2008年 09月

●平松改革、さざなみのごとく

以下は、読売。
「平松改革つまづく?」・・見出しを見て苦笑してしまった。議会、それも野党との対立である。「つまづく」も何も当然の現象ではないか。いや、むしろつまづいてしまったのは自民党のほうだろう。「現役世代の負担増があっても財政再建と大阪再生をしたい。子供たちの未来を助けたい」という橋下改革に賛成する票は大阪市内にも多い。そのなかで「金持ち老人の厚遇」(無料パスは全国でも唯一)をあえて続けたいという勇気ある(いや自殺行為の)意思表示である。もうすぐ総選挙。市民は当然、厳しい審判を下すだろう。
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大阪市の敬老パス有料化、自民反対…平松改革つまずく
 大阪市の平松邦夫市長が市営バス・地下鉄の「敬老優待乗車証」(敬老パス)の一部有料化案などを打ち出したことについて、市議会最大会派の野党・自民党は25日の市議会決算特別委員会で、会派として反対すると表明した。パスなどの見直しには、公明、共産両党のほか、与党・民主党の中にも否定的な声が強い。市長が修正を迫られるのは必至で、「平松改革」は出足からつまずく形になる。

 70歳以上の市民31万人に無料で発行している敬老パスについて、2010年度から月5000円の利用上限額を設け、所得に応じて最高で年1万5000円の自己負担も求める案。自民党はさらに、65歳以上の高齢者世帯への上下水道基本料(1576円)の免除措置を、要介護度4以上に限定する案にも反対した。

 委員会では、同党の坂井良和議員が「高齢者いじめという声もある。裏金問題を起こした組織の改善が先決で、市民負担ありき、では理解を得られない」などと反対の理由を述べた。

 別のベテラン議員は、衆院解散・総選挙を控えていることを挙げ、「市民の反感を買う案に賛成できないだろう」としている。

(2008年9月25日 読売新聞)

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登録日:2008年 09月 26日 07:37:55

●関改革から橋下改革へ:過去3年の大阪の改革を総括する

 1100億円の予算の大幅削減、伊丹空港の廃止、大阪南港への府庁移転、そして大阪市との水道事業の統合・・08年2月の知事就任以来、橋下知事は次々に新しい戦略を繰り出す。知事が目指すのは「大阪維新」――単なる府庁の改革や財政再建ではなく、大阪全体の再生である。筆者は大阪府の特別顧問、そして最近まで大阪市役所の市政改革推進会議委員長(06年~08年)を務めた。最近、変化の著しい大阪の改革の現状を報告する。
● 大阪問題
 大阪は問題の多い町である。第1に経済の停滞である。重化学や卸、流通など古い産業が多く勢いがない。近年は大企業本社の首都圏流出が続く。第2に治安の悪化、生活保護受給の増加など民生の不安である。第3に財政赤字だ。10年ほど前から府も市も税収が大きく落ち込み公債を発行し続けてきた。今では大阪市と大阪府はそれぞれ約5兆円の負債を抱える。
 ところが住民の危機感は薄い。目先の利を求める風土で政治や都市の将来ビジョンへの興味も薄い。おまけに二重行政である。狭い大阪府の中心に全国でも有数の政令指定都市、大阪市が陣取る。経済的には東京の3分の1の規模なのに府と市が何事につけ張り合う。近年では大阪は中央から「難治の土地」といわれ見放されつつあった。
 ● 大阪市の職員厚遇問題と改革の始まり
 だが2004年の冬、転機が訪れた。大阪市役所の職員厚遇問題である。カラ残業、ヤミ年金に加え、公金で背広まで支給する職員への厚遇が発覚した。市民の怒りが爆発し「大阪市役所は大阪から出て行け」という街頭インタビューが全国にテレビ放映された。

当時の関市長と大平助役(弁護士出身)は徹底解明と再発防止のために市政改革本部を設置する。そこに私を含む民間人が多数参加する。我々の使命は外部の視点にたった問題の掘り下げ、情報公開、そして是正策の提案だった。その後の約3年間、外部委員と市政改革本部は市役所の主要制度(福利厚生、情報公開、人事など)と67の主要事業の経営分析を行った。結果は逐一、記者会見で発表され情報公開が進んだ。

当初は「身の丈改革」とよばれる予算・人員の削減が中心だった。だが07年春以後は経営形態の見直しや府市の連携、事業統合の検討に発展した(例えば地下鉄の民営化、水道や大学の府市統合など)。そこで関市長は07年11月の市長選挙で地下鉄民営化をマニフェストに掲げた。だが、労組と民主党の支援を受けた新顔、平松氏に敗れた。これで大阪の改革はいったん頓挫したかにみえた。だが08年2月に大阪府知事に橋下氏が当選。今度は府庁が大改革に乗りだした。

●大阪府の超緊縮予算の意味
 破綻企業に就任した新社長はまず目先の出血を止める。そして借金返済のための新たな借金を止める。知事は就任直後にこの原則を打ち出した。ほぼ固まっていた08年度予算案をひっくりかえし、新たに1100億円を削減する超緊縮予算案を作り直すと宣言した。事業費と人件費の支出削減に加え、財産売却などで収入を増やし合計で1100億円を削減するという案である。庁内と府下市町村は反発する。全国メディアも含めての大騒ぎとなる。だが紆余曲折の末、7月に予算案は議決された。

今回の「1100億円削減」の意義は主に3つある。

①止血効果

 府の財政は借金が自己増殖する状態に陥っていた。そこでまず減債基金の取り崩しと借換債の増発をやめた。当初計画で2011年度までに2800億円の借換債の増発を見込んでいたのをゼロにすることにした。今回の「1100億円削減」は5兆円の債務全体に照らすと焼け石に水だ。しかし毎年の税収で約3000億円ずつ返していけば負債は着実に減る。

②目覚まし時計効果

 財政危機に対する府民の問題意識は薄かった。しかし今回の大騒動で多くの府民が目覚めた。

③虫干し効果

今回の予算削減では私学補助金、医療補助、障がい者や同和関連、医師会・オーケストラなどへの団体補助、警察予算など従来の聖域が見直し対象とされた。一部はあとで復活したが実態は白日のもとにさらされた。今後もずっと見直しの対象とされるうえ自浄作用も期待できる。

● 構造改革への3点セット
 破産企業は、社内の無駄を削り、余計な資産を売ったら次は他社との合従連衡を考える。つまり事業提携やM&Aだ。大阪府の場合は、第一に大阪市との事業の統合、あるいは資産の共同利用が課題となる。その上で府下の市町村との連携、あるいは権限委譲だ。加えて国・他府県との連携と道州制への準備である。具体的に知事が掲げたテーマは、①水道事業の府市統合、②大阪市が建てたWTC(ワールド・トレード・センター)への府庁の移転、③伊丹空港の廃止の3つである。

①水道事業
 水道事業は上工程(取水・浄水)と下工程(給水)に分かれる。大阪市域は全て大阪市が担う。それ以外では前者を大阪府、後者を市町村が担う。府と市は水も設備も余剰だった。そこで3年前から、府が設備更新をやめて大阪市から水を買うという案が出ていた。その協議が平松―橋下両氏の連携で急に動き出した。
②WTC(ワールド・トレード・センター)への府庁移転
 82年前にできた府庁本館は老朽化が著しい。約150億円で耐震補強する計画があったが知事は長期的に中途半端と判断、WTCへの移転案を打ち出した。WTCは大阪市が建設したが入居者が集まらずいったん経営破たんした。現在は、大阪市関係の事務所が入居するが2次破綻の懸念がある。府が買えば市は助かる。府も百数十億で買えるなら安上がりだ。現庁舎の跡地の売却益も見込める。

③伊丹空港の廃止
 関西には関西新空港(関空)、伊丹、神戸の3空港がある。当初は関空ができたら伊丹を廃止する計画だった。また新空港は泉南沖か神戸のどちらかに作る計画だった。だが2つとも作ったうえに伊丹も残る結果になった。その結果、関空会社は経営難である。国内線の多くが伊丹と神戸に下りる。そのため「国内国際一体かつ24時間稼動」という強みが活かせない。1兆円を超える負債もなかなか減らない。そこで知事は伊丹廃止を言い出した。唐突だが原点回帰の提案である。このままでは3つとも共倒れの恐れがある。関空と神戸は借金で倒れ、伊丹も騒音対策費をつぎ込み続けるので効率がよくない。伊丹の跡地の売却益は5千億円~1兆円超と見込まれる。これで関空の負債を圧縮できる。伊丹の跡地再開発、騒音解消による宅地価値の上昇も見込める。

● 行政改革から地域戦略、さらに道州制へ――橋下改革の戦略性 
以上3つの案件は、実は底流でつながる。水道とWTCの2件は大阪市の余剰設備を府が安く使い、市はその対価で赤字を減らすWIN-WIN関係である。伊丹廃止による関空てこ入れと府庁のWTC移転は「関西新空港―WTC-神戸空港」という大阪湾岸ベイエリアの発展を促進する。大阪湾は最近「パネルベイ」と呼ばれ、液晶パネル関係の企業や倉庫などが立地する。すでに高速網と鉄道が神戸―大阪―和歌山を短時間でつなぐ。これに計画中の淀川左岸線の高速道路がドッキングすれば京都―滋賀とも直接つながる。大阪南港を関西州の中核にという構想も夢ではなくなる。
 知事が打ち出す“夏の3点セット”はこの意味で極めて戦略的なテーマだといえる。この戦略の真骨頂は、今までの懸念案件(関空の借金、WTC破綻懸念など)を他の案件と抱き合わせで一気に解決し、さらに地域浮揚策につなげてしまう大胆さにある。橋下知事の戦略は大阪における府と市の長年の対立を乗り越え、さらに一気に関西道の時代に向けたうねりを生み出す力強さを秘める。長年、掛け声に終わってきた関西再生、大阪再生がついに実現するかもしれない。いやおうなしに高揚感が高まる熱い大阪の夏である。* 本稿は、あくまで筆者の個人的見解であり、府あるいは特別顧問としての公式の見解ではない。

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登録日:2008年 09月 14日 13:43:17

●福山市の先例:学力テスト公開

以下はサンケイ。先進都市、福山の学力テスト公開の例を紹介。僕はメリーランド州に住んでいたがカウンティ別、学校別の成績一覧表が発表されていた。当然だろう。公開されないなら税金など払う気がしない。学力テストは行政サービスを評価する作業そのものである。結果を公開してもらわないと誰もがんばらない。もちろん、点数=行政の責任とはいいきれない。地域差や個人差などいろいろな要因がある。だがテストだけが業績の評価ではない。当然、ほかの要素で子供も教師も評価されるのが現実だ。
 そもそも世の中は序列、競争だらけである。そして学力は所得に比例している。この現実を直視せずにのんびりやっていける(という誤解に満ちた)社会はいまどき地球上広しといえども日本の市町村の教育委員会くらいだろう。なぜか。そりゃ簡単。教員採用テストの結果も非公開にして自分たちの内輪の論理でいいようにやっていける甘い世界だからだ。
 教育界の間違った世界観、狭い了見を有権者におしつけるべきではない。子供たちにも親にも教員にも現実は知らせるべきだ。そこから努力や工夫がはじまる。がんの告知、今では当たり前になったが、これとおなじことだ。ほうっておいて流れは公開に向かう。それを阻止する勢力は単なる守旧派、既得権益勢力である。
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「序列化や行き過ぎた競争を招く」として全国学力テストの成績を非公開とする市町村教育委員会は多いが、ホームページなどで成績を広く公表している都市もある。広島県福山市である。

 掲載の書式はさまざまだが、平均正答率や分野ごとの得点状況を全国、県、市の値と比較したうえで、指導内容をどう改善していくのかを詳しく記した内容だ。

 この中の市立内海中学校は全教科で全国平均を上回っていたものの、「『数と式』の分野に限れば県平均より低い」といった課題を掲げ、「不足している計算練習を充実させる」などの対応策を示している。

 国崎昌英教頭(50)は「分析によって、身につけさせるべき学力が明確になった。それを保護者や地域に広く知ってもらうことで協力も得やすくなりました」。

 「風」には、《「この学校が足を引っ張った」と分かれば通っている子供たちはどうなるのだ》(大阪府岸和田市の61歳男性)といった成績公表への不安の声も寄せられているが、国崎教頭は「保護者に対し『データは参考にはなるが子供たちのすべてではない。一概に他校と比較はできない』ときちんと伝えてある」と強調する。

 福山市教委によると、児童生徒数が1学年数人程度の小規模校では公表を見送るなどの措置も講じられているため、保護者からも特にクレームは寄せられていないという。

 同市では、平成15年から行われている県の学力調査でも学校別の成績を公表している。市教委の担当者は「全国学力テストに限ってデータを出さないという理由がない。そもそも、現状がどうあるかを明らかにしないことには、学校ごとに異なる課題、対応策を説明することはできない」と話す。

 同様に学力テストの学校別データを公表している東京都墨田区も、以前から都の学力調査結果を開示してきた経緯がある。保護者や子供たちに「慣れ」があることも、公表がスムーズに進む理由のようだ。

(松)

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登録日:2008年 09月 14日 09:08:35

●関空の救済開始

 以下は日経。
原油高で国内航空会社の減便・撤退表明が相次ぐ関西国際空港の有利子負債約1.1兆円について国土交通省は12日、負債の肩代わりなど何らかの救済策を今年中にも策定する検討に入った。関空は重い金利負担で経営が厳しく、着陸料が高止まりするなど弊害が出ていた。交通政策審議会の航空分科会で前田隆平航空局長が航空局内で救済策を検討していることを明らかにした。救済策がまとまり次第、財務省と交渉を始める。ただ多額の財政負担には財務省は慎重とみられ、救済策の実現はハードルが高い。関空の利用低迷の一因である伊丹、神戸両空港との役割分担の整理もついていない。関空を安易に救済することには批判が出そうだ。関空の金利負担は年200億円程度。2007年度に連結純利益109億円を確保したが、多額の有利子負債を減らすメドは立っていない。具体的には「国による負債の全額肩代わり」「関空の施設管理を担う特別目的会社(SPC)などを財政支援して設立し、関空は空港運営に専念する『上下分離方式』」などの案が浮上している。

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登録日:2008年 09月 13日 09:56:05

●構造改革と政権交代――改革屋による「政局の見方」

 夏の終わりと共に政局、総選挙の気配である。次は誰が総理か、選挙はいつかなどすでにさんざん議論されている。筆者は政治学者でも政治評論家でもない。だが改革屋、戦略家ではある。今回は構造改革を進める立場から今後の日本政治をどうみるのか、私見を披露してみたい。
■未完の構造改革
 格差問題、あるいは小泉改革の"疲れ"が議論されて久しい。さらに今は不況で「財政出動、内需拡大」の声が出る。対して「経済再生のためにこそ構造改革、財政再建が必要」という意見も根強い。だがどちらも自民党内の意見だ。民主党は自民党を批判するばかりで定見が見えない。
 筆者は、「総選挙と政権交代を何度か経て、やっと本当の構造改革が始まる」と考える。今の自民党にも民主党にも政権担当能力はない。短命内閣が続き、総選挙が何度か起こり、そこから自民党、民主党両方の改革、あるいは解体、さらに政界再編が見えてくるだろう。そういう意味ではとにかく早く総選挙をやるべきだ。理想は政界再編である。選挙と政界再編の繰り返しの中で自民党でも民主党でも長老や古い思考の政治家が淘汰されていく。従って上策は政界再編、自民・民主共に解体である。中策は民主党政権。所詮は短命に終わるがその過程で自民党の守旧派、族議員が利権を失い自民党の浄化が進む。その後の自民党に期待したい。さらにそこで民主党が自民党から政権を奪還するとすばらしい。下策は自民党内での世代交代。だがこれではたいした改革は進まず、いずれ政界再編か民主党政権になるだろう。要は今の自民党にも民主党にも構造改革はできない。安部政権も福田政権も短命に終わったがそれで全くかまわない。政権担当能力がないのだから当然の帰結である。今の政治において最も重要なことは与党であること、つまり分配のための政党である自民党の解体もしくは浄化である。そして次に公務員労組に反論できない民主党の解体もしくは浄化である。そのためには自民党内での政権のたらいまわしではなく、民主党への政権シフト、そして何よりもまず自民党がともかく一度は政権を失うことが変革の最初の一歩になると考える。
■これからの争点
 わが国が必要とする構造改革は、いわゆる「壊す改革」、つまり単なる財政再建や官僚政治・利益政治の打破の域を超えている。今後の日本社会のビジョン、特に「稼ぎ」と「福祉」のあり方を明らかにした上での構造改革でなければならない。各種のデータから、筆者は国民の多くは次のような姿を望んでいると思う。
 (1)「小さな政府、自己責任」の社会よりもある程度政府が面倒を見る「高福祉」の社会を望んでいる。つまり米国型の「小さな政府」よりは欧州型の「中くらいか大きな政府」を望んでいる。ありとあらゆる分野に市場原理主義を入れることには慎重である。
(2)年金問題や公共事業の無駄を契機に官僚組織に対する強い不信感を抱いている。ある程度の「規制緩和」や「民営化」も必要だと感じている。この意味で面倒見のいい政府は必要だが、官僚組織には期待できないと考えている
(3)財政再建は大事だと思っている。これは各種世論調査や例えば滋賀の新幹線新駅建設問題や大阪府の橋下改革への支持の高さからも窺える。
(4)増税には反対する。しかし原因は(2)に由来する。政府が信用できる存在に変われば国民は「高福祉・高負担」に応じると思われる。

 当面の政局はこうした議論とは別の要素でめまぐるしく動く。だが総選挙、政権交代を繰り返すうちにビジョンや戦略が政治の世界でもだんだん必要とされるようになる。そして以上のようなコンセンサスが次第に形成される。その上で具体的な政策の選択肢が出てくれば政治の質も上がっていく。先進国には飢えも戦争もない。かつてのように政府が個人の人生を大きく左右する時代ではなくなった。だから国民は選挙に行かない。だが、政府は国家戦略と社会の合意形成の要となる存在である。「たかが政府、されど政府」なのである。その意味においてわが国に必要なのは、政権交代を前提とした成熟国家の政府と政治である。63年前、アジアでの権益確保の戦争に負け、日本は米国の支配下に入った。それと
共に皇室を実質から象徴的存在へと変換した。欧米へのキャッチアップと冷戦が終わった今、わが国は再び、同様の課題に直面している。いかにして政府をうまく解体するか(行政改革、財政再建)。そして代わりに政治の質をあげ、政府を社会の信頼の拠り所、そして今後の国家の舵取りが委ねられる機関に変えていくか(高福祉、高負担の基盤)。これが当面の構造改革と政治改革に課せられた課題である。

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登録日:2008年 09月 10日 11:26:46

●大阪市バス、またもや粉飾会計

以下はサンケイ。
大阪市のバス事業は市内独占。キロ当たり、一台あたりの収入は民間をはるかに上回る。ふつうの会社が経営すれば黒字のはずだ。ところが最高年収1300万円の運転手の給与、2,3割は過剰な人員のせいで過剰コスト、大赤字に陥っている。
 そこで考え出されたのが地下鉄の黒字をこっそりバスに流し込み、赤字隠しをするという案。昨年は議会などから批判を浴びて取り下げたものの、また、出してきた。
 これははっきりいって粉飾会計操作。赤字を隠すことで総務省の規制基準を逃れようという姑息な根性が丸出しである。そこまでして高年収と過剰人員を維持したいのか?「市民の足」の美名の下に誰も乗らないカラのバスが今日も市内を走り回っている。
「職員による、職員のための、職員のバス・・」。こんなものの赤字補填に地下鉄の安全投資のための収益を削ろうとする行為を見逃していいのか?地下鉄も大赤字のなか、事実上の粉飾決算をしている。将来の修繕積立金などを加味すれば実質赤字になるはずだ。交通局はいったい誰が管理しているのだろうか?徹底的な会計検査をすべきだ。
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大阪市バスに67億円支援 地下鉄会計から
 慢性的な赤字経営に陥っている市営バス事業を支援するため、大阪市交通局が今年度、地下鉄事業会計から67億7000万円の財政支援を行う案をまとめたことが6日、わかった。同交通局は「財政支援がなければ、平成20年度決算からバス事業は経営健全化団体に陥り、自主的な見直しが難しくなる」などと支援理由を説明するが、3月に策定したばかりの経営計画を1年もたたずに撤回することになる。また21年から予定していた支援を前倒しすることで、23年度までの支援額は、10億円以上膨らむ見通しになっている。

 地方公営企業は本来、独立採算が原則とされる。このため東京など他地域に比べ割高な運賃で黒字を維持している地下鉄事業から、バス事業に財政支援しようとする同交通局の方針には、市役所内部からも「地下鉄だけを利用している乗客に説明がつくのか」「赤字路線の見直しなど抜本的なバス事業の改革をまず行うべきだ」といった厳しい声がある。

 市営バス事業は、利用客の減少などで慢性的な赤字経営で、19年度には一般路線105系統のうち77系統と、コミュニティーバス路線30系統のすべてが赤字。同年度決算見込みでは経常赤字は20億円、累積赤字は556億円に上っている。

 20年度決算から適用される地方公共団体財政健全化法では、資金不足比率が20%以上の場合は経営健全化団体になり、経営健全化計画を策定する必要がある。同交通局は、支援がない場合、20年度のバス事業の資金不足額は86億円で、資金不足比率は45・1%になり、経営健全化団体になることは避けられないとしている。

 こうした事態を受け、同交通局はもともと、20年度の当初予算編成時から財政支援を盛り込みたい意向を持っていたが、抜本改革を行わないまま赤字を補填することに対し「安易な赤字の埋め合わせは市民の理解を得られない」などとして市役所内でも批判があがり、3月に策定した経営計画では、支援は1年後の21年度から実施すると発表していた。

 支援が前倒しになることで、同交通局の想定では、67億7000万円を地下鉄事業会計からバス事業に繰り入れることになり、資金不足比率を9・5%まで引き下げられる。一方で経営計画で21~23年度に221億円としてきた支援額は、20~23年度で236億円に膨らむ見通し。

 同交通局では、経営健全化団体になれば、自主的にバス事業を見直すことができなくなり、市の交通ネットワークが維持できないとしているが、経営計画を1年足らずで撤回することは異例で、その場しのぎの対応に批判が出そうだ。

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登録日:2008年 09月 07日 13:42:47

●大阪市の市政改革路線はちゃんと続く(2)

以下はサンケイ。
大阪市財政再建素案 「ノーサプライズ」上山信一慶大教授
2008.9.5 01:00

このニュースのトピックス:地方自治
 素案は関淳一前市長時代に内部検討されてきたメニューに近い印象を受ける。よくも悪くも関氏の手法を踏襲しており、「ノーサプライズ」がニュースではないか。景気が悪化する中、前任者の目標を下げるわけにはいかないというプレッシャーもあったのだろう。人件費の削減をめぐっては、大阪市は職員が若く、高卒で入庁した職員が多いため平均値で見ると、給与が安く見えるという数字のトリックがある。給与の5%カットにしても、大阪府や北海道のカットに照らせば印象は薄い。サプライズの連続だった橋下知事の改革とは条件が大きく異なるので単純に比較はできない。ただ、平松市長は世間がいうほど労組べったりではないが、労組の推薦を受けて当選したという意味は重い。市長の人柄の良さを見ても、推薦団体に後ろ足で砂をかけるようなことはできないだろう。財政面では、まだ2段階くらい改革の余地がある。全国の政令市のなかでも、手厚くなっている高齢者向け施策や、甘い所得制限などにも切り込むべきだ。さらにもう一段、改革を進めるには、24区の区割りの見直しや本庁舎売却など資産活用の抜本的な見直しも必要だろう。経費削減で赤字が抑えられたとしても、将来に向けた先行投資などはとてもおぼつかないのが大阪市の現状だ。

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登録日:2008年 09月 06日 16:55:04

●大阪市の市政改革路線はちゃんと続く

以下はサンケイ。
前回ブログで予告したとおり、市政改革の枠組みは、かくして絶対に崩壊しないのである。
The built-in system is just working in place by fixing things !
厳しい環境の中、平松市長は将来の大阪市のことを考え、たいへんよくやっておられると思う。正しい現実認識、民間人らしい先を見越した判断、そして府市連携。地道な努力は必ずや市民の理解につながるだろう。
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深刻な財政難に陥っている大阪市は4日、歳出削減策の素案を発表した。人件費削減や事業見直しが柱。人件費削減は全職員の給料5%カット、管理職手当10%カットを平成21年から9年間続け、計2900億円を削減する。事業も政令市のなかで唯一、無料無制限だった敬老優待パスに上限額を導入するなど市民サービスの見直しを含め延べ1364事業の見直しを盛り込んだ。平松邦夫市長が本格的な経費削減策を打ち出すのは初めてだが、市長自身の支持母体でもある労働組合や市議会は反発を強めている。

 素案は、現行の市政改革マニフェスト(17~22年度)の経常経費削減目標900億円を達成し、将来の累積赤字を解消を目的としている。

 市の試算では、28年度に累積赤字が約1200億円に達し、自治体の倒産である財政再生団体に近づく危険があったが、素案が実行できれば危険が回避でき、29年には財政がほぼ均衡状態を回復するという。
 給与カット後は市職員の平均月給は42万6000円から40万9300円になる。橋下徹知事が行う大阪府職員の給与カット後の平均月給は40万2300円で、市職員が7000円上回るが、17政令市の平均給与(19年度)の中では、14位から15位にランクダウンする。また、採用抑制も続け、4万1213人(20年4月現在)の職員数を23年度に3万9000人程度に減らし、29年度までに市長部局だけで約4000人を削減する。
 市内在住の70歳以上の市民なら無条件・無制限で市バスや地下鉄が無料で利用できる敬老優待パスは、これまで福祉分野の「聖域」とみられていたが、22年度から月5000円の利用上限額を設定、利用者所得に応じて一部負担金を徴収し27億円を削減する。
 これに対し、平松市長が初当選した際に支援した市労働組合連合会は「素案は、前市長時代に築かれた市民生活と職員を顧みない政策なき財政再建計画の後始末。長期にわたる給与カットは無責任だ」と強く反発している。平松市長は「市民サービスを見直すうえで、市職員に危機感と痛みを感じてもらうために給与カットを決断した。この案を議論のたたき台とするが、市の財政健全化のためにはやりとげたい

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登録日:2008年 09月 06日 07:22:10

●改革とは、権力闘争である(その1)

「これから大阪市はどうなるのでしょうか」という問いかけをよくいただく。それは誰にもわからない。だが、05年2月から-07年10月まで2年半に及んだ大阪市の市政改革は、以下のような原則に従って行われた。
 一言で言うと、もはやもとに戻れない仕組みがビルトインしてある。トップや幹部が改革派だろうが、守旧派だろうがあまり気にすることはない。外部委員がいてもいなくても変わらない。埋め込まれたシステムと個別プログラムが確実に仕事をする。
 システムとプログラムが、着実に組織の体質を変えていく。それに誰かが抵抗したらどうなるか。システムは自ら組織をメルトダウンさせ、組織とともに自爆する。今の大阪市役所をかつての姿に復元することは不可能である。そのように改造されている。2年半もあったのだ。大阪市役所は、改革の持続装置を自らはずすことはできない。大阪府庁では、アムロが率いるガンダムが大活躍だが、大阪市役所にはT-800型ターミネーターが随所にいるのだ。
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 筆者は官民さまざまな組織の改革に軍師として関わってきた。そこから得た教訓は「改革の本質は権力闘争であり、内実は革命である」ということである。改革では前例を打破し、既得権益を剥がし、仕事や事業のパラダイムを変える。この作業には数年を要する。だが最初の離陸過程での“仕込み”がその成否を決める。“仕込み”とは第1に守旧派の権力基盤の破壊、第2に課題の発掘と情報公開、第3に外からの評価の獲得である。
■制度改革で守旧派の権力基盤を破壊する
 当初、改革者は弱小で守旧派は強大である。改革者は権力を得たらすぐに守旧派の権力基盤の破壊を図る。自治体改革の場合は、制度改革をやる。例えば(1)情報公開条例の内容強化、(2)補助金審査プロセスの公開、(3)各種団体との交渉のオープン化、(4)行政オンブズマンと公益通報制度、(5)議員の口利き禁止条例の制定、(6)首長の多選禁止条例の制定、(7)各種支援制度のサンセット化(終了期限を定めておくこと)などである。
 これらの制度は行政の透明性を高め権力の腐敗を防ぐ。誰にも反論できない制度なので導入しやすい。制度化しておけば守旧派が再び権力を得ても逆戻りさせにくい。例えば情報公開制度が強化〔上の(1)~(3)〕されると守旧派、つまり既得権益勢力は新たな権益が得られない。こうしておいてさらに過去の不正を炙り出す。特に(4)の行政オンブズマンと公益通報制度が強力だ。職員や市民が行政の窓口を通さず直接に外部の専門家に不正事例を通報する。誰が不正を通報したか特定できない制度にしておけば威力を発揮する。筆者が今春まで市政改革推進会議の委員長として関与した大阪市役所の改革でもこの制度をいち早く導入した。
《参考》公益通報制度について(大阪市)
http://www.city.osaka.jp/soumu/compliance/tuuhou/
(つづく)

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登録日:2008年 09月 02日 18:51:29

プロフィール
上山信一
(男)
http://www.pm-forum.org/ueyama/
慶應義塾大学総合政策学部教授、改革コンサルタント。専門は大企業・行政・NPO等の経営刷新。近年は地域再生も手がける。大学では「経営戦略」「公共政策」等を教える。旧運輸省、マッキンゼー共同経営者等を経て現職。大阪市生まれ。50歳。中央省庁・自治体の各種委員、企業顧問等を兼務。京大法、米プリンストン大修士。趣味は登山、鉄道、料理。メール:ueyama@pm-forum.org
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