●橋下改革2年を振り返る

以下は読売
こう見る 橋下府政2年<上>
 6日に任期の折り返しを迎える橋下知事。2年間の府政運営をどう見るか。有識者や政治家らに聞いた。

◇「府庁の外」再生に力 <上山信一さん 慶応大教授、府特別顧問>
上山信一さん ――2年間の府政運営は。
 知事は本質的な課題のとらえ方が早い。府には金がなく、普通に行政改革をやってもダメなことにすぐ気が付いた。だから府庁の中より府庁の外の再生が必要と、国内総生産(GDP)を増やすことや、教育水準を上げることを考えた。学力テスト開示や伊丹(大阪)空港廃止に取り組むのは、そういう背景がある。

 ――府と大阪市の連携は簡単ではない。一方で、知事は府市再編を打ち出した。

 府市連携は、昔からずっと言われ続けてきた課題。知事も難しいことは十分わかっていたと思う。水道や府立・市立大の統合などは、100のうち10とか5とか少し動いたが、逆に限界も見えた。市が乗ってこないことがわかったから、次のステップ(府市再編)に行くしかないことが、はっきりしたのではないか。

 ――改善すべき点は。

 伊丹廃港などは、もう少し説明する必要がある。府民は、大阪経済が活性化しないと、暮らしの水準が下がることがよくわからないし、空港が経済発展の道具というイメージもない。空港が物流基地や産業基盤であることや、関空を育てる必要性などをもっと府民に説明しなければならない。

 ――支持率は高い。

 ただ、支持の半分ぐらいは「知事が言うから、まあいいか」という感じだろう。しかし、「知事が言うから」と、何でも対応していると、権力は必ず腐敗する。健全な監視の目が必要だ。

◇「出る杭」の姿勢応援 <原口一博総務相 民主党衆院議員、佐賀1区> 

 ――政府の地域主権戦略会議のメンバーにも選んだが、橋下知事の評価は。



原口一博総務相 変革は政府だけではできず、地域主権の先頭に立つパートナーが必要だ。橋下知事は、因習にとらわれない広い視野を持っている。例えば国直轄事業負担金の問題も、指摘すれば大阪府の予算が減らされるかもしれないのに、あえて廃止を訴えた。有言実行の強いリーダーだ。

 ――知事の発信力は。

 非常に強い。それは自分を安全地帯に置いて、批判だけをする人ではないから。むしろ大事なことだと思えば、自分から率先して危険地帯の中に飛び込んでいく。そういうところが共感を呼ぶのだろう。

 ――支持率も高い。

 視野が広くダイナミック。内向きで、お互いに足を引っ張り合うような政治に飽き飽きしている人もスカッとするのだと思う。「出る杭(くい)は打たれる」と言うが、あそこまで出ると「行くところまで行って下さい」という気持ちになる。

 ――知事は、府と大阪市の解体・再編構想を打ち出した。

 僕が出しゃばることではない。だが、大阪は、最も潜在能力が高く、成長が見込める有力な場所。大阪の良さは、自分の地域、文化に対する強烈な誇りとこだわりだ。地域に対する愛情のないところに発展する芽はない。大阪の事を東京(霞が関)に決めさせてはいけない。

(2010年2月4日 読売新聞)

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登録日:2010年 02月 04日 12:32:54

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プロフィール
上山信一
(男)
慶應大学総合政策学部教授。大阪市生まれ54歳。専門は企業・行政機関の経営戦略と組織改革。都市・地域再生も手がける。旧運輸省、マッキンゼー共同経営者等を経て現職。国交省政策評価会(座長)、大阪府と大阪市の特別顧問、新潟市都市政策研究所長、日本公共政策学会理事、各種企業・行政機関の顧問や委員等を兼務。府立豊中高、京大法、米プリンストン大学修士。著作等 ツイッター@ShinichiUeyama
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