2007年 12月 26日

「つながり」を求めた演奏

 ほとんど偶然にという具合で夕べ、渋谷の富ヶ谷で素晴らしいジャズピアノの演奏を聴いた。イタリアのピアニスト、チェーザレ・ピッコのソロ演奏会だった。会場に着いたのが遅れて、最初はホールでマイク越しに聞こえてきて、何となくちょっと退屈しそうかも、などと思ったのだが、中に入って生の音を聴くうちにどんどん引きずり込まれてしまった。

 澄んでいるのに微妙に揺れる高音。多分シャイで、「うたう」ことを抑えようとしているのに、思いの激しさがそれを裏切ってしまう、でもまあいいか……という感じ。かなりビートを利かせているのに、押し付けがましくはしたくない、との思いがにじむ低音部。そんな葛藤をはらんだ演奏が、新鮮で熱く心に響いた。もうずいぶん昔にキース・ジャレットやチック・コリアを初めて聴いた時いらいの驚きかな、と思った。

 といっても、この演奏はキース・ジャレットのようにワイルドな激しさとも違うし、チック・コリアの端正な透明さとも違う。テクニックは相当高いが、人を驚かすような独創性とか演奏技術とかというわけではない。チェーザレは自分が徹底的に誠実であることによって、聴く側の人々とのつながりを求めている、という気がした。

 彼の意図とはちょっと外れるかもしれないけれど、だから新鮮で驚いてしまったのだ。ファッションの世界でもそうだし、アートでも、メディアの世界でも、どんな優れたクリエーションだったとしても作り手が一方的に送りつける時代は終わろうとしているのではないか。チェーザレの演奏はそんなことを思わせた。

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登録日:2007年 12月 26日 19:23:04

最高のクリスマスプレゼント

がんと闘った子供たち、「笑顔」をテーマにファッションショー

【12月25日 上間常正】クリスマスの25日、「笑顔」をテーマにしたキッズ・ファッションショーが東京・中目黒のホールで開かれた。
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AFPBB News


小児がんと闘う子供たちがモデルで登場するキッズファッションショーを見た。楽しくて、切なくて、心の中で泣けてくるようなショーだった。

 登場したのは、がんと闘ったか、またはきょうだいをがんで奪われた子たち。おそらく想像を絶するような苦しい痛みや不安を経てきたはずなのに、みんなそんなことを感じさせない快活さや、子供らしいはにかみと大胆さの入り混じった笑顔でモデル役を楽しんでいた。

■がんと戦う子供たち

 胃がんで手術を受けた身としては全く他人事でなかったのだが、子供のがんは大人とは違う。主治医に言われたのは、がんは「要するに老人病だ」で、ストレスの蓄積や老化による免疫力の低下によって起きるのだという。50歳も過ぎれば「まあ仕方もないか」とも思えるのだが、子供ではそうはいかない。周囲の者も大変だが、それを受け止める子自身にとってはそれがどんなに恐ろしいことなのか想像もつかないくらいだ。

 闘病中の学校の問題や、家族の苦労もある。またいったん直った後も、学校でのいじめや就職、結婚などでの偏見や差別などの困難が待ち構えているのだという。

■レベルの高いおしゃれなショー

 そんな子たちが、自分でモデルに応募して、服を選んでコーディネートもして舞台で見せた笑顔だった。しかも、それは単なるチャリティーショーなどといったものでは全然なくて、日本の子供服のレベルの高さを示すおしゃれなショーだった。子供たちはみんな例外なく、とても美しく見えた。

 だからこのショーは、見た人たちにとってもかけがえのないクリスマスの素敵なプレゼントだったのだ。(c)UEMA

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登録日:2007年 12月 26日 19:00:30

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