2009年 04月

●何事にもプラスの側面

台湾、WHO総会に出席へ=オブザーバーで初-中国、新型インフルで協力
 【台北29日時事】台湾の衛生署(衛生省)は29日、来月18日にスイスのジュネーブで開催される世界保健機関(WHO)年次総会に「中華台北」名義でオブザーバー出席することが認められたと発表した。台湾が国連機関に参加するのは1971年に国連を脱退して以来初めて。
 「一つの中国」原則を譲らない中国はこれまで台湾がWHOに参加することを認めてこなかった。しかし対中融和路線を掲げた馬英九総統が誕生し、経済面を中心に中台関係が進展。台湾同胞の健康問題も絡むことから柔軟姿勢に転じたが、新型インフルエンザ問題が新たに浮上、より台湾側との協力を強めるとみられる。衛生署によると、台湾は来年以降もWHO事務局に申請しなくても参加できるという。(2009/04/29-16:39)

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登録日:2009年 04月 29日 19:06:52

●改革評価の職員募集〔大阪府〕

以下は大阪日日新聞。
改革評価委員に外部人材を積極登用 橋下知事
2009年4月23日
 大阪府の橋下徹知事は二十二日の定例記者会見で、府特別顧問を務める慶応大総合政策学部の上山信一教授ら四人を外部人材で構成する改革評価委員に委嘱すると発表した。任期は同日から来年三月三十一日までで、知事が戦略本部体制での改革の自己点検を補完するため、外部的視点で評価する。メンバーは府特別顧問から上山教授と大阪市立大大学院の永田潤子准教授に加え、大阪大大学院国際公共政策研究科の赤井伸郎准教授、公認会計士・税理士の小幡寛子氏。
 また同日付で、改革における個別課題の調査、分析に対しアドバイスを受けるため、外部から専門家ら五人を特別参与に委嘱する。任期は改革評価委員と同じ。会見で橋下知事は「行政慣行に縛られない観点からもいろいろ議論を投げ掛けてもらい、その中から一番いい結論を得たいという僕の思いで、外部からの人材登用は積極的に進めていく」と話した。
・実務担当の任期付き職員を募集
 府は改革課題に関係する実務を担当する一般任期付き職員を同日から六月三十日まで募集する。人数は若干名で、選考を経て七月一日以降に採用する予定。詳細は府ホームページ(http://www.pref.osaka.jp/)へ。橋下知事は「改革に強い意欲を持つ方、ぜひ応募してください。若干名としたが、いい人がいれば多く入ってきてもらいたい」とアピールしていた。

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登録日:2009年 04月 23日 21:44:02

●地域戦略の考え方②

 前回は地域戦略を作るときには抽象論や夢に流されず、「課題別」「地区別」そし
て「担い手別」にものごとを切り分けて考えるべきと述べた。また戦略立案以前に企
業戦略と同様の冷徹な現状分析が必要だとも述べた。確かに地域は「戦略性」を企業
に学ぶべきだ。だが「地域」と「企業」は違う。今回は「地域戦略」の「戦略性」に
ついて考えたい。

■「幸せ」「成功」の定義はさまざま

 企業戦略の成功の定義は明快だ。収益の拡大・成長、そして持続性である。地域の
成功もある程度は同じだ。だが理想とする地域の姿は人によって様々だ。典型が開発
か保全かという路線対立だ。人生の成功が資産や子孫の数だけでは測れないのと同様
に地域の繁栄(人口、経済)は必ずしも地域の戦略的成功を意味しない。だから地域
戦略は立案が難しい。作るのは簡単でも支持と同意は取り付けにくいからだ。

 また厄介なことに地域の人々から広範な支持を取り付けると総花、散漫な地域戦略
になる。戦略の要諦は「選択と集中」だ。その原則に逆行することになる。あるいは
「立派な工場地帯と豊かな自然の保全の両立」といった矛盾に満ちたスローガンを掲
げることになる。「地域」とは昔から“在る”ものだ。自分で選んで就職した、ある
いは投資した「会社」とは異なる。昔からそこに“在る”ものに企業並みの高度な戦
略性を期待すること自体にそもそも無理がある。戦略のない企業は生きていけない。
だが地域は必ずしもそうではないのである。まずは頭の片隅にこの現実を常において
おくべきだ。

■地域戦略の要諦は域外へのシナリオ発信

 とはいえ、現実には地域間競争があり、繁栄する地域と衰退する地域がある。例え
ば隣同士のはずの滋賀県と岐阜県。前者の人口やGDPの伸び率は全国でも屈指の高
さだが後者は逆だ。もちろん経済や人口だけが成功の尺度ではない。だがこれらが縮
小サイクルに入ると人々の生活は不安定になり、幸福度・満足度も下がる。地域戦略
にはやはり、経済成長と人口誘引を促すシナリオが必要だ。

 そのためには域外からの投資と移入(旅行、就職、就学)を促す必要がある。つま
り、地域戦略とは、
 (1)域外住民に対して「(そこの)地域のモノやサービスを買い、事業・土地に
   投資したい」と思わせる説得力
 (2)域外住民に対して「(そこの)地域に旅したい、あるいは就学・就職してみ
   たい」という気持ちを抱かせるだけの魅力
が必要である。

 また現在、そこに住む人たちが、
  (3)今後もそこに住み続けたいと思う経済基盤を構築できていて、
  (4)いい意味での「地元民意識(プライド)」を抱いていることが必要になる。

■地域戦略における「ブランディング」の重要性

 こうした戦略は経営戦略の世界では広く「ブランディング」戦略と呼ばれる。ブラ
ンドとは実態(商品の性格・価値など)とは別のレベルで形成されるイメージのレベ
ルにおける企業や商品の価値観のことだ。もちろん実態とブランドは表裏一体だ。だ
が時にはブランドが実態の内容不足を補い、あるいは逆にブランドの崩壊が実態の衰
退を招く(企業幹部の不祥事による商品の売れ行き不振など)。

 わが国の地域戦略、そして国家戦略において著しく足りないのがこのブランド戦略
である。自治体にも国にも一応の地域(国家)戦略がある。総理や首長の施政演説や
有識者による委員会の各種答申も数多くある。だが、いずれも「戦略性」に乏しい。
理由は外向け、先取りの「ブランディング」の発想がないからだ。全国どこでも地域
戦略を考える際には、地元の内輪の有力者の意見調整が優先される。結果として域外
の人々にとって魅力的なブランド戦略が打ち出せない。唯一の例外がおそらく京都、
北海道、沖縄だがこれらも日本国内における相対的な特異性(消去法的希少価値)を
誇るに過ぎず、地球規模でのブランド訴求力に欠ける。国レベルでみてもブランド戦
略は不得手だ。スイスやシンガポール、ベルギーなど小国のほうが存在感がある。

 これからの地域戦略はともかく外向けに発信すべきだ。あえて言おう。これからの
地域戦略は域内住民の総力を結集して実践するような重いものではない。もっと軽快
に「何か面白そう」「行ってみたい」「これから伸びそう」という予感を感じさせる
シナリオであるべきだ。かつての「福岡」はそうだった。今は「金沢」がそうかもし
れない。発信力を持つ知事を擁する東京、宮崎、大阪もそうなのかもしれない。その
他の地域でも地域のシナリオ、ブランドは早く打ち出したほうがよい。多くの日本人
、特に行政関係者は実直に過ぎる。いまだ実力を伴わないうちからブランディング戦
略を展開することには抵抗感を抱きがちだ。だが起業もビジネスも先行きが見えない
状況の中で将来を信じて先行きに対して投資することから始まる。戦略の本質は、実
はこうした“共同幻想”を具現化していく作業なのである。これからの地域戦略には
域外に対して先行きの明るい“共同幻想”を作り出す威力を期待したい。

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登録日:2009年 04月 10日 22:51:43

●慶應SFC大学院「社会イノベータコース」へのお誘い

政策・メディア研究科修士課程「社会イノベータコース」「低炭素社会デザインコース」に2009年9月、2010年4月入学を検討される方を対象とする合同説明会を行います。
〔日時〕:2009年 4月24日(金) 18:00~19:00(予定)
〔場所〕:慶應丸の内シティキャンパス Cスクエア
東京都千代田区丸の内2-5-2 三菱ビル10F
〔プログラム〕:政策・メディア研究科委員長による研究科説明、
社会イノベータコース説明、低炭素社会デザインコース説明、
□事前申込方法 e-mail にて、以下の項目*を送信してください。

 ・氏名(フリガナ)
 ・職業(勤務先、学校名・学年)
 ・連絡先電話番号
 ・メールアドレス
 ・同伴者の有無(同伴者がいる場合は人数)
 ・興味のあるコース
  (1) 社会イノベータコース (2) 低炭素社会デザインコース (3) 両方
送信先:gao-request@sfc.keio.ac.jp
 定員:40名(定員になりしだい、締め切らせていただきます)

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登録日:2009年 04月 06日 09:41:47

●地域戦略の考え方①

最近、企業人が首長になる例が増えてきた。彼らはおしなべて改革に熱心だ。最初の関心は役所の行政改革、特に効率化に集中する。それが片付くと関心は地域の将来ビジョンに移る。財政再建は節約だけでは不可能だ。税収を増やしたい。住民も役所改革より地域再生を望む。だが「地域戦略」はなかなか描けない。行政の役割には限界があり民間にも余力は乏しい。その中でいかに説得力のある絵を描くか?首長の悩みは深い。2回で解説する。
●まずは厳しい現実を直視
従来から多くの自治体が「将来ビジョン」を作ってきた。だが、多くは“日本のシリコンバレーを目指す”、“笑顔あふれるふれあいの町”といった抽象的願望を羅列したあとで既存の「マスタープラン」「都市計画」「総合計画」に書いたありきたりの施策を並べて終わる。第3者には「大本営発表」でしかなく、おまけにどこも似たり寄ったりの内容で信憑性を欠く。
「地域戦略」では本来、その地域が今後どういう形で繁栄し(産業、雇用)、住民の暮らしがどうやって守られるか(環境、安心・安全、福祉・教育)が描かれなければならない。また住民が地域への希望と誇りを持って住み続ける拠り所となるべきだ。「戦略」であるからには人口減少や産業衰退などの厳しい現実とその原因を数字で徹底解析する作業から始める。そうして本質的課題を絞り込んで、誰がいつまでにどうやって解決するかも示さなければならない。その過程ではおのずと自治体ができること、できないことがあぶりだされる。
● 新潟市役所の挑戦
 本格的な「地域戦略」は米国などではよく見られるがわが国では珍しい。右肩上がりの経済環境の中で長年、国も自治体も現状対応に安住してきた。そもそも環境変化を先取りして「戦略」を考えるという発想が希薄なのである。
だがわが国でも新潟市役所が2年前から本格的な地域戦略作りに着手した。同市は周辺15市町村が合併して2007年4月に政令市となった。同時に「田園都市構想」を打ち出し、豊かな自然を擁する日本海側で最大の都市として成長するという志を立てた。それを具体的な戦略とするため「都市政策研究所(筆者が所長(非常勤))」も創設した。研究員3人を外部から招聘した上で、民間企業の経営戦略を作りのベテラン3人(経営コンサルタント)と地元新潟大学の教員2人をアドバイザーとして作業を進めている。
① 第一段階:強みと弱みの整理
 この2年間は人口80万人強、面積726.10k㎡の新潟市の全体的な評価をした。特徴は市域の4割強を水田が占め、また商業・ビジネス集積が拡散している点である。豊かな緑、土地の余裕、人々の助け合い精神(いわゆるソーシャルキャピタルの蓄積)では他の政令市を圧倒する。だが交通弱者には住みにくい町である。ビジネスは意外に強い。石油掘削や米作りに由来する産業(食品加工、機械など)が集積し、広島や福岡にも負けない規模である。しかし、全国にはあまり知られていない。「米」「雪」「酒」に偏ったブランドイメージの是正も課題だ。
 ②課題解決の切り口
 新潟に限らず、地域が抱える課題は多様である。従って戦略は課題タイプ別にまずたてる。その上で全部を統合する必要がある。例えば、住民の視点に立つと「産業・所得・雇用」「環境・治安・安心」「福祉・医療・教育」といった課題タイプ別の整理がわかりやすい。あるいは「地区別」の課題の整理も必要だろう。
その上でその地域らしさを活かした差別化戦略も必要だ。新潟の場合は日本海側に立地するので「交通戦略」も重要だ。北陸新幹線開通後の上越新幹線の位置づけ、北東アジアに向けた空港と港の戦略なども課題だし、市内交通という意味では空港アクセスや中心部の集積骨格を形成するためのLRT(Light Rail Transit)などの活用戦略も必要だろう。
② 担い手問題
「地域戦略」を絵に描いた餅に終わらせないためには策定過程から市役所職員や幹部、さらには地域のリーダーに参加してもらう。かつて筆者が関わった岩手県雫石町が「地域再生計画」を作ったときの場合は、地元の企業や病院、旅館などの経営者も参加する「地域再生会議」を役場内に作ってオープンな議論をした。実際に戦略を実行するとなると自治体だけではできないことが多い。地元の経済人や住民代表に参加してもらうと実行段階での協力も得やすい。

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登録日:2009年 04月 06日 08:38:47

プロフィール
上山信一
(男)
慶應大学総合政策学部教授。大阪市生まれ54歳。専門は企業・行政機関の経営戦略と組織改革。都市・地域再生も手がける。旧運輸省、マッキンゼー共同経営者等を経て現職。国交省政策評価会(座長)、大阪府と大阪市の特別顧問、新潟市都市政策研究所長、日本公共政策学会理事、各種企業・行政機関の顧問や委員等を兼務。府立豊中高、京大法、米プリンストン大学修士。著作等 ツイッター@ShinichiUeyama
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