●わたしの関西EU説&関西道の作り方

 道州制を最も必要とする地域は関西だ。そしてそのモデルはEU統合に求めるとよい。関西はEUに似ている。経済の中心大阪はドイツ。文化の町京都はフランス。海洋都市、神戸はイギリス。和歌山はイベリア半島(スペイン)。三重はイタリア、伊勢はバチカンだ。商才に長けた滋賀(近江)はベルギー、海のない奈良はスイスだ。そして勤勉で女性の社会参加が進む福井はスカンジナビアだ。
 さらに興味深いことに関西にもEU統合と同じような条件が生まれつつある。
 EU統合のきっかけは仏独首脳の歴史的融和、そして東西ドイツの統一だった。実は最近の大阪で東西ドイツの融和に近い現象が起きている。ソ連並みの強固な体制を誇った大阪市の労使そして議会首長の蜜月関係が崩壊した。大阪市では情報公開(グラスノスチ)や構造改革(ペレストロイカ)、民営化が進む。それに伴い大阪府と大阪市の連携も始まる(冷戦終焉)。次の課題は大阪・京都の「二府融和」だがこれは独仏融和に相当する。双方の知事と財界トップの指導力があれば実現可能だ。州都選定は対立の火種だがこれは早い段階で大阪・京都・神戸の3都以外と決めればよい。例えば大津はどうか(EU本部もパリに近いブリュッセルだ)。
 こうして大阪・京都連合を基軸に関西の府県・政令市の権限を吸い上げ道州政府を作ればよい。中心課題は企業誘致、観光・集客戦略(創造都市戦略)、大学・研究機関の再編、環境政策(琵琶湖・淀川・大阪湾の統一的管理)、交通政策(鉄道・高速道路網の整備)、そして防災対策・代替首都機能などだろう。
 さて関西道を成立させるためには、(1)関西の各地域は今後は単独ではもちろん個々に国に依存していてはやってはいけないという事実から出発し(現実直視)、(2)これまでの国に対して各県が個々に陳情するという卑屈な姿勢を捨て域内で相互連携し(地域に根ざした“人民解放戦線”の構築!)、(3)その上で国に対して権限委譲を迫る(地域独立運動!)べきである。要するに道州制の導入は国任せにしない。地域側からの独立運動として組織化すべきである。

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登録日:2007年 02月 19日 22:47:21

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プロフィール
上山信一
(男)
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慶應義塾大学総合政策学部教授、改革コンサルタント。専門は大企業・行政・NPO等の経営刷新。近年は地域再生も手がける。大学では「経営戦略」「公共政策」等を教える。旧運輸省、マッキンゼー共同経営者等を経て現職。大阪市生まれ。50歳。中央省庁・自治体の各種委員、企業顧問等を兼務。京大法、米プリンストン大修士。趣味は登山、鉄道、料理。メール:ueyama@pm-forum.org
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