2007年 10月

●11月10日講演@名古屋 on NPO経営

市民フォーラム21・NPOセンター 設立10周年記念行事のご案内
シンポジウム NPOは公の担い手になれるか、これからの10年に向けて
成果を生み出すNPO活動 ~助成金をどのように活かすか~
11月10日(土) 13時~17時30分 マナハウス(名古屋)
□基調講演[第1部]
成果志向のNPO経営 ―評価とコミュニケーション―
上山 信一氏(慶應義塾大学総合政策学部教授)
 NPOが公共の担い手になるためには、実力をつけ、成果を出すことが問われてきます。「組織が成果を出す」とはどういうことなのか。企業改革・行政改革の経験をもとにお話いただきます。
□報告・パネルディスカッション[第2部]
「NPOを活かす助成金とは」他
山岡 義典氏(法政大学現代福祉学部教授)
 実際の助成事例を助成担当者と助成を受けた団体双方の視点で報告を行うと共に、「NPOを活かす助成金とは」をテーマにパネルディスカッションを行います。
□ワークショップ[第3部]
NPOの成果のあり方を問う ~ミッションと活動を結ぶロジックモデル
松本 美穂(市民フォーラムNPOセンター事務局次長)
 活動の「見える化」をはかり、ミッションへの長期的視野を持って成果を生み出していくために、ワークショップでロジックモデルの手法を実践します。
※第2部と第3部の間に、名刺交換会を行います。
・主 催:NPO支援財団研究会、特定非営利活動法人 市民フォーラム21・NPOセンター
・申込先:市民フォーラム21(水谷) 052-586-1154mizutani@sf21npo.gr.jp

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登録日:2007年 10月 27日 09:31:58

●福井のすごさと大阪のきびしい現実(学力テスト)

以下はサンケイ新聞だが全国学力テストで福井がトップ、大阪が最下位層というのは残念ながら実感にあう(大阪出身者としてはきわめて心苦しいが)。ずばり言ってしまえばおそらくたぶん学力は親の意識やモラルに比例する・・。福井は県民別の満足度比較でもトップ。女性の就労率も高く、犯罪も少ない。いわば日本のスカンジナビア。それにひきかえ大阪は気さくなだけで・・・。最下位層を脱するには数年かけた総力戦が必要になるだろう。
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小学6年と中学3年の原則全員を対象に実施した43年ぶりの全国学力テストの結果が24日、文部科学省から公表された。小学校では秋田、中学では福井や富山などが高かった一方、沖縄や大阪などは低かった。大阪は小・中学校ともに全国平均を下回り、産経新聞社集計の都道府県別(公立のみ)ではいずれも45番目だった。(中略)
 都道府県別の正答率では、大半が平均の上下5ポイントの幅に収まり、昭和30年代の調査に比べ、地域間格差が縮小し、その後の義務教育が格差是正に一定の効果を及ぼしたとみられる。文科省は順位をつけた公表はしていないが、小学校では秋田や福井、香川、中学で福井や富山、秋田の正答率が高かった。一方、小学校では沖縄、北海道、大阪、中学で沖縄、高知、大阪の正答率が低かった。特に沖縄は、各教科で平均からの差が目立った。

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登録日:2007年 10月 26日 07:32:52

●全国メディアが大阪市改革に注目

以下は時事通信社が全国自治体に配信するi-jumpの10月22日号の巻頭記事。今回は私が同社の求めに応じて大阪市改革の現状を全国の自治体、マスコミ関係者に報告した。大阪市改革の今後には全国メディアが関心を示している。最近はキー局テレビが企画化しつつある。
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「がけっぷちの大阪市改革-全国からの監視を 慶應義塾大教授・上山信一

 全国に悪名をはせた大阪市の職員厚遇問題からほぼ3年がたつ。大阪市はその後、関淳一市長のもとで大改革に取り組んできた。労組や一部の同和団体との関係の正常化、5年間の新規採用凍結、職員数の削減、政令市では最大規模の予算削減など施策は大胆で、かつ成果は大きい。情報公開度の全国ランクも急上昇、政令市最下位から第3位にまで上がった。公債残高は戦後初めて減り始め、海外格付け機関からは東京、横浜並みの格付けを得るまでになった。職員の表情も見違えるように明るくなった。だがこれからの道のりは容易ではない。今回は正念場を迎える大阪市改革の現状を報告したい。

 ◇これまでの改革-情報公開と外部人材の活用で成功

 これまでの改革は「正常化」に過ぎない。やみ年金・退職金、やみ専従などは是正して当たり前、改革の名にすら値しない。人口当たり横浜市の2倍もの職員数の削減や予算圧縮も当然の措置でしかない。だが大阪市はこの程度のことすら自力ではできなかった。大阪市は純血主義で有名だ。今でも中央省庁の出向者を受け入れない。だが関市長は05年4月に筆者を含む外部人材を「改革本部」のメンバーに迎え入れた。弁護士出身の大平光代助役(弁護士)のもとに財界人、弁護士、会計士、コンサルタントや筆者など外部の専門家が結集した。徹底的なヒアリングを経て民間経営手法の導入を指導した。各部局の組織的抵抗は「何でも情報公開」の方針で打破した。市のホームページには他都市や民間と比べた過剰コストや非効率の実態が掲載された。
 作業は2年で一段落する。今年4月以後は民間人の外部委員からなる「市政改革推進会議(委員長は筆者)」で進捗(しんちょく)チェックをしてきた。この会議では市の組織があいまいにしがちな重要課題(地下鉄民営化、事業外注化、人材戦略など)を繰り返し取り上げた。市民やマスコミに公開された会議の席上で市幹部に説明を求め助言をした。特に改革後退の兆しがある課題は優先的に取り上げた。この会議が最近では市政改革のペースメーカーとなっている。ともあれこの約3年間、民間の外部人材の参画で関市長の改革が進んできた。

 一方、議会改革はどうか。大阪市議会は当初、労組と並ぶ大阪市問題の元凶と指摘された。労使関係は正常化したが議会改革はなかなか進まない。情報公開、政務調査費問題など当たり前の是正すら始まらない。第三セクターの破綻(はたん)処理などでは市民の負担を減らすための改革案すら否決する。市議会には市政改革特別委員会が設置されている。だが議題は直近の市政改革推進会議で討議された議題をなぞって審議するだけだ。自ら新たな課題は発掘しようとしない。一部の与党議員はボランティアの外部委員を議場で名指しで批判し市民の失笑を買う有様(ありさま)だ。このままでは議会は自らの改革どころか市政改革の足かせになったまま市民の信頼を決定的に失うだろう。

 ◇外部委員との関係は体質改善のバロメーター

 大阪市はこれまでの改革に際し、2人の外部から登用した識者と対立し、いずれも不幸な形で決別してきた。まず本間正明氏(当時大阪大学教授)である。三顧の礼をもって改革案を諮問する会議の座長に迎えた。それにもかかわらず本人不在の市長記者会見の場で一方的に解任宣告した。真相は不明だが外部からの幹部登用をめぐる意見の不一致が原因と報道された。次が大平助役である。2年前の市長の辞任、再選挙出馬の際に突然辞任。原因は守旧派議員との確執と伝えられた。
 さて、2度あることは3度あるのか。ともあれこうしたことを含めた大阪市のモンロー主義体質は簡単には変わらない。大阪市の改革には少なくとも向こう4、5年間は外部からの監視が不可欠である。庁内・議会の守旧派勢力はいろいろな理由をつけてそれを排除しようとする。だが外からの監視がなくなれば改革はすぐに逆戻りする。全国の皆さんは大阪市役所、市議会と市政改革推進会議の関係を大阪市改革のバロメーターととらえ、外から叱咤(しった)激励していただきたい。(07年10月22日)

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登録日:2007年 10月 24日 00:46:11

●大阪地下鉄の民営化支持相次ぐ…大商

 以下は読売。19日の大阪商工会議所正副会頭記者会見で、11月4日に告示される大阪市長選の争点の一つ、市営交通事業について、民営化を支持する意見が相次いだ。佐藤茂雄副会頭(京阪電気鉄道最高経営責任者)は、「地下鉄は大阪市外からの利用が大半で、行政がサービスを担うべき時期は過ぎた。われわれと同じ土俵で競い合う方が大阪や関西の役に立つ」とし、小池俊二副会頭(サンリット産業社長)も「民間で出来ることは任せるべきだ」と述べた。西村貞一副会頭(サクラクレパス社長)は「福祉の側面が強いバス事業と地下鉄を分離し、地下鉄を先に民営化する方が活性化につながる」と指摘した。野村明雄会頭(大阪ガス会長)は「地下鉄にもう少し民間の考え方を入れると、効率化やサービス向上が図れると思う」と述べるにとどまった。

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登録日:2007年 10月 21日 19:40:53

●大阪市の改革を評価する(By 民間委員@市政改革推進会議)

以下は10月16日の市政改革会議で公表された「民間委員によるこれまでの市政改革の評価」の総論部分の写しである(市役所によってすでに情報公開済みの文書)。
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 市政改革本部の発足から2年半が経過した。また「市政改革マニフェスト(案)」の公表からほぼ2年が経過した。そこで当会議の委員の視点からこれまでの市政改革を評価したい。客観的かつ網羅的な評価を行うためには別途、実証調査を行う必要がある。その作業は別途、行うこととし、今回はそれに向けた課題の整理を兼ねて、各委員の感想と意見をとりまとめた。
1.これまでの成果
・最大の成果はおそらく労使関係および一部の同和団体との関係の正常化ではないか。かつては庁内に「もの言えば唇寒し」といった空気が強かった。だが最近では職員がどんどん意見を言うようになった。市役所が明るくなった。
・2つめの成果は情報公開の進展である。大阪市役所はこれまで「市民に情報を隠している」と批判され、現に職員厚遇問題でそれが露呈した。しかし最近では不祥事など都合の悪い情報もどんどん公開し、むしろそれをばねに是正・改善を図るという姿勢が市長や改革本部、総務局、財政局など管理部門を中心に構築されてきた。
・3つめの成果は、改革マニフェストによる市役所全体の目標管理とそれによる市長中心のガバナンス体制の構築である。例えば改革マニフェストの目標に財政再建の目標が連動し財政規律が確立されてきた。公債残高の減少は顕著な成果である。また市政改革マニフェストと連動する局長マニフェスト、区長マニフェストを作ったことで目標管理意識がだんだん組織全体に浸透し始めている。
・以上のような改革の姿勢と成果は、市民やプレスさらには全国の経済団体や研究者からも相当に評価され始めた。例えばこれまでに経団連、経産省研究所、経済同友会、東京財団、時事通信などから東京での講演の依頼や調査団の派遣があった。専門機関の格付けや情報公開・IT化の進捗など各種ランキングの実績数値も如実に向上した。
・総じてこれまでの改革はかなりの成果をあげてきたといえる。
・しかし出発点のレベルはあまりにも低かった。これだけの改革を経てもなお大阪市は深刻な財政危機にある。そして他都市をはるかに凌駕する過剰コスト、過剰人員を抱える。大阪市の人口一人当たりの行政コストは50万円強であり政令市中最も高く、さいたま市の2倍にものぼる。また職員数は人口千人あたり12人強であり、福岡市の2倍以上である。そして職員の大半の意識もまだ変革途上にある。
・市政改革は山にたとえれば三合目の位置にある。市政改革は不祥事の「是正」を終え、「身の丈改革」に目処をつけた段階にすぎない。次の「本質改革」についてはその道筋探しが始まった段階に過ぎない。
2. 今後の課題
・過剰人員・過剰行政の現実と財政破綻のリスクを前に残された道は限られる。従来型の予算や人員の削減だけでは問題は解決しない。今後は一部事業の廃止・民営化(地下鉄事業など)、売却、あるいは独立行政法人化(美術館・博物館など)等の外科的措置が必要である。また大阪府等との事業統合も考えるべきである(水道、大学など)。同時に遊休資産の売却や有効活用(駐車場事業など)が不可欠である。
・ところが庁内のみならず市民の一部には「3年もやれば改革は十分」「もはや、みそぎは終わった」「削減ばかりで夢がない」といった意見がある。こうした気分は改革の逆戻りを誘発しかねず、これとの対峙が今後の大きな課題である。
・これまでの改革は「是正」「身の丈改革」であり誰の目にもその必要性は明らかだった。また不祥事の報道、市民からの批判、外部委員の監視や助言があり、それらを梃子に庁内の反対や既得権益勢力の抵抗を乗り越えることができた。しかし今後の改革は、経営形態の変更(民営化、独立行政法人化、府市連携などをはじめその手法が政策や事業遂行の基本的枠組みの変更にかかわるものが多い。この2年半で各局レベルでの経費節減や過剰人員の見直しは進んだ。しかし抜本改革となると各局の抵抗は強い。例えば経営形態の変更についてみても前向きに検討しようという局はほとんど見当たらない。
3.改革推進体制の強化が必要
・以上の課題に対しどういう姿勢で臨むべきか。まず第一にこれまでの本部体制を凌駕する更なる改革推進体制の強化が急務である。
・また改革本部職員のスキルはこの2年でかなり高くなった。だが民営化や経営形態の見直しなどの領域になると知識不足は否めない。今後とも経営や法律等の外部の専門人材の活用が不可欠である。
・さらに今後は民営化の際の市役所の出資比率の判断など市民にとって理解しにくいテーマが増える。単なる情報公開の域を超え、市民に対してわかりやすい方法で改革の動きを説明する場や手法が必要となる。

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登録日:2007年 10月 18日 23:45:49

●あたり前田のクラッカー

以下サンケイ。「てなもんや三度笠」「部長刑事」そして「ヤングオーオー」で僕らは育った。あの時代、あのテレビ、あの頃の大阪なつかしいなぁ・・

 秋の御堂筋を舞台に14日開催される御堂筋パレードで、昭和30年代の人気テレビ番組「てなもんや三度笠」が“復活”する。25回目となる今年は、御堂筋完成70周年にもあたり、大阪の70年の歴史を振り返る特別パレードという位置づけだ。番組に出演していた藤田まことさん(74)や白木みのるさん(73)らテレビ草創期のスターが勢ぞろいして、全国に大阪の笑いを発信していた時代をアピールする。当時のスポンサー、前田製菓のクラッカーもパレード車に積み込む予定で、あの“名ぜりふ”も飛び出すかも-。「てなもんや三度笠」は、昭和37年から43年まで朝日放送が制作した人気番組。藤田さんの「あんかけの時次郎」と白木さんの「珍念」が、大阪から江戸への珍道中を繰り広げる内容で、最高視聴率64・8%(関西地区)を記録、「おれがこんなに強いのも、あたり前田のクラッカー」という流行語も生み出した。
 今回のパレードは、大阪の笑いを詰め込んだ内容にしたいと、大阪21世紀協会が中心に企画。現在も堺市に本社があり、藤田さんと交流を続けている前田製菓を通じて話を持ち掛けたところ、藤田さんから「自分の原点の番組。大阪のためにと言われて、出ないわけにはいかない」と参加の快諾を得たという。さらに、「時次郎のそばには、やはり珍念が必要」(同協会)と、白木さんにも参加を依頼。同時期に、よみうりテレビで放送されていた「とんま天狗」の大村崑さん(75)、芦屋小雁さん(73)らも出演し、「てなもんや-」と「とんま-」の“夢のコラボ”も実現する。
パレード当日は、旅の風景を描いたセットを背景に、藤田さんと白木さんが司会を交えてトークショーをしながら御堂筋を南下。さらに白木さんはパレード終了後、珍念姿に着替えて朝日放送の特別番組に出演するという。「とんま天狗」号の大村さんと芦屋さんは当時の衣装でパレードに登場し、殺陣も披露する。白木さんはパレードを前に、当時を振り返り「公開録画でしたから失敗は許されない。スタッフもみんな若くてね。とにかく面白いものをって無我夢中で作ってました」と話し、「年も年なので気恥ずかしいけれど、大阪の皆さんが喜んでくれるなら頑張りますよ」と気合十分。番組を演出したメディアプロデューサーの澤田隆治さん(74)も「みなさん、70歳を超えて現役で活躍していることがすごい。大阪の人がこうしてテレビの主人公を思いだしてくれるのはうれしい」と藤田さんらにエールをおくる。

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登録日:2007年 10月 13日 19:55:44

●行政改革では合併・統合よりも「別法人化」が有効

 近年、企業の合併・経営統合が盛んだ。銀行、商社、航空会社に次いで、最近では百貨店、家電などで大型合併が相次ぐ。行政改革の分野でも合併・統合が進む。まず10年前の橋本行革では省庁再編という名の大型合併が起きた(総務、国土交通、厚生労働、文部科学など)。市町村の数もここ数年の“平成の大合併”により4割方減った。残りは都道府県だがこれも道州制の時代に向けて実質的に数が減るだろう。だが、筆者は行政改革の手段としての合併や組織統合にはいささか懐疑的だ。企業の場合、合併・統合は再生につながりやすい。企業は合併交渉の前に徹底した自助努力をする。その上で先を見越して経営統合に踏み切る。経営統合する企業には「スリムな肉体」と「先見性の頭脳」が備わっている。
 ところが行政機関はそうではない。合併・統合は多くの場合、政治判断だ。官僚組織は自分の意思で決めない。従って統合前のスリム化や統合後の業務の見直しもなかなか進まない。要は、死に体寸前での救済や政治主導の合併が多い。
・行政組織は「解体」「分割」すべき
 昨今の行政改革では「統合」「合併」が好まれる。確かに組織の名前が変わると気分は変わる。組織の数が減れば“数合わせ”の数値目標も達成できる。だが「統合」「合併」だけでは経営の本質は変わらない。行政改革の手段としては、「分割」「別法人化(外出し)」をもっと考えるべきだ。例えば国鉄改革。民営化だけでなく地域分割の効果が大きかった。競合の地元バス、マイカーに対抗するローカル運賃の設定や新駅設置が進んだ。あるいはJR九州の韓国向けジェットフォイル事業は全国一律の企業体なら生まれなかった。また橋本行革では旧大蔵省が「分割」された。金融監督庁を「別法人化(外出し)」するとともに予算編成機能の一部を経済財政諮問会議、つまり官邸サイドに移した。そしてこれが小泉改革の“官邸主導”のエンジンとなった。さて、この伝に従ってこれまでの行政改革を見直してみると、今後への教訓として以下のようなことが見えてくる。
 (1)自治体の現業部門を別法人化して独立採算性に
 自治体改革で最も重要なことは市町村合併や道州制の実現ではない。むしろ自治体の現業部門(上下水道、学校給食、公営交通、病院、公園・道路管理、公営住宅など)を役所の外に「別法人化(外出し)」すべきである。つまり現業事業部門を丸ごと独立行政法人、株式会社、あるいは財団法人化する。そして独立採算制のもとで経営責任をはっきりさせる。
(2)省庁本体に残る現業機能の独法化/民営化を
 中央省庁について、省庁本体に残る現業機能を独立行政法人化、あるいは民営化する。航空管制、各種検査業務など外出しできる機能は多い。行革の目玉として最近「独立行政法人」の廃止が話題になる。だがこれは些事に過ぎず、全く優先課題ではない。むしろ本庁機能の独立行政法人化の問題から国民の目をそらすために周到に用意された茶番劇に過ぎない。英国では中央省庁の業務の大半が独立法人化された。官邸主導で英国と日本の詳細な比較分析を行うべきだ。
 (3)道州制導入の場合も現業機能の外出し・解体が必要
 さらに道州制の導入や大都市部の行政機構の再編にも現業機能の外出し・解体が必要だ。例えば大阪市と大阪府。それぞれが水道、公立大学、公営住宅、卸売市場などを保有し二重行政の弊害が大きい。そこで「府市統合」が叫ばれるものの政治的実現性は薄い。そこで急がば廻れである。まずそれぞれの事業を独立法人化する。そのうえで府の各法人と市の各法人を分野ごとに経営統合する。その上で民営化する。例えば大阪全体にサービスする「大阪水道株式会社」、つまり電力・ガス同様の企業体を作る。こうして重要な事業を順次、外出し・統合していけば事実上の府市合併が実現する。企業同士の合併でも最初はは一部事業の提携から始める。そこから分野を広げ信頼関係を深める。小さな市町村の合併ならいざ知らず、大都市部の組織再編や道州制の導入にはこうした手順が必要だ。ちなみにEU統合も当初は石炭と鉄鋼の共同事業から始まった。
 昨今、第3セクター、外郭団体、あるいは独立行政法人に対する世論の風当たりが強い。経営破たんの経験や天下りの受け皿となるといった危惧から新規設立も容認されにくい。だが巨大かつ強固な行政組織を丸ごと改革するのは容易ではない。ましてや非効率なまま合併させるとかえっておかしくなる。むしろ個々の事業を切り出して「別法人化」すべきである。組織を小さく、独立採算を追及し、責任の所在をはっきりさせると規律も働く。これからの行政改革の手法として「別法人化(外出し)」に注目していきたい。

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登録日:2007年 10月 10日 12:27:10

●大阪地下鉄「株式会社化」、市長選の焦点に

以下は朝日新聞
 地下鉄民営化は是か非か――。11月18日投開票の大阪市長選で市営地下鉄の将来像が争点に浮上してきた。続投を目指す関淳一市長(72)が「株式会社化」をマニフェストに盛り込み、関西経済界が後押ししたことで一気に議論が熱を帯びた。一方、他の立候補予定者は慎重論を唱え、大阪市議会も反対論が大勢だ。開業から70年あまり。全国初の公営地下鉄が岐路に立っている。
 「大阪市が最大株主の株式会社化というのが、一番求められている姿かと思う。それが私の政策として今とるべき道だ」 9月3日の立候補表明会見。関氏は地下鉄民営化に大きく踏み込んだ。 大阪市営地下鉄は1933(昭和8)年開業の全国最初の公営地下鉄だ。そんな歴史のある地下鉄の民営化に関氏がカジを切った理由は、赤字続きの市営地下鉄が急速に業績を回復していることにある。
 市営地下鉄は90年から連続して経常赤字を続けてきた。だが、03年度決算で黒字になり、06年度の経常利益は198億円で過去最高に。営業以外の要素も加えた当期利益も211億円で、運営にかかわる補助金89億円を差し引いても100億円を超える黒字となった。減り続けてきた乗客数も05年度から反転し、06年度は前年度比0.6%増の1日あたり約236万3千人。今年度も前年を少し上回る見通しだ。

 関市政のブレーン的存在の上山信一・慶応大教授は「民間の出資も呼び込める経営状況になった。民営化にとっては好機だ。大阪市財政の赤字削減にもつながる」と指摘する。

 関西経済界にも待望論が強い。関西経済同友会の小嶋淳司代表幹事は「私鉄と地下鉄の連絡がよくなり、関西の広域交通網の確立で地域活性化につながる」と語る。さらに「地下鉄駅構内の余剰スペースの活用やダイヤの拡充など、民間に任せればサービス向上を実感できる」。JR西日本も「ネットワークとしてみた場合、乗り継ぎ時間や料金の割引などで地下鉄の生産性は上げられる」(幹部)と見る。 巨額の財政赤字を抱える市財政にとってもプラスだ。市交通局の試算によると、民営化後10年間の市の負担は敬老パス代などのための743億円にとどまる見通し。これは公営維持の場合の4分の1の計算だ。さらに株式上場で売却益を得ることも可能だ。

      ◇

 ただ、民営化のハードルは決して低くない。一つは市議会の存在だ。

 市は公営維持か民営化かについて、今年度末までに市議会との議論を踏まえて結論を出すことになっていた。そこに突然の民営化発言。与党の自民、公明を含め、市議会は反発を強めている。 1日約4億円の運賃収入のある地下鉄は重要な稼ぎ手だ。市議会からは「黒字の地下鉄をなぜ手放すんだ」「公共交通は市民に提供する福祉事業の面もある」などの批判が噴出。多くの職員も同調する。関氏もこうした反発を意識し、マニフェストに「市議会と相談」との文言を入れ、配慮を見せた。 課題はまだある。約7400人いる市交通局職員の処遇だ。同局の1月の試算では、地下鉄・バス一体で民営化した場合で約1430人、地下鉄だけの場合も約850人の余剰人員が生まれる。新会社が駅構内で展開する「駅ナカ」ビジネスや不動産事業にどの程度、職員を活用できるかははっきりしない。 市役所本体での受け入れも難しい。市は10年度までに職員約7千人の削減を目指して新規採用などを抑えている最中。関氏も9月下旬の市議会で「受け入れは極めて困難」と答弁した。 それでも配置転換を拒否する職員は市で受け入れざるを得ない。さらに、新会社に移る職員には退職金を払う必要がある。市の試算では退職金は最大約730億円。約8千億円の「借金」を抱える市交通局には厳しい現実が突きつけられる。 だが、関氏は「次の任期4年が大事だ。ここで株式会社に移行できる体質につくりかえる」と、民営化に意欲を見せる。

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登録日:2007年 10月 09日 22:55:17

●書評:宗教、そしてお金について知るための本

1.宗教について:今回のお勧めは次の3冊。
 阿刀田高「旧約聖書を知っていますか」「新約聖書を知っていますか」(新潮文 庫)、井筒俊彦「イスラーム文化」(岩波文庫)
 日本人の多くは宗教については無頓着である。私もそうだ。だが宗教は世界の歴史のかなりを動かしてきた。またキリスト教がなければ資本主義も民主主義も生まれなかっただろう。宗教への理解は世界の歴史、また絵画やオペラなどを理解するうえでも不可欠だ。この3冊はいずれも信者ではない日本人が冷静な視点で宗教の歴史と教義を解説する。
2.お金と経済について:次の2冊
 本多静六「私の財産告白」(実業之日本社)、ピーター・ドラッカー「新訳・経営者の条件」(ダイヤモンド社)
 お金はなさ過ぎてもありすぎても困る。本多静六は100年前の農林経済学者。株や山林の投資で財をなし晩年には大半を寄付した。金銭や利殖は秘め事とされそのコツを語る人は少ない。だが同氏は自らの失敗・成功事例と金銭哲学を余すところなく明かす。お金をうまく使い、逆にお金に自分が使われない方法を巡る賢人の知恵には時代を超えた説得力がある。金銭と同様に悩み多いのが「マネジメント」の課題だ。ドラッカーは世界でもっとも敬愛され、読まれる経営学者だ。名著「経営者の条件」は「どうやって人を動かすか」「どうやって成果を挙げるか」というシンプルな問いに答えつつ等身大の視点から経営の原則をわかりやすく解き明かす。

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登録日:2007年 10月 07日 14:34:01

●大国と世界の歴史について良く知るための本

・トクヴィル「アメリカの民主政治(上・中・下)」(講談社学術文庫)、石原莞爾「最終戦総論」(中公文庫)
 1831~32年、フランス人貴族A・トクヴィルが米国を旅した。それを元に書いた著書「アメリカの民主政治」の中で彼は「20世紀には米国とロシアが大国に発展し世界を制覇する。そして両者は戦う」と予言した。本書はもともとは旅行記だが米国がどのようなOSを持つのか、またそこからどうやって新聞や政党などのAS(アプリケーション・ソフト)が生まれるのかを見聞に沿って生き生きと解説する。トクヴィルは「アメリカ以上のものをアメリカで見た」という。よしあしは別として米国標準が世界標準になる時代だ。どの分野のプロを目指すにしても本書が語る米国のDNAの構造を知っておくと役に立つだろう。石原莞爾は戦前の日本陸軍の参謀だ。1930年代に著書の「最終戦総論」で「まもなく国家壊滅型の最終戦争が起こる」「一発あたると何万人もがペチャンコにやられる・(中略)・大威力のもの」「その後に絶対平和が到来する」と太平洋戦争、原爆投下、さらに戦後の国際秩序をも見通していた。人は歴史の洞察でここまで先を見通せるものかと戦慄すら覚えさせる一書である。

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登録日:2007年 10月 07日 14:28:31

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プロフィール
上山信一
(男)
http://www.pm-forum.org/ueyama/
慶應義塾大学総合政策学部教授、改革コンサルタント。専門は大企業・行政・NPO等の経営刷新。近年は地域再生も手がける。大学では「経営戦略」「公共政策」等を教える。旧運輸省、マッキンゼー共同経営者等を経て現職。大阪市生まれ。50歳。中央省庁・自治体の各種委員、企業顧問等を兼務。京大法、米プリンストン大修士。趣味は登山、鉄道、料理。メール:ueyama@pm-forum.org
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