●ついに消えた「大阪サミット」と「栗東新駅」

今日はビッグニュースが2つ。時代錯誤の関西2大プロジェクトが消えた。滋賀の新幹線新駅と関西サミットだ。どっちも関西のアナクロニズムを象徴するプロジェクトだった。この2つがついに葬り去られた。特にサミット誘致敗退の意義は大きい。 大阪府はサミットの経済効果(もともとあるはずのない数字だったが・・)を言い訳とした問題の先送りができなくなった。不要な公共工事や無駄遣いもできなくなった。ついに財政危機など目の前の問題を直視せざるをえなくなる。頭を冷やすいい機会だ。
 それにつけても9・11テロ以後の世界の常識を無視して大都市にサミットを誘致した府と市の判断ミス、それを指摘しなかった政財界の責任は大きい。誘致費用の損失額を試算すべきだ。失政のコストの典型だ。
 誘致の決定過程も改めて住民に説明すべきだ。単なる思い付きではなかったのか?本件は総理のせいにすべきではない。くるはずのないものを誘致したほうが非常識なだけだ。政官財の関西指導層は自らの国際感覚の決定的欠如という事実を受け止める必要がある。知事の熱意と行動力は評価すべきだが判断力と国際感覚については極めて大きな疑問が生じた。
(参考)以下は昨年9月のブログより。
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●大阪サミットの誘致:勇気を出して中止しよう 9/25
 9月5日のブログで大阪にサミットは不要と問題提起。直後から賛同メールが多数届く。その後サンケイ(9月19日)も大阪サミットに疑問提示。さらに25日の朝日新聞もこのブログを紹介してくれた。
 サンケイは「最近のサミットは小さな無名の町で開かれている」と解説。これは9・11以後の変化だ。海外経験豊富なビジネスマンは誰でも「サミットと世銀総会はテロの誘引装置」と警戒する。僕も2000年ー03年ワシントンDC近郊に住んだが世銀総会のたびに観光・出張客が激減するのを目の当たりにした。
 そんなサミットを犯罪と財政破綻に悩む大阪になぜ誘致する?観光客は来ない。市民も参加できない。経済効果も見込めない。いったい何が目的か理解に苦しむ。
 こうなってしまった原因は複雑だ。住民抜きの決定過程、指導層・議員たちの国際感覚の欠如、平和ボケなどさまざまだ。昨今の大阪は、教育・犯罪・ホームレスなど地域の本質課題から目をそらしオリンピックなどのお手軽イベントを追いかけてきた。その延長線上に今回のサミット誘致があるように思える。大阪にサミットは絶対にいらない。まだ遅くない。勇気を出して誘致を中止しよう
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1、まず、サンケイ記事から引用
◎開催都市のメリットは?
 問題をひとつ。「エビアン」「グレンイーグルズ」「シーアイランド」「カナナスキス」「バーミンガム」。これらに共通することは何でしょう?水ではありません。 わからない方にはヒントを。東京、ロンドン、パリ、ミュンヘン、ナポリも共通しています。ここまで書けば、都市の名前であることは明らかですが、これらの地で何があったのかが答えになります。オリンピックでもありません。
 答えは、主要国首脳会議(サミット)が過去に開催された都市。しかし、冒頭の都市名の認知度はいかほどでしょう。 2008年のサミットは、日本で開催されることになっているが、その開催都市は未定。関西での開催に向けて大阪、京都、兵庫の3府県や関西経済連合会などが関西サミット誘致委員会を組織して活動をしている。
 ただ、関西に誘致するとはいっても、現実には、どこか1カ所の都市に決めなければならないわけで、現在は大阪と京都が争っている状態だ。両者とも譲る気配はなく、1本化の糸口は見つかっていない。 しかし、大阪側だけをみれば、京都と開催地争いをしている割には、府民の熱意はほとんど感じられない。というより関心がないようだ。 昨年のサミットは英国・グレンイーグルズで開かれたのだが、どれだけの人が覚えているか。また「サミットが開かれたからグレンイーグルズに行きたい」なんて人も聞いたことはない。 かつて沖縄でも開かれたが、その後、沖縄に世界中から観光客が押しかけたといった話は聞かない。 つまり無関心の背景には、サミット開催のメリットが伝わっていないことがあるだろう。かえって、サミット→交通規制→迷惑イベント、といったマイナスイメージもある。 京都と争うのもいいが、肝心の府民に関心が持たれないようでは、たとえ大阪での開催が決まったとしても歓迎ムードが高まる可能性は低いのではないでしょうか。
(田中伸治)
2.次は私の9月5日付けブログだ(再掲)
大阪にサミットをという運動があるが不可解だ。会期中は道路、空港、駅が機能麻痺。町中警官だらけだ。企業の会議は大阪を避け、観光客も敬遠。たいていの商売はあがったりだ。政府関係者とプレス(ANDテロリスト様ご一行)で一部ホテルが潤うだけだ。
 9・11テロ以後のサミットは世界級の「迷惑施設」と化している。いわばテロリストを呼び寄せるゴキブリホイホイのようなものだ。それを大都会の真ん中に誘致していいのか?サミット=都市格の向上というのは田舎もん丸出しの発想だ。知床や上高地などのリゾート地か僻地でやるものだろう。
 万が一、大阪にサミットが来て得るものは何か?知名度向上?いや会議の名前は「関西サミット」だろう。大阪だけではアトラクションが足りず京都にどうせ依存する。かくして名称はきっと「KANSAIサミット」だ。KANSAIは外人にとってはまるで意味不明の単語だ。誰も覚えてくれないだろう。誘致しても大阪はビジネスを失い、GDPを減らし、公債残高を増やすだけだ。
 こういうものをなぜ財界と自治体が一緒になって誘致するのだろう。現実感覚と国際感覚の欠如?市民のことをまったく考えない?大阪府警の実践演習願望?大阪のまちにサミットはふさわしくない。ぼくのからだの中の大阪人のDNAは「あほちゃうか?」と笑いながら、怒っている。
 調査によると福岡市民や都民の多くがオリンピックはいらないと答えている。大阪サミットを望む市民や府民がどれくらいいるのだろうか?手垢のついた出来合いのイベントは田舎が誘致すればよい。大阪は大阪らしく、たとえば世界中の外食産業や全国の地産地消の博覧会をやる。中長期の産業振興につながり、そして市民に開かれた大阪らしいイベントを自ら企画すべきだ。

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登録日:2007年 04月 23日 17:33:04

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プロフィール
上山信一
(男)
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慶應義塾大学総合政策学部教授、改革コンサルタント。専門は大企業・行政・NPO等の経営刷新。近年は地域再生も手がける。大学では「経営戦略」「公共政策」等を教える。旧運輸省、マッキンゼー共同経営者等を経て現職。大阪市生まれ。50歳。中央省庁・自治体の各種委員、企業顧問等を兼務。京大法、米プリンストン大修士。趣味は登山、鉄道、料理。メール:ueyama@pm-forum.org
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