●近代日本を知るための東京の新名所3つ

 東京の新名所といえば、たいがいは「ヒルズ」(六本木、表参道)となる。だが、私は「鳩山会館」「渋沢史料館」「遊就館」の3つをお勧めしたい(江戸東京博物館は入門編として必須だが)。いずれも北部にあり池袋・飯田橋を拠点に一日で廻れる。現代日本の座標軸を考えるためには絶好の施設だ。ぜひ〔特に晴れた日に〕訪問をお勧めしたい。
1、「鳩山会館」は文京区音羽。バラの咲く庭と鯉の池、きれいに復元された洋館だ。現民主党の鳩山家が日本のケネディ家といわれるゆえんや歴史がよくわかる。バラ園では英国から贈られた新品種「プリンセス美智子」が春と秋に咲く。
2、「渋沢史料館」はJR王子駅前の公園内。広大な敷地内に渋沢家の建物が2つ残る。図書館は大正期の秀逸のきれいな建物。最近、復元され一見の価値がある。史料館も充実。500もの大企業を作った渋沢翁の活躍の歴史は圧巻だ。
3、遊就館。例の靖国神社の中にある軍事博物館だ。神社の宝物殿だと思っていると大間違いで規模の大きさに驚く。第2次大戦の原因やわが国の戦争責任に関しいわゆる靖国史観に基づく体系的解説がされる。好き嫌い以前にここを訪れずして靖国問題は語れない。私の感想?遺族の気持ちを察すればここの存在や主義主張は容認できる。極東軍事裁判のおかしさが指摘できる場所という意味でも貴重だ。だが米国が日米開戦に至った背景の説明など違和感を覚える箇所も多い。そして映画のナレーションは北朝鮮のTVのようでいまひとつ。だが個々人がしっかりとした歴史観を持った上でぜひ訪問すべき場所だ。ちなみにワシントンDCには、ホロコーストミュージアムがあり、巡礼追悼を兼ねた来館者が絶えない。日本にもきちんとした戦争博物館が必要だ。追悼施設のあり方、神社形態の是非は議論の余地がある。だが、「戦争と軍事の博物館」は日本にも必要だろう。(なお以上はあくまで一度訪問して得た第一印象の域を超えない点をお断りしておく)

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登録日:2006年 11月 27日 00:42:17

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プロフィール
上山信一
(男)
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慶應義塾大学総合政策学部教授、改革コンサルタント。専門は大企業・行政・NPO等の経営刷新。近年は地域再生も手がける。大学では「経営戦略」「公共政策」等を教える。旧運輸省、マッキンゼー共同経営者等を経て現職。大阪市生まれ。50歳。中央省庁・自治体の各種委員、企業顧問等を兼務。京大法、米プリンストン大修士。趣味は登山、鉄道、料理。メール:ueyama@pm-forum.org
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