2008年 04月
●新潟市の農産物ブランド評価
以下は読売。
「食と花の銘産品」不十分 新潟市の都市政策研究所=新潟
新潟市都市政策研究所は、2007年度の研究結果を報告し、農水畜産品25品目のブランド化を進める市の「食と花の銘産品事業」について、「ブランド化の実践が不十分」などとする厳しい評価を下した。
同研究所は政令市移行を機に昨年4月に市役所内に設立された政策研究機関。上山信一・慶応大学教授を非常勤の所長に迎え、同市が抱える都市政策課題を研究、報告している。
今回報告した「食と農のブランド戦略」研究では、同事業でブランド化を進める各品目の実力度を評価・分析するため、生産・出荷量などのデータや、卸・小売業者、生産者らへのインタビューなどを実施。その結果、大半の品目が、出荷額、県外出荷量、全国シェア、消費者認知度、購買率などのいずれも低く、流通関係者からも「ロット確保が困難」などの「厳しい評価」が下されていることがわかった。
また、「くろさき茶豆」、洋なしの「ルレクチエ」、「チューリップ」、「南蛮えび」に関しては、「ブランド化への潜在力が認められる」とする一方、山形産の洋なし「ラフランス」など他地域競合品との差異化や市場の見極め、販促活動の確立が課題としている。 今後の対応として、25品目を「ナショナルブランド」「観光用ブランド」「地元消費用ブランド」に分け、個々のブランド化の方策を考察・実践するよう提案している。
カテゴリー[ 地域再生 ], コメント[0], トラックバック[0]
登録日:2008年 04月 24日 00:59:35
●大阪市役所、改革よりも賃上げ
以下は読売、続いて毎日。大阪市は財政危機と裏金疑惑の中で賃上げ、挙句の果てにマニフェストの削減目標は達成困難といいだした。マニフェストでは早期退職金の原資も織り込んで目標設定はしたはずである。今になってそれを理由に「できません」というのは詭弁である。賃下げをしてでも目標達成すべきではないか。
□以下読売
大阪市の杉本佳英・市政改革室長は21日の市議会で、2006年度から5年間で人件費など経常経費の900億円カットを掲げた市政改革マニフェストについて、退職金の負担増を理由に「期限内に目標達成は困難」との認識を示した。改革の現場責任者が、マニフェストの実現に否定的な見解を示すのは初めて。マニフェストは、関淳一前市長時代の06年2月に策定され、昨年11月の市長選で関氏を破って初当選した平松邦夫市長も踏襲することを表明。10年度までに▽公共事業など投資的経費1100億円▽特別会計繰出金250億円――を減額し、計2250億円を歳出削減するとしている。この日の市議会市政改革特別委員会で、杉本室長はマニフェストの実現について「かなりハードルが高い」と言及。その理由について、「08年度までに、投資的経費は目標の92%、特別会計繰出金は同127%をカットしたが、人件費が約6割を占める経常経費の達成率は48%で、予想以上の早期退職者があり、退職金が急増したため」と説明している。
□以下は毎日新聞
大阪市長:日当、首相並み 出張でも厚遇、「府内・公用車」も支給
大阪市が職員の出張時に支払っている日当が他都市より高く、市長は首相と同額になっていることが分かった。06年度の総額が約3715万円に上っていることも判明。日当を巡っては、財政難や公費支出の透明化の観点から大阪府が99年度に府内出張で廃止、神奈川県が01年度に全廃するなど各地で見直しが進んでいるが、財政難の同市は05年に職員厚遇が問題化した際も議論の対象になっていなかった。日当は出張旅費について定めた条例などに基づき、多くの自治体で交通費とは別に支給。出張先で必要となる通信費や移動費などに充てるのが目的だが、定額になっている。大阪市では市長は3800円で、首相や最高裁長官と同額。副市長などは3300円で大臣と同じ、局長級は3000円で中央省庁の事務次官や局長などと同格との位置づけになっている。大阪府知事は3000円、神戸市長は2800円、京都市長は2300円で、大阪市の厚遇ぶりが際立っている。さらに、大阪市では大阪府内や近隣地でも市外に出た場合は定額の2分の1を支給しているほか、その際の移動に公用車を利用しても4分の1に当たる950~575円を払っている。4分の1支給は大阪市独自の制度といい、水道局2443件▽健康福祉局616件▽建設局367件--など7局で100件以上あった一方で、14局では10件未満と局によって大きな差が見られた。水道局は「大半が市外の料金滞納者への徴収業務」としている。神戸市は「交通の便がよくなり、市民目線では理解が得られない」として03年度から鉄道で往復400キロ未満の出張について日当を廃止、京都市は04年度に額を1000円減らしている。一方、大阪市の現行制度は国に合わせて90年度に改定されたままという
カテゴリー[ 大阪市改革 ], コメント[0], トラックバック[0]
登録日:2008年 04月 22日 06:29:39
●問われる市町村長の品格@大阪府
以下、朝日
映像、活字情報をあわせると摂津市長や枚方市長などはちょっと言い過ぎだったかもしれません。相手は府民が圧倒的に支持する知事ですから。有権者はかなり良く見ているのですからへたをすると自ら墓穴を掘ることに・・。そうすれば結局、未経験で未熟なのは果たしてどっちだったのか。長野の名刺折り曲げ事件を思い出したのは私だけではないでしょう。
【激論!橋下行革】
41市町村長一斉批判 4月18日
■歳出削減案巡り
府の改革プロジェクトチーム(PT)がまとめた歳出削減案をめぐって、17日に府庁であった橋下徹知事と、府内の41市町村長(堺・高槻両市は代理出席)の意見交換会は激しい議論となった。「白紙に戻せ」「弱い者いじめ」と非難する市町村長らに「改革の機は今しかない」と最後は涙ながらに協力を求めた知事。市町村長らは知事にどんな主張をぶつけたのか、詳しいやりとりをお届けする。
◆「まず自分の身削れ 白紙に戻しなさい」
・倉田薫・池田市長 改革に協力を惜しむつもりはないが、08年度予算はすでにスタートしているので、歳入の保障を改めてお願いしたい。
・平松邦夫・大阪市長 医療費助成は府と市町村で進めてきたセーフティーネット。PT案に基づき、大阪市で試算すると対象者1人あたり年約4千円から1万2千円の負担増になる。府民に我慢をお願いするなら同時に具体的な負担増を示すべきだ。
・竹内脩・枚方市長 1100億削減ありきという思い込みを取り払ってほしい。PT案では5年もすれば道路は穴だらけ、府立高校はあちこちで屋根が落ちる。少しずつ我慢というが、該当する人は少しじゃない。
・神谷昇・泉大津市長 市町村には府が主体性を持って築いてきた施策が大変多い。PT案はこれまでの関係を破壊するものだ。私学助成は低所得でも行きたい人を救う施策で、大幅な後退は残念。PT案は弱い者いじめ。我慢の限界を超えている。
・岩室敏和・阪南市長 障害者作業所関係の補助金をカットされると自立にがんばっている障害者らが路頭に迷う。我々は乾いたぞうきんをまだ絞るような改革をしている。今のままだと府だけ残って府内の市町村がほとんど倒れてしまう。本末転倒だ。
・岡本泰明・柏原市長 3兆円の予算の1100億円ぐらいでオタオタするな。たった3%。市長はみな、10%、20%と財政カットしている。まず自分の身を削ってからだ。
・森山一正・摂津市長 知事が福祉の視点を言わずPTに丸投げしたからこんな案になった。弱い立場の人には血も涙もないと受け取られてしまう。この無責任なたたき台を土台に判断すると間違う。この際、白紙に戻しなさい。
カテゴリー[ 大阪府の改革 ], コメント[0], トラックバック[0]
登録日:2008年 04月 20日 09:23:41
●マスコミ改革@大阪維新
大阪府改革をフォローする上でサンケイ新聞が欠かせない。数字に基づく問題提起をするからである。従来の各紙の報道は「業界関係者」からのオフレコ情報を土台に役所が発表する情報を味付けして書くものが多かった。ところが橋下改革では「業界関係者」からの情報が真実とは限らない。「某幹部がどう言った」「こうなりそうだ」といったコメントは無責任になりかねない。知事の発想をを先回りしなければ報道できない。そんな中でサンケイの以下の府民意識調査や先日の市町村への裏金調査、あるいは各種シミュレーションなど調査報道の姿勢は一歩ぬきんでているのではないか。大阪府改革には議会や市町村だけでなくマスコミ改革も必要である。
情報公開がかぎとなった大阪市改革では読売新聞が先導役となって各紙が攻めの報道に転じていった。大阪府改革でもプレスの進化を期待したい。
ーー
橋下知事支持75・8% 改革評価9・8ポイントアップ
大阪府の橋下徹知事直轄の改革プロジェクトチーム(PT)の財政再建プログラム試案が公表されたことを受けて、産経新聞社が府内の有権者500人を対象に橋下知事に関するインターネットアンケート調査を実施したところ、知事の支持率は75・8%にのぼり、就任1カ月を前に実施した前回の調査(66%)より、9・8ポイント上昇した。今回の府政改革案が、府民に支持されていることが裏付けられた。調査は16~18日の3日間、20~50代以上の各世代を対象に実施した。75・8%という高支持率を得たが、「支持しない」「どちらかといえば支持しない」という不支持率も16・6%で、前回の調査(9・8%)より6・8ポイント増加した。試案発表前と発表後で知事に対する評価は、52・2%が「変わらない」としたものの、23・8%が「良くなった」と回答しており、「悪くなった」(12・0%)を大きく上回った。試案の内容については、「支持する」と「どちらかといえば支持する」を合わせると68・8%となり、「支持しない」「どちらかといえば支持しない」としたのは18・2%だった。具体的な案への問いでは 職員の300~400億円の人件費カットについて、「適当」と「もっと削るべき」を合わせると8割以上に。大相撲春場所が開催される府立体育会館(大阪市浪速区)の廃止案については、「やむを得ない」(67・2%)が「存続すべき」(23・4%)を大幅に上回った。その一方で高齢者や障害者、乳幼児の医療費助成の見直や府警の警察官520人の削減案については、反対する人がやや多かった。
カテゴリー[ 大阪府の改革 ], コメント[0], トラックバック[0]
登録日:2008年 04月 20日 08:50:55
●「まず、手術」意味大きい(日経インタビュー)
上山です。以下は日経紙上の私のインタビュー記事
大阪再建の行方府特別顧問に聞く(上)慶大教授上山信一氏、「まず手術」意味大きい。2008/04/16, 日本経済新聞
大阪府の橋下徹知事直轄の改革プロジェクトチーム(PT)が二〇〇八年度に計千百億円の効果を見込んだ財政再建プログラム試案を発表した。橋下知事が改革への助言を求めて招いた特別顧問三氏に“大阪再建”の方策を聞いた。一回目は上山信一・慶応大教授。
――大阪府の現状をどう見ているか。
「見ての通りの財政危機だ。ぜいたくとも見える補助金も多い。医療費助成など、ほかの都道府県にはないものが結構ある。一九七〇年代の革新府政でのばらまき行政の撤収作業がまだ終わっていないということだ」
1100億円は1合目
――試案で示された千百億円の収支改善目標は現実的か。
「大阪維新という全体の目標からすれば、千百億円は登山の一合目にすぎない。九年間で計六千五百億円を見直しても五兆円ある借金の問題は解決しない。本来は数兆円レベルの議論をしないといけないが、まずは早く一歩を踏み出すべきだ」
――特別顧問として、府政にどうかかわる。
「個別の施策ではなく、改革全体の構成について助言している。中長期的な経済再生をしないと財政再建もできない。税収を増やしたり、借金を減らしたりする方法も議論しないといけない」
・ないのはおカネ
――市町村は、補助金削減が盛り込まれたことで反発している。
「反発は当然だと思うが、市町村の財政が破綻するわけではない。今まで通りのサービスを無理に継続する必要はない」
――大幅な歳出カットで府民生活に混乱が起きるのでは。
「経済原則の観点で歳出を見直すことと、個々の痛みは別の問題。私学助成の減額などで短期的には困る人も出てくるだろうが、その対応策を考えるのが政治の仕事だ。財政再生団体になってビジョンのないリストラを迫られるよりも、まだましではないか」
――だが、橋下知事のビジョンが見えないという声もある。
「ビジョンじゃなくて金がない。これまで『大阪再生』『関西再生』という空論が叫ばれてきたが、橋下知事が初めて『そんなことを言っている場合じゃない。まず手術だ』と言ったことの意味は大きい」
うえやま・しんいち 大阪市出身。運輸省(現国土交通省)、マッキンゼー・アンド・カンパニー共同経営者などを経て慶大教授。大阪市の市政改革推進会議委員長などを歴任した。50歳。
カテゴリー[ 大阪府の改革 ], コメント[0], トラックバック[0]
登録日:2008年 04月 20日 01:36:08
●大阪府下22市町村長への疑問
予算カットを主張する橋下知事の懇願に反発する大阪府下の市町村長たちへの批判が集まっている。だが、市町村長の主張は一様ではない。もうすこし冷静に論点と主張を整理する必要があるのではないか。総論反対で始まった折衝だが、各論賛成という出口を期待したい。
さて市町村側の懇願には大きく分けて4種類ある。
タイプ1、21年度からなら予算廃止、削減を考えるが20年度のいきなりの強要はやめてくれという懇願・・これはある程度理解できる。府からの補助金で外郭団体の人を雇っている場合などは確かに困るだろう。「執行猶予」の懇願である。しかし、懇願だけではだめで21年度から確実にこうする、といった具体案や代案を出すべきだ。
2、単に弱者いじめはやめろ、セーフティネットだから切るなといった懇願・・気持ちはわかる。だが原資がない。他府県にはないような過剰サービスも多い。見直しを弱者いじめと一律に批判するのは無理がある。かりそめにも市町村長の経営者なのだから単に反対というのでは無責任である。代替政策を考えるとか、あるいは自ら独自の財源を作り出す。それこそ20年度だけ職員人件費に切り込み、弱者対策をするといった覚悟がほしい(一部の実施は21年度としてもである)
3、府主導ではじめた事業だから裏切られた。困るという主張・・心情はよくわかる。しかし時代は変わった。知事が変わり、財政も危機だ。国の方針もころころ変わっている。言っても仕方がない。時代についていけない方々かもしれない。
4、府よりも先に財政再建団体になってしまうという懇願・・これは理解できるが本当にそうか、きちんとシミュレーションをして数字を市民と知事に示すべきである。
総じて気持ちは良くわかるが、現時点では情緒的反応の域を越えない。みなさん真剣勝負である。知事をいじめたという言い方は失礼だが「反対」「反対」の大合唱は集団としての弱さを逆に全国に露呈させるばかり。いつまでもこういう姿勢では地元市民にもあいそをつかされる。そもそも大多数の市民が橋下知事を支持しているのである。市民は改革の覚悟ができているのに市町村長はできていないという見方もできる。加えて以下のサンケイ記事。
摂津、枚方など以下の市町村は大阪市や府で起きた裏金問題がないかどうかの点検調査をしていないそうだ。これら市町村長には、府の改革を批判する資格があるのかどうか疑わしい。
「豊能町、池田市、箕面市、茨木市、高槻市、豊中市、吹田市、摂津市、枚方市、寝屋川市、守口市、門真市、東大阪市、八尾市、羽曳野市、千早赤阪村、堺市、高石市、泉大津市、貝塚市、熊取町、泉南市」
以下、サンケイ
22市町村 裏金調査せず 自主的に確認 5市町のみ
大阪府、大阪市などの一連の裏金問題を受けて、自主的に全庁調査を実施し、不適正な「プール金」や、業者への「預け金」などについて確認したのは、大阪市を除く府内の42市町村のうち、岸和田市や能勢町などわずか5市町にとどまっていたことが15日、産経新聞が首長らを対象に実施したアンケートでわかった。13市町が今回のアンケートを受けて調査を実施、あるいは実施予定とし、内部の不祥事をきっかけに独自調査を行った2市を除く22市町村は調査さえ行わないまま、「裏金問題はない」と回答した。大阪市の裏金問題では、市が実施した公金外現金などの会計処理状況の調査や、法令順守制度の整備が、問題発覚の契機となっている。調査も行わずに「裏金はない」と断言する市町村長の姿勢は、説明責任能力や規範意識の点で疑問視されそうだ。アンケートは3月、府内42市町村の首長を対象に実施。その結果、箕面市や豊能町など、少なくとも7市町で過去に不適切な「プール金」や職員の私的流用など会計処理上の不祥事が起きていることが判明した。そのうち河南町では、隣町の不祥事を受けて今年2月に自主的に全庁調査を行った結果、同町が管理する商工会支部の預金口座から、職員が230万円を着服していた事案が発覚。摂津市では福祉団体の会費をめぐり管理の甘さが問題になり、是正措置を取っていた。
また、今回のアンケートを受けて、12市町が全庁調査を実施、交野市は4月中の調査を予定していると回答した。一方、22市町村は全庁調査さえ行わず、「過去、現在にもわたって裏金問題はない」などと答えた。調査しなかった理由について、「会議で周知しており、特に必要ない」(泉南市)、「定期的に人事異動を行っており、職員は十分違法性を認識している」(吹田市)―などと回答した。過去4回にわたって、不適正な会計処理が問題になった豊能町も、「改善措置を取ったのちに問題は発覚していない」などとし、改めての調査は実施しないとしている。
大阪府内の自治体で裏金調査を行ったかどうかは以下の通り。
【調査せず】豊能町、池田市、箕面市、茨木市、高槻市、豊中市、吹田市、摂津市、枚方市、寝屋川市、守口市、門真市、東大阪市、八尾市、羽曳野市、千早赤阪村、堺市、高石市、泉大津市、貝塚市、熊取町、泉南市
【アンケート受け調査】大東市、柏原市、松原市、藤井寺市、太子町、富田林市、大阪狭山市、河内長野市、和泉市、忠岡町、田尻町、阪南市、交野市(予定)
【内部不祥事で調査】四條畷市、泉佐野市
【府で発覚時に調査】能勢町、島本町
【その他の理由で調査】河南町、岸和田市、岬町
カテゴリー[ 大阪府の改革 ], コメント[0], トラックバック[0]
登録日:2008年 04月 15日 23:54:34
●リーダー誕生の予感@大阪維新
以下はサンケイ。
就任間もない橋下知事の手腕は「まだ未知数」と評価するのが妥当だろう。
しかし現場主義の経営者、大胆な改革者としてすでに高く評価する人が多い。そして何よりも一生懸命やっておられる。
僭越ながら、「改革屋」の私の視点から見ても就任直後からこれまでの軌跡は満点に近い。特にいきなり施設、出資法人、人事の3つに着眼する洞察力は只者ではない。38歳ゆえの勢いとか素人のすごさという人もいるが違う。あれは天性のセンスの良さ、リーダーの資質そのものである。
おまけにあのスピード感。外資育ちの私も驚くほど。リストラだけでなく「水都再生」に意欲を示し、対霞ヶ関は誠心誠意、丁寧に対応。庁内では大胆な案をPTに出させ、自らは裁判官の位置づけで整理に当たるスタンスも賢明である。
極めて順調なスタートといってよいのではないか。これは大阪にとってはまれに見る僥倖である。
だが、これからがいよいよ試練。市町村長、議員など選挙で選ばれた人たちとの対話が始まる。民意をそれぞれしょった上での真剣勝負。知事といえども支持率をバックに力で押し切っては改革は挫折する。かといって妥協を重ねれば財政再建は遠のく。対話の過程で財政再建の意味をみんなで考え、府民も学習する。ビジョンを遠くに見据えつつ、みんなで改革の痛みに思いを寄せ、丁寧に意見を集め、最後は思い切る・・トップとしての胆力が問われる局面だ。
だがそれを乗り切ったとき、大阪は久しぶりに(そう、おそらくほぼ半世紀ぶりに・・)強力な指導者を得る。ついに待ちに待った「リーダー誕生」という予感がする。そのための投資と考えれば、今回の1100億円の痛みはは安いものかもしれない。
ーーー
「五感で感じないと」橋下知事、民営化方針の府民牧場を視察
2008.4.13 02:44
橋下徹府知事は12日、知事直轄の府改革プロジェクトチーム(PT)が「財政再建プログラム試案」で民営化の方向性を示した府民牧場(能勢町)を視察した。子供から「牧場をなくさないで」と要望される一幕もあった。多くの家族連れでにぎわう府民牧場に橋下知事が到着すると、入り口付近には記念撮影や握手を求める人が集まり、知事を取り囲んだ。橋下知事も「こんにちは」とあいさつし、幼児を抱き上げてカメラに向かってポーズを取ったり、握手に応じたりとサービスした。このあと、橋下知事は、ヒツジの餌やりを体験。近くにいた子供から「牧場が好きだから、なくさないでください」と訴えられ、うなずいていた。橋下知事はこの日、府民牧場に先駆けて、府北部の大規模ニュータウン「彩都(さいと)」や「負の遺産」と位置づけられたニュータウン「箕面森町(しんまち)」などの大型開発プロジェクトを視察。すべての視察を終え、報道陣の取材に応じた橋下知事は「机の上で資料をみるのと、直接現場に足を運んでみるのとは違う。自分の五感を持って感じないといけないと思った」と感想を述べた。その一方で、個々の施設について質問が及ぶと「今後の議論に影響してしまうので…」と言葉を濁した。
カテゴリー[ 大阪府の改革 ], コメント[0], トラックバック[0]
登録日:2008年 04月 13日 07:42:43
●地味だけど着実な努力:大阪市教育委員会
以下は大阪日日新聞。識者も交えた教育論が盛んだが、「事件は現場でおきている」。教育は教室で教師がやっている。教師を支援する体制作りこそが行政の責任である。大阪市の市政改革でも67事業の経営分析の中で唯一、義務教育は特別扱いとした。現場の教師の評価や管理の強化、合理化よりも、彼らをいかに支援すべきかを考えた。支援策の第一が「モンスターペアレント」の存在を世に知らせ、教師を支援する体制とマニュアルを作成することだった。
ーーー
「保護者の苦情」対応マニュアル 教職員向けに作成
大阪市教育委員会は、学校への行き過ぎた要求や苦情を突き付ける保護者「モンスターペアレント」への対応をまとめた教職員用のマニュアルを十日、作成したと発表した。具体的な事例などでポイントを解説。市立小中学校四百二十九校の全教員に配布するなどし、学校と保護者らの良好な信頼関係に結び付けたい考えだ。対応マニュアルは、教育現場が保護者らの要望などの対応に苦慮していることが、校長へのアンケートなどによって判明したことを受け、学校への無理難題要求の問題に詳しい小野田正利・大阪大大学院教授の協力で作成した。対応のポイントとして▽訴えの内容を丁寧に聞き取る初期対応▽担任や子どもから複数で聞き取り、記録を残す事実確認▽管理職を中心に対策チームを立ち上げるなどの組織的な対応▽教育委員会ら関係機関との有機的な連携-の四点を提示。また、保護者が担任を辞めさせるよう求めた苦情への対応例など十二事例を挙げ、具体的に対応手順を解説している。市立小中学校の全教員をはじめ、幼稚園や高校などには各校一部ずつ配布。今後は教員の研修会などで使い、各学校の実情に応じたマニュアル作りの参考にするという。
カテゴリー[ 大阪市改革 ], コメント[0], トラックバック[0]
登録日:2008年 04月 12日 04:20:09
●大阪府:橋下改革PT案
以下は毎日新聞(含む、私のコメント)
◇始まりに過ぎぬ--大阪府特別顧問の上山信一・慶応大教授の話
PT案は、1100億円削減という橋下知事の至上命題を一律カットという形で提案しただけで、改革の始まりに過ぎない。今後は知事と議会、市町村長という民意で選ばれた人同士が対等な立場で責任ある対話を行い、政治の責任を果たさなければならない。橋下知事も独断では決められない。府財政は放置すれば、もっと大変になる。府民もそれを理解し、行政がどんな仕事をすべきか考えなければならない。
(以下、記事本文)
関西財界はこれまで橋下徹知事に対し「就任6カ月までは静観でいい」(下妻博・関西経済連合会会長)という立場。だが、今回の財政再建プログラム試案(PT案)で具体的対立点が浮上し、困惑が広がっている。特に対立するのが、中小企業に経営指導するための「小規模事業経営支援事業費」を「08年8月から大幅に縮減する」とした点。大阪商工会議所にとり「根幹の活動」(中堅幹部)で、既に08年度予算を組んで事業を進めている。同会議所は「譲れない」(同)と話しており、激しい交渉が予想される。PT案が「09年度から廃止」とした「関西国際空港ゲートウェイ機能強化促進事業」の事業主体の協議会は、下妻会長が会長。関経連内では「これまで経済界と自治体が連携して効果を上げてきた。関空の基盤が安定するまで支える必要があり、この案では官民の連携が壊れる」などの厳しい声が聞かれた。企業誘致を進める「企業立地促進補助金」の見直し、御堂筋パレードなども火種になりそうだ。
◇府有8施設廃止
大阪府のPT案では、46出資法人(うち2団体は既定方針に基づき既に解散)を事業の必要性や効率性、民営化の可否を主な基準に、統廃合や府の関与の撤退などで全面的に見直し、出資法人数は18とする。出資法人への一般財源ベースでの補助金・委託料の削減は06年度決算で249億円。削減額は今年度で36億円、来年度は66億円に上る。27の府有施設は、集約・多機能化を基本に8施設を廃止する方針。弥生文化博物館は近つ飛鳥博物館▽体育会館は門真スポーツセンター▽国際児童文学館は中央図書館▽青少年会館は女性総合センター(ドーンセンター)と労働センターに、それぞれ集約させる。地元市町村との共同運営やNPOの協力などで存続を図るものもある。青少年会館など売却予定施設もあるが、売却額が流動的なため全体の収支改善額には含まない。
カテゴリー[ 大阪府の改革 ], コメント[0], トラックバック[0]
登録日:2008年 04月 11日 22:29:46
●自治体改革を離陸させるコツ--「革命」に学ぶ
多くの自治体が改革に取り組む。なかでも選挙によるトップの交代や不祥事を機
に始まった改革には勢いがある。だが改革には失敗も多い。特に持久戦で抵抗勢力に敗れることが多い。筆者は官民さまざまな組織の改革に軍師として関わってきた。そこから得た教訓は「改革の本質は権力闘争であり、内実は革命である」ということである。改革では前例を打破し、既得権益を剥がし、仕事や事業のパラダイムを変える。この作業には数年を要する。だが最初の離陸過程での“仕込み”がその成否を決める。“仕込み”とは第1に守旧派の権力基盤の破壊、第2に課題の発掘と情報公開、第3に外からの評価の獲得である。
■制度改革で守旧派の権力基盤を破壊する
当初は改革者は弱小で守旧派は強大である。改革者は権力を得たらすぐに守旧派の権力基盤の破壊を図る。自治体改革の場合は、制度改革をやる。例えば(1)情報公開条例の内容強化、(2)補助金審査プロセスの公開、(3)各種団体との交渉のオープン化、(4)行政オンブズマンと公益通報制度、(5)議員の口利き禁止条例の制定、(6)首長の多選禁止条例の制定、(7)各種支援制度のサンセット化(終了期限を定めておくこと)などである。
これらの制度は行政の透明性を高め権力の腐敗を防ぐ。誰にも反論できない制度なので導入しやすい。制度化しておけば守旧派が再び権力を得ても逆戻りさせにくい。例えば情報公開制度〔上記の(1)~(3)〕が強化されると、守旧派、つまり既得権益勢力は新たな権益が得られない。こうしておいてさらに過去の不正を炙り出す。特に(4)の行政オンブズマンと公益通報制度が強力だ。職員や市民が行政の窓口を通さず直接に外部の専門家に違法または不適正な事例を通報する。誰が通報したか特定できない制度にしておけば威力を発揮する。筆者が今春まで市政改革推進会議の委員長として関与した大阪市役所の改革でもこの制度をいち早く導入した。
■課題の発掘と全面情報公開
不正や権益の抑止で勢いを得たら次は日常業務の改革である。行政機関の仕事は複雑多岐にわたる。個々に問題を指摘するときりがない。また予算編成や条例改正には時間がかかる。システマチックに課題を発掘して問題提起するとよい。具体的には各事業の体系的な分析と評価を行いその報告書を公表する。例えば大阪市役所ではバス、水道、消防、病院など主要67事業の「経営分析」を行った。各事業について現状(予算、組織など)、費用対効果、他都市や民間との比較、過去からの推移などを整理した。経営課題も報告書に文章で書き込んだ。膨大な分析資料のすべてを情報公開し、横浜市の2倍の過剰人員、市民満足度も低い」といった記述が明らかにされた。ここまでやっておけば仮に守旧派が勢力を盛り返しても過去への回帰は許されなくなる。
《参考》事業分析:主要67事業ユニット(大阪市)
http://www.city.osaka.jp/keieikikakushitsu/kaikaku/
kaiken/shiryo/
bunseki/unit.html
なお以上の課題発掘は行政改革の担当部門や部門の枠を超えたタスクフォースが行う。だが課題解決は縦割りの各部局に取り組んでもらう。すでに課題は広く情報公開された。それを放置すると部局長の減点対象になると通告する。そして期限を設定し、「何が重点課題か」「いつまでにどう解決するか」を提案してもらう。出てき
た提案は幹部会や外部の委員が集まる席で批評する。踏み込んだ提案は誉め、腰が引けたものは批判する。やがて部局長の間に競争意識が芽生え、高い目標設定が出てくる。
■外部からの評価の獲得
改革を持続させるためには早い段階から域外、全国からの評価を得る必要がある。一般に地元の有力者はマスコミも含めて改革に冷淡である。どちらかといえば彼らは既得権益勢力だからである。一般市民には知識が足りない。最初は盛り上がっても地元はすぐに半信半疑になる。だが全国紙やテレビが誉め、視察団がどんどんくると空気が変わる。また自治体は横並び、前例踏襲主義である。どこかで新しいやり方が世論の支持を得ると全国に広がる。三重県発の事務事業評価、武蔵野市発のコミュニティバスが典型だ。自治体改革は内容が斬新であればあるほど全国を相手とする情報戦にもなる。中身は他の自治体に波及し、国の制度にも影響を与える。さらに先進自治体同士は競争をする。それが新たな刺激を生む。改革の勢いを維持するには全国の注目と支持が必要だ。
以上、改革を持続させる条件を述べたが本質はシンプルだ。革命と同じく最初に前政権の悪事を暴き、権威を失墜させる。「情報公開」と「公益通報制度」で外堀を埋め彼らの自然崩壊を待つ。同時に政府軍(各部局)に忠誠を誓わせ人事権を行使しながら徐々に実権を掌握する。やがて新機軸を打ち出し、外部(全国)の評価を獲得して権威を確立する。かくして改革は巡航飛行に入るのである。
カテゴリー[ 改革術 ], コメント[0], トラックバック[0]
登録日:2008年 04月 10日 20:59:24
- プロフィール
- 上山信一
- (男)
- 慶應大学総合政策学部教授。大阪市生まれ54歳。専門は企業・行政機関の経営戦略と組織改革。都市・地域再生も手がける。旧運輸省、マッキンゼー共同経営者等を経て現職。国交省政策評価会(座長)、大阪府と大阪市の特別顧問、新潟市都市政策研究所長、日本公共政策学会理事、各種企業・行政機関の顧問や委員等を兼務。府立豊中高、京大法、米プリンストン大学修士。著作等 ツイッター@ShinichiUeyama
- 最近のエントリー
- [02/13] これまでの地方行財政改革を俯瞰してみると、…
- [02/12] 大阪維新と中央政治
- [02/10] 読み比べたら歴然!中国新聞の意図的偏向?VS正確なサンケイ!
- [02/07] 大阪市役所 抜き打ち調査の権限付与 公益通報で制度強化検討
- [02/02] 橋下市長に「ついてゆけない」ひとたち
- [02/02] 400周年を前に
- [01/30] 改革に優先順位、民営化など推進 慶大教授・上山信一氏 キーマンに聞く
- [01/30] どうなってる、大阪の治安
- [01/28] 大阪府市統合本部、地下鉄・バスの検討チーム 2月
- [01/27] 新潟市の「バス奉行」
- 月別アーカイブ
- 2012年 02月 [6]
- 2012年 01月 [12]
- 2011年 12月 [21]
- 2011年 11月 [14]
- 2011年 10月 [9]
- 2011年 09月 [6]
- 2011年 08月 [6]
- 2011年 07月 [5]
- 2011年 06月 [6]
- 2011年 05月 [11]
- 2011年 04月 [22]
- 2011年 03月 [20]
- 2011年 02月 [18]
- 2011年 01月 [15]
- 2010年 12月 [9]
- 2010年 11月 [5]
- 2010年 10月 [7]
- 2010年 09月 [11]
- 2010年 08月 [10]
- 2010年 07月 [19]
- 2010年 06月 [6]
- 2010年 05月 [3]
- 2010年 04月 [4]
- 2010年 03月 [12]
- 2010年 02月 [4]
- 2010年 01月 [7]
- 2009年 12月 [10]
- 2009年 11月 [9]
- 2009年 10月 [14]
- 2009年 09月 [7]
- 2009年 08月 [7]
- 2009年 07月 [8]
- 2009年 06月 [7]
- 2009年 05月 [5]
- 2009年 04月 [5]
- 2009年 03月 [1]
- 2009年 02月 [7]
- 2009年 01月 [7]
- 2008年 12月 [8]
- 2008年 11月 [9]
- 2008年 10月 [14]
- 2008年 09月 [6]
- 2008年 08月 [15]
- 2008年 07月 [8]
- 2008年 06月 [12]
- 2008年 05月 [15]
- 2008年 04月 [15]
- 2008年 03月 [18]
- 2008年 02月 [21]
- 2008年 01月 [5]
- 2007年 12月 [13]
- 2007年 11月 [9]
- 2007年 10月 [11]
- 2007年 09月 [5]
- 2007年 08月 [5]
- 2007年 07月 [14]
- 2007年 06月 [24]
- 2007年 05月 [28]
- 2007年 04月 [18]
- 2007年 03月 [25]
- 2007年 02月 [22]
- 2007年 01月 [25]
- 2006年 12月 [19]
- 2006年 11月 [31]
- 2006年 10月 [27]
- 2006年 09月 [24]
- 2006年 08月 [22]
- 2006年 07月 [25]
- 2006年 06月 [19]
- 2006年 05月 [11]
- 2006年 04月 [11]
- 2006年 03月 [10]
- お気に入りリンク
- 行政経営フォーラム
- 検索