずっと心に残ったのは、クリエーションの優劣ではなくてそういう想像力の差だった。
全く勤勉ではなかったブログですが、読んでいただいた方々に心から感謝しております。AFPBB News、MODE PRESSともに今年中のご支持に深謝するとともに、08年もぜひともよろしくお願い申し上げます。
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登録日:2007年 12月 28日 17:37:24
「つながり」を求めた演奏
ほとんど偶然にという具合で夕べ、渋谷の富ヶ谷で素晴らしいジャズピアノの演奏を聴いた。イタリアのピアニスト、チェーザレ・ピッコのソロ演奏会だった。会場に着いたのが遅れて、最初はホールでマイク越しに聞こえてきて、何となくちょっと退屈しそうかも、などと思ったのだが、中に入って生の音を聴くうちにどんどん引きずり込まれてしまった。
澄んでいるのに微妙に揺れる高音。多分シャイで、「うたう」ことを抑えようとしているのに、思いの激しさがそれを裏切ってしまう、でもまあいいか……という感じ。かなりビートを利かせているのに、押し付けがましくはしたくない、との思いがにじむ低音部。そんな葛藤をはらんだ演奏が、新鮮で熱く心に響いた。もうずいぶん昔にキース・ジャレットやチック・コリアを初めて聴いた時いらいの驚きかな、と思った。
といっても、この演奏はキース・ジャレットのようにワイルドな激しさとも違うし、チック・コリアの端正な透明さとも違う。テクニックは相当高いが、人を驚かすような独創性とか演奏技術とかというわけではない。チェーザレは自分が徹底的に誠実であることによって、聴く側の人々とのつながりを求めている、という気がした。
彼の意図とはちょっと外れるかもしれないけれど、だから新鮮で驚いてしまったのだ。ファッションの世界でもそうだし、アートでも、メディアの世界でも、どんな優れたクリエーションだったとしても作り手が一方的に送りつける時代は終わろうとしているのではないか。チェーザレの演奏はそんなことを思わせた。
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登録日:2007年 12月 26日 19:23:04
最高のクリスマスプレゼント
【12月25日 上間常正】クリスマスの25日、「笑顔」をテーマにしたキッズ・ファッションショーが東京・中目黒のホールで開かれた。
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小児がんと闘う子供たちがモデルで登場するキッズファッションショーを見た。楽しくて、切なくて、心の中で泣けてくるようなショーだった。
登場したのは、がんと闘ったか、またはきょうだいをがんで奪われた子たち。おそらく想像を絶するような苦しい痛みや不安を経てきたはずなのに、みんなそんなことを感じさせない快活さや、子供らしいはにかみと大胆さの入り混じった笑顔でモデル役を楽しんでいた。
■がんと戦う子供たち
胃がんで手術を受けた身としては全く他人事でなかったのだが、子供のがんは大人とは違う。主治医に言われたのは、がんは「要するに老人病だ」で、ストレスの蓄積や老化による免疫力の低下によって起きるのだという。50歳も過ぎれば「まあ仕方もないか」とも思えるのだが、子供ではそうはいかない。周囲の者も大変だが、それを受け止める子自身にとってはそれがどんなに恐ろしいことなのか想像もつかないくらいだ。
闘病中の学校の問題や、家族の苦労もある。またいったん直った後も、学校でのいじめや就職、結婚などでの偏見や差別などの困難が待ち構えているのだという。
■レベルの高いおしゃれなショー
そんな子たちが、自分でモデルに応募して、服を選んでコーディネートもして舞台で見せた笑顔だった。しかも、それは単なるチャリティーショーなどといったものでは全然なくて、日本の子供服のレベルの高さを示すおしゃれなショーだった。子供たちはみんな例外なく、とても美しく見えた。
だからこのショーは、見た人たちにとってもかけがえのないクリスマスの素敵なプレゼントだったのだ。(c)UEMA
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登録日:2007年 12月 26日 19:00:30
マーク・ジェイコブスのすごさ
<08年春夏パリ・コレクション>ルイ・ヴィトン、新作を発表【動画】
【パリ 9日 AFP】フランス・パリ市内で10月7日、ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)が08年春夏コレクションを発表した。
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(c)AFP/parismodes
南青山のブティックで開かれたマーク・ジェイコブスの08年春夏の新作コレクションの展示会に出かけた。実物を見るのは初めてなので、気がついたのは、今回の服作りの基本的な考え方はルイ・ヴィトンと同じということだった。同じデザイナーなのだから考えてみれば当たり前なのかもしれないが、今回の共通点は色・形よりももっと深いところにある。
■リチャード・プリンスとのコラボ
マークは今回、ルイ・ヴィトンで米国のアーティスト、リチャード・プリンスとのコラボレーションを明らかにしている。この作家がすごいのは、作品としての出来不出来はともかく、手法が徹底的にラディカルでスキャンダラスだからだ。彼は写真の映像としてのオリジナリティーを否定して、すでにある写真を撮った写真を使って聖域なきスキャンダラスな題材に切り込んだ。コラージュをしたり、過激な言葉をつらねたりしながら。
複製技術や情報の伝達手段の発達があまりに行き渡ってしまった現代では、もはやどんな写真を撮っても「どこかで同じような場面や写真を見た気がする」というデジャ・ヴュー感をぬぐえない。そんな状況で、あえてオリジナリティーを主張しても大して意味がない。それよりも、オリジナルなクリエーションというもの自体が、それによってアートは進歩するという近現代の進歩思想を担ってきたのではないか?
■いわゆるポップな手法
リチャード・プリンスの動機は多分そんな感じだと思う。だから今ではもう嘘っぽいオリジナリティーを主張して進歩に加担するよりも、どこにでもある物をミックスしてみればいい。自分らしさがちょっとでも出て、そのことでミックスしたものが既存イメージを少し変えることができれば、それがいいのだ。
これは別に目新しいことではなくて、いわゆるポップな手法というのは本当はみんなそこに行き着くはずだった。ファッションの世界でもかなり先駆けてやっていたはずなのに、しかし現実では決してそうなってはいなかった。本当の新しさを生み出すのはオリジナルなクリエーションだと、デザイナーたちはポップをやりながら心の底ではそう思っていて、なんとなくニヒルに商業主義に迎合してきてしまったのだろう。
■どうせなら美しい方がいい
マークはひょっとすると、そんな自分の不甲斐なさにいらだっていたのかもしれない。深いスリットやフロントとは脈略のつかないベアバック、ナボコフの「ロリータ」のような二面的な少女趣味などは、マークがプリンスを選んだことの意味を記号的に暗示しているように思えた。
ただしマークがすごいのは、自身のブランドでもルイ・ヴィトンでも申し分ないほどかわいくてきれいな服やバッグにしてしまうこと。アートなら最初はいくら汚くても、またはそのまま汚くてもいいかもしれないし、優れた作品なら後世の人が美しいと認めるかもしれないのだが、ファッションはそうではない。始めから美しいことが望まれるし、どうせなら美しい方がいいに決まっているからだ。(c)UEMA
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登録日:2007年 12月 18日 18:14:54
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