2008年 12月

●大阪の遷都構想〔南港遷都〕の意味

 大阪の都市改造の構想がだんだんみえてきた。
 この際、府庁だけでなく大阪市役所、その他公共施設や関経連や同友会など財界の事務所も南港に移転すべきだ。その際には特に2重行政の象徴となる施設を統合しつつ、物理的にも移していく。つまり南港は府市連携を象徴する新都心となる。当然、名前も変える。コスモでもなく、南港でもないなにか新しい名前だ。「新宿副都心」では冴えない・・大阪はもっと気の利いた名前にすべきだ。
 ともあれ東京は新宿副都心へ、鹿児島はミナミの港湾地区に遷都し、成功した。いずれも都市軸を動かし、狭い市域を広げ地域全体を活性化させる意味があった。
 大阪はかつては船場と大阪城の町で大阪湾と京都をつなぐ東西水運軸の上にあった。それが明治になって築港開発と大阪駅の建設で新しい形で全国とつながった。大阪港は大阪市が造ったが偉業、先見の明でもある。やがて70年前には名市長関一が出て大阪駅から南に降りる御堂筋を開発。南北軸に中心が移る。これも大阪市役所の偉業である。その象徴、へそが今の市役所のある中ノ島・淀屋橋である。大阪はよそと違って東西の通りよりも南北の筋のほうが太い。これは70年前に都市軸を東西から南北に移したからである。
 戦後は御堂筋を北に伸ばした北部開発が進んだ〔空港、新大阪、千里)。千里ニュータウンの開発は大阪府の偉業である。だが、それも70年代で限界に達した。
 その後は西と南に広げる必要があった。そこで大阪市は湾岸開発を始めるが府との連携がうあまくなく、単独行で力尽きた。失敗の帰結がオリンピック誘致だった。一方、大阪府は南端のりんくうタウンと北端の彩都開発に分散投資。かくして府も市もともに行き詰まる。
 だが府と市が連携できなかった最大の悲劇は、伊丹の代替空港を大阪市の湾岸地区に作らなかったことだ。南港の脇に空港があれば今頃、大阪に本社を置く関西航空の大阪発ニューヨーク便が毎日、飛んでいただろう。成田は不便だ。札幌からも福岡からも国際線のお客は大阪空港で乗り換えて海外へ行っていたはずだ。いろいろな意味で関西の悲劇、2重行政の悲劇の象徴が関西空港問題なのである。したがってあれを何とかしないと大阪の未来は描けない。借金の問題だけではないのである。 

 ともあれ70年代以降のインフラ整備と都市軸整備の遅れのつけは深刻で、今の大阪の衰退の主原因だ。なお、これだけでかい街である。バイオだの観光だのといったよその地域が掲げる産業政策での再生は不可能である。巨大都市大阪は西日本全体を後背地とする情報と物流の集散地としてやっていくしかない。資産はある。江戸期から常に先行してきたという事実だ。大阪には文化も資源も何もない。あるのは人材のみ。人材を全国、全世界から集めるのが唯一の生きる道である。なぜ早くインフラを整備しないのか?新大阪ー梅田ー関空の高速鉄道が必要だ(はるか、は梅田に停まらない)。京都からの高速道路ももう一本必要だ。そして西へ、南港、湾岸地区の産業構造を高度化すべきだ。府も市も過去の先人の偉業に思いを馳せるべきだ。
 具体的には、
①関空への鉄道アクセスの悪さ
②淀川左岸線の高速未整備
③南港の開発停滞
の3つが問題だ。
おかげで都市軸がいまだに御堂筋にとどまる。また街も西に発展しない。西に広がらないから東に工場と密集住宅街がとどまる。全国の集散地のまちがこの状態では衰退するのは当たり前だろう。
 もはや府も市もない。両者、失敗の歴史を見据えつつ、歴史的和解と融合を図るべきだ。
1.まずは関西空港への交通アクセス(なにわ筋線)。梅田から電車で30分、1000円、15分おきの鉄道を作れば伊丹はビジネスシャトル専用空港へと大幅縮小できる。北部もさらなる発展ができる。とにかく新大阪ー北ヤードーなんばー関西空港をつなぐ高速鉄道の整備が必須だ。
2.次は大阪府と市役所が一体となっての南港の再々開発。これが遷都プロジェクトである。ビジネスや工場を市内から西へ誘導し、御堂筋ー府庁周辺を緑の豊かな住宅と業務、エンターテインメント・文化ゾーンに変えていく。当然、京阪の南港延伸なども視野に入れる。京都からきた特急の向かい側には新大阪&北ヤードから来た関空会社の直通特急が待っている。対面で乗り換えればそこから30分弱、1000円で関西空港にいける。ひょっとすると十三から阪急の車両も乗り入れてくる。中ノ島から南、なにわ筋が御堂筋を補う新たな西側の軸として生きてくる。
3.幸いなことに北ヤード再開発がもうすぐ動く。その次は大阪駅前の第1から第4までのビルの建替えだ。北ヤード整備にあわせて一気に都市軸が動かせる。材料はそろっている。だが「点でばらばら」なのが大阪の弱点だ。私鉄延伸、各種開発、各種プロジェクトをうまくつなげていく。そうすれば10年でサイクルを逆転できるに違いない。そのさきがけが遷都である。おりしもニューディールの時期。この不況、大阪にとっては神様からの贈り物かもしれない。唯一かつ最後の浮揚のチャンスが目の前に生まれつつある。時は熟している。そしてばらばらの大阪を束ねるリーダーが橋下知事である。細かいことは捨てて、そして府も市もなく、大阪の未来のために橋下構想を断固支持しようではないか。

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登録日:2008年 12月 21日 15:24:10

近鉄:神戸ー名古屋線

 京阪延伸で中ノ島ー京都がつながったが、次は姫路ー神戸ー大阪ー名古屋が近鉄・阪神でつながるようだ。その次は新大阪ー大阪ー関西空港である。遅れていたインフラ整備が一気に進む兆し。停滞する東京都や国政を尻目に大阪では府市の改革も進む。関西の動きは急である。
ーー
以下はサンケイ
 近畿日本鉄道の小林哲也社長は11日、大阪市内で記者会見し、阪神なんば線が来春開業するのに伴い、姫路−名古屋間と伊勢志摩間の直通特急運行について「今後協議を始めたい」と、山陽電気鉄道、阪神電気鉄道両社と交渉することを明らかにした。時期については明言しなかったが、開業後一定期間を置いて提案する意向を示した。近鉄ではJRの東海道新幹線より約35%割安な料金を売り物に大阪・難波−名古屋間の特急を運行しており、姫路−名古屋間についても同レベルの低価格を打ち出すとみられる。

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登録日:2008年 12月 20日 00:51:21

●宝塚もイノベーション

以下読売
来年、創立95周年を迎える宝塚歌劇団。1月には初めて韓流ドラマを舞台化するほか、料金体系の改定や、未来のスターを育成する宝塚音楽学校の入試改革にも着手する予定で、「変革の年」となりそうだ。1月から宝塚大劇場(兵庫県宝塚市)で上演される花組の新作ミュージカル「太王四神記(たいおうしじんき)」。朝鮮半島などを舞台にした歴史劇で韓国の人気俳優ぺ・ヨンジュン主演のテレビドラマが原作だ。少女漫画や文芸作品、ブロードウェー・ミュージカルなど様々な原作ものを手掛けてきたが、韓流ドラマは初の試み。歌劇団の小林公一理事長は「壮大な歴史劇は『ベルサイユのばら』以来の得意分野。ヒットすれば続編につながる可能性もある大作」と期待する。1公演につき1か月半だった宝塚大劇場と東京宝塚劇場の上演期間を、新年からは約1か月にして年間10公演に増やす。座席料金もSS席を1000円、S席を500円アップするが「増益分を制作費に回し、より制作力を高めるのが狙い」(小林理事長)という。
 背景には、歌劇団が、今後5年を、100周年に向けた“助走期間”として重視していることがある。宝塚音楽学校(宝塚市)の入試改革もその一つ。今年度も競争率は20倍を超え、狭き門に変わりはない。ただ「幼少時から声楽やバレエのレッスンを受けないと合格できないという風評が定着し、受験生がスクールの多い大都市圏に集中しがちになった」(小林公平校長)といい、少子化もあって受験者数は減少傾向だ。歌劇団に入団できるのは同校の卒業生のみ。より広くスター候補生を発掘するため改革は必然だった。

 来年3月実施の入試は1次試験は面接だけで、歌唱と舞踊の実技テストを廃して、これまでより約280人も多い400人程度を通過させる。最終合格者は約40人で従来と同じだが、2次試験での実技も基礎力を重視し、試験会場で配布する楽譜を、その場で歌うテストなどは廃止する。

 これに伴い学校のカリキュラムを一部変更し、入学後、個別指導体制を拡充する。小林校長は「せりふ回しがいい、音程がしっかりしているなど、基本的な能力さえあれば入学後でも十分マスターできる。100周年に向け、将来性のある原石を見つけたい」としている。

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登録日:2008年 12月 18日 13:12:05

●サンケイ記事 【検証・平松市政1年】

【検証・平松市政1年】(上) 知事との"風通し"合格点
 「きょうは橋下知事に来ていただきました」。11月23日、大阪市役所で開かれた市長と市民との対話集会「元気アップ会議」で、平松邦夫市長がにこやかにあいさつした。隣に大阪府の橋下徹知事がいた。市民との対話は、平松市長が就任以来最も力を注いできた。この日は、100回目の市民との懇談で、サプライズゲストとして選ばれたのが橋下知事。集会は2人の首長の蜜月ぶりを見せつけるかたちになった。
終了後には、市の三セク「大阪ワールドトレードセンタービルディング」(WTC)への府庁の移転構想をめぐり、府も市も公式には明らかにしていないビルの価格を尋ねられた橋下知事が「市長からはだいたいのゾーンはもう…」と言いかけると、平松市長がさえぎり、2人の間ではすでに価格の水面下での打診が行われているようにうかがわせる場面もあった。
昨年12月に市長に就任した元アナウンサーの平松市長と、今年2月に知事に就任したテレビタレントとして活躍した弁護士の橋下知事。2人の新しいリーダーが、「府と市と合わせて『ふしあわせ』」と揶揄(やゆ)された府と市の関係を変えたのは事実だ。「首長同士の風通しのよさはかつてなかったこと」とある市幹部は評価する。
テレビタレント時代からどちらかといえばヒール(悪役)の橋下知事と、MBSの看板アナウンサーを長年務め、「日本一司会のうまい市長」と、表舞台での配慮を得意とする平松市長。性格も、首長としての立ち振る舞いも対照的だ。当初、平松市長は「(橋下知事とは)民主主義のとらえ方が違う」と思想信条の違いをにじませることも多かったが、最近は、橋下知事との個人的な信頼関係を強調することが少なくない
 こうした平松市長の言動を、政治戦略として避けられない選択と見ることもできる。民主推薦で市長選を戦い、自民、公明推薦で現職の関淳一氏を破って当選した平松市長だが、市議会で多数派の自民、公明の壁に度々ぶつかってきた。そんな市長にとって、自民、公明の支持を受けて当選した橋下知事とタッグを組むことは、政治判断の選択肢を広げる武器として使えるからだ。しかし、現実には、WTCへの府庁移転は、府議会の3分の2以上の同意が必要で、厳しい局面を迎えている。府市の水道統合議論でも市側の「市にとって水道は優良事業で、無理して府と統合する必要はない」(市水道局幹部)との姿勢は変わっておらず、府市ともに水道事業を統合すれば2000億円以上の経費削減効果があると試算しながら、議論は進んでいない。府市協調の象徴ともいえるこの2事業とも、交渉はいずれも年末年始が山場だ。難局のなかで、2人の“蜜月”はいつまで続くか。平松市長は「どこかでものすごくぶつかることがあるかもしれません。ぶつかったとしても、お互い府や市をどうかしたいと思っている部分では信用している。ぶつかってもあとを引かないのではないか」という。首長として選択した橋下知事への「信用」は、まもなく真価を問われることになる。

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登録日:2008年 12月 17日 01:23:22

●愛が地球を救う時代の到来?――自由・平等・博愛の意味

 「愛は地球を救う」というのはご存知、某民放テレビのチャリティー番組の名前で
ある。当初は大げさなネーミングだといわれたが30年以上も続いてすっかり定着
した。その間、現実の地球は環境問題や各地の紛争のせいでますます疲弊しつつある。
 「近代資本主義は終焉期に入った。これからは大混乱の時代になる」「再び『中
世』のような暗黒時代になる」という見方もある。経済や社会が不安定になると人々
は相互不信に陥る。いよいよ愛が地球を救うしかない時代なのかもしれない。実はミ
ヒャエル・エンデ、ジャック・アタリなど世界の哲学者たちがそう予言している。
20世紀には「資本主義」と「社会主義」が世界を支配した。だが21世紀には「博愛主
義」が必要なのだ、と。今回は博愛主義について考えたい。
■「自由」は資本主義、「平等」は社会主義を生んだ
 「博愛」は「自由」「平等」とセットでフランス革命、近代社会の基本理念として
語られる。すなわち、人が人らしく生きる上で重要なのは表現の自由、精神の自由
だ。同時に人間同士は平等でなければならない。だが究極の自由は平等と矛盾するの
でどこかで相互の節制、自己抑制が必要だ。それが博愛主義である。個人の自由のた
めに他人の自由を犠牲にしない。同時に平等のために誰かの自由を犠牲にしないとい
う哲学である。
 「自由・平等・博愛」を経済にあてはめるとどうなるか。「自由主義」は「資本主
義」を「平等主義」は「社会主義」を、そして「博愛主義」は「社会奉仕主義」を生
む。
 20世紀の歴史は自由主義と平等主義のせめぎあいとして理解すると分かりやすい。
個人の自由の追求は物欲追及に至る。人は科学技術の発展と共に森林を開拓し、食糧
増産し余剰を取引する。そこから資本主義が生まれ、世界を席巻する。金融が発達
し、貧富の差が極度に拡大すると機会の平等や結果の平等を求めて社会主義が生まれ
た。社会主義国家が脅威となると資本主義国家も福祉国家に変化した(修正資本主
義)。一方で社会主義国家も生産性が上がらず、国家崩壊(ソ連・東欧)、もしくは
修正社会主義に変化した(中国)。同時に福祉国家は新自由主義によって再修正さ
れ、修正資本主義は当初の資本主義へのゆり戻しが起きつつある(サッチャー、レー
ガン、中曽根改革や各種民営化など)。
■資本主義をどう制御するか
 さて、問題は資本主義の行方である。自由主義から生まれた資本主義だが、当初は
節制が利いていた。近代資本主義はプロテスタンティズムの精神から生まれたからで
ある(マックス・ウエーバー)。かつては修道院のなかで聖職者だけが実践していた
「祈りかつ働く」ことが市民の宗教的実践となった。宗教的動機が勤勉を生み、利潤
を増やした。
 当初は利潤は結果でしかなかった。だが社会制度が資本主義を前提とするようにな
ると利潤追求が自己目的化するようになる。こうした資本主義の危険性を見抜き、歯
止めを掛けようとしたのがマルクスとレーニンだった。だが平等主義哲学に裏打ちさ
れた国家による資本主義の制御は巨大な官僚主義を生み、個人の精神の自由の抑圧と
生産性の低下という副作用を生み、失敗した。これはつい20年ほど前のことだ。
 最近の資本主義はどうか。地球規模では環境問題を生み出し、地球を攻撃し始め
た。また国家が制御していたはずの市場がグローバル化したことを契機に資本主義は
ついに国家を攻撃しはじめた。アイスランドやハンガリーなど中堅国家の破綻がその
先駆けである。かくして資本主義は高度技術(グローバルな通信運輸技術、IT技術)
と結合し、人為的に制御不能な存在となりつつある。
■そこで博愛主義
 問題は資本主義の制御である。社会主義の失敗から国家が資本主義や市場経済を律
するのは無理だとわかった。官僚主義が自由主義を蝕み、生産性を著しく下げる。結
局、社会主義は自由なき平等を生み出すだけだった。さりとて自由だけに委ねると経
済格差が極大化し、平等が損なわれる。年収数十億円の社長がいる一方でその会社を
解雇された失業者が路頭に迷う社会は異常だ。必要なのは自律と節制だ。社長は年収数十億円を放棄し、数億円で我慢する。同時に労働者は法外な賃上げ要求やサボタージュをしない。お互いを人間同士と尊重し、信じ合うこれが博愛主義である。
 だが、どうやってこれを実現するのか。答えは単純ではない(たぶん子供たちは別
だが)。しかし希望の片鱗はある。若者たちである。筆者が教える慶應大学でも他の
大学でも社会企業家を目指す若者が増えている。政府でもNPOでもなく、ビジネスを
通じて社会貢献をしたいという彼らの行動哲学はまさに「博愛主義」である。
 私たちの世代は学生時代に「平等主義=社会主義」の洗礼を受け、就職後は「自由主
義=資本主義」の世界に生きてきた。だが最近の若者はそうではない。国家や政府、
企業とビジネスのパワーと限界を見極めつつ、人が人を魂のレベルで動かせるとナイ
ーブに信じて行動している。それがどこまで通用するかはわからない。だが、かつて
マルクス主義もそういわれながらも世界を大きく動かした。毛沢東、ホーチミンは当
時においてやはり偉大だったし、実際に「民族解放」を成し遂げた。今、ブームの社
会企業家たちもひょっとするとそうした存在かもしれない。実は彼らこそが21世紀の
博愛主義の伝道者なのかもしれない。

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登録日:2008年 12月 10日 13:09:43

●関空アクセス問題が浮き彫りに

以下は日経。なかなか良い議論である。エアラインの本音がちゃんと引き出せたという大きな意義。課題はこれではっきりした。要は、大阪から関空へのアクセス問題が課題である。①なにわ筋線の建設、②東大阪など近鉄沿線からの関空行きバスの充実、③既存アクセスの料金引き下げ、に注力すべきだ。梅田から30分、1000円、15分おきのシャトルがあれば伊丹なんて誰も使わない。要は投資をしろということであり、話しは単純になった。
ーーー
日本航空と全日本空輸は8日、大阪府が空港ビジョン策定のために開いた意見交換会で、橋下徹知事が求めている大阪国際(伊丹)空港と成田空港を結ぶ路線廃止を拒否した。同知事が伊丹から移す先とする関西国際空港では利用増が見込めず採算確保が困難なためだ。国内大手2社がそろって「ノー」を表明したことで、伊丹の機能縮小をテコに関空活性化を目指す知事の戦略は壁にぶち当たった。

 意見交換会は関西3空港のあり方に関して府が年内にも取りまとめる空港ビジョンのために開催。学識経験者に意見を聞いた5日に続き、この日は航空会社、日本旅行業協会、関空会社といった業界関係者にヒアリングした。

 このなかで日航の佐藤学執行役員は「客のニーズを踏まえないで(伊丹―成田線の廃止を)強制的にやるのは違うのでは」と話し、単価が高いビジネス客を中心に2社合計で年間約37万人が利用する同路線を堅持する意向を表明。全日空の岡田晃執行役員も「需要を最優先すべきだ」と主張した。

 佐藤氏は「関空発着の不採算路線を合わせると07年度は100億円を超える赤字だった」と指摘。2005年に伊丹から関空に移した北海道や東北、九州向けなどの路線が不採算に陥ったことを例に挙げ「成田線が伊丹から関空に移った場合、需要を維持できるとは思えない」との認識を示した。

 日航と全日空は11月以降、関空発着の複数の国内線・国際線で廃止や減便を順次実施している。さらに日航は関空と北海道、青森を結ぶ計5路線を09年度以降の廃止に向けて調整中。全日空も関空と松山、高知をつなぐ路線の廃止・減便を検討している。

 日航の佐藤氏は09年4月から関空と成田を結ぶ路線開設を検討していることを説明して理解を求めたが、知事と関空会社の平野忠邦副社長は「伊丹―成田線を残したままでは意味がない」と主張。逆に知事は「関空で出国手続きできる点を考えると関空―成田線はむしろ利便性が高い」と迫ったが、航空2社は納得しなかった。

 関空の活性化を重視する橋下知事は7月にぶち上げた「伊丹空港廃止」論を経済界の反発などで取り下げたものの、関空救済には伊丹の機能縮小が必要だと訴え続けてきた。大手2社との対立の構図がはっきりしたことで、路線の開設や廃止に直接的な権限を持たない府は新たな関空浮揚策の検討を迫られることになりそうだ。

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登録日:2008年 12月 09日 10:24:33

●「官僚国家日本を変える元官僚の会」出版のお知らせ

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好評、増刷中。「脱藩官僚、霞ケ関に宣戦布告!」(脱藩官僚の会、朝日新聞出版)定価1,600円
第1章 江田憲司(通商産業省脱藩・衆議院議員)
官僚のお家芸「改革の骨抜き」を完全阻止する!‐霞ヶ関連合軍と全面戦争をやり抜いた男
第2章 高橋洋一(財務省脱藩・東洋大学教授)
天下りの斡旋禁止で官僚の質はアップする‐官僚すべてを敵にした埋蔵金男
第3章 岸博幸(経済産業省脱藩・慶応義塾大学教授)
官僚の政策独占を打ち破り、官製不況を止める!‐霞ヶ関にゲリラ戦で挑んだ竹中平蔵氏の懐刀
第4章 上山信一(運輸省脱藩・慶応義塾大学教授)
大阪維新に期待!地方分権こそ霞ヶ関改革の近道‐地方から国を変えたい自治体の改革屋
第5章 福井秀夫(建設省脱藩・政策研究大学院大学教授)
エリート主義が破綻した霞ヶ関を国民目線の集団に変革せよ!‐行政の手口を知り尽くした政策通
第6章 寺脇研(文部科学省脱藩・映画評論家)
―「まともな抵抗」ができない役人たちに頭のいい交渉の仕方を教えよう‐タカ派文教族に敵視されたゆとり教育の旗手
第7章 木下敏之(農林水産省脱藩・IT企業役員)
―国の人事制度を変えれば税金の無駄遣いは簡単になくせる‐抵抗勢力と戦い、改革を実現した元佐賀市長
第8章 石川和男(経済産業省脱藩・新日本パブリック・アフェアーズ上級執行役員)
―霞ヶ関からは出て来ない「当たり前」の政策を発信する!‐規制緩和に心血を注ぐ「脱落官僚

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登録日:2008年 12月 03日 14:21:47

●大阪市バスの粉飾問題

以下はサンケイ。
大阪市のバス事業は市内独占。キロ当たり、一台あたりの収入は民間をはるかに上回る。ふつうの会社が経営すれば黒字のはずだ。ところが最高年収1300万円の運転手の給与、2,3割は過剰な人員のせいで過剰コスト、大赤字に陥っている。
 そこで考え出されたのが地下鉄の黒字をこっそりバスに流し込み、赤字隠しをするという案。昨年は議会などから批判を浴びて取り下げたものの、また、出してきた。
 これははっきりいって粉飾会計操作。赤字を隠すことで総務省の規制基準を逃れようという姑息な根性が丸出しである。そこまでして高年収と過剰人員を維持したいのか?「市民の足」の美名の下に誰も乗らないカラのバスが今日も市内を走り回っている。
「職員による、職員のための、職員のバス・・」。こんなものの赤字補填に地下鉄の安全投資のための収益を削ろうとする行為を見逃していいのか?地下鉄も大赤字のなか、事実上の粉飾決算をしている。将来の修繕積立金などを加味すれば実質赤字になるはずだ。交通局はいったい誰が管理しているのだろうか?徹底的な会計検査をすべきだ。
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大阪市バスに67億円支援 地下鉄会計から
 慢性的な赤字経営に陥っている市営バス事業を支援するため、大阪市交通局が今年度、地下鉄事業会計から67億7000万円の財政支援を行う案をまとめたことが6日、わかった。同交通局は「財政支援がなければ、平成20年度決算からバス事業は経営健全化団体に陥り、自主的な見直しが難しくなる」などと支援理由を説明するが、3月に策定したばかりの経営計画を1年もたたずに撤回することになる。また21年から予定していた支援を前倒しすることで、23年度までの支援額は、10億円以上膨らむ見通しになっている。

 地方公営企業は本来、独立採算が原則とされる。このため東京など他地域に比べ割高な運賃で黒字を維持している地下鉄事業から、バス事業に財政支援しようとする同交通局の方針には、市役所内部からも「地下鉄だけを利用している乗客に説明がつくのか」「赤字路線の見直しなど抜本的なバス事業の改革をまず行うべきだ」といった厳しい声がある。

 市営バス事業は、利用客の減少などで慢性的な赤字経営で、19年度には一般路線105系統のうち77系統と、コミュニティーバス路線30系統のすべてが赤字。同年度決算見込みでは経常赤字は20億円、累積赤字は556億円に上っている。

 20年度決算から適用される地方公共団体財政健全化法では、資金不足比率が20%以上の場合は経営健全化団体になり、経営健全化計画を策定する必要がある。同交通局は、支援がない場合、20年度のバス事業の資金不足額は86億円で、資金不足比率は45・1%になり、経営健全化団体になることは避けられないとしている。

 こうした事態を受け、同交通局はもともと、20年度の当初予算編成時から財政支援を盛り込みたい意向を持っていたが、抜本改革を行わないまま赤字を補填することに対し「安易な赤字の埋め合わせは市民の理解を得られない」などとして市役所内でも批判があがり、3月に策定した経営計画では、支援は1年後の21年度から実施すると発表していた。

 支援が前倒しになることで、同交通局の想定では、67億7000万円を地下鉄事業会計からバス事業に繰り入れることになり、資金不足比率を9・5%まで引き下げられる。一方で経営計画で21~23年度に221億円としてきた支援額は、20~23年度で236億円に膨らむ見通し。

 同交通局では、経営健全化団体になれば、自主的にバス事業を見直すことができなくなり、市の交通ネットワークが維持できないとしているが、経営計画を1年足らずで撤回することは異例で、その場しのぎの対応に批判が出そうだ。

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登録日:2008年 12月 03日 08:42:16

プロフィール
上山信一
(男)
慶應大学総合政策学部教授。大阪市生まれ54歳。専門は企業・行政機関の経営戦略と組織改革。都市・地域再生も手がける。旧運輸省、マッキンゼー共同経営者等を経て現職。国交省政策評価会(座長)、大阪府と大阪市の特別顧問、新潟市都市政策研究所長、日本公共政策学会理事、各種企業・行政機関の顧問や委員等を兼務。府立豊中高、京大法、米プリンストン大学修士。著作等 ツイッター@ShinichiUeyama
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