ご愛読に感謝

 ウェブサイトは1年365日、24時間休みなしのメディア。でもシフト勤務のスタッフを別にすれば、28日がとりあえず2007年の御用納め。ウエブに移ってから、以前は制約や責め苦だと思っていた「締め切り」が実は「救いの神」だったことが分かった身としては、こういう時の節目はことさらありがたく感じる。


 夕べは、パキスタンのブット元首相が暗殺されたニュースが突然入ってきた。断片的な事実や前後の動き、各国の反応などのAFP電が次々と入って大わらわなのだが、やはり衝撃的なのは損壊した遺体がいくつも横たわった現場の映像だ。この人たちはどんな思いで死んで、いったいだれがそれを償えるのだろうか、と考えざるを得ないからだ。


 以前読んだロシアのテロリストの話を思い出す。残虐な圧制者が乗った馬車に爆弾を投げ込もうとして、直前にその長官の息子が同乗しているのに気づいて投げられなかった。多くの民衆の悲劇とたった一人でしかも極悪人の息子の笑顔とを引き換えにしたのか?とテロリストが自問苦悩する話だった。

 テロやいやだ、と素朴に思う。しかし国家とか権力が暴力を基盤としている限り、理論的には対抗措置としてのテロを一概に否定できないことも事実なのだ。


 ロシアのロマンティックなテロリストを認めるか認めないかはともかくとして、ブット元首相を襲った犯人は、その後に銃口を自分に向けるという道はなかったのか? 死傷者や混乱が大きいほど政治的効果が高い、との理由で巻き添え自爆を選んだのか。多分そうなのだろうが、少なくとも、被害者への想像力を欠いたその自爆は断じて許せないと思う。


 年末に妙にカタいことを書いてしまったが、いまの世の中で最も必要とされているのが「想像力」なのではないか、という気がするからだ。自分が信じていることがあって、それで実際に何かをしようとしたら、それにかかわる他者へ想像力をできるだけ働かせること。そういう意味では、テロもクリエーションも同じだ。

 ファッションでいえば、今年みた新作ショーで印象に残ったのはみんな、着る側、見る側へのイマジネーションが感じられるものだった。たとえば、来年春夏のバレンシアガよりサンローランのコレクションの方がずっと心に残ったのは、クリエーションの優劣ではなくてそういう想像力の差だった。

 全く勤勉ではなかったブログですが、読んでいただいた方々に心から感謝しております。AFPBB News、MODE PRESSともに今年中のご支持に深謝するとともに、08年もぜひともよろしくお願い申し上げます。

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登録日:2007年 12月 28日 17:37:24

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