2008年 06月

●記事までゆるい玉虫色(大阪市)

以下は日経のコラム記事。分析が浅過ぎないか。それから「見せ方」という職員の言葉はチョー感じ悪い。ほんとに改革の中身が充実しているのだろうか?市民あたりの職員数が福岡の2倍、ウルトラ過剰人員の市役所がさらに賃上げをするというノーテンキさである。市政改革はマイナス100点からの出発だったはずだ。改革の初心はどこにいったのか?
 この記事、いかにも身のまわりの市役所関係者の意見を聞いてそれこそ玉虫色にまとめた風に見える?いったい何を言いたいのか。あちこちに気を使ったらこうなった?プレスの責任として、誰でも抱く以下の疑問にちゃんと答えてほしい。

・新市長は、前市長の改革路線に異を唱えて当選した。だが就任後は、前市長の改革路線を踏襲されているようにみえる。その背景にはどういう事情があるのか。
・地下鉄民営化反対が大きな争点だった。それについて新市長は今はどうお考えなのか?
・前市長の改革を本当に全て踏襲しているのか。何か変えたたことがあるのではないか。
・新たに新市長が打ち出した政策、改革メニューは何か。
・就任後の財政状況などの変化への対応力はどうか。
・労使関係の正常化は進んでいるのか?

 スタイルだの、見せ方だの、橋下との対比だのふわふわした論評にどれだけの価値があるのだろうか。首長は権力者である。その本質を踏まえ、緊張感のある記事を書いていただきたい。市役所が緩んだらプレスも緩む・・・。勉強不足のきわみ!プレスがこうでは話にならない。

<先望鏡>「見せ方」問われる平松市政――改革姿勢、大阪府と比較される宿命
2008/06/23配信
 「玉虫色」。物事などがはっきりせず、どうとでも解釈できることの例えだ。今月19日、就任半年を迎えた大阪市の平松邦夫市長は、自らのカラーをあえてこの「玉虫色」と表現する。
「もちろん悪い意味ではありません。玉虫というのは、光線によって金にも赤にも緑にも見える。1つでなく、すべての『色』を持って、状況に合わせて使いたい」。相手や局面で柔軟に対応するカラーを持ち味にしたいという。この半年間、平松市政に対して市民から聞こえてくるのは「独自色が見えない」「改革が進んでいない」などの声だ。市政改革でいえば、5年間で2250億円を削減する「市政改革マニフェスト」が進んでいることに加え、今月中旬には、公債償還基金の取り崩しをやめ、約1200億円の追加削減をすることを表明。市営地下鉄の民営化問題は白紙に戻されたが、改革全体を見れば、むしろ前進しているといっていい。
 それでも「改革が停滞している」という印象を与えてしまうのは、大阪府の橋下徹知事が全国の注目を集めるほどの、大胆な改革案を短期間に打ち出したためだろう。市に先月寄せられたメールや電話でも「橋下知事は歳出削減の具体的な策を出しているのに、大阪市は何をしているのか」「スピードが遅すぎる。何とも歯がゆい」など、明らかに大阪府と比較した批判、意見が目立つ。
 ある市職員は「同じような改革を進めているのに、『見せ方』の違いで大きな差があるように思われてしまう」とぼやく。大阪市の前には今、様々な壁が立ちはだかる。2回目の破綻の懸念が持たれる大阪ワールドトレードセンタービルディング(WTC)など第三セクター問題、裏金など職員不祥事の再発防止、新たな1200億円の財政削減で「聖域ではない」とした人件費削減……。いずれも処理につまずけば、現時点での評価を市長自ら「合格点の60点」とした採点を「落第点」に下げかねない“爆弾”だ。そうした中で、市長が「大事にしている」というのは市民や職員との触れ合い。その対話などから「最善の策」を導き出し、施策に反映させたい思いを持つ。「鳥の目、虫の目」という言葉があるが、府政を俯瞰(ふかん)して大方針を打ち出す橋下流を「鳥の目」だとすれば、地道な積み重ねから結論を探る平松流は「虫の目」といえるかもしれない。だが、府が矢継ぎ早に改革案や施策を打ち出す中で、明確な市の将来像を早急に打ち出せなければ、大阪市政は色のはっきりしない、文字通りの「玉虫色」に埋没する危険もはらむ。府と市という両輪がそれぞれ機能しなければ、大阪の活性化という車は動き出さない。平松市政に投げかけられる「いらだち」や「歯がゆさ」は期待の裏返しでもある。
 「目線を市民に置き、市民の中に入り、新しい明るい大阪を創造してください。負の遺産を早く清算して、未来志向の市政に向かってください」市には最近、こんな意見も寄せられている。

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登録日:2008年 06月 27日 09:18:28

●関市長時代の改革の成果ーー駐車場民間委託

以下は朝日。
大阪市が、外郭団体や職員労組OB団体に任せていた駐車場14カ所の管理業務を民間業者に切り替えたところ、06、07年度の2年間で計約3億円の増収になった。市契約管財局が20日発表した。2倍以上の増収につながった駐車場もある。予想以上の成果に、担当者は「今後も民間委託を進めたい」と喜ぶ。 5兆円を超える借金に悩む市は06年度、増収を図るため、競争を伴わない随意契約などでOB団体などに駐車場管理を委託する方法から、一般競争入札で賃貸料を競わせる方式に切り替えた。 増収幅が最も大きかったのは旧梅田東小跡地の梅田東駐車場(北区、102台)。07年度の賃貸料は1億9150万円で、前年度の2.32倍になった。OB団体が管理していた市役所の地下駐車場(261台)も民間に管理を委ねたところ、同年度に6058万円の使用料が入り、市の収入は2.13倍に増えた。

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登録日:2008年 06月 21日 01:22:32

●「官僚国家日本を変える元官僚の会」発足のお知らせ

以下は朝日。私も発起人に名を連ねることにした。財界や中央省庁、あるいは自治体の各種委員を務めてみて思うのが「民間人は役所にだまされやすい」ということ。マスコミも問題だ。わかっていても本当のことを書かない。
 役所の側に必ずしもだまそうという悪意があるわけではない。しかし、あまりにスタンダードが違う。それで改革案の本質的おかしさ、隠された未来の骨抜きの余地に民間側が気がつかない。そういいう会議の席上で僕はいつも案の書き直しを指摘してきた。多くの場合、自ら事務局案に赤ペンをいれてきた。若手官僚も「実は僕もおかしいと思っていました。ほっとしました」と安堵の表情。彼らはいたってまじめだ。20年前の自分の戸惑いをふと思い出す。
若い頃に仕事をしただけだが役所の流儀はだいたい読める。僕らの「役所リテラシー」を今後の改革に役立てていただきたいというのがこの会の趣旨である。
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「脱藩官僚」が政策点検集団 脱・官僚国家目指し発足へ(6月16日)
 中央省庁を退職し、官僚主導の政治に批判的な「脱藩官僚」が、政策集団を結成することになった。政府が打ち出す政策を点検し、官僚による「骨抜き」をあぶり出す狙い。近く発起人会を立ち上げてメンバーを公募し、8月下旬にも召集される臨時国会前に設立総会を開く予定だ。 名称は「官僚国家日本を変える元官僚の会」。省庁再編を進めた橋本元首相の秘書官だった江田憲司衆院議員が呼びかけた。「ゆとり教育」の旗振り役だった寺脇研氏らが発起人を務める。 出身省庁の支援を受けていないことが参加条件。特定の政治路線と結びつかないよう、既成政党の議員や候補者は対象としない方針だ。 設立趣意書で「多くの政治家が官僚の手のひらの上で踊っている」と指摘。将来は霞が関と対抗するシンクタンクを目指す。霞が関改革が与野党の結集軸となれば、政界再編にも影響を与えそうだ。
当面は消費者庁設置法案や、公務員の再就職を一括してあっせんするため秋に新設される「官民人材交流センター」(新人材バンク)に照準を合わせて点検する。
■「官僚国家日本を変える元官僚の会」の発起人
江田憲司 衆院議員(52)旧通産省=代表 、寺脇研 京都造形芸術大教授(55)文科省
高橋洋一 東洋大教授(52)財務省 、上山信一 慶大教授(50)旧運輸省 、福井秀夫 政策研究大学院大教授(49)旧建設省 、木下敏之 元佐賀市長(48)農水省 、岸博幸 慶大教授(45)経産省 、石川和男 新日本パブリック・アフェアーズ上級執行役員(42)経産省 ※カッコ内は年齢、その右は出身省

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登録日:2008年 06月 16日 09:14:55

●区役所のインナーブランディング@政令市・新潟

上山@新潟市都市政策研究所です。
新潟市では昨年から区役所のインナーブランディング活動をやっています。「インナーブランディング」とは自分たちの会社のことを外に説明する過程で社員が一体感をもち、会社のアイデンティティーを発掘していくという作業です。外向けのブランド戦略をプロ任せにせずにプロの助言を得ながら社員主体でやる。その過程で社員も成長し、見えない資産や価値も発掘できる。過程と成果の両方で一石二鳥を狙うのです。ANAなど企業がたくさんやってる手法です。
 これを新潟市では新設されたばかりでまだアイデンティティが確立途上の区役所でつかってみました。ブランド媒体にはWEBページを使いました。具体的には区の特性を区職員が市民にききながら発掘し、それをWEBで発信するという活動です。手始めに昨年秋から西区と秋葉区の2つの区役所でWEBサイトの構築をすることになり準備してきました。
それがおひろめの段階にきたので紹介します。以下のとおりです。
西区
http://www.specialsite.city.niigata.jp/nishiku/
秋葉区
http://www.specialsite.city.niigata.jp/akihaku/index.html

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登録日:2008年 06月 13日 20:45:08

●橋下改革、支持85%

以下は毎日新聞より。
毎日新聞世論調査:橋下・大阪府知事の財政再建案、85%が賛成 知事支持は66%
 毎日新聞は6、7両日、大阪府の有権者を対象に、橋下徹知事の財政再建に対する賛否を問う電話による世論調査を実施した。5日に発表した財政再建案について、「賛成」は85%で、「反対」の12%を大きく上回った。ゼロベースで事業を見直し、担当部局や市町村長との議論を公開するなど異例の手法で進めてきた財政再建に、府民は大きな期待を寄せている。橋下知事についても、「支持する」が66%で「支持しない」の6%を大幅に上回った。財政再建案に対し、「全面的に賛成」は37%▽「賛成だが一部反対」は48%で、「全面的に反対」は1%▽「反対だが一部賛成」は11%だった。男性の89%、女性の83%が「賛成」と回答した。10歳区切りの年代別では、30代以上の全年代で84%を超える人が賛成し、橋下知事と同世代の30代では「賛成」が最高の90%に達した。一方、20代は「賛成」が71%、「反対」が26%で他の年代より不支持が多かった。橋下知事の改革のスピードについて尋ねると、「ちょうどいい」と肯定する回答が67%だった。出資法人の廃止や人件費削減案などを矢継ぎ早に打ち出す橋下知事の改革姿勢は、多くの府民の理解を得ている。一方で、「早すぎる」との回答も25%に上り、改革を性急と受け止める人も少なくなかった。 財政再建案は、高齢者、障害者、ひとり親家庭などを対象とする医療費助成の削減を今年度は見送ったものの、来年度からは実施の方向で見直すとしている。この方針に対しては「反対」が75%に達し、生活に影響する事業費の削減などでは抵抗感が大きいことも浮き彫りになった。削られることが心配な施策の分野別では、「医療」が38%と最多で、「福祉」「教育」と続いた。

 職員の人件費削減では、「賛成」が83%に達した。一般職で平均給与12%、退職手当5%カットと、職員にとっては厳しい減額案も府民の支持は大きい。

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登録日:2008年 06月 11日 00:28:22

●知事と議会への期待(大阪府)

6月6日の朝刊各紙(大阪)は橋下知事が公表した財政再建案を大きく取り上げた。「事業費と人件費で665億円を支出削減。財産売却などで435億円の歳入確保。合計で1100億円を圧縮」という案である。今後は6月下旬に予算案となり、7月議会で議決されると決定となる。したがってまだ「案」でしかない。だが就任後、わずか4カ月でここまで纏めた知事への評価は高い。今回は「1100億円プラン」の意義を改めて考えてみたい。
■積み上げ努力型から目標設定型へ
通常の予算編成では財政当局が各部、各種団体、議員と事前協議を重ね妥協を経た案が首長予算案になる。それが今回ははじめに知事が「1100億円」の目標値を打ち出した。何としても初年度から財政再建への糸口をつけるという強烈な決意表明である。その数字を前提に知事直属のプロジェクトチーム(PT)が素案を作り、各部と協議した。当初のPT案への反発は猛烈だった。「始めに数字ありきはおかしい。行政は弱者を守ることこそが使命だ」と東京の学者やコメンテータも批判した。

 だが、予算編成とは政治そのものである。そして政治とは理想を抱きつつも、誠意を尽くして対話と調整を重ねる作業である。PT案はあくまで案。もともと全部が通るという前提で作成されたわけではない。しかし知事はたたき台としてPT案を尊重。それをもとに市町村長、各部長、議会各会派、さらに各種団体の意見も聞いたうえで案を修正した。府民からの賛否両方のメールなども公表された。今回の数字はそうした民主的プロセスの産物である。透明度が高いと府民の間では納得感が強い。
■3つの効果
今回の「1100億円圧縮」の意義はどこにあるのか? 私は3つの効果があると見て
いる。
(1)止血効果--借金自己増殖の悪循環を断つ
大阪府の財政は借金のために減債基金を取り崩し、その取り崩し原資のために借換債を増発するという典型的な借金の先送り、いわばサラ金地獄に陥っていた。毎年の予算を組むのがやっとで債務は増える一方だった。しかし今回は減債基金の取り崩しと借換債の増発をやめた。それで、まずは借金の自己増殖に歯止めをかけた。当初の計画では2011年度までに2800億円の借換債の増発を見込んでいた。それが、今後は大幅な税の減収がない限り、毎年約1000億円規模の収支改善を継続できればゼロにできる計算だ。今回の措置でその目処がつけば、あとは毎年約3000億円の公債償還をベースに負債を減らしていけばよいことになる。今回の1100億円という数字は5兆円の債務全体に照らせば小さい。景気後退のリスクもある。だがともかく悪循環を断ち切ったと考えればその意味は大きい。
(2)目覚まし時計効果--府民の危機意識を喚起
財政危機は太田前知事も必死で訴えていた。だが、数字が大き過ぎて府民の問題意識は薄かった。しかし今回の1100億円をめぐる大騒動で多くの府民がとうとう目覚めた。例えば日経ネット関西が4月に配信した記事で最も多く読まれたのは「大阪府財政再建案に市町村反発」(17日配信)だった。PT試案に市町村長が猛反発し、橋下知事が涙ながらに協力を訴えたという内容だった。府民はついに財政危機を認識し始めた。
(3)虫干し効果--既得権益の存在を白日の下に
今回のPT案は従来からの聖域に正面から切り込んだ。私学補助金、大阪府独自の医療補助、その他障がい者や同和行政関連、医師会・オーケストラなどへの団体補助、警察予算などの一切が棚卸しされた。その後の折衝や知事の判断で復活したもの、削減率が小さくなったものもある。だが全てがいったん白日の下にさらされたことの意味は大きい。既得権益の存在が明らかにされた。問題事業は今後も毎年、削減や廃止のリスクにさらされる。税金はできるだけ有効に使うという意識が働く。例えば補助金をもらう私学の経営者などはもはや北新地で豪遊できなくなるだろう。
■見識の高い府議会
さて知事の案ができたといっても7月議会で予算案が通らなければ改革は失敗だ。これまでの審議を見る限り、議会は財政危機の現状を正しく理解している。しかし議会の仕事はあくまで知事のチェックである(二元代表制)。財政再建は将来世代の借金を減らすため、現役世代は我慢をすべきという知事の主張には多くの府民が賛同する。だが個別の予算をみたときにはどうか。本当に必要なものを削り過ぎていないか、まだ見過ごされている無駄がないか。議会でオープンに討議をしてほしい。ちなみに6月6日付の朝日新聞は「抵抗勢力批判、府議会すくむ」という見出しで議会の動きを伝えている。だが「議会イコール抵抗勢力」という従来型のステレオタイプはいかがなものか。大阪府では知事だけでなく議会もよそとは違う。はるかに進化した「ニュータイプ」なのだ。
府議会の改革意欲は、筆者自身が3年前に実体験した。府議会の調査委員会に招かれ道州制について意見をした。質疑を通じて、会派を問わず、極めて意識のの高い議員さんぞろいで驚いた。府議会の議員の質と見識の高さは超一流である。だからこそ橋下知事の可能性を見出し、推薦したのだろう。また選挙後は会派を問わず知事が投げる球に正面から立ち向かい、それぞれの主張を出されている。大人の議会なのである。各会派はPT案が出るや否や代案を数字できちんと積み上げ文書で出してきた。他の地方議会にはまず見られない光景である。失礼ながら、国会や例の長野県、東京都の議会とはまるで出来が違う。豪腕の知事に、見識の議会。大阪府改革は日本の地方自治、あるいは政治の「ニュータイプ」となりつつある。知事と議会のますますの活躍を期待したい。
* 本稿は筆者の個人的見解であり、府あるいは特別顧問としての公式意見ではない。

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登録日:2008年 06月 10日 12:21:35

●地域再生戦略を問い直す(1/5)

私の講演録から、5回シリーズで紹介。
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 私はもともと経営コンサルタントで地域や自治体とはお付き合いがなかった。しかし10年くらい前から企業改革の手法を自治体改革にも使いたいという要望が出て各地の改革をお手伝いした。仕事ではなく委員や顧問などボランティアでの参加です。自治体改革は非常に大事です。しかし、企業のリストラで管理部門の経費節減より、本業で稼ぐほうが大事なのと同様に、役所の財政赤字を減らすよりも地域のGDPを増やす方が重要です。アメリカの財政赤字もクリントン時代にほぼ解消されたのですが、行政改革だけでなく、IT革命でGDPを増やして解消しました。財政再建への正攻法は地域の再生です。私の活動も自治体改革から地域再生に間口が広がりました。
1. なぜ「地方再生」が話題なのか?
(1)経済的背景
わが国の現在の経済状況を見ますと、中小企業と地方経済が景気回復の恩恵を享受できていない。トリックルダウンという言葉があります。雫がポツポツと落ちて、上のほうの水が下に及んでいくことをいいます。景気がよくなった大企業、輸出関連企業がまず潤う。その雫が従来ならばすぐに中小企業や地方経済にも波及しました。今回はあまり波及していない。そうこうしているうちに原料高になって、中小企業は景気回復がほとんどないままにまた不況になっている。地方経済は地場産業に依存していますので、回復を感じないまま。地方を十把ひとからげでは議論はできませんが、だいたいそんな感じです。
 もう一つ資金循環の観点からすると財政危機の問題があります。各種補助金と交付税が減少し、公共事業が減りました。したがって建設業を中心に売上も減少しています。
(2)「シャッター通り」と「休耕田」
政治的にはシャッター通りと休耕田が問題の2つ。確かに店は栄えていないし、田圃は耕作していない。ところが、この問題は複雑です。本当に困っている例と困った振りをしている例がある。例えば夜逃げをしてシャッターがしまった家の隣。そこの場合はシャッターを開けると、中にBMWが停まっていたという事例。老夫婦が年金生活に入り、息子も農協に就職をして、奥さんは中学校の先生。全部足すと大変な収入なのでお店は辞めた・・という事例もあります。休耕田もそうです。兼業で余裕があるから田んぼをやめたという農家もある。東京では田舎の悲劇と一様にいうふうに捉えられている。全体としては当たっているが、個別にはそうでもない。マスコミ経由の情報で真実を捉えるのはなかなかに難しい。

(3)反小泉改革:絶対的貧困の拡大、地域格差キャンペーン
 政治的には小泉改革への反動で格差キャンペーンが出てきた。しかし、地域格差は昔からどこの国にもある。むしろ問題の本質は個人間格差です。絶対的貧困が増えてきている。データを見るとたしかに格差は拡大しています。生活保護の受給世帯数が大きく増えた、あるいは貯蓄なし世帯が1割増えた、非正規社員が増えた、ホームレスや自己破産、犯罪、児童虐待、いろいろなものが増えていて、基本的に社会は悪くなっている。絶対的貧困層、それから恵まれないと思っている人たちが増えている。これは現実だと思います。
 地域別のGDP実質成長率をみると東京が突出しています。滋賀、三重もよい。三重は亀山モデルで有名なシャープの工場があり、滋賀は大阪から多くの工場が進出しています。千葉、愛知、茨城、神奈川なども大体調子がいい。低いのは高知、青森、秋田、和歌山、長崎、島根、石川、岩手といったところ。陸地の比較的端のほうにあって、厳しい条件にあるところです。全体を見て例外的なのは、鹿児島の調子の良さと、岐阜の調子の悪さ。ちなみにわがふるさとの大阪もかつてより低い。
 「県別GDP 2005-2010/生産年齢人口伸び率」も大事なデータ。沖縄以外は生産年齢人口が減少している。しかしその度合いには違いがある。大きく減少しているのが先ほど厳しいと名前があがった県です。
 さて東京と高知を比べても意味がない。議論すべきは、鹿児島と岐阜のような現象。あるいは滋賀と大阪の差。きめ細かいメッシュで地域間格差は議論する必要があります。
 本題に戻りますが、いわゆる地方の疲弊という一般論は、それだけを捉えてみると昔からそうだった。しかし、今後拡大するリスクが高い。それが問題でしょう。
 ところで霞ヶ関は、「公共事業」に代わる新しい事業が「地方再生」だと捉えています。かつては各省庁ともIT、環境、国際と言えば予算が取れました。今は地方再生です。これは政治の原理とも整合している。議員の先生方も各省庁も地元に何かしらの利益誘導をするのに都合がいい。地方再生は単なる流行の言葉ではなくて、今や日本の政治制度システムの一部になっている(続く)

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登録日:2008年 06月 09日 07:20:43

●マスコミの常識、非常識

以下はサンケイに掲載の同僚、阿川氏のコメント。わたしも同感。
 ≪午前1時半の電話≫
幼時から世話になった児童文学者の石井桃子さんが、4月2日亡くなった。
 逝去から程なく4月3日午前1時半、我が家に電話がかかった。家内が起きて受話器を取る。某新聞文化部の記者であった。「石井さんが亡くなられたかどうか確認したい。知らなければ知っている人を教えてほしい」。家内が「お教えしたらその方へ、今電話をかけるのですか」と訊いたら、ごく自然に「はい」と答えたそうだ。
 すっかり目の覚めた私が電話に出て、「総理大臣に何か異変があって秘書官にかけるならともかく、101歳の児童文学者が亡くなったかどうか午前1時半に電話で確認せねばならない理由は何ですか」と尋ねた。記者はうまく答えられなかった。
 ほぼ同時に今度は携帯電話が鳴る。出ると某官営放送の記者である。同じ質問に同じことを言って切った。そもそも私は石井さんの逝去を、その時まだ知らなかった。
 3日の夜、石井さんの「かつら文庫」を引き継いだ「東京子ども図書館」の関係者から事情をきいた。石井さんは自分の死を1カ月間公表しないでくれ。そう固く言い残して亡くなったそうだ。関係者一同しっかり遺言を守るつもりでいたのに、情報が漏れ取材が殺到した。同日午前3時まで、電話の応対を余儀なくされた人もいたという。私への電話はその余波だった。
 すぐれた児童文学者の死が、こうしてひどく騒がしいものになった。自分の生涯を静かに終わらせたい。石井さんの望みが、マスコミの乱暴な取材でかなわなかった。
≪特ダネばかりに目が≫
一体マスコミの常識とは何か。ニュースを正確に速く伝える。そのためにできるだけのことをする。記者として立派な常識である。しかしそれ自体が目的ではあるまい。
 速く伝えなくても、価値の減じない情報もある。相手かまわず夜中にたたき起こし取材して、一刻も早く伝えねばならない情報がどれだけあるのか。速報性を言うなら、新聞はネットやテレビに負ける。それでも人が新聞を買って読むのは、より正確で深い分析を求めるからだろう。
 本来マスコミの役割は、世の中の常識に照らして疑問を覚えるような事象につき、正確な情報を伝え読者や視聴者の判断に資することにある。社会保険庁、国交省、チベットやイラクで、本当は何が起きているのか、背景は何か。当事者が書かれたくない不都合な事実を報じるからこそマスコミは恐れられ尊敬される。本欄にも「正論」などという、私が思うに気恥ずかしい題がつく。
 ところがマスコミは、特ダネ、視聴率、締切といったことばかりにエネルギーを注ぎがちだ。その結果文化部の記者まで、夜中に突然電話してくる。こんなマスコミの常識を世間では非常識という。
 マスコミの常識には他にも怪しいのがたくさんある。不祥事の疑いがあるだけで、会社や役所の責任者に記者会見で居丈高な物言いをする。テレビのワイドショーやニュースで、無責任かつ根拠のないコメントをする。誤報を流しても簡単な訂正で済ませる。

 ≪基本知識にも欠ける≫

 ただ新聞は文章が残る分、ずいぶん細かく神経を使っている。テレビは垂れ流しだから、安易な正義感や陳腐なことばで息苦しいほどだ。政府や企業に「猛省」を促し、役人や企業人の堕落を「慨嘆」する報道ステーションの某など、基本的知識の欠如、大仰な言葉や身振りばかり目立ち、見るに堪えない。横に座るジャーナリストは恥ずかしくないだろうか。
 それでもお粗末なワイドショーやニュース番組が跋扈(ばっこ)するのは、視聴率さえ高ければスポンサーが大金を払うからだ。内容など気にせず、広告の効果のみを基準に番組を提供する企業の責任は重い。
 むろん非常識は政官産学、どこの世界にもある。私が奉職する大学だって非常識がうようよしている。ただ、マスコミはそうした非常識を衝くのを商売にしていながら、自らの非常識を問われることが少ない。よく書かれたい報道されたいと願う企業や官庁が、マスコミ批判をじっと我慢しているのに気づかない。
 私が在米日本大使館で広報担当の公使を務めたとき、「阿川は困ったものだ。我々がなにか言うと、書いちゃうから」と文句を言う特派員がいたそうだ。そう、マスコミで大っぴらに批判を受けるのは、だれしもつらい。
 もちろん物書きとして、私も同様の責任を負っている。自分の書いたものが思わず人を傷つけたことが何度かある。だから一層、言論活動に携わる者は自分の常識を疑ってかからねばいけない。そう自戒する。心ある多くのジャーナリストにも気をつけてほしい。(あがわ なおゆき=慶応大学教授)

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登録日:2008年 06月 08日 22:06:14

●景観条例

以下は日経。
昨日、不動産のプロの話を聞いたが場所によっては中小事業者の投げ売りが出ているらしい。相変わらず日本の市場は底が浅い。以下の記事の芦屋市のような規制は不動産価値を維持する上でこれからの住宅地に必須だろう。証券市場同様、市場の健全な発展には規制が不可欠だ。欧米の住宅地域では当たり前だが日本では先駆的な事例。他の都市でも必ずしも市域全体でやる必要はないが住宅地には入れるべきだ。そのことで資産価値を維持し、税収を得る。それを福祉に使えばよい。一部の人のエゴに付き合って景観規制を見送れば資産価値が下がり、税収が下がり、地域全体が損をするだろう。
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芦屋市、全域を景観地区に──屋根や壁の色制限、来春条例施行めざす
2008/06/04配信
 兵庫県芦屋市は市全域を景観地区とし、来春以降に建てられるすべての建築物の屋根や外壁の色を制限する方針を決めた。全国的に有名な住宅地としてのイメージを守るのが狙い。景観法に基づいた都市計画を決定するとともに既存の景観条例を改正する。来年4月の施行を目指す。計画は、山と海に囲まれた自然環境や歴史的な建築物など芦屋らしい景観を損ねないことを目的に、建物の材質や色、デザインに周囲との一体性を求める。特に高さ8メートル、延べ床面積500平方メートルを超えるなどの大規模建築物は屋根、壁をけばけばしくしないよう色の制限を設ける。建築計画を受け、すべての建築物について市が認定審査を実施する。芦屋市では阪神大震災後の復興や、バブル後の景気低迷による社宅の売却などに伴いマンションが増加し、独自の景観が損なわれつつあるという。市は1996年に景観条例を施行、大規模建築には助言や指導をしているが強制力が乏しかった。また、昨年2月には高級住宅地の六麓荘町などで敷地面積400平方メートル以上の一戸建てしか建築を認めない「豪邸条例」を施行している。

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登録日:2008年 06月 04日 08:27:02

●パン好き、味噌いまいち

画像

上の図は日経新聞サイトより。同じ日本といえども地域によって食生活が違うので驚く。確かに、大阪の実家では朝はパン、味噌汁は夜もそれほど飲まなかった。塩昆布はいつも常備食。
 今でも僕は朝はパン。味噌ラーメンは苦手。お茶漬け&塩昆布大好き、ふりかけめったに使わず、出し巻きには砂糖入れない・・。麵はそばよりうどんで夏は、ついそうめん(揖保の糸か三輪がよい)。
 どこの地域がいい悪いというものではない。要するに子供の頃の食生活は変わりにくい。米国にいた頃、お隣が日系人夫婦だった。2世だがご飯食。かまぼこが好物で一時帰国のお土産によく差し上げた。日本語は全くしゃべらない老夫婦だったが食生活や笑顔は全くの日本人だった。
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以下日経引用。
関西の朝食の主役はご飯よりもパン?――。総務省が発表した2005年から07年までの3年間を平均した家計(2人以上の世帯)の品目別消費調査によると、2府4県の府県庁所在市の食パンやパン全般の消費水準が他地域を圧倒しているのが分かる。全国首位で全国平均を約35%上回る京都市を筆頭にもっとも少ない和歌山市でも年に10キログラム近くを消費している。食パンは朝食で食べるのが一般的であることを踏まえると、関西の朝の食卓ではパンを食べる家庭が相対的に多いとの仮説が成り立つ。朝食でパンにつけることが多いマーガリンの消費量も大阪が首位で、全国平均より28%多い年1キログラム弱を使う。10位以内に5市がランクインするなど関西の自治体が上位に名を連ねる。一方でパン以外の朝食メニューとして想定されるご飯やみそ汁に関連する項目では関西の順位は低い。みその消費量では下位を独占。最下位の和歌山市の消費量は約1.7キログラムでトップの長野市の半分以下だ。ふりかけの消費額も最下位の神戸市(約1300円)をはじめ関西の自治体の名前が下位に並ぶ。米の消費量でも上位に入る自治体はなかった。

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登録日:2008年 06月 03日 01:59:43

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プロフィール
上山信一
(男)
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慶應義塾大学総合政策学部教授、改革コンサルタント。専門は大企業・行政・NPO等の経営刷新。近年は地域再生も手がける。大学では「経営戦略」「公共政策」等を教える。旧運輸省、マッキンゼー共同経営者等を経て現職。大阪市生まれ。50歳。中央省庁・自治体の各種委員、企業顧問等を兼務。京大法、米プリンストン大修士。趣味は登山、鉄道、料理。メール:ueyama@pm-forum.org
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