●商店街問題を考える(2) 8/23

レトロな昭和の街並みを再現した商店街が全国各地で人気を集めている。売り手と買い手が楽しく雑談をしtつつ買い物を楽しむ。コミュニケーションの場として商店街を捉え直せる。世智辛い今の世の中で人々は楽しい空間、人と人のふれあいの場を求めている。商店街はそうした公共空間のひとつだ。
但し、商店街の公共性は行政が率先して担保すべきでない。補助金政策で実現すべきものでもない。商店街の「公共性」は地域の人たち、つまり売主のみならず買い主や地域住民も含めた人たちで支える。
 例えばイベントを楽しんだお礼のしるしに商店街で何か買って帰る。お米はどうせどこかで買う。ならば“自分たちの”商店街で買う。社会貢献的な消費者側からの意思表示だ。 
 すでに先例がある。フェア・トレードや「社会的責任投資」(SRIC(Socially Responsible Investment))だ。
 前者は例えばブラジルのコーヒー豆を買うときにあえて割高の無農薬のものを買うといった行動を指す。後者の「社会的責任投資」とは社会的に良いことをしている企業の株に優先的に投資する行動をいう。例えば一部の証券会社がエコ・ファンド(環境にやさしい会社の株を集めた投資信託)、あるいはファミリー・フレンドリー・ファンド(同じく社員の子育てなどを支援する企業を対象とする)といった投資信託を発売している。どうせ投資するなら社会貢献する企業に優先的に投資するというものだ。
フェア・トレードや社会的責任投資の仕組みは商店街の支援にも使える。商店街の支援は今まで行政任せだった。そして行政は産業振興の観点から税金を使った補助政策をとってきた。これからはむしろ地域の人びとが自らの意思で支援していく。その際には商店街の人たちだけでなく買い手や近隣住民も参加する。お客も公共空間の維持のためと自覚してものを買ったりボランティアで店を手伝う。商店街を本格再生させるには地域ぐるみの支援環境づくり必要だ。
 中核にいるのはもちろんやる気のある店主である。そして次には彼(彼女)の努力をいち早く認め評価するお客である。両者が意気投合し、それに近隣の住民や行政機関への共感、支援の輪が広がっていく。やがて商店街は再生する。そして地域も再生する。

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登録日:2006年 08月 24日 00:02:00

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プロフィール
上山信一
(男)
http://www.pm-forum.org/ueyama/
慶應義塾大学総合政策学部教授、改革コンサルタント。専門は大企業・行政・NPO等の経営刷新。近年は地域再生も手がける。大学では「経営戦略」「公共政策」等を教える。旧運輸省、マッキンゼー共同経営者等を経て現職。大阪市生まれ。50歳。中央省庁・自治体の各種委員、企業顧問等を兼務。京大法、米プリンストン大修士。趣味は登山、鉄道、料理。メール:ueyama@pm-forum.org
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