●大阪府と大阪市の連携

 大阪市の改革は第3段階に入った。第1段階はヤミ・カラ残業に代表される厚遇問題やえせ同和・労使関係の是正。第2段階は過剰人員と無駄な予算の削減。いわゆる身の丈改革だ。以上は大体目処がついた。あとは着実に実行するのみ。
 第3段階は、地下鉄など大きな事業の民営化、独立行政法人化だ。その際にネックとなるのが大阪府との関係。両者は犬猿の仲だが事業レベルで連携できることは多い。いきなり府と市を合併・経営統合するのは無理。そこで、私が委員長をつとめる大阪市の改革会議で、府と連携すべき事業を俎上に載せ、可能性を探ることにした。対象は「水道」「大学」「卸売市場」「環境・公衆衛生系の研究所」「大規模公園」「公営住宅」など(ほかにも検討中)。
 大阪市の事業の多くは徹底的な経営分析を終えた。府のほうは公表資料だけではよくわからない。府と市の公式協議で俎上に上るテーマは狭く、かつ小さい。「信用保証協会」「中小企業支援」など昔からのテーマや財界から指摘されたものばかりでマンネリ。この際、タブーを取り払い、主要事業の連携・経営統合を議論すべきだ。そのためにはまず事実と数字を市民の前に開示する必要がある。まず大阪市は秘密主義と決別した。次は大阪府の出番だ。府も市も推進会議からの問題提起をきっかけにタブーの打破をしてほしい。以下はその第一号、水道事業の小さな一歩だ。日経新聞21日の記事引用
・府と市の二重行政解消、水道も連携模索──27日協議会発足
大阪市は20日の市政改革推進会議で、水道事業の府市連携の実現に向けた課題を協議する「府市水道連携協議会」を27日に発足することを明らかにした。同日、第1回会合を開き、来年1―2月をメドに連携のための課題を洗い出し、整理する方針。府と市は、中小企業支援や男女共同参画、消費者問題など計6項目で二重行政の統合や連携を進めることで9月に合意。中小企業支援など4項目は来年度予算で一部事業を共同実施する方向だ。薬局の開設許可など権限移譲については2008―09年度で市に移すことが決まっている。水道事業については、今年2月の府市首脳懇談会で「単純な経営統合は事業形態や供給地域の違いなどから困難で、得策ではない」と確認された。しかし20日の推進会議では経営の一体化を求める声も上がった。発足する水道連携協議会は、府水道部長と市水道局理事をトップに各4人ずつで構成。協議会の下に、施設の建て替えの際の協力方法を検討する組織や災害対策訓練の連携の仕方などを協議するグループを設置。府が市の水道施設を利用する場合の施設整備の仕方や時期、費用負担のあり方などを協議する。

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登録日:2006年 12月 21日 08:57:57

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プロフィール
上山信一
(男)
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慶應義塾大学総合政策学部教授、改革コンサルタント。専門は大企業・行政・NPO等の経営刷新。近年は地域再生も手がける。大学では「経営戦略」「公共政策」等を教える。旧運輸省、マッキンゼー共同経営者等を経て現職。大阪市生まれ。50歳。中央省庁・自治体の各種委員、企業顧問等を兼務。京大法、米プリンストン大修士。趣味は登山、鉄道、料理。メール:ueyama@pm-forum.org
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