2009年 12月
●一票の重み画期的判決
日本では当たり前だが激しく世界からずれていることが3つある。
1. 日本人しか読めないが電車の中吊や一般新聞にある週刊誌のわいせつ系写真や見出し。個人向けならいいが公衆向けであれは海外なら許されないハラスメントだ。
2.納税拒否運動。そして財政赤字だと自然に増税になる制度・・これが日本にはないから放漫財政になる
3.そして今回話題の一票の重み.
今回の(以下の)判決は画期的。以下は読売。
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現行の小選挙区「違憲」「格差2倍超放置」…大阪高裁判決
8月30日に投開票された衆院選の小選挙区で、議員1人当たりの有権者の格差(1票の格差)が最大2・30倍だったのは憲法違反だとして、大阪府箕面市の男性が府選管に選挙無効(やり直し)を求めた訴訟の判決が28日、大阪高裁であった。成田喜達(きたる)裁判長(菊池徹裁判長代読)は「格差が2倍を超える状態を放置するのは立法府のあり方として憲法上許されない」として「違憲」を宣言したうえで、選挙自体については「無効とした場合、公の利益に著しい障害が生じ、公共の福祉に適合しない」とする事情判決の法理を適用し、原告の請求自体は棄却した。
1994年の小選挙区比例代表並立制導入後、衆院選が「違憲」とされたのは初めて。この衆院選を巡っては、大阪以外に全国7高裁・支部に同様の訴訟が起こされている。府選管側は上告する見込み。
小選挙区比例代表並立制と同時に制定された衆院選挙区画定審議会設置法(区画審設置法)は、選挙区間の有権者数の格差が2倍以上にならないことを基本として区割りするよう定めている。しかし、過疎地域への配分を手厚くすることを目的に、小選挙区の総定数300をまず47都道府県に1ずつ割り振り、その上で残り議席を人口比に応じて配分する「1人別枠方式」を採用したため、当初から2倍を超える選挙区が存在することになった。
成田裁判長は「憲法は選挙権に関し、徹底した平等化を志向し、投票の価値の平等をも要求すると解される」と判断。そのうえで、1人別枠方式について「従来の著しい格差を改善させる方式として、過渡期の改善策としてそれなりの合理性と実効性があったが、現時点では憲法の趣旨に反する」とした。
8月の衆院選では、選挙当日の有権者が最も少なかった高知3区と最も多かった千葉4区の格差は2・30倍。原告の男性が居住する大阪9区との格差も2・05倍で、全選挙区300のうち、2倍以上の格差がついた選挙区は45に上った。
この点について、成田裁判長は「格差が2倍に達する事態は、大多数の国民の視点から耐え難い不平等と感じられてきた」として、原則2倍に達した場合は違憲との考えを示し、「この格差は1人別枠方式という憲法の趣旨に反する選挙区割りにより生じたと認められ、本件選挙は違法との評価は免れない」と結論付けた。
事情判決の法理 行政事件の取り消し訴訟で、行政処分や裁決が違法でも、取り消しで公益に著しい損害を与えると判断される際、原告の請求を棄却できる。判決は主文で処分が違法であることを明確にする。係争中にダムが完成した場合などに用いられるが、選挙の効力に関する訴訟では公職選挙法がその準用を排除しているため、これまでの定数訴訟では法の理念を引用する形で言い渡されてきた。
(2009年12月28日 読売新聞)
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登録日:2009年 12月 28日 15:04:41
●名古屋発、市民税革命
以下は読売。東京、大阪、横浜もぜひやるべし。
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河村市長案で可決、名古屋市民税10%減税
名古屋市議会は22日、市民税を一律10%減税する条例を賛成多数で可決した。
4月に初当選した河村たかし市長が公約としていたもので、来年4月から実施する。愛知県の半田市議会も18日に個人市民税を減税する改正条例を成立させたが、来年度限りの措置で、法人市民税は対象外。市民税の恒久的減税は名古屋市が全国初となる。
減税規模は、個人市民税137億、法人市民税24億円。夫婦と子供2人のモデル世帯で年収500万円の場合、年間9500円の減税となる。財源について、市長は「人件費削減や外郭団体見直しなど行財政改革で工面する」としている。
市民税減税を巡って、市長は議会と激しく対立。6月議会と9月議会で提案したが、議会側は「財源が不明」などとして継続審議にした。市長は11月議会前、市議の定数と報酬を半減させる議会改革案を突きつけ、支援者による議会解散請求(リコール)もちらつかせ、「否決するなら不信任案を出せばいい」と迫った。
自民、公明、社民の野党3会派は猛反発。「市長案は低所得層への恩恵が小さい」として、所得に関係なく徴収する「均等割」部分(年間3000円)を100円とする独自の修正案を今月9日に可決した。
これに対し、市長は「税負担の公平性を欠く。徴収コスト(2992円)も大幅に下回る」として案の審議をやり直す「再議」の臨時議会を招集。11月議会で可決した議会側の修正案が廃案となり、市長案が可決された。
(2009年12月22日21時07分 読売新聞)
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登録日:2009年 12月 23日 01:11:08
●伊丹空港:「空港議論、地元のエゴ」 白井・尼崎市長が「私見」
以下は毎日新聞だがさすが白井市長。元ANA勤務のご経験に基づく深い含蓄のあるご指摘だ。
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尼崎市の白井文市長は14日、大阪国際(伊丹)空港のあり方について「市街地にあるのは、安全上問題と思っている。市としても、公害対策のみで、伊丹を活性化させるための議論はしていない」と話し、伊丹の機能拡大などには消極的な姿勢を示した。定例会見で、私見と断ったうえで述べた。同市は、大阪国際空港周辺都市対策協議会(11市協)の一員。これまで騒音対策や安全対策についての要望を続けてきた経緯がある。白井市長はまた、関西国際空港、大阪(伊丹)、神戸の関西3空港を巡る議論については、「航空会社や利用者が、便利で優位性の高い空港をハブ空港と位置づけるもので、国や行政が位置づけるものではない。現在の議論は、関西全体を考えた議論でなく、地元のエゴのように思える」と話し、国民の視点からずれた議論になっているという見解を示した。【大沢瑞季】
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登録日:2009年 12月 16日 22:14:04
●伊丹・関空親子説
以下はサンケイ。関西は財界も自治体もあほじゃないか・・。最大の問題は「せっかくつくった関空が関西の経済再生のために戦略的に生かせない」ということにある。問題は「地域戦略」なのだ。それに気がつかないで目先の旅行の利便性や面子にとらわれる。財界も地元自治体も「あほ」としかいいようがない。
関空という関西の虎の子の成長エンジンを阻害する伊丹・・あそこの国内幹線がガンなのである。同時に国が関空に残した巨額の借金も邪魔なのである。答えは簡単だ。国が伊丹を売ってその金で関空の借金を返す。実施はなにわ筋線の開通のときでよい。それと同時に路線を関空に移せばよい。
関空と伊丹は親子。実の親子なら絶対そうするだろう。子供のために親は喜んで犠牲になる。関西の子供たちの未来のために、北摂の市長、兵庫県知事などは伊丹の首を差し出してほしい。
この簡単な理屈が通らないのはどうしてか?
目先の利益のために将来をつぶす。いつまでも古い伊丹に執着し、関空を育てない。その醜い姿は、目先の快楽だけを追い求め、子供たちに単に借金を残す現在の醜い日本人の象徴でもある。
1.伊丹を関西空港会社が管理運営したって関西空港の需要は生まれない。市場やお客、エアライン抜きの形だけの「改革」。財界と自治体がいかに問題解決能力がないかを露呈する。伊丹のダイヤを根本的に変える、なにわ筋線の開通を機に伊丹は廃止予定と宣言する。そうしないと関西は再生しないだろう。古くて狭い伊丹にしがみつけば関西もそのスケールのまま。ますます世界から取り残されるだろう。
2.財界と自治体が子供だましの「伊丹を関空会社に運営委託」という目くらませの解決策で喜んでしまう根っこは平和ボケと楽観主義。そして関空問題の本質が全く理解できていないことにある。そして目先の補給金問題に矮小化してものごとを理解してしまう視野狭窄のせいである。
補給金で減るのは支払い金利の一部だけ。関空会社の借金自体は減らない。もともと「問題の先送り」の象徴の補給金なのに、それさえくれば目先ことたれりとする腐った根性(というか、能天気)がこういう無意味な調整を招く。
戦略も現実分析もせずに「補給金」がくればよい・・と田舎根性丸出し(いや、官僚的処理の美学)で考えるからこの程度のカタチだけのごまかしで「解決策」ということになる。
3.関西の指導層は情けないことこのうえないが、あほ丸出しは国も同じだ。「伊丹も大事、関空も大事」・・?何か深謀遠慮があるならいいが何もない可能性もあり、きわめて不安だ。普天間と同じコースをたどる可能性大である。
4、おそらく来年夏になっても事態は変わらないだろう。変わったように見えて本質は全くかわらない。それどころか解決の時期を逃し、そのまま関西経済も関空も破滅の道を歩むだろう。
悲観的予言①「伊丹を関空が管理運営」というのはカタチだけのごまかしに終わる。ダイヤの引き剥がし(幹線の関空への引越し)や規制緩和など大きなことはたぶんできない。需要不足は管理運営形態を変えてもかわらない。経営形態にかかわらず伊丹と関空は過剰設備である。危険な伊丹を廃止する、売った金で債務を処理するという本質的決断をしない限り、答えは出ない。管理運営委託は期待するだけ無駄であり、問題解決を遅らせるだけだ
予言②中途半端な「管理運営委託」は無責任な役所体質にとっては最高のご馳走。これと引き換えにおそらく中途半端な額の補給金が残る。そして債務処理はしない。問題解決を遅らせるだけであり、現状のほうがまだましだ。
予言③結局、数年後。ますます業績悪化した関空会社を税金で救済する案が浮上する。JALと同じ最悪の破綻再生コースを関空は歩むことになるだろう。おそらく5年かかって破綻。もはや再生は無理だろう。閑古鳥が鳴く国営空港になる。そしてxx年、伊丹で事故、住宅地で大惨事・・誰も責任をとらないまま人が死んでいく。
どうやら国にも関西財界や自治体にも問題を解く能力はなさそうだ。橋下知事のみが本質を見抜いている。だが「長いものに巻かれろ」式の地元政財界が押しつぶすだろう。マスコミもたぶん大本営発表を丸呑みだろう。「民間の発想で共存共栄」・・いいかげんな見出しが目に浮かぶ。まるで第2次大戦に突っ込んでいく日本の歴史そのもの。2009年、関空処理の最後のチャンスを見逃した関西は完全に再起不能な地域になるだろう。
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以下はサンケイ
関西広域連合の関与も 3空港の一元管理の主体 兵庫県に配慮、合意優先
関西国際、大阪(伊丹)、神戸の3空港のあり方について関西財界と関係自治体が話し合う「関西3空港懇談会」(座長=下妻博・関西経済連合会会長)は12日、平成23年度から3空港の一元管理を目指すなかで、焦点の管理主体については関西国際空港会社を基本に関西広域連合の関与も議論することで合意した。
今月14日に大阪市内で開く懇談会で提案し、3空港の一元管理を地元の総意としてまとめる。関空会社を管理主体にする当初の調整に反発して「関西広域連合」などを管理主体にすべきだと主張していた兵庫県に配慮し、地元合意を優先した形で決着した。
関空は関空会社、伊丹は国直轄、神戸は神戸市と3空港で管理主体が異なるが、今後の管理主体は各空港の運営に関する事業全般を可能な限り幅広く受託することを目指す。そのため関連する関空会社法や空港法などの改正なども具体的に検討することで一致。
さらに国土交通省の成長戦略会議までに関西としての総意を適切に反映させるため、来年3月までに需要予測など客観的なデータを検証して3空港の将来像を描くことを盛り込んだ。
3空港懇談会は、関経連の事務局が今月4日に打ち出した「素案」をもとに調整してきたが、管理主体をめぐっては兵庫県が「地元の問題などそれぞれの事情を抱えている3空港は公的機関による運営がふさわしい」と主張、事務局側と議論が続いてきた。
3空港懇談会は9月に4年ぶりに会合を開き、3空港の一元管理を年末までに検討することで合意した。政府の行政刷新会議が事業仕分けで関空会社への補給金を「凍結」と判定。凍結解除の条件として抜本的な3空港の経営改善策を提示することが求められ、地元の総意をまとめる作業が本格化した。
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登録日:2009年 12月 12日 21:15:23
●平成の払い下げ
「平成の大払い下げ」で財源を確保する
経済の再生戦略が見えない。へたをすると上場企業の収益力も株価もどんどん落ちていく。円安になり業界下位クラスのメーカーが次々と中国系資本に買収される。失業者が増え、治安も悪化する――80年代半ばに米国で起きたことが今後の日本で起きるかもしれない。
経済の活性化というとしばしば個人資産1400兆円の流動化が喧伝される。だが人々は将来が不安でお金を使わない。余裕のある優良企業は投資をアジアに振り向ける。政府はこれ以上の借金は避けたい。そこで政府、特に都市部の自治体の持つ資産の払い下げを提案したい。東京都、大阪市、名古屋市など都市部の自治体は膨大な土地・建物などの資産をもつ。また地下鉄、バス、駐車場などを抱え込み、非効率な経営をしている。これらは全部、民間に払い下げる。つまり「平成の大払い下げ」を提案したい。捻出した財源は老人ホームや保育所など人々の「不安」を解消する施設に投資する。
経済の需要喚起には公共事業が定番だった。だが、効果は限定的だ。そのせいもあって新政権は個人に資金を渡すという考え方をとる。確かに人々も「コンクリートから人へ」の変化を求める。だがこれだけ先行きの不安感が強いとむしろ貯蓄に回る。老後の生活や子供の教育資金にすべく人々はお金を貯め込むからだ。
こうした個人資産は実体経済のなかで循環しない。預金は銀行が国債を買って国庫 に流れる。また土地や建物など個人資産は最後に相続税の増税で国が吸い取る流れになる。これで財政赤字は少しは緩和されるかもしれない。しかし、これではまるで「国敗れて政府あり」である。国民の資産は国民が豊かな生活を送るための投資や経費として社会で循環させるべきだ。
そこで私が提唱するのは、いきなりの「コンクリートから人へ」ではなく、不安を取り除くためのコンクリート、つまり老人ホームや保育所への公共投資だ。従来の公共投資は資材購入や雇用などに波及効果をもたらした。これに対してここでいう波及効果は人々の「不安べらし」がもたらす消費拡大なのだ。もちろん不安解消には時間がかかる。そこで減税と所得控除も大胆に実施する。そうすれば人々は安心して消費にお金をまわすだろう。
こうした施設の建設財源としては政府資産、なかでも自治体の資産に注目したい。国(中央)政府の資産は約700兆円と見込まれるが売れる物は限られる。だが自治体も公有資産を持っている。税収の国と地方の比率は6:4だが支出は逆に4:6だ。地方自治体にもかなりの過去の支出分の蓄積、つまり一種の埋蔵金があるはずだ。
例えば、大阪市では市内の土地の2割以上を市役所が持っている。大半は道路で売却できない。だがバス、地下鉄、大学、港、埋め立て造成地、そして公営住宅などいろいろある。必ずしも有効活用されない、あるいは非効率経営のもとにある。
こうした資産はどんどん払い下げる。明治時代、官営八幡製鉄所や富岡製糸場が払い下げになり民間の産業が育っていった。これと同じく「平成の大払い下げ」を実施すれば新しいサービス産業が生まれ、雇用やGDPの拡大に貢献もするだろう。
あともうひとつ中長期的な成長戦略として大事なのは都市間のネットワークづくりだろう。港や新幹線のほかアジア向けハブになりうる関西国際空港の債務解消に充てる。港については日本海が大事だ。今は高速道路が日本列島の各地を横断する。中国大陸の各都市には日本海側から船を出せばよい。ここで強調したいのは、地方の中でも都市への集中投資だ。「地方の活性化」とよく言うがその内実は地方の都市の育成だ。都市中心部に人や商店を集めてコンパクトシティ化する。そして都市と都市の間をもっと安くヒトやモノが動くようにする。成熟社会の経済は都市が担っていく。国内とも、海外とも都市間の交流を活性化させることが大切だ。
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登録日:2009年 12月 12日 16:58:07
●公立美術館と地域再生
「これからの公立美術館のあり方についての調査・研究」報告書のご案内
私が委員長を務めた(財)地域創造の「これからの公立美術館のあり方に関する調査・研究会」の報告書が完成しました。地域再生と公立美術館の経営改革、他機関との連携、 設置者による支援方策等の提言を行なったものです。また、ご参考になる事例や統計データも豊富な内容です。下からダウンロードできます
http://www.jafra.or.jp/j/library/investigation/new/index.php
<目 次>
1章 公立美術館の現状と課題
データをもとにした公立美術館の現状、設置の意義、抱えている課題などを抽出した上で、課題克服の着眼点を整理。
2章 公立美術館の経営改革
組織経営の視点から見た美術館経営のあり方、地域特性や使命にあわせた経営形態の選択 方法、また、地域再生や、創造都市論・創造産業論的視点、さらに文化政策からみた地域 と美術館の関係について考察。
3章 連携による事業展開
単館経営の限界と他館との連携の可能性、また、子育てや教育、福祉など地域内で他の公 的機能を担っている施設とのパートナーシップについて、国内外の事例を交えつつ提言。
4章 美術館支援方策
地域を超えた公立美術館同士の連携を支えるための、常設の支援体制(協議会やプロが集 う会員組織)が必要。今回は海外の先行事例を分析するとともに、日本における組織モデ ルやあるべき機能などを提言。
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登録日:2009年 12月 12日 01:31:35
●仕分けの課題(続編)
今回の事業仕分けは、従来は原則非公開で行われてきた予算の査定協議を国民の前
に公開したという点で意義が大きい。だが同時に数多くの課題が明らかになった。以下では4つの課題について触れたい。
第1に、現在の「仕分け」の手法では、とうてい評価することのできないテーマが
対象とされた。例えば「地方交付税」である。これは制度のあり方を問い直すべきで「廃止」「削減」「地方移管」「民間移管」に単純に“仕分け”て答えが出るような代物ではない。
第2に、削減率の妥当性に根拠が見出せない。空港整備や港湾整備が、その典型
だ。仕分け人たちが「制度を見直すべき」と論じるのは結構だ。だが、それでなぜ予算の「1割削減」となるのか。なぜ2割や5%でないのか、全く根拠が不明である。財務省が用意した資料に目安として書かれること自体はかまわない。だが仕分け人がそれをそのまま鵜呑みにしていいのだろうか。いささか無責任ではないか。
第3に、仕分けの判定基準が不明確だ。総額3兆円の削減が達成目標なら、そもそも仕分けの対象事業として大きなものを優先的に探し出してくるべきだった。だが、そうではなかった。一方で「仕分けは目先の予算査定ではなく制度の妥当性を見直す手法」というコメントもしばしば聞いた。仕分けは査定なのか、政策評価なのか。どちらが本音なのか。
第4に、民間仕分け人の選出基準とプロセスがよくわからなかった。ボランティア
のような立場だが、実際は専門家や有識者でもある。ところが会場での発言はテレビを意識するせいか、「国民の代表」のようなコメントが多い。だがそれなら国会議員がやればよい。なおボランティアというのもなかなかくせものだ。単なるボランティアを募ると「暇な人」「何か意図がある人」「役所に貸し借りがある人」が起用されやすくなる。一般国民の参加もむつかしい。裁判員のように公募するのか、今後の検討課題だ。
■問い(2) 今後の発展可能性はどこにあるのか?
各種調査によれば、8割近くの国民が今回の仕分け作業を評価する。やること自体
は国民に支持された。だが結果については様々な批判がある。例えば科学技術、学術研究、防衛費などは、そもそも仕分けにかけるべきだったのか。今後は次の4つの方向の改良を提案したい。
第1に、仕分けはいったん予算編成作業から切り離すべきだ。つまり来年度予算の
概算要求ではなく、現行の「事業や事務」を仕分けの対象にする。すると「削減総
額」を意識せずに制度・政策自体のあるべき姿の点検・見直しができる。つまり行政刷新の課題の洗い出しができる。その結果を予算編成に反映すればよい。
第2に、各省にまず自ら仕分け作業を行わせないのか。もう政権交代したはずだ。
各省庁の大臣、政務三役が中心になって官僚組織に各部門の業務と予算の見直しをさせればよい。自ら問題点を摘出すれば改革は早い。あとで「やれない」という言い訳もしにくい。ところが今回は刷新会議と主計局、さらにいきなり第三者の仕け人が最初に見直しをした。こういうやり方だけでは各省庁にむしろ被害者意識が生まれる。
第3に、仕分けの前にはきちんとした事業分析を行うべきだ。今回の仕分け会議用
の資料は驚くほど簡素だった。仕分け人たちは1時間の議論の前に膨大な資料を読ん
だという。だが、しょせん役所が用意した説明資料を読んだだけだ。本来は仕分け人が事前に質問をする。それに沿った資料を担当部門に用意させる。さらに出てきた答えをめぐって何度か応酬があるべきだ。これらを経たうえで仕分け会議をむかえるべきだ。
前回も触れた大阪市役所の改革では、仕分けの会議(市政改革推進会議)に先立ち
全67の主要事業について各部局が自己点検をした。最終的には3カ月くらいかけて約
100ページの資料(現状分析と改革の案)を作ってもらう。それをもとに局長が公開
の場で1時間かけて事業の存在意義や改革案を説明した。それに対して市長や幹部、
委員が問題提起をした。これに対しては、さらに次回の会議で回答を求めた。
第4に、行政刷新は、本当は各省庁が自ら行うべきである。そもそも外部主導によ
る「事業仕分け」を行政刷新の決め手としてよいか、根本的な疑問がある。行政刷新では日常の仕事のやり方から予算の使い方、人事にいたるまですべてを見直すべきだ。予算の査定=仕分けをやるイコール行政刷新だというとらえ方は短絡に過ぎる。
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登録日:2009年 12月 10日 12:38:25
●3空港問題の主役は誰?
3空港はそれぞれ国、関空会社、神戸市のものだ。そんな中、地元自治体がわいわい言っても話はまとまらない。大事な論点は以下の5つだ
1.関西に3つもいらないというのは間違い。滑走路の数5つや立地からみて今 の3空港の形態が過剰だというわけではない。関西くらい大きな地域に5本、 3箇所あってもおかしくない。また関空はそもそも最低装備の空港でしかな い。過剰な設備投資ではない(過剰コストだが)。
2.だが、現状維持はありえない。伊丹は危険だ。香港もベルリンも世界の人口 密集地空港は全部、移転した。残っているのは福岡と伊丹。どっちも異常で 危険極まりない。
3.だから危険な伊丹を廃止して神戸と関空を使うべきだ。そのうえで滑走路が もっと必要ならばさらに関空や神戸の海上を埋め立てて滑走路を増やす
4.伊丹の廃止は関空へのなにわ筋線乗り入れができたときが良い。たぶん10 -15年後。リニアを待つ必要はない。リニアももちろんやればよく、それがで きたらなにわ筋線は都市内地下鉄に転換すればよい。
5.資金については「関西に3つも」という批判のとおりだ。だから伊丹を売っ た金は関空の借金返済と難波筋線の投資に使う。
以上がスジ論。でもお客が来なけりゃ空港はただの広場・・。客はANA, JALそして外国エアラインである。それも旅客だけでなく国際貨物が大きい。外国エアラインにとっては3空港問題は存在しない。関空だけ。なぜなら24時間、2本の滑走路。時差の関係、長時間フライト、重量貨物の騒音などを考えると関空しか使えない。いまどき危険な伊丹に絶対戻らない。関西への投資は一箇所だけにせざるをえないから関空のみ。現に不況でもあまり撤退していない。それどころかFEDEXなどはついに名古屋から関空にハブを移した。
JALにとっては実は2空港問題。すでに神戸から撤退したからだ。
ANAはまだ3つに飛んでいるが羽田がハブ。投資は羽田と成田が中心だ。ANAも赤字の会社だから縁もゆかりもなく景気の悪い関西の3空港全部に律儀に飛ばす必要がない。だとしたらANAはそのうち伊丹を見捨てるだろう。いや関空さえ捨てかねない。
確実なことがひとつある。ANAもJALも伊丹には今後は投資しない。どっちも赤字だ。株主の監視がある。廃港がうわさされる(というか知事が廃港と宣言している)伊丹には安全維持以外の投資は無理だ。
国だって伊丹への投資は無理だ。地元知事が廃港という中で国会も財務省も維持管理以外の予算は認めにくい。滋賀の新幹線だって地元知事が不要といったらそっれまでだった。要は伊丹には誰も追加投資をしようとしない。いや、したくてもできない状況になったのだ。投資がこない事業はそれまでだ。
さらに伊丹のアキレス腱は、住宅密集地のなかにあることからくる大事故の恐怖だ。部品が一個でも住宅地に落ちたらもう終わりだ。これだけ「伊丹廃止」「危険性」が喧伝されたあとで万一の事態になったらどうなるか。地元のエゴが防げたはずの被害を招いたと全国から批判されるだろう。
伊丹維持を主張する政治家は政治生命を失う。
これほどまでのリスクをおかして伊丹を守ろうという政治家は地元市会議員はともかく国にはいないだろう。
おまけに伊丹は事業の将来性が危うい。九州新幹線の開業で大阪ー福岡は新幹線が増発。飛行機は熊本便、鹿児島便が減便。JAL、ANAの東京ー大阪も新幹線との競争で実は儲かっていないらしい。JRが九州開業とセットで東京ー大阪にも価格競争を仕掛けたら終わりだ。こんななか、いったい誰が伊丹に戦略投資するだろうか。
伊丹は経済原則という力によってもう廃港に向かっている。以下の記事の背景にはこういう現実が横たわっている。
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以下は朝日ーーー
「3空港懇は地域のエゴ」橋下知事、国への要望活動重視
関西国際空港、大阪(伊丹)空港、神戸空港の関西3空港をめぐる問題で、大阪府の橋下徹知事は4日、関係自治体や経済団体などが14日に開く関西3空港懇談会について「地元で話し合ってもエゴを主張し合う場所にしかならない。懇談会の議論に意味はない」と発言し、国への要望活動を重視する意向を示した。
懇談会では、3空港で滑走路の運用などを一元管理する方向で、事務レベル合意はしているものの、参加者の意向に温度差が目立つ。橋下知事は伊丹廃港の前提を主張している。
この日は、一元管理案を「へぼい案」と指摘したうえで、「地元自治体の意見を集めて空港戦略を決めるのには、限界がある。国主導でする方が動くので、今後は民主党の国会議員に話をするなどしたい」と述べた。
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登録日:2009年 12月 06日 00:28:48
●問題の先送り:無意味な「関西3空港一元化案」
以下は朝日
「3空港一元管理案」・・・?まったく知事のいうとおり。欠陥空港を3つ足しても何の答えにもならない。足し算は不要。引き算あるのみ。こういう無意味な会議、やらないほうがましでしょう。「みんなの意見」はやっぱり根っこから間違ってる。関西3空港懇談会は、問題解決を遅らせるだけ。いつまでこういう無意味な会議を続けるのだろう。。。
ーーー
関西、大阪(伊丹)、神戸各空港のあり方を検討する関西3空港懇談会で提案されることが固まった3空港の「一元管理」について、大阪府の橋下徹知事は1日、「中途半端な一元化ならやらない方がいい」と述べた。自らが抜本的解決として主張している「伊丹廃港」を打ち出さない議論を牽制(けんせい)した。
懇談会は、大阪府や兵庫県、神戸市、国土交通省や地元経済界など12団体で構成。30日の実務者レベルの調整で一元管理案が固まった。知事は「3空港が併存しては抜本的解決にならない。傷口にばんそうこうを張るだけの対症療法」と批判した。
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登録日:2009年 12月 02日 23:43:46
●大分市、にせ「仕分け」実施宣言!?
以下は読売。
いやー、これほんとのニュースなんですね。驚いた。パロディーかと思った。
こういうのは単なる査定。あるいは昔からある「事務事業評価」でしかない(元祖三重県庁1996年)。仕分け人は職員でもいいけど、非公開なら単なる打ち合わせ。こういうのを「仕分け」と呼んじゃうのは自ら墓穴を掘るだけ・・。市長、公開すべきです。公開しないで議論するテーマもあってもいいけどそれは単なる打ち合わせとして仕分けと呼ぶべきではない。それから議員はどうなっちゃった?仕分けは本来、議会の仕事のはず。議長!しっかりしましょう。
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大分市 初の事業仕分け、職員が非公開で
大分市は、来年度一般会計当初予算案の編成に向けて、予算の使い方を見直す「事業仕分け」を初めて導入する。鳩山内閣の行政刷新会議にならった取り組みだが、同市の場合、「仕分け人」が市職員で、作業過程は公開されない。このため、市民団体からは「緊張感を持った仕分け作業ができるか疑問だ」との声も上がっている。
市によると、今月末までに対象項目を決め、30日開会の定例市議会と平行して作業を進める。結果は12月21日に釘宮磐市長に報告する。
仕分けは各部局の予算編成責任者が担当し、担当部局以外の事業を互いにゼロベースで査定する。市は2006年度予算から、部局ごとに設けられた予算枠で事業を振り分ける分権型編成を導入しているが、一部の事業で硬直化も見られていた。
釘宮市長は定例記者会見で、「仕分け作業は事業の選択と集中が目的。結果は来年度の予算編成の参考にしたい」と語った。
一方、事業仕分けでは、奈良市などが作業に市民を加え、過程も公開している。政府の行政刷新会議はインターネットで作業を生中継している。
作業過程の公開について、釘宮市長は「今後、検討していかなければならない」と述べるにとどめた。
おおいた市民オンブズマンの永井敬三理事長は「事業仕分けには、市民を入れて作業を公開するべき。市職員だけの作業なら、通常の会議と変わらないのではないか」と話している。
(2009年11月29日 読売新聞)
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登録日:2009年 12月 01日 07:58:11
- プロフィール
- 上山信一
- (男)
- 慶應大学総合政策学部教授。大阪市生まれ54歳。専門は企業・行政機関の経営戦略と組織改革。都市・地域再生も手がける。旧運輸省、マッキンゼー共同経営者等を経て現職。国交省政策評価会(座長)、大阪府と大阪市の特別顧問、新潟市都市政策研究所長、日本公共政策学会理事、各種企業・行政機関の顧問や委員等を兼務。府立豊中高、京大法、米プリンストン大学修士。著作等 ツイッター@ShinichiUeyama
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