2007年 11月

●今度の日曜朝8:30フジTV:食と農のブランド戦略

私は新潟市の都市政策研究所長(非常勤)も務めています。その関連でフジテレビ『報道2001』の取材を受けました。放送は今度の日曜12月2日です。研究所が取り組み中の25品目の銘産品の「食と農のブランド戦略」が放送されます。いろいろな話題がはいっている番組ですが途中VTR10分前後の尺で新潟の話が出てきます。研究所としてはまた取り組み中ですが活動の様子が紹介されます。

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登録日:2007年 11月 30日 21:17:52

●教育の垂直統合・・工業大学と中高の経営統合

以下は朝日新聞。JALとJAS、カルピスと味の素、伊勢丹と三越など統合が
相次ぐが工業大学とカトリック系の中高の統合は珍しいのではないか。日本のM&Aも欧米並みに成熟してきた証拠だ。わが慶応大学も名門、共立薬科大との経営統合により来春から薬学部が発足する。企業、病院についで学校も統合の時代に入る。そして自治体、さらにお寺や神社、NPOの統合もあるだろう。
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 大阪工業大学などを運営する学校法人・大阪工大摂南大学(大阪市)と、全国高校ラグビー大会で4連覇した学校法人・啓光学園(大阪府枚方市)が年明けにも、経営を事実上統合することが26日、明らかになった。少子化が進んで、両法人とも学生・生徒を確保することが難しくなっており、中学から大学までの「一貫教育体制」を実現して教育機関としての魅力を高め、勝ち残りを目指す。12月初旬に正式発表する。 受験生と募集定員の数がほぼ並ぶ「大学全入時代」を迎え、複数の大学を運営する大阪工大側は、中学から大学までの一貫教育体制をつくるため、付属中学校の開設を検討してきた。 一方、中学・高校を併設する啓光学園側は、安定した系列の進学先がないこともあって、90年代は300人前後いた入学者数が、ここ数年は200人以下に。生き残りのためには進学実績の向上が欠かせず、教育体制の充実が期待できる大阪工大との統合が得策との判断に傾いた。 両校は26日に理事会を開き、統合の基本方針をそれぞれ承認した。学校法人同士は合併せず、啓光学園の理事会(7人)の過半数を大阪工大側が得ることで、実質的に経営統合する。それぞれが運営する学校はそのまま残る。 統合に伴い、啓光学園は来年4月から学校名称を「常翔啓光学園」に改め、男子校から男女共学校に変更する。大阪工業大学高校は、来春から「常翔学園高校」に名称変更することがすでに決まっている。啓光学園高校と大阪工業大学高校はともに、大阪を代表するラグビーの強豪として知られている。
      ◇
大阪工大摂南大学 1922年に関西工学専修学校として創設。大阪工業大学と同高校のほか、摂南大学、広島国際大学を運営。学生・生徒数は全体で約2万1千人。卒業生は20万人を超える。
      ◇
啓光学園 カトリック系の学校として、57年に中学、60年に高校が開設。高校ラグビー部は01~04年度の全国高校ラグビー大会で4連覇を達成した。生徒数は中・高校で約600人。

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登録日:2007年 11月 28日 00:49:17

●改革の偽装ーーキャリア制度廃止問題

以下は読売新聞。「キャリア制度廃止」の見出しを見ておやっと思ったが、記事を読む限り、この懇談会の提言は、改革でもなんでもない。単に1種、2種を総合職、一般職に言い換えるだけではないか。ノンキャリアからの幹部登用の道は今の制度でも出来るし実例もある。看板をつけかえるだけで改革は進まない。これは改革の偽装ではないか?キャリア制度の見直しは早期退職、天下り、公益法人の見直しとセットでなければ実現できない。看板の付け替えで公務員制度改革の幕引きを狙う守旧派?の偽装工作ではないか?廃止というなら本当に廃止しなければならない。本当の問題は現在のキャリアの処遇ではないか。思い切った激変緩和措置、移行措置を与えて制度はこの際、全面廃止するなら本当に廃止するべきだ。
以下は記事
ーーーー。
国家公務員の「キャリア制度」廃止、首相懇談会が提言方針
 福田首相の私的懇談会「公務員制度の総合的な改革に関する懇談会」(座長=岡村正・東芝会長)は23日、国家公務員1種採用試験に合格した入省者がほぼ自動的に幹部に昇進する「キャリア制度」の廃止を提言する方針を固めた。具体的には、〈1〉現行の1種、2種採用試験を廃止し、新たな採用・昇進の仕組みとして「総合職」(企画職)採用試験と「一般職」(執行職)採用試験を導入〈2〉一般職採用者にも幹部登用への道を開く「幹部候補育成課程」を創設――の2点が柱となっている。現行のキャリア制度は、1種採用の「キャリア官僚」が、入省時から幹部候補生として育成される。2種、3種採用の職員が幹部に登用される例や、キャリアが幹部コースから外れる例が少ないため、人事が硬直的になり、職員の能力・実績が昇進に反映されていないとの批判がある。例えば、2005年度時点で見ると、本省課長以上の幹部職員計4778人のうち3536人(74・0%)を1種採用者が占めている。審議官級以上の「指定職」に限れば、887人のうち783人(88・3%)が1種採用者だ。今回明らかになった提言内容には、こうした人事制度が省庁の活力を奪っているとする批判にこたえ、現行の2種を含む「一般職」の職員でも幹部職員になれるようにする狙いがある。幹部候補課程に入っても育成効果が出ない職員は課程の対象から外すとし、能力・実績主義の徹底も打ち出した。懇談会では、この提言内容を2008年1月にまとめる報告書に盛り込むことにしている(2007年11月24日3時2分 読売新聞)

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登録日:2007年 11月 24日 06:56:22

●地下火災

新疆ウイグル自治区で約50年間燃え続けた地下石炭層の火を消火

【11月22日 AFP】中国国営新華社(Xinhua)通信は21日、同国北西部新疆(Xinjiang)ウイグル自治区の炭田で、約50年にわたって燃え続けていた地下石炭層の火が消し止められたと報じた。
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(c)AFP

AFPBB News


 50年も燃えていたというから規模壮大。しかしそれだけの炭素を生成してきた植物の営みを考えるとまた気宇壮大。

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登録日:2007年 11月 24日 00:21:16

●市政改革推進会議

10月16日 の第13回市政改革推進会議の会議録がアップされました。以下引用
○関市長 第13回の市政改革推進会議ですが、最初、ちょっと御挨拶させていただきたいと思います。9月3日に私、記者会見で市長選に再度立候補する決意表明をさせていただきました。その後、基本政策を公表いたしました。先週まで市会の公営企業・準公営企業の決算市会がございまして、ちょうど公営企業ですから交通、水道の公営企業、それら以外の準公営企業の決算についての議会であるわけですが、交通の経営形態とかいろんなことが議論されました。その議論の中で、推進会議のあり方についても、いろんな会派から質疑がありました。私は、この半年余り前からいろいろ考えていたことを答弁として申し上げていたんですが、市政改革本部の時から市政改革推進会議に衣替えをして、この会議をずっとやっていただいて、本部時代から約3年余りになると思うんですが、大変貴重な御意見をいただきましたし、これは大阪市政の特に行財政について、ある意味では急性期というか、病気で言えば集中治療室に入っているようなそういう時期であったと思うんですが、そういう時期での市政の進め方として非常に的確な御意見を市政改革本部時代そしてこの推進会議に移ってずっといただいていたわけですが、まだ道は半ばですが、道筋がある程度見えてきて、次のステップに足を踏み入れる時期に来てるかなと思ってまして、どちらかというと、これから都市あるいは地域の経営ということに重点を置いた市政を進めていかねばならないという時期でして。市政改革、これはやりきる。市政改革マニフェストは5年計画ですが、かなり進捗してますが、これはやりきるという前提で、次のステップに入っていく準備をしなければならないというふうに思っておりましたので、私は、答弁は一貫して、この市長選挙が終わればなるべく早い時期に外部の方々の御意見をお聞きす
る、そういう委員会、会議、名称はまだ念頭にないわけですが、そういう形態、メン
バーの方々について、選挙が終われば直ちに検討に入りたい。これは一定の期間、検討期間が要りますし、もちろん市民の方の御意見も大事ですし、いろんな方の御意見を聞ける、そして、集中室治療から次のステップの市政へ進んでいく、その段階に相応しい形態のものが必要と思っています。どういう形がいいかということを11月選挙が終わってもし私が当選すれば形態等についての検討に入りたい。そういう趣旨の答弁をずっと繰り返しやってきました。そういうことで、冒頭の発言の時間を上山先生にお願いしていただいたのは、市政改革推進会議に関わることですので、報道はいろいろされていますが、私が申し上げていたのはその一点でして、これを考える時期に入っているんで、選挙が終わりしだい、なるべく早い時期に次の形態の検討に入りたいということ。答弁として申しましたのは、いろいろな形で報道されているが、しかし私の本当の真意はそういうことでして、これは私自身の意見を言わせていただいたということですが。委員の方々に大変お世話になったことについては非常に高く評価していますし、これからもいろんな形で御意見をいただくことになろうかと思いますが。いろいろ報道もされていますので、私の本当の考えは、今、述べさせていただいたわけです。そういうことで、11月18日選挙ですが、終わったら次の形態の検討に入らさせていただきたいなと思っています。以上です。今日は今日でよろしくお願いします。

○上山委員長 委員長として私からも簡単にコメントさせていただきたい。一部の報道で、ある政党が市長選挙の候補者に対して推薦を与える条件としてこの会議の解散、見直し、あるいは委員の人事を材料として使ったという報道があります。これに関して、市民、あるいは報道関係者から委員に対して問合せも来ている。この現実があります。それを受けて、市長から今お話をいただいたというふうに理解をしています。委員長としていくつかコメントがあるんですが、もしそのようなことが事実としてあるのであれば、これは極めて遺憾であると思います。二つ目には、選挙の前に候補者の方、あるいは議員、政党がこの会議の意義、あるいは今後のあり方を議論する。そのこと自体は大変望ましいというふうに思います。しかし、その結論は選挙の後にきちんとした検討作業を経て、新市長が市民にとって透明性、それから正当性の高いプロセスで導き出すべきと考えます。したがって、透明性、正当性の高いプロセスでない方法で物事が進められて、この会議の解散、あるいは見直しというのが性急に進むというようになった場合には、我々としては相当の違和感を持つと言わざるを得ない。しかしながら一方で新市長が11月には選ばれる。もちろん関さんの再選も含めてですが新市長が決まり、3月には現委員の任期が切れます。元々1年間の任期ということですので。したがって、今市長が仰ったとおり、その後に外部委員を使った委員会を置くのか、置くとしたら何をやるのか、あるいはこういうタイプの会議を続けるのか、といった様々な選択肢を今から考えておくのは当然だと思います。したがって、選挙後、検討されるという市長のお考えには大賛成と私も思います。しかしながら、あえて今発言させていただいた背景には、もし報道がされたまま、市長も私もコメントしないまま推移しますと、やはり政党と候補者の間の約束というものを黙認しているということになってしまう。この会議の委員長としては、この会議自体が監視機関であるという位置付けに照らして、市民の皆様に非常に申し訳ない。したがって、あえて冒頭にお時間をいただいて市長の真意を説明していただき、それから委員長としての私の考え方を説明させていただいた。ところで、この会議の性格は言うまでもありませんが、市政改革に関して点検、それから助言を行う。これがこの会議の性格であります。普通の諮問委員会とは違って、召集は委員長が行う。監視機関としての性格から普通
の審議会とは違う位置付けになっています。したがって、この意味におきまして、また現在の状況に照らし合わせて、次の四つのことをやりたいと思っています。
一つは、当たり前ですけれども、この会議はすべての政党、それから市長選挙の候補者から完全中立の立場を貫く。二つ目は、この会議のあり方に関しては、選挙後に新市長がお決めになる。しかしこの会議としても今後のあり方に関して市民の意見を広く募りたい。三つ目は、選挙後の早い時期にこの会議を開き、そこで今後の外部監視機関のあり方に関して公開の場で広く議論をしたい。そこには議会の各会派、あるいは市民から集めた意見などを全部出して、いろいろな選択肢をまず出す。それを出したうえで最後にお決めになるのは市長です。この会議を続けるとか解散するとか、委員を入れ替えるとか、いろんな案が出てくると思いますが、それは市長にお決めいただく。そんな段取りで私はこの会議の運営をしていきたい。あえてこのようなことを申し上げるのは、基本的に市民の信頼を失ってしまったということが、今回の市政改革の原点であるからです。今回の一連の報道は事実とはやや異なるようですが、やはり報道の中でこの会議の見直しや解散が政党との取引の材料に使われたという印象を市民の多くが持っている。これは事実ですので、それに関してきちんとした説明をする責任が市長にも私にもある。それであえてこのような場を借りて冒頭お話をしたというわけであります。市長の方からコメントが更にありましたらお願いします。
○関市長 特にありません、さっき申し上げたとおりです。
http://www.city.osaka.jp/keieikikakushitsu/
kaikaku/kaikaku_
s/kaigi/pdf/20071016/giji.pdf

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登録日:2007年 11月 17日 19:45:11

●滋賀県新幹線新駅問題:朝日新聞へのコメント

以下は朝日新聞特集記事「直言、新幹線新駅問題」(下):上山信一・慶大教授
より引用。
「地権者の個別救済必要(上山信一・慶大教授)」
 新幹線の新駅をつくるかどうかは、原発や米軍基地の問題とは性格が違う。駅はあった方がいいが、問題は費用対効果。その意味で政治的には大きな問題ではない。だが、建設を止めるまでのプロセスで、滋賀県民はすばらしい無形のリターン(見返り)を得た。県民は選挙という民主主義の装置で、着工済みの公共事業を止めるという民意を明らかにし、知事を選び、県議会改革にまで発展させた。一票で民意を反映させることを学び、自信を得た。それは公共投資から、教育・福祉などソフト路線への政策転換を象徴する動きと言える。琵琶湖の環境保全運動で培った民度の高さがうかがえる。県と栗東市は10月末まで、新駅を止めるか、つくるかで対立し、地権者対策などの後処理問題に入れなかった。地元が新駅を求める気持ちはよくわかる。しかし、中止が決まった今、市も県も潔く後処理問題にあたるべきだ。県と市は制度上は別組織だが、住民は親会社と子会社的な位置づけにあると見ている。現に市が後処理問題を解決できなければ、県が支援せざるを得なくなる。仮に市が財政破綻(はたん)すれば、夕張市と北海道庁の関係と同様、県が尻ぬぐいをすることになる。財政問題も並行して話し合い、時間をかけて解決していけばいいと思う。
 ただ、土地区画整理事業の地権者対策は別の次元の問題だ。役所同士の議論とは別の軸で早く解決しないと気の毒だ。区画整理の土地に、物理的に別の箱モノを建てるという発想は非常に良くない。融資や債務保証などで個別救済する手法を考えるべきだ。そのためには、固定資産税や相続税、商売の変更など、住民がどんなことで実際に困っているのかを整理しなければならない。この区画整理事業は新幹線駅が前提だったとはいえ、元々大規模過ぎた。一部の地権者に対しては、「もうけ損なっただけではないか」という批判があるのも事実だ。個々の地権者は本当にどこで困っているのか。市と県はそれを見極めないといけない。民間企業なら地権者ごとに担当者を決めて実態把握から始める。肝要なのは地権者との対話と思いやりの心だろう。(談)(11月13日朝日新聞)

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登録日:2007年 11月 14日 19:51:20

●バージョンアップを迫られる自治体の情報公開

 これまでの自治体の改革は、改革派首長の活躍に依存することが多かった。だが今後は首長のリーダーシップだけでなく「情報公開」のやり方が成否を決する。「情報公開」は国にも自治体にも標準装備されている。だが使いこなしはまだまだだ。今回は大阪市役所の改革を通じて筆者(大阪市市政改革推進会議委員長を兼務)が痛感した情報公開が秘める可能性を考えたい。
・自治体における「情報公開の3段階」
 自治体の情報公開には3つの段階がある。第1段階は、市民からの請求を受けて情報を公開するという古典的なもの。第2段階は個別具体の事務・事業について普段から積極的に市民向けに情報公開をする。第3段階は市民だけでなく金融機関など幅広いステークホルダーに向けてその自治体が全体として何を目指すのか、どういう財務状況にあるのを積極的に発信する。ちなみにこの2年で一気に第3段階まで進んだ自治体がある。大阪市役所である。元は第一段階すら不十分だった。それが2年間で第2段階からさらに第3段階にまで進んだ。2年前、大阪市は全国市民オンブズマン連絡会議による「情報公開度ランキング」(平成16年3月)で政令指定都市13自治体中最下位という評価を受けた。その後、不祥事を契機に情報公開条例の改正などに取り組む。その甲斐あって3年後の今年は同じ調査で第3位に躍進した。
 第2段階の「個別の事務・事業についての情報公開」は、二つの効果を発揮する。ひとつは既得権益の打破と抵抗勢力の牽制である。不正や不適切なことが明るみに出ると行政はおのずと是正に動く。もうひとつは情報公開によって行政組織の外の人たちの知恵が取り込める。行政パーソンはえてして自分たちのやり方がいちばん正しいと考えがちだ。しかし民間から見ると生ぬるい、知恵が足りないとみえることがある。外から建設的な批判を得るためにも情報公開は大切だ。そのためには問題が起きて情報公開請求があり、そこではじめて情報提供していては遅い。ふだんからそれぞれの部局が何をめざし、どういう仕事をしているのか積極的に情報公開する。そうして常に外部の人間からの助言を求める。こうした姿勢がひいては民主主義を強化し、また市民参加を促す。これからの行政の情報公開は事後の受け身対応という発想を超える必要がある。ちなみに大阪市役所の場合、主要な事業69について事業分析を行った。その結果はすべて情報公開している。
 第3段階の情報公開は改革マニフェストの策定やそれをマスコミや投資家に広く説明することで行う。ブランド形成への努力といってもよい。効果は「改革自治体」のランキング調査や格付けの向上という形で表れる。大阪市の場合、今年8月に大阪市債が高水準の格付けを得た。すなわちスタンダード・アンド・プアーズ社からは「AAマイナス」(20段階の上から4番目)、ムーディーズ社からは「Aa2」(21段階の上から3番目)というともに予想外に高い信用評価を取得した。大阪市債は国内格付けによる「勝手格付け」では政令都市中最下位に甘んじていた。しかし今回、両格付け機関は情報公開などの市政改革の進展、市税収入増などを評価して全国自治体の中でも最高位の評価を与えた。改革の努力と方向性を具体的に示せば、格付けが実際に上がるということが確認できた。
 格付けが上がるとそれが改革をさらに加速する。逆に改革の手を緩めると格付けが下がる。高い格付けは改革の維持装置としても機能する。積極的な情報公開は正しい改革戦略とあいまって、改革への努力そのものを持続安定化させる効果がある。
・情報公開をバージョンアップするための3つの視点
 これからの情報公開では次の3つが重要になる。第1に情報公開が自治体の改革を持続させる上でのエンジンになるという戦略的な発想が必要だ。改革派の首長は確かにパワフルだ。だがいつまでもいるわけではない。これに対し情報公開は何でも公開するという情報公開ルールをいったん確立してしまえば逆戻りは難しい。ひいてはそれが改革の持続を保障する。
 第2に公開すべき情報の中身が深化しつつあることを認識する。当初は不正、不祥事を表に出すだけで十分だった。だがやがて個別の事業の非効率や財政赤字などの情報が必要になる。さらに次は資産・借金などのB/S情報も必要になる。体系的な整備のしくみが急務だ。
第3に行政情報を外から評価する"情報市場"の整備が必要である。上場企業の場合は株価が日々の企業の業績評価そのものである。さらに格付けがある。また証券アナリストがさまざまな評価報告を発表する。ところが行政の場合は情報公開をしても信憑性をチェックしたり、他の行政機関と比べる仕組みがない。時折、雑誌や週刊誌が暮らしやすい町のランキングや先進自治体のリストを出す。しかし行政が出した情報を記者の主観で評価したものが多く決して質が高いとはいえない。格付け機関による評価もあくまで投資家向けの情報でしかない。格付けは高いに越したことはない。しかしその向上自体が情報公開の目的とはならない。行政の"情報市場"はこうした事情を反映し多面的な角度から構成される必要がある。この10年で自治体の情報公開はずいぶん進んだ。しかし財政危機はますます進行する。また企業はディスクロージャー、コーポレートガバナンス、コンプライアンスなどのしくみを充実させつつある。こうした動きも取り込みつつ、自治体は情報公開のバージョンアップを図る時期に来ている。

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登録日:2007年 11月 13日 12:29:27

●宿泊料0円のホテルができる?

以下はサンケイ関西版です。これはすばらしいコラボレーション・マーケティングの例です。
・ホテルは”眠り”のショールーム 宿泊客からの問い合わせ増
 高級ホテルが提供する上質の眠りやリラックス感などの宿泊体験を、家に”持ち帰りたい”という消費者のニーズが最近、高まっている。帝国ホテル大阪(大阪市北区)が通信販売するオリジナル仕様の高級寝具が人気を集めているほか、米国のプラザホテルなどにベッドを提供する米国メーカーが10月中旬に、大阪市内に関西初の拠点を開業。今後、ホテルの客室が寝具の”ショールーム”として注目されそうだ。最高級ポーランド産のダチョウ羽毛を使った羽根布団(セミダブル、21万円)、2種類のバネで体圧を分散するベッド(同、44万1000円)。帝国ホテル東京が昨年秋、通信販売を始めたオリジナル寝具の「スリープワークス」だ。カバー類やパジャマまで8アイテムあり、人気の枕は、発売から1年で約200個売れた。今年4月からは、改装が完了した帝国ホテル大阪のインペリアルフロアの高級客室67室にも導入され、販売が始まった。通信販売は、同ホテルで宿泊客から「同じ寝具がほしい」という声が多かったことがきっかけ。「まずは、当ホテルでの宿泊で心地よさを実感後に、購入していただきたい」と、ホテルに備え付けのカタログで販売している。米国のマットレス製造業最大手のシーリー社の日本法人、シーリージャパン(東京都港区)は先月、大阪・御堂筋のビル内に、国内2カ所目となる拠点兼ショールームを開業した。同社は、米シェラトン社とオリジナルベッドを共同開発しており、日本のシェラトン系ホテルにも商品を納入。同社の最高級ブランド「スターンズ&フォスター」(キングサイズ147万円)は、ニューヨーク・プラザホテルのスイートでも使われている。実際には百貨店や家具店への卸しが主業務で、ホテルへの納入は売上高の5%だが、ホテル仕様という信頼感から、東京にショールームを開設した昨年以降、急に問い合わせが増えたという。同社の西村秀之社長は「ホテルが、日本でのシーリーの知名度を押し上げてくれた。ホテルでの快適な眠りを自宅でもと、高級寝具を買い求める動きが出てきた」と話す。また、松下電工は昨夏、睡眠前に自動マッサージが施されるベッドや、爽快(そうかい)な目覚めを演出する照明制御装置などが一体となった「快眠システム」を発売。ホテルニューオータニ大阪やホテルグランヴィア大阪に「快眠ルーム」として導入され、宿泊客から問い合わせが相次いでいる。導入には部屋のリフォームや配線工事が必要で、1セットが約300万円。費用負担は大きいが、すでに施行した個人住宅も数件あり、今後はコストを抑えた家庭用の開発を目指している。ホテル関係者は「客室をショールーム代わりに、商品を提案するメーカーが増える可能性がある。ホテル業界も競争が激化するなか、寝具やインテリアでの差別化を目指しているので、今後、こうした傾向は強まるのでは」と分析している。
ーーーー
この記事をわたしなりに評価すると以下のとおり。
・高級ホテルと高級寝具メーカーの客層は似ているので効率がいい
・ホテル側にとっても寝具メーカー側にとっても相手の「高級ブランド」をテコに自社ブランドを強化できる
・高級品はリスクが高いので簡単に買えない。しかしホテルに泊まればお試しができる
・寝具メーカーにとってみればホテルがかね払って買ってくれた寝具で客が試用するのできわめて安上がりのプロモーションになる(というかマイナスコスト)
・ホテルにしても寝具を売る手数料が入るのでおまけで儲かる
 まさにWIN-WINの典型のうまいマーケティングです。ホテルの部屋はいろいろなものが売れる場所になりえます。パジャマも文具も電気歯ブラシも化粧品も何でも売れちゃう。そしてお買い上げが多いお客は宿泊無料なんてこともできるはず。
いままででもタクシーや飛行機の機内でのカタログ販売がありましたがホテルは新たなフロンティアです。さらに飛行機の機内でSONYのイヤホンを売るとか、レストランでいままで日本になかった海外の飲料を試用するとかさまざまな例が考えられますね。

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登録日:2007年 11月 09日 22:56:16

●企業経営と行政経営

今日の企業経営はきわめて複雑かつ高度化している。さまざまな手法と専門用語が次々にあふれ出る。その中でも近年の特徴は経営戦略よりも企業統治や企業倫理にかんする手法が発達してきたことだ。最近話題の「コーポレート・ガバナンス」、「ディスクロージャー」、「IR(インベスター・リレーションズ)」、「コンプライアンス」、「CSR(企業の社会的責任)」といった領域である。こうした企業統治や企業倫理の手法は主に欧米で発達してきた。背景には2つのことがある。
 第一の要因は、欧米社会が日本より早く成熟経済に入り、限られた資源をより効率的に使うしくみが必要になった。マネジメントの質を上げていくために従来は市場の分析、マーケティングといった製品開発や現場の仕事に直轄する手法が求められた。だがそれが一巡するといっそうの差別化のためには人材戦略や資源配分のしくみ、あるいは資金調達の手法などのレベルアップが必要になる。だが資源調達となると人材の場合は雇用者に、また資金の場合は金融機関や投資家に対して会社の状況や将来戦略を説明しなければならない。また調達した人材や資金を有効に活用していること、そして不正や無駄を抑止する監視体制も備わっていることを示さなければならない。ここから、企業統治やディスクロージャー、そして企業倫理における革新が生まれた。
 第二の要因は、企業のオーナーシップが金融機関や機関投資家から一般の個人投資家に広がったことである。典型的な現象が間接金融から直接金融へのシフトだ。かつては主に金融機関から資金を借りていた企業が、いまは自ら社債や株式を発行し一般投資家から資金を集める。さらにその背景には、年金基金の巨大化や401Kなどの年金投資制度の充実がある。企業のオーナーはかつては富裕層や他の企業だった。それがいまはなけなしの資金を投資する一般大衆にまで裾野が広がってきた。そうなると当然、企業の業績や戦略に関する明確でわかりやすい説明が必要になる。また、会社の経営についても経営者に任せっきりにせず、社外取締役を登用するようになる。さらに外からは格付け機関が格付けをする。そして証券アナリストが毎期の業績を評価する、といった二重三重チェックの仕組みができてくる。
 このように企業の経営はオペレーションが高度化、複雑化する一方で、逆に企業統治や情報関係のほうはますます外に開けたわかりやすい存在になってきた。

 さて、政府のほうはどうか。政府は人びとから税金を強制的に徴収して成り立っている。そのため税の使い途は議会の議決を経て民主的に決める。「代表なくして課税なし」「財政民主主義」といった言葉はその原理を体現する。そして議員や大統領、首長は住民が直接参加する選挙で選ばれる。選挙の際にはもちろん政策やビジョンを広く示す。またこのような選挙と税金の制度の上に成り立つ政府の情報は原則すべて公開するという原則が構築されてきた。かくして政府の経営は、その本質に照らしオープンでかつ外に対して開かれたものであるべきなのである。
 ところが現実はどうか。日本でも欧米でも次の2つの理由で政府の情報の公開は不十分だった。
 第1に、政府がやっている仕事はあまりにも広範囲で、かつ複雑多岐にわたっている。小さな村役場でも小中学校、道路、下水の建設から犬の予防注射や老人会の支援まで手がける分野は実に広い。また活動形態の様々だ。直接自ら作業をするもの(窓口業務など)、補助金を出すもの、規制をかけるものから税の滞納の取立て訴訟まで様々だ。かくして政府の仕事は外部の人間にはたいへんわかりにくい。企業の場合、いくら多角化した企業といっても、もとは何か特定の分野の専門から始まっている。しだいに周辺に事業を広げたり海外で展開するくらいだ。広げても川上や川下に展開する程度で、いずれにしても合理的根拠に基づいて事業は広がっている。しかし行政の仕事はまったくそうではない。いわば何でもありで、総花展開の極みともいえる。考えてみれば政府の仕事というものは、民間企業や市場経済ではカバーできないものの誰かがやらなければならないことを拾い集めて成り立っている。手がける分野はきわめて広く、かつ必要とされるノウハウも高度な通信技術から心理学、ファイナンスまで多岐にわたる。かくして政府はあまりにもいろいろなことを手がける。そのために逆に全体として何をやっているか理解されにくい。また説明もたいへん難しい存在なのである。
 第2に、企業経営と違って政府の仕事の場合、何がいいかを評価する物差しがなかった。もちろん選挙は政府のあり方を評価する重要な手段だ。新聞、テレビなどの報道もそうだ。だが、いずれも主としてすでに話題の争点となっている事項について情報が集められ広く一般に知らされる。財源や人材の大部分を使っている地味なふだんの仕事についてとりあげられることは少ない。
 かくして人々の生活に身近なはずの政府の仕事ぶりはあまり人々に知らされず、結果としてどんどん進化する企業のディスクロージャーと大きな差がついてしまったのであす。だがこうした動きに対して20-30年前からメスを入れていこうという考え方がでてきた。いわゆるニュー・パブリック・マネジメント(NPM)の考え方である。もともと欧州そして米国で始まったこの考え方は90年代半ば以降は日本でも急速に取り入れられはじめた。官から民への流れや情報公開、行政評価、マニフェスト運動などは全てこの延長線上にあるといえる。

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登録日:2007年 11月 03日 22:08:41

プロフィール
上山信一
(男)
http://www.pm-forum.org/ueyama/
慶應義塾大学総合政策学部教授、改革コンサルタント。専門は大企業・行政・NPO等の経営刷新。近年は地域再生も手がける。大学では「経営戦略」「公共政策」等を教える。旧運輸省、マッキンゼー共同経営者等を経て現職。大阪市生まれ。50歳。中央省庁・自治体の各種委員、企業顧問等を兼務。京大法、米プリンストン大修士。趣味は登山、鉄道、料理。メール:ueyama@pm-forum.org
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