●大阪市大創造都市研究科の挑戦
以下は日経。
キタで「創造都市」人口減時代の街づくり──大阪市立大大学院教授・小長谷一之さん
関西2府4県の人口は2000万人から1700万人に減る――国立社会保障・人口問題研究所は最近、こんな30年後の予測を示した。人口減の時代にはどのような都市が求められるのか。都市政策や街づくりに詳しい大阪市立大学大学院の小長谷一之教授に聞いた。
――「関西人」はこれから1年間に10万人ずつ減っていく計算になります。
戦時などを除けば、都市部の人口が減るというのはこれまでになかった事態でしょう。だから大変なことではありますが、こわがることはありません。個人の生活も産業の構造も見直して、高付加価値型で、省資源型の社会へ転換させなければならない。これは、変革の大きなチャンスであるともいえます」「人口がもっと減るであろう将来を見据えれば、このような時期に都市をマネジメントできるのはいい経験にもなるでしょう。もちろん、これまで都市は経済も人口規模も右肩上がりであることを前提に設計されてきたので、街づくりも古い発想から抜け出すことが必要です」
――街づくりという言葉は、よく使われる割にはイメージがあいまいだし、全国ではうまくいっていないケースも多いようです。
「地域の伝統や文化を大事にしながら住民主体で事を進め、成功を待つ。そのようなケースが目につきますが、それだけで街づくりが成功するわけはありません。街が何を生み、発信すれば、世の中のニーズを満たせるのかを考えないと。消費者や観光客を主人公の1人と考えるということです。『街づくりは清廉な行為であり、ビジネスの発想は持ち込みたくない』という人もいますが、マーケティングを無視した街づくりはうまくいかないと思います」 「それから、街づくりはあくまで総合的政策だという点も忘れてはいけない。経済、建設、文化、教育など、あらゆる分野の人々が手を組んでいかなくては。縦割り型の組織で進めようとしても、決していい流れは生まれないでしょう」
――具体的な活動の1つとして、大阪市北区で「創造都市キタ」構想を推進していますね。
「ファッション・工業デザイナーや映像・ゲームのクリエーター、あるいはアーティスト。キタでこうした人たちに作品発表の場やビジネスのネットワークを提供し、集積を目指すという考えです。産業としては大きな需要が見込める。日本では必ずしもうまくいってこなかったデジタルと文化の融合に成功すれば、さらに伸びる分野です」「関西にはいくつもの有名な大学があり、キタには専門学校が集まっている。せっかく若者の数も多いのに、仕事も人脈もないので東京に流出してしまう。こうした専門学校や若者といった潜在的な財産を生かしつつ、成長産業を育てることができれば、地域の発信力や求心力を高められる可能性があります」
――いわゆるクリエーティブシティー(創造都市)の1つの姿ですね。
「21世紀の都市像としては、クリエーティブシティーのほかに、金融や大企業の本社を集約する『ワールドシティー』や、一定範囲に都市機能を集める『サスティナブル(持続可能)シティー』という概念もあります。でも、ワールドシティーでは東京やニューヨークの後を追うだけになるし、雇用の数に限りがある。高度で楽しい、労働集約型の新しい産業をいかにつくり出すかを考えることが重要でしょう」
――関西は「ものづくりとあきんど」、つまり製造業や商業が強いというイメージがありますが。
「もちろん、そうした分野も大事にしていかなければならない。とはいえ、それだけでこの先も関西が生きていけるかというと、疑問です。京都の和菓子は職人が伝統を重んじつつ、自らの創意工夫も加えながら発展させてきた。変革とは過去の一部を否定することにほかなりません」
――ところで、人口減が進んだ22世紀の関西はどうなるんでしょう。
「宇宙から帰ると、産業革命前の、中世とみまがうような豊かな自然環境に迎えられる。家の中では一転して超ハイテクノロジーの生活。私の夢ですが」
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登録日:2007年 06月 26日 21:50:00
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- プロフィール
- 上山信一
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- http://www.pm-forum.org/ueyama/
- 慶應義塾大学総合政策学部教授、改革コンサルタント。専門は大企業・行政・NPO等の経営刷新。近年は地域再生も手がける。大学では「経営戦略」「公共政策」等を教える。旧運輸省、マッキンゼー共同経営者等を経て現職。大阪市生まれ。50歳。中央省庁・自治体の各種委員、企業顧問等を兼務。京大法、米プリンストン大修士。趣味は登山、鉄道、料理。メール:ueyama@pm-forum.org
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