●がんばる商店街その4:金沢市堅町商店街 7/23

金沢市竪町は、17世紀以来の古い歴史を誇る商店街だ。アーケードはなく、明るくデザイン性の高い店舗が立ち並ぶ。かつては、生鮮食料品や日用品など生活密着型の店がある普通の商店街だった。が、昭和50年代後半の郊外型スーパーの出店を契機にファッションの街に変身した。とくに若い女性向けのファッション店でにぎわい、いまや北陸地方の原宿的存在である。
転換の秘密はエリアマネジメントである。振興会組合理事長のはこう語る。「スーパーとどうやって差別化するかを考えた末、若者の街というイメージ、ファッションの街というイメージで、商店街全体を統一した。若者に絞ったのは、購買意欲が旺盛であるし、5年先、10年先を考えても魅力ある客層だから」。
 竪町には190軒の店舗があり7割がファッション店だ。竪町だけで扱うブランドやここの店のオリジナル商品もあって竪町に来ないと買えない商品がたくさんある。北陸3県から多くの若者を集客する
 竪町にはいま空き店舗が1つもない。それどころか、出店ウェーティングが後を絶たない。安定飽和状態ではなく、年間20店舗ほどが入れ替わる。新しい時代の動きに対応できる感度のよい店、人気のある店だけが生き残っていける。
 これだけのことをやるのはなかなかたいへんで強力なリーダーシップが必要である。
 海外にはBID(Business Improvement District)制度がある。これは地域の街並みや緑を保全し地域の価値を上げるために、住民が自主的にお金を出し合ってつくる、いわば一種の組合である。組合は強制力をもち、たとえば景観にそぐわない建物を排除させたり、ペンキの塗り替えなどについてもいちいちチェックしたりする。商店街の場合、雰囲気に合わない業種やシャッターを下ろすことを規制したりする。この種のマネジメントのしくみがいままで日本にはあまりなかった。大昔は隣近所のことを思いやってなんとなくお互いがバランスを取り合っていたが、最近は個々の店の事情で周りを意識しないようになってしまった。私権制限ということが最近、日本で話題になっているが、民主主義というのはつねに何でも自由というわけではないだろう。自由を維持するためには規制が必要であり、商店街の活性化のためにもこの種の規制が必要なのかもしれない。

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登録日:2006年 07月 23日 00:59:20

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プロフィール
上山信一
(男)
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慶應義塾大学総合政策学部教授、改革コンサルタント。専門は大企業・行政・NPO等の経営刷新。近年は地域再生も手がける。大学では「経営戦略」「公共政策」等を教える。旧運輸省、マッキンゼー共同経営者等を経て現職。大阪市生まれ。50歳。中央省庁・自治体の各種委員、企業顧問等を兼務。京大法、米プリンストン大修士。趣味は登山、鉄道、料理。メール:ueyama@pm-forum.org
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