『新・報道2001』(8月21日)でのコメント紹介

 民主党代表選で復興増税が争点になるのはおかしい。100歩譲って、”復興財源”という言い方にとどめるべきで増税の前にやるべきことがある。
 例えば資産を売る、国会議員の歳費…給与や公務員給与の削減。これは法案までつくっときながら結局ウヤムヤにした…いつもの民主党ですよね。自民党のせいにしながら、結局、公務員の給与は下げない。そういうことに頬かむりしながら、野田さんが復興増税を言って世間の視点を増税か、国債かというふうにずらしていく。極めて私は、巧妙、悪質だと思います。

 10兆円という額は半端じゃないですから、最終的には国債を発行しないといけない。増税も私は否定しませんが、そういうレベルの議論以前にで本来やるべきことがある。
 民主党の代表選ですからね、民主党が本来やると言ってたことに立ち返るべき。
 復興を「特殊な災害だから」という前にそもそも財政再建の初めの第一歩というのは、JTの株を売るとか、メトロの株を売るとか…まあ、わずかな額ですけども、そこをさんざんやった上で、人件費に手をつけて、そして、その次の話が増税。本来の原則に立ち返った議論をするべきで、「被災者がかわいそうだから特別です」っていうのはおかしい。

小 沢(鋭仁)さんは、高福祉中負担という言い方をされてますけど、高福祉のためには高負担なんでね、これはおかしいと、嘘じゃないかと思った。けれど民主党が掲げた「コンクリートから人へ」というのは非常な大転換だった。公共事業で借金ジャンジャンして、「目先の景気だけよければいいや」という自民党政治とは決別した。しかし、その「人へ――」という中身が成長戦略としてちゃんと研究されてない。

 みんな「バラマキ」でお金がほしいんじゃなくて、安定した雇用がほしいんです。これは、これから福祉関連のサービス業だと思うんですね。託児サービス、老人介護、医療、教育…
そういった小さいけれど安定した雇用機会が非常に重要なことだと思う。

 成長戦略という言葉はもうやめた方がいいと思う。日本だけじゃなく、先進国で成長なんかしてるとこはない。今のソブリンリスクを見てもそれは明らかでしょう。中国とかシンガポールとかは年齢が違いますから、日本国の年齢に相応な水準としては、私はヨーロッパを比べるべきだ。そう思ってみますと、1人当たりのGDPが05年以降、北欧諸国は上がってる。
新しい公共とか、みんなで負担とか、後ろ向きな話じゃなくて、サービス産業として福祉のお金が産業に流れ、雇用に回る。その循環を見せればいい。

 今、代表選やってる場合でしょうか。国民は、それなら総選挙をやれよ、となると思うんですよ。管さんは伝家の宝刀を抜く、抜かないって大騒ぎしてたけども、総選挙って言葉を民主党員は誰も口にしないですよ。それで総理を毎年、雑誌の表紙をかえるみたいに差し替えてるだけ。小泉さん以降の日本の政治のパターンというのは毎年総理がかわるだけ。

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登録日:2011年 08月 23日 01:12:14

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プロフィール
上山信一
(男)
慶應大学総合政策学部教授。大阪市生まれ54歳。専門は企業・行政機関の経営戦略と組織改革。都市・地域再生も手がける。旧運輸省、マッキンゼー共同経営者等を経て現職。国交省政策評価会(座長)、大阪府と大阪市の特別顧問、新潟市都市政策研究所長、日本公共政策学会理事、各種企業・行政機関の顧問や委員等を兼務。府立豊中高、京大法、米プリンストン大学修士。著作等 ツイッター@ShinichiUeyama
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