2008年 02月

■さようなら、ではなくて

 寒さもあと少し、という時期になりました。やや唐突ではありますが、この15日でAFPBB Newsを去ることになりました。健康上の問題などいくつかのことが急に重なったためです。


 新聞からネットに移っての1年間でしたが、とても新鮮で刺激に満ちた世界でした。活字媒体では考えられないようなさまざまな可能性があり、同時に急激に変化しつつあるのでまだ何が起きているのかみんなよく分かりかねている世界でもあるようです。ジャーナリストはこうした変化には特に敏感であらねばならないと思うのですが、自らの足元であるメディアの世界のことなのでかえって見えにくいのかもしれません。それがジャーナリストの欠陥であることが多いので、今後とも厳しく自戒していこうと思っています。


 1日の休みもなく、24時間中、世界各地のAFP支局から寄せられるニュース、オフィスの中で飛び交う英語と日本語。時々、というよりしょっちゅう起きるシステム上のトラブル。ウエブメディアの現場はなかなか過酷な職場です。しかし、AFPBBニュースのメンバーたちはそんな状況の中でがんばっています。ウエブ時代のメディアは前例なしのやり方を模索し続けなくてはならないのですが、やはり一番大切なことはニュース内容の質を高めることで、そのための努力を惜しんではならないからです


 特に「MODE PRESS」は、世界的にも前例が少ないのでスタッフの創意工夫が必要です。編集部による独自取材の記事も多くて、やりがいのある魅力的な職場です。今後ともぜひご愛読のほどお願いいたします。私事ですが、この後しばらくは文化女子大学で教鞭をとりながら、フリーの立場でジャーナリスト活動も続けていく予定です。

 AFPはフランスの通信社なので、最後のご挨拶はフランス語で。
  Adieu じゃなくて、A tres bientot!

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登録日:2008年 02月 15日 19:30:47

ロジェ・ヴィヴィエの思い出

ロジェ・ヴィヴィエの新作エキシビション、リステア ミッドタウンで3月中旬まで

【2月14日 MODE PRESS】パリの高級靴ブランド、ロジェ・ヴィヴィエ(Roger Vivier)の春夏新作エキシビションが東京・六本木のリステア ミッドタウン(RESTIR)で開かれている。
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AFPBB News


ロジェ・ヴィヴィエの08年春夏新作の展示記念パーティーが東京ミッドタウンのリステアで開かれた。ここで扱うことになったためだが、ファンにとっては嬉しいニュースだろう。パリや香港に行かなければ買えないというのは、ちょっと情けないことだっただろうから。

 靴はもちろんのこと、バッグやアクセサリー類もこのブランドらしいセンスが行き届いていて、女性ならずともその美しさに惹かれる思いがした。靴の魅力は一種の象徴的な曲線と、素材のバランス感覚にある。ヴィヴィエのファンだったというイネスの姿を見ていて、もう10年以上も前に東京でインタビューしたロジェ・ヴィヴィエ氏のことがはっきり浮かんできた。

 確かもう90歳近かったはずだが、彼はとても元気で変な色気もまだたっぷりあった。あの靴の美しい曲線は、靴を嘗め尽くすようなデザイナーの視線が必要なのだな、とつくずく感じさせられたものだった。インタビューの途中で彼が突然黙り込んで、どうしたのかと戸惑っていたら、「いま靴のアイデアが浮かんでしまったのだよ」と言って、スタッフに鉛筆をもってこさせた。

 あの時、彼が描いたスケッチは記念にいただいた。いまも、私の机の資料の奥深くに眠っているはずだ。インタビューの最後に、オフレコでもいいのでと前置きして、「あなたの靴が一番似合う女性はだれだった?」と聞いた。

 彼はちょっといたずらっぽい笑みを浮かべて、小声で答えた。「マレーネ・ディートリッヒ」。そして付け加えた。「そりゃあ、ダントツにきれいだった」

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登録日:2008年 02月 14日 14:59:29

「まとも」が毒? 08年春夏パリ・オートクチュール

【動画】ガリアーノが語る、クリスチャン・ディオール08年春夏オートクチュール・コレクション

【1月23日 AFP】1月21日から4日間、フランス・パリ市内で08年春夏パリ・オートクチュールコレクションが開かれている。
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(c)AFP/parismodes

AFPBB News


 パリのオートクチュールはとりわけのトレンドや新味があったわけではないようだが、08年のメンズと連動したニュアンスが色濃く感じられた。今月から始まったニューヨークの08年秋冬コレクションでも同じ感じを受ける。メンズで書いたが、一言でいうと「まっとうな服」という印象だ。

 オートクチュールでは、例えばクリスチャン・ディオールは豊かなインスピレーションを感じさせたが、服は決しておおげさではなかった。象徴派の絵やボードレールの「悪の華」などをモチーフにして、ジョン・ガリアーノは時代への漠とした不安にとらわれた人間の夢や神秘的なものへの想いを語ろうとしたようだ。ディテールはさまざまなイマジネーションを込めたように複雑だ。しかし、90年代の彼のどう着るのか想像もできないほど破天荒だったデザインと比べると、見た目にはとてもシンプルで着やすそうな服に見える。

 シャネルの深海の貝をモチーフにした、モノトーンで微妙な造形の服も神秘性とシンプルさが絶妙に並存した印象を受けた。ディオールもそうだが、今回の新作はこのブランドがもつ豊富な伝統的クチュール技術の持ち味がより大きな役割を果たしているように見える。なんだか懐かしくて、着心地よさそうに見えるのも、そのせいなのかもしれない。

 いま自分が考えていることをきちんと考え抜いて、それを伝えるために精一杯努力して、かかわっている人たちと最大限協力しあうこと。なにが正解なのか、それが人に結果として理解してもらえるかは分からないが、そういうのが「まとも」ということなのではないだろうか。

 ファッションはどちらかといえば「まとも」でないことが多くて、むしろそうだからこそ時代への敏感な批評を込めた毒があった。しかし逆に、まともなことがそんな「毒」になることもあり得る。そんな時代が始まったのかもしれない。(c)UEMA

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登録日:2008年 02月 08日 17:29:48

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