●書評「悲しみから思い出に」(日本医療企画)

画像

 正式名は「悲しみから思い出に―大切な人を亡くした心の痛みを乗り越えるために」という本。米国には家族を亡くした人を癒すための本、ボランティア団体などがたくさんある。死と向き合うための死生学という専門学問もある。われわれはふだんは死について考えない。「縁起でもない」と話題にしないし、死について考えるとのは「暗い」といわれる。僕もそうだ。だが誰にも死はやってくる。多くの人が両親、親戚、恩師、先輩の死に直面する。米国ではその準備と自殺防止のために死生学が家政学並みの地位を占める。本書は死生学の専門家である日系一世の女性が母の死を悼んで書いた本だ。詩あり追想ありで家族をなくした人向けに書かれている。論理的左脳で読むと私信に見えるがじっくりよむとはっとする。不思議な本だ。原書は英文で発行され米国赤十字社経由で9・11の犠牲者に配布された。日本語版は医療コンサルタント、メディバ社長の大石佳能子氏が翻訳。2005年に日本医療企画社から出版されて以来、静かなベストセラーになる。アマゾンでも買える。

カテゴリー[ 書評 ], コメント[0], トラックバック[0]
登録日:2007年 03月 07日 00:13:19

Trackback

この記事に対するトラックバックURL:

プロフィール
上山信一
(男)
http://www.pm-forum.org/ueyama/
慶應義塾大学総合政策学部教授、改革コンサルタント。専門は大企業・行政・NPO等の経営刷新。近年は地域再生も手がける。大学では「経営戦略」「公共政策」等を教える。旧運輸省、マッキンゼー共同経営者等を経て現職。大阪市生まれ。50歳。中央省庁・自治体の各種委員、企業顧問等を兼務。京大法、米プリンストン大修士。趣味は登山、鉄道、料理。メール:ueyama@pm-forum.org
検索