2009年 02月
●新著「自治体改革の突破口」刊行のお知らせ

この10年の各地での自治体改革、地域再生のエッセンスを51のエッセーにまとめたものです。地域再生については、食と農、シャッター通り、アートと町おこしなどについて、自治体改革については橋下改革などについて。さらに国の構造改革や宗教の役割など幅広く論じています。アマゾンにて発売中。日経BP社刊。1800円
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登録日:2009年 02月 23日 01:18:07
●再び、大阪市バスの会計粉飾問題
以下はサンケイ
70歳以上の大阪市民を対象に、市営地下鉄と市営バスが無料になる「敬老優待パス」を導入している大阪市交通局が「高齢者はほとんどバスしか使わない」という根拠のない利用予測をもとに、36年間にわたり計1335億円の交付金をバス事業に優先的に振り分けていたことが21日、わかった。実際には地下鉄利用が65%に上り、単純計算で800億円以上余分に補填(ほてん)。平成21年度から見直す予定だが、バス事業の赤字を低く見せかけるための“ごまかし”ともとれる対応に、市議からは「長年、市民をだまし続けてきたようなものだ」との批判が出ている。市は昭和47年から敬老パスを導入している。地下鉄事業とバス事業は別会計になっており、市は一般会計から敬老パスにかかる費用を交付金としてそれぞれに支出している。平成19年度までに計1472億円が交付され、うち1335億円をバス事業に繰り入れた。
ただ交付金の配分は、昭和40年代の利用予測をもとに決められた「バス利用90%、地下鉄利用10%」との基準が適用され続けていたうえ、実態調査も行われていなかった。
しかし、平成19年から進められた敬老パスのIC化で、実際は地下鉄利用が65%、バス利用は35%で利用予測とかけ離れていたことが判明。この割合を交付総額に単純に当てはめると、バス事業への交付金は本来は515億円にとどまり、市は820億円を余分に補填したことになる。
市幹部は「交通局の担当者は敬老パス交付金の配分のおかしさに気付いていたはずだ。バスの赤字の深刻さを過剰な補填でごまかし続けてきたといわれても仕方がない」と述べる。
バス事業は556億円(19年度)の累積赤字を抱えながら、年収1300万円以上のバス運転手がいたことや余剰人員が表面化。民間委託が進む一方で正規採用の運転手と嘱託運転手とで2倍前後の賃金格差が出ていることが問題になっている。
市交通局幹部は「地域団体や地元市議らからの強い要望を受け採算度外視のコースを走るバス路線も1本や2本ではない。おかしいと思ってもなかなか見直せない」とも明かす。
市交通局は21年度から実績に従って配分を決める方針で、バス事業への交付金は今年度から40億円近く削減される見通し。これを受け市交通局は、バス事業の経営健全化団体への転落を回避するため、地下鉄事業から20、21年度だけで106億円の財政支援を行う方針という。
市交通局は「改革が遅れているという指摘は重く受け止める。21年度にはバス路線の抜本見直しも含めた改革を予定しており、財政支援をなんとか認めてもらいたい」としている。
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登録日:2009年 02月 22日 10:32:26
●債務処理とアクセス問題の関係〔関西空港〕
以下は日経。関空アクセスが改善されればエアラインはおのずと関空シフト。九州新幹線の開通、環境問題もあわせて考えるとおのずと伊丹は限定利用に向かうだろう。そうなると地元にとってあの土地をどう使うのがベストかがはっきりしてくる。それを見越した関空の債務処理策の進展を期待したい。
ーー
関空強化策、国交相が橋下知事に約束──財務、アクセス改善や国際物流基地の整備
大阪府の橋下徹知事は20日、国土交通省を訪ねて金子一義国交相と会談した。金子国交相は焦点の関西国際空港の強化策について、空港会社の財務構造改善や都心部からのアクセス向上などに積極的に取り組む考えを表明した。橋下知事は府側の要求に沿った内容として一定の評価を示したが、財源や実施時期は盛り込まれていないため実現には不透明感が残る。会談終了後、橋下知事は報道陣に対し「関空は国の空港であり、関西再生の中心となるインフラであると国交相は明確に認めた」と強調。相次ぐ減便に悩む関空の「救済」には慎重だったものの、「(国が策定する)関西再生ビジョンの中で関空の機能強化策を盛り込むことを約束していただいた」と話した。国交省が橋下知事へ示した関空強化策によると、関西の主要プロジェクトとして、大阪・梅田と関空を30分台で結ぶ鉄道、なにわ筋線の建設など空港アクセスの利便性向上に取り組むほか、大阪ベイエリア地区をアジアの一大物流拠点と位置付け、関空に低コストの国際物流基地を整備する方針を盛り込んだ。また、巨額の有利子負債を抱えている関西国際空港会社についても、財務構造の抜本的な改革を図る方針を伝えた。
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登録日:2009年 02月 21日 11:01:56
●関空は国の拠点 12首長が共同声明
以下はサンケイ
大阪府の橋下徹知事や大阪市の平松邦夫市長ら、関西を中心とする2府6県の知事と4政令市の市長は17日、「関西国際空港の機能強化に向けた緊急共同アピール」を発表し、国交省に提出した。橋下知事が20日の上京時に、金子一義国交相にも手渡す。
アピールでは、関空の長距離国際線や国内各路線が著しい減便となっている現状を挙げ、「関空を国家戦略的に利用するという視点を欠いたまま、首都圏中心の航空政策が進められている」と、国の戦略を厳しく批判。海外の航空会社の国内線運航を認める規制緩和策や、関空へのアクセス改善となどを国に求めている。
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登録日:2009年 02月 18日 10:14:11
●大阪駅ー関空「鉄道で30分」へ
以下は朝日(なにわ筋線)だが、朗報である。続いて読売(神戸空港赤字問題)も今後の関西空港の将来を考えるうえで大事な記事だ。
関西空港の再生は、1に鉄道アクセスの改善、2に債務処理、3に外国エアラインの国内線参入〔カボタージュ〕である。ところがこれまで関西の財界と行政は、1にエアラインの誘致キャンペーン、2に二期工事、3に神戸・伊丹・関西の3空港の一体運用という素人の思いつき風の戦略(失礼だが・・)を展開してきた。橋下改革で是正され、国も態度が変わった。ちなみに従来の戦略はなぜ間違いか。
1、エアラインの誘致キャンペーン:知事や市長が北京など海外主要都市に行って「お願い」したって路線は張れない。航空はビジネスであり、儲かる空港、稼げる路線にするのが先決だ。それには定時性が確保できる鉄道アクセスが必須。大阪駅から30分、15分間隔、1000円が目安だ。これが以下の記事のすごさの本質。
2、二期工事:必要性は否定しないがこれで関空問題が解決するというのはウソ。稼働率5割程度の今の空港のキャパをさらに増やす緊急性はまったくない。1兆2千億の債務処理のほうが先決である。今の関空は収入の大半を金利払いにまわしている。銀行の奴隷状態である。せめて5千億を国(空港整備特会)が肩代わりすべきだ。そうでないとまともなコスト競争力は出てこないし、誘致も無理だ。この問題を直視・解決せずに、キャンペーンも誘致もあったものではない。
3、三空港一体経営:NYやロンドンはそうだが、今の関西にとっては無意味な暴論。これの推進論者は神戸空港の赤字隠しが狙いではないか。それぞれが赤字の関西の3空港を一体運用してもだめだ。一番小さい神戸の赤字が目立たなくなり、救済策にはなる。だが大きい関空の問題は解決しない。課題が複雑になり、解けなくなるだけだ。「大阪湾地区に3つも空港がいるのか」という疑問はわかる。造る前なら正しい問題提起だ。だが現に3つできてしまった。神戸か伊丹を廃止するのならいいが、3つを稼動させつつ一体運営や経営統合しても同じだ。かえって問題の本質を隠すだけだ。伊丹と関空の使い分けは確かに問題だ。だが関空と神戸は客はだぶらない。2者で議論すべきことであり、3者協議は複雑化するだけだ。そもそも神戸の規模は他の2つの2割以下。造った地元でまずは再建策を考えるべきだ。ーーーーーーー
以下、朝日
JR新大阪駅とミナミを結び、関西空港へのアクセス鉄道として期待される新線「なにわ筋線」が実現に向けて動き出す。80年代に計画され長年凍結されていたが、国土交通省は近く、JR西日本と南海電気鉄道、大阪府、大阪市によるトップ会議を開き、建設に向けた基本合意を得る方針だ。3千億円規模とみられる建設費の3分の1は国が補助する方針で、10年度にも調査費の予算計上を目指す。
現在、大阪駅と関空とはJRで1時間程度かかるが、新線は30分程度への短縮を目指す。最近は府の橋下徹知事が「関空へのアクセス向上には不可欠」として建設に前向きな発言を繰り返している。国交省はトップ会議での合意後、事務レベルの検討会議を設ける。10年度予算にも建設の前提となる基本調査費を計上。数年かけて路線計画を詰め、事業費の概算や需要予測をはじく方向だ。
建設では「都市鉄道利便増進法」を活用し、国、自治体、鉄道事業者が費用の3分の1ずつを負担する方式が有力だ。府と市は財政難に苦しんでおり、どう分担するかが焦点となりそうだ。
なにわ筋線はJR新大阪駅から梅田北ヤードの新駅、京阪電鉄中之島駅を経由して大阪市内を南下。分岐してJR難波・南海汐見橋両駅につながる10.2キロの路線。陸空の玄関口と大阪の中心部を直接結ぶ。事業者としてJRと南海が手をあげている。89年に国が行った試算では「開業40年以内に黒字化できる」とされたが、市の財政難などから棚上げされてきた。
ただ、新大阪から北ヤードまでの約4キロについては、その後立ち上がった北ヤード開発に合わせ大阪市とJRが地下化する「JR東海道支線」をそのまま使える。そのため当初約4千億円と見込まれた建設費用は2千億~3千億円程度に削減できる見通しだ。
ーーー
以下、読売
神戸空港3年、借金1982億円 視界不良の返済計画
土地売却不調、神戸市は”預金”取り崩しへ
16日で開港3周年を迎える神戸空港を運営する神戸市が、建設のために発行した市債(借金)約1982億円の償還に苦慮している。2009年度から返済が始まるが、原資として当て込んでいた空港島の用地売却が進まず、資金繰りに行き詰まっているからだ。企業会計の預金を取り崩して急場をしのぎ、市は今後、用地の用途変更を国と協議し、民間企業の進出に望みを託す。
市によると、空港の建設には計約3140億円を投じ、約1982億円を市債で賄った。市債は09年度から6年かけ、空港施設を除く島内用地83ヘクタールの売却益約2000億円で償還、市の負担は一切ない計画だった。しかし、用地には飛行機の運航に影響を与えないという制約があり、用途は物流や航空関連に限定。土地を高層ビルなどに利用するのは難しく、敬遠する企業が多いという。市は分譲価格を5~3割引き下げたが、3ヘクタールしか売れず、利益も約45億円にとどまっている。市は、09年度分265億円の償還を前に、計画を見直し、当面、ポートアイランドやニュータウンなど大規模造成を目的とした企業会計「新都市整備事業会計」から資金を回すことにした。今後も用地売却が進まない場合、市は企業会計に頼らざるをえないとしているが、同会計の預金は約1717億円で、空港島を含めポートアイランド2期造成などの借金が約3692億円残る。
空港を巡っては、計画段階から賛否両論が起き、市が「単独事業で採算をとる」と明言。市議会も1998年11月に「空港建設に市税を一切投入しない」とする決議を採択した経緯がある。
神戸空港利用者数と搭乗率 矢田立郎市長は12日の記者会見で、売却の努力を続けるとともに、国に用途変更を求める姿勢を表明。医療産業都市構想で用地売却が進んだポートアイランドを例に挙げ、「空港島にも医療分野の企業を集積したい」と、用途変更に期待している。
神戸空港
神戸市沖を埋め立てて建設。開港時は7路線27便が就航していたが、地方路線の撤退で今年4月から5路線22便に。便数減の影響もあり、昨年2月から1年間の利用客は268万人で、開港以来需要予測(年間319万人)を下回っている。平均搭乗率は60%台で推移している。(2009年2月15日 読売新聞)
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登録日:2009年 02月 15日 14:53:11
●日本について考える5冊
先般は「世界」を見つめ直す5冊を紹介した。今回は日本について考える本を紹介する。私は外資系企業に14年、外務省に2年勤務した。米国にも6年間住み、世界88カ国を旅した。その上で痛感するのが日本人と日本社会の行動様式の分かりにくさだ。日本では大事なことがその場の空気や気配りで決まる。いつも「日本はだめだ」と自信がない。ところが妙に目先の利に聡い。そして世界に冠たる経済大国である。いったいこの国はどうなっているのか。運動法則を解明するうえで
以下がお勧めである。
1.梅棹忠雄『文明の生態史観』(中公文庫)
著者は文化人類学者である。「欧州と日本はそれぞれユーラシアの東西両端に位置し、文化も言語も異質だ。だがともに四季に恵まれ封建主義を経験した。そこから両者に近代資本主義が生まれた」という。本書は50年前に書かれ、「日本は遅れたアジアの小国で明治以後にやっと近代化した」という欧米のステレオタイプ的見方を根底から覆した。
2.高坂正堯『海洋国家日本の構想』(中公クラシックス)
今から45年前、日本人はまだ敗戦後の自信喪失状態から立ち直っていなかった。そんな中で、当時わずか30歳の著者は現実直視の外交・平和論の論陣を張った。そして左右のイデオロギーを超越した立場から「これからの日本は海洋国家として一定程度の軍備を備え、通商に加えて途上国の経済発展に協力することで新たな挑戦の機会を持つべき」と主張した。彼はその後のわが国の国家戦略を予見していた。昨今、ジョセフ・ナイのソフトパワー論、スマートパワー論が話題だがそれも先取りしている。著者の先見性と現実性には驚嘆させられる。
3.宮本常一『忘れられた日本人』(岩波文庫)
著者は戦後間もない日本各地を隈なく歩いて人々の伝統的暮らしを収集分析した民俗学者。えてして封建的、閉鎖的とされがちな日本の農村社会の中に巧みな対話や紛争解決、そして助け合いの仕組みがあると指摘した。なるほど本書に描写される対馬の村の寄り合いの様子は現代の大企業の役員会にそっくりだ。日本の組織は決定までの調整に膨大な時間とエネルギーを費やす。だが決めたら確実に実行する。こんな日本の組織のDNAの由来がわかる名著である。
4.司馬遼太郎『竜馬がゆく』『坂の上の雲』(いずれも文春文庫)
日本を代表する国民作家の代表作である。著者は歴史小説を通じて「日本とは、そして日本人とは何か」を明らかにした。日本人に対する氏のまなざしは優しく暖か
い。東洋の片隅で必死に世界の動きを洞察しけなげに生き抜き国としての独立を堅持した先人への愛に満ちている。一方で優柔不断な幕府の官僚主義の描写は現代への風刺でもある。
5.山岸俊男『安心社会から信頼社会へ』(中公新書)
筆者は、これまでの日本社会では終身雇用制や村社会のような持続的関係の安定性が人々に「安心」を与えていたという。著者は「激動化する現代ではこれが逆に人間不信や閉鎖性を生み出している。これからの日本人は未知の相手とも対話し、『信
頼』を構築することで問題解決する社会を目指すべき」と主張する。たしかに転職や移動の拡大、外国人の増大や格差拡大などを機に従来型の安心社会の維持コストは増大する一方だ。「信頼社会」の構築に向けた社会の仕組みづくり(情報公開、評価格付けなど)が必要だろう。
以上の5冊はいずれも日本のすばらしさを評価したうえで弱点とその克服策にも言
及している。先人の知恵にヒントを探してみたい。
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登録日:2009年 02月 10日 11:33:09
●3月17日講演会「公的機関の経営分析」@国会図書館
3月17日に国立国会図書館にて講演します。詳細以下のとおり。
国立国会図書館では、公的機関の経営分析について理解を深め、今後の評価活動の参考とするために、行政評価の研究者である上山信一教授による講演会を開催します。上山教授は、多数の企業・行政機関の経営改革を手がけ、最近では大阪市役所の改革本部での経験をもとに著書『行政の経営分析』を発表されています。次のとおり参加者を広く募集いたします。
題目
「公的機関の経営分析」
講師
上山信一氏(慶應義塾大学総合政策学部教授)
日時
平成21年3月17日(火) 13:30~15:30
会場
国立国会図書館 東京本館 新館大会議室
募集人数
30名(先着順。人数に達し次第、募集は終了いたします。)申込み方法
電子メールで、(1)お名前、(2)ご所属をご記入の上、総務部企画課評価係(hyoka@ndl.go.jp)までお申し込みください。応募締切は、3月9日(月)です。
問い合わせ先
国立国会図書館 総務部企画課評価係
TEL:03-3581-2331(内線20331)
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登録日:2009年 02月 07日 23:48:39
- プロフィール
- 上山信一
- (男)
- 慶應大学総合政策学部教授。大阪市生まれ54歳。専門は企業・行政機関の経営戦略と組織改革。都市・地域再生も手がける。旧運輸省、マッキンゼー共同経営者等を経て現職。国交省政策評価会(座長)、大阪府と大阪市の特別顧問、新潟市都市政策研究所長、日本公共政策学会理事、各種企業・行政機関の顧問や委員等を兼務。府立豊中高、京大法、米プリンストン大学修士。著作等 ツイッター@ShinichiUeyama
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