2007年 10月 15日

嗚呼、海外出張~ミラノ・パリコレで考える

<08年春夏パリ・コレクション>コレクション速報第8弾

【パリ 8日 上間常正】08年春夏パリ・コレクションは7日に最終日を迎え、ルイ・ヴィトンやランバン、ミュウミュウなど11ブランドのショーが開かれて閉幕した。
≫続きを読む…

AFPBB News


 今回の出張では、飛行機のトラブルにいくつか見舞われた。予約した便に乗れる、ラゲッジが一緒に届く、そんな当たり前のことが、外国の航空会社はどうしてできないのか?と不思議に思う。行きの便はKLMのアムステルダム経由だったが、ミラノでトランクが出てこなかった。パリ・コレの翌日にヴェニスに向かったときは、オーバーブッキングで一便遅れた。最後にパリから成田に帰るときも、ビジネスクラスがオーバーセリングだったらしく、場合によってはエコノミー席になるかもしれないと言われてうんざりした。


 こんなトラブルは文句を言えばそれなりに何とかなる。しかし、もっとうんざりしてかつ情けなかったのは円安ユーロ高の現実だった。ユーロがスタートしたころと比べると、実感として物価は2倍になってしまった。滞在費のことを考えると、どうしても財布のヒモが固くなる。外国に出ると、前よりずっと貧乏になってしまった感じなのだ。それに比して、最近はウォン高らしく、パリのブランド店などでは韓国の人たちの姿が目立った。


 日本経済がヨーロッパや韓国と比べて特に不調だとは思えない。おそらくこれは、輸出によって景気を浮揚させようとした円安誘導策のせいなのだろう。しかしトヨタやソニーがいくら利益を上げても国民には還元されず、利益はたとえば米国債などにつぎ込まれて実際にそのお金を使うのはアメリカ人だったりするのだ。大部分の日本国民にとっては輸入品が割高になり、外国に行くとみじめな思いをすることにしかならない。こんなことを一体だれが許したのか、と憤りに絶えないのだが……。


 パリやミラノのファッションブランドにとっても、このユーロ高は商売に差し障るのではないかと思う。日本マーケットが萎縮しきらないうちに、何とか日本の一般消費者との共闘ができないか? そんな気がするのだが、もう日本はどうでもよくて、中国やロシア、インドの新マーケットの方が大事になりつつあるのかもしれない。コレクション会場の顔ぶれを見ていると、それも事実なのかもしれないとも思った。

コメント[1], トラックバック[0]
登録日:2007年 10月 15日 18:53:15

パリコレ最終日を振り返る

<08年春夏パリ・コレクション>オリヴィエ・ティスケンス、ニナ・リッチ新作を語る【動画】

【パリ 10日 AFP】フランス・パリ市内で10月7日、ニナ・リッチ(NINA RICCI)が08年春夏コレクションを発表した。
≫続きを読む…
(c)AFP/parismodes

AFPBB News


 パリ・コレ最終日の10月7日は、今シーズンの傾向を代表するような力作ぞろいだった。

 フィナーレを飾ったルイ・ヴィトンは、マーク・ジェイコブス本来の毒がきいていて楽しめた。ここ数年は隠し味として留めていたダークな部分への感性や反抗精神などが、リチャード・プリンスとのコラボで前面に出た、という感じだ。リチャード・プリンスといえば、既存の写真を写真に撮ることで現実の題材と写真の関係を打ち壊してしまったアーティストだ。題材としても、時代の暗部に切り込むようなスキャンダラスな領域に踏み込んでいる。

 ポップアートの世界でやられていることを、マークは服の表現で試みようとしたようだ。
透ける制服を着た娼婦のような看護婦や、前から見ると普通にかわいいのに後ろは下着が丸見えの服。そんな表現をルイ・ヴィトンの新作として通用させるのは、かなり大変だったに違いない。いわゆる前衛的なデザインということであれば、この程度の露出などはこれまでにいくらでもあった。

 しかしマークはポップアートの手法の一つひとつを、ヴィトンの伝統やコマーシャリズムの制約の中でていねいに翻訳し直している。そんな努力と意気込みが伝わるショーだった。
 

 ニナ・リッチのオリヴィエ・テイスケンスも、今回は彼本来のダークなものへテーストを表してしまったようだ。といっても、こちらはNYの都会風なポップではなくて、フランドルの森のゴシックな感性といったようなものが下敷きになっている。それが、たとえばアメリカ先住民のようなスタイルの表現になったのだろう。ショーの後のインタビューでオリヴィエは、一般受けするような適当なことを話している。しかしあれはダークな毒を少しでも和らげようとした配慮に違いない。


 ミュウミュウの、身体表現をテーマにしたミックス感覚も面白かった。たいていのポップアートは同時代のものを混ぜるのだが、このコレクションでは時代の異なる題材がミックスされていた。しかもその結果できた服の造形はシンプルで緊張感に満ちていた。プラダのファンタジックでナチュラルなデザインをやった後でこれだけのコレクションを作ったミウッチャの力量と意欲にはいまさらながら感心させられた。

コメント[0], トラックバック[0]
登録日:2007年 10月 15日 18:50:27

カレンダー
< 2007年 10月 >

1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31


プロフィール
上間常正
上間常正
(男)
最近のコメント
[02/18] ■さようなら、ではなくて akiko ichikawa
[01/06] 最高のクリスマスプレゼント azumi
[12/13] 展示会シーズン到来 akiko ichikawa
[12/13] 展示会シーズン到来 akiko ichikawa
[11/17] 嗚呼、海外出張~ミラノ・パリコレで考える yuko
[10/06] パリコレ4日目 8のボトム或いは10のシャツ
[07/26] 伊勢丹食品売り場の新しさ hiroki☆
[06/21] はじめまして hashinaga
最近のトラックバック
カテゴリー
お気に入りリンク
検索