「でんがな・まんがな」族(大阪弁講座その②)

第2作です
 大阪弁には「です=でんねん」「ます=まんねん」という丁寧語があります。さらに親しみを込めて相手に同意を求める調子になると「でんがな」「まんがな」となります。初対面の大阪人同士でもお互いがNATIVEであることを確認し、掛け合い、じゃれあう時にも使われます。これを多用する人びとは俗に「でんがな・まんがな」族とも言われます。それでは例文です。
客「それ、なんでんねん」(それ何ですか)
店主「万年筆でんがな」(万年筆ですよ・・内心、見てわからんか?おまえ、あほちゃうか、と少し強気)」
客「いくらしまんねん」(いくらしますか)
店主「一万円でんねん」(一万円します)
客「何年もちまんねん」(何年もちますか)
店主「一万年もちまんねん。ほんで万年筆いいまんねん」
客「そらえらいもんでんがな」(それはすごいものですね、と感心!)「どないしてつかいまんねん」
店主「どないしてもあないしても・・。こないして使いまんねん」
客「えらい書きにくいもんでんがな」(まぁ、なんと書きにくいものですよね・・ここまでで少し馬鹿にされてちょっと悪態をついてやろうという気分)」
「ペン先割れまんがな」(ペン先が割れますよ、とからんで抗議・・実はわざとこう言ってる・・こういう人を大阪では「いちびり」という)
店主「ふつう割れまんがな」(相手に合わせるのが大阪弁の流儀。通常の使用で割れるものです・・とあわせつつ、おまえ知らないのか、と少し怒ってる。ふつう=お前は非常識かという皮肉も少し)」
客「せやかて割れたらびっくりしまんがな」(そういっても、割れたらびっくりしますよ・・店主の険悪な雰囲気を和らげようと少し焦ってる)
店主「今日日(キョービとよむ)、万年筆しらんていわれたらこっちかてびっくりしまんがな」(いまどき、万年筆を知らない人がいるなんて私のほうがびっくりします)・・自分の気持ちを吐露し丸くおさめようとしている
客「キョービもあさってもありまへんがな。こんなん私は知りまへんがな」(今時も何もこういうものは知らなかった。しらないものは仕方がないでしょ)
店主「万年筆は一万円で一万年もちまんねん。毎年たった一円でんねん。覚えといてもらたらうれしおまんねん」(丸く収まった)
ーーいかがですか。途中、掛け合いで高揚すると「でんがな」「まんがな」になり、前後は「でんねん」「まんねん」に戻ります。

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登録日:2011年 11月 26日 23:36:08

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プロフィール
上山信一
(男)
慶應大学総合政策学部教授。大阪市生まれ54歳。専門は企業・行政機関の経営戦略と組織改革。都市・地域再生も手がける。旧運輸省、マッキンゼー共同経営者等を経て現職。国交省政策評価会(座長)、大阪府と大阪市の特別顧問、新潟市都市政策研究所長、日本公共政策学会理事、各種企業・行政機関の顧問や委員等を兼務。府立豊中高、京大法、米プリンストン大学修士。著作等 ツイッター@ShinichiUeyama
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