●大阪の地下鉄民営化

1.以下は読売。
公共交通事業の民営化を検討中の大阪市は27日、市営地下鉄・バス事業の一体的な民営化を断念し、両事業の経営形態を別々に見直す方針を決めた。市は今年度内に結論を出す予定で、7割以上の路線が赤字のバス事業を切り離し、黒字経営を続ける地下鉄単独の民営化が進められる可能性が高まった。
この日、市政改革推進会議(委員長=上山信一・慶応大教授)の外部委員と関淳一市長との懇談会で市側がバス事業の現状を説明。それによると、昨年度の営業収益は230億円。全107路線のうち77路線で経費が営業収入を上回り、最大で8・66倍に達した。最も赤字幅が大きい路線では、1日の乗客が54人しかおらず、同事業の累積赤字は昨年度末で541億円に上ったという。委員側からは「バス事業はビジネスとして成立しない。通学や通院などに欠かせない路線は福祉サービスとして市が存続すべき」などの提言があったといい、赤字が著しい路線は廃止するなどの検討が進むとみられる。一方、地下鉄事業は8路線とニュートラムを運営し、昨年度の営業収益は1673億円。2003年度以降、4年連続黒字で、昨年度の黒字額は開業以来最高の211億円を記録した。交通局が昨年12月に公表した経営シミュレーションでは、民営化した場合、税負担の発生や補助金がなくなることなどで一時的に赤字となるが、人員削減などで3年目から黒字に転換すると試算された。上山委員長は懇談会後に記者会見し、「地下鉄単独の民営化を前提に、私鉄や金融機関と協議する方向性がはっきりした」と明言。これを受け、関市長は読売新聞の取材に、「バスと地下鉄をどんぶり勘定で経営してきたが、今日の委員らの意見を十分に生かしたい」と述べた。市は、8000億円の負債を抱える交通局を改革するため、昨年6月から完全民営化に向けた研究を開始。今年1月には同局が現行での改革か、職員1700人以上の削減や最大20%の給料カットなどによる株式会社化を有力とする報告書をまとめている。
2.以下はサンケイ
市長懇 大阪市バス7割赤字 福祉的性格 「地下鉄と経営分離」

 赤字経営が続く大阪市バスの収支分析で、100円の収益を得るために必要な経費を示す営業係数が100を超える路線が、全107路線のうち77路線にのぼることが27日、分かった。これを受け、市が民営化を含め経営形態の変更を模索している市営バス・地下鉄について、市政改革推進会議の市長懇談会の議論で「バスは『福祉』の性格が強いので、地下鉄とは分離して経営を考えるべきだ」との結論になった。これまで両者を一体的に改善する方向で検討が続けられていることから、市の方針は今後、方向転換を迫られそうだ。
 市は、バス事業のすべての路線でサンプル調査を行い、収支分析を作成。路線ごとの営業係数や乗車実数、敬老優待パスなど、無料乗車数の比率なども盛り込まれた。これによると、赤字路線は約7割に相当した。もっとも乗客数の少ない路線では1日で54人で、この路線は100円稼ぐために866円を投入している計算になった。
 この収支分析を受けて、懇談会のメンバーからは「利用実態にあわせた適正規模に事業を圧縮する必要がある」という意見や「病院への通院や通学のために必要な路線もある」という指摘があり、最終的に「バスは福祉的な意味合いが強い」という結論になったという。
 市政改革推進会議委員長の上山信一・慶応大教授は「地下鉄と福祉的要素が強いバスは運営方法も収支実績も違うことがはっきりした。バス事業は地下鉄と切り離し、福祉の視点で改革すべきだ」と話していた。
3.以下は朝日
多額の負債を抱える大阪市営地下鉄・バスの民営化を検討中の市交通局が、市営バス107路線の収支を分析した結果、7割超の77路線が赤字だったことが27日、わかった。1日の平均利用者数がわずか54人の路線もあった。有識者による市政改革推進会議(委員長、上山信一・慶大教授)はこの日、関淳一市長に「バスは切り離し、(黒字の)地下鉄単独で民営化を検討すべきだ」と提言した。 同局によると、06年度で最も不採算の路線では、100円を稼ぐのに866円の費用がかかっていた。バス事業は06年度決算(速報値)で、24年連続となる約22億円の経常赤字を記録。累積赤字は約541億円に達した。売上高230億円のうち約110億円は、補助金などとして、市の一般会計から繰り入れられていた。
一方の地下鉄は利用客が回復。06年度決算(同)の経常黒字は過去最高の198億円だった。上山委員長は「バス事業は通学や通院のための『福祉』と割り切り、路線数の適正化を図るべきだ」と話している。

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登録日:2007年 07月 29日 20:30:00

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プロフィール
上山信一
(男)
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慶應義塾大学総合政策学部教授、改革コンサルタント。専門は大企業・行政・NPO等の経営刷新。近年は地域再生も手がける。大学では「経営戦略」「公共政策」等を教える。旧運輸省、マッキンゼー共同経営者等を経て現職。大阪市生まれ。50歳。中央省庁・自治体の各種委員、企業顧問等を兼務。京大法、米プリンストン大修士。趣味は登山、鉄道、料理。メール:ueyama@pm-forum.org
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