●ミュージアム評価とは(その4)

「 数値による評価はミュージアムになじまない」という主張をよくきく。これは半分正しく半分間違っている。確かにミュージアムを数値だけで企業や一般の行政サービスと比べると間違う。だがミュージアム間では数値を巡る競争をすべきだ。そもそも芸術文化は数値による評価と競争で発展してきた。コンクールでは必ず順位をつける。オークションや鑑定では芸術文化の価値を容赦なく貨幣価値に換算する。市場競争を意識して芸術家は切磋琢磨を重ねている。ミュージアムにも同様の格付け、評価、さらに競争が必要だ。学芸員などの職種にもランク付け(1級、2級など)を設ける。
ミュージアムは確かに経済原則だけでは成り立たない、ある種の“特別な存在”だ。だか社会からそう認知されるためにこそ、内部において厳しい評価と熾烈な競争原理を確立しなければならない。例えば利益至上主義のような定見を欠いた外部からの評価の押し付けは拒否すべきだ。だがミュージアムは自らの経営刷新のために数値による評価を使うべきだ。そしてそれに基づく各館の切磋琢磨の仕組みを構築する必要がある。

カテゴリー[ アート ], コメント[0], トラックバック[0]
登録日:2007年 05月 15日 09:34:32

Trackback

この記事に対するトラックバックURL:

プロフィール
上山信一
(男)
http://www.pm-forum.org/ueyama/
慶應義塾大学総合政策学部教授、改革コンサルタント。専門は大企業・行政・NPO等の経営刷新。近年は地域再生も手がける。大学では「経営戦略」「公共政策」等を教える。旧運輸省、マッキンゼー共同経営者等を経て現職。大阪市生まれ。50歳。中央省庁・自治体の各種委員、企業顧問等を兼務。京大法、米プリンストン大修士。趣味は登山、鉄道、料理。メール:ueyama@pm-forum.org
検索