●マンネリの極み・・ニッポンの国際報道

ーー(点線)以下は日経記事。
この日経記事に限らない。首相が米国に行くとマスコミはこぞって「ファーストネームだった」だの「肩を抱いた」だのと大騒ぎをする。あほじゃないか?米国人の行動様式をしっていれば何もニュースにならない。
大統領の 「フツーの米国人のフツーのしぐさ」をわが総理に対する「米国大統領の特別の親愛の表れ」だと書き立てる習慣はやめよう。なんか、「ウチんとこの村の酋長が女王陛下に会ったらやさしくしてもらったぞ・・」「村人一同、涙にむせぶ」みたいな気色悪さがある(大げさだが)。ちなみに途上国の改革エリートは自国メディアのこの種の表現には批判的だ。国民の植民地根性を無意識のうちに再生産するからだ。日本も軍事上は事実上の米国の植民地・・それが得という現実もあるが・・。自律した国家を目指すならメディアもこの種のマンネリ記事から卒業してほしい。
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「バラク」「ユキオ」ファーストネーム呼び合う 日米首脳
 鳩山由紀夫首相とオバマ米大統領は24日夜(日本時間25日午前)の主要20カ国・地域(G20)首脳会議の夕食会で「ユキオ」「バラク」とお互いをファーストネームで呼び合った。23日のニューヨークでの首脳会談では控室で待つ首相を、大統領がわざわざ出迎えに来る一幕もあり、「信頼醸成」を印象付けた。
 ただ、大統領は時々「ユキオ・ハトヤマ」とフルネームで呼びかける場面もあるという。首相周辺からは「『ユキオ』は言いにくいのかな」との声も漏れている。
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 厳密にいうとこの記事はニュースの捏造にすら近い。なぜなら、
1.米国人は賓客を気軽にファーストネームで呼ぶ。今後も付き合うのだからファーストネームで呼ばなかったら大ニュースである。その意味では妙な解説&見出しだ。
 いまどきファーストネーム=親友という間違った公式を駐在記者が信じているはずはないだろう。だとしたら見出しをつける整理部の時代錯誤か
2.控え室で待つ客を呼びに来る・・これも米国人の行動形式に照らして当たり前。なぜこれで「信頼醸成」が印象付けられるのか?安易かつ根拠レスな憶測。

●揚げ足取りはこの程度にしておく。この記事に特段の意図があるとは思わない。新任首相の動勢の和やかな現地報告記事なのだから。しかし、いいたいのは米国人の普通の行動様式を「特別な親愛の情」の表れだと報道する姿勢のおかしさである。国際感覚がなさ過ぎる、そして読者に対する先ほどの植民地根性のインプリンティングの問題・・。
 この問題は日経新聞に限らない。僕は毎週、ひいひい言いながらTHE ECONOMISTを読んでいる(とても毎週全部は読みきれないし欧米中心主義のバイアスも感じるのだが)がそれに照らすと日本の海外ニュースは感覚的に世界からずれ、かつ最近は遅れてもいる。マスコミの経営改革が必要と直感する事例である。

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登録日:2009年 09月 27日 06:28:14

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プロフィール
上山信一
(男)
慶應大学総合政策学部教授。大阪市生まれ54歳。専門は企業・行政機関の経営戦略と組織改革。都市・地域再生も手がける。旧運輸省、マッキンゼー共同経営者等を経て現職。国交省政策評価会(座長)、大阪府と大阪市の特別顧問、新潟市都市政策研究所長、日本公共政策学会理事、各種企業・行政機関の顧問や委員等を兼務。府立豊中高、京大法、米プリンストン大学修士。著作等 ツイッター@ShinichiUeyama
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