●日本のソフトパワー外交

以下は読売。前回の朝日もそうだが新聞各社の終戦関連記事はきわめて充実。風化を防ぐために若い記者たちがとてもいい仕事をしていると思う。すばらしい記事ばかりだ。こういうものを翻訳して海外に紹介すべきだ。
 さて、戦争の悲惨さはそれを実地で見たかどうかで理解度がぜんぜん違うようだ。地球を宇宙から見た飛行士は宗教体験をするというが同じだろう。
 かつて米国の経済学者ガルブレイスは戦災直後の日本の光景をみて「理由は何であれ戦争は根絶すべし」と体で感じたという。その後の彼の思想形成に大きな影響を与えたという。知人の衆議院議員は49歳。太平洋戦争は当然知らないが外交官で勤務中に海外でミサイル攻撃を受けた住宅地の地獄絵を見た。それから人生観が変わった。そういうものだろうと僕も思う。僕も米国で9-11テロを経験した。地獄を目撃したわけではないが知人がなくなった。国全体が沈んでいた。あれで確かに人生観が変わった。
 日本は憲法9条の理念と被爆の歴史を海外に訴え独自のソフトパワー外交を展開すべきだ。そのうえで自衛隊は有事に備えて持っても良い。だが海外派遣は理念に基づき禁ずるべきだ。ブッシュや共和党は理解しない。だが欧州からは尊敬され、途上国からは一目を置かれるようになるだろう。米国に押し付けられた無力化政策の産物の憲法だからこそ、米国を論破する最大の武器になるだろう。対外的に9条は維持し平和外交を展開しつつ現実主義で自衛隊の戦力は維持。イラクなどへの海外派兵は絶対しない。特殊な国になる。それが米中のハザマで日本の生きる道ではないか?また西欧化した唯一の非西欧国家として生きる道だ。日本はきわめてユニークだ。簡単に世界に理解されない。これくらいの自己主張が必要だ。イスラエルと日本は独特な国家なのだ。
 それを通じて精神的独立も果たせる。それこそコンサーバティブ、保守のバックボーンだ。9条改正、海外派兵というのは単なる属国主義にほかならない。
 こういう戦略の必要性は当の米国の知識人はちゃんと理解する。それを言い出さない日本のほうの問題だ。政権綱領で民主党にこれこそ期待したいところだ。
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新婚の夫が見守ってくれた…戦没者追悼式参列の89歳
 15日、東京・日本武道館で開かれた戦没者追悼式に大阪府から参列した遺族の最高齢、行林民栄さん(89)(同府松原市)は、夫・豊純さんと寄り添えた1年3か月の日々を思い起こした。1942年秋に結婚。寡黙だが優しい夫は長男が生まれると、仕事の合間に行水させたり配給のアメをなめさせたり、子煩悩な父親だった。だが、44年1月に入隊。間もなく「南方に行くことになりそうだ。息子を頼む」と書かれたはがきが届いた。底冷えのする2月の夜、民栄さんは突然目が覚めた。眠ろうとしても、胸騒ぎがして寝付けなかった。その年の秋、「2月29日、マラッカ海峡で戦死」という通知が届いた。輸送船が英軍によって撃沈されたという。「あの夜、主人の魂が帰ってきた」と思えた。夫が自宅に残した封筒を開けると、半紙が入っていた。「いざ征かむ 心嬉しや 日本晴れ」。髪の毛と爪を添えた辞世の句。享年31歳。戻らなかった遺骨の代わりに墓に納めた。女手一つで長男を育てたが、今、3人の孫に恵まれ幸せに暮らせるのは夫が見守ってくれたからだと思う。「幼子を残して逝ったのは無念に違いない。立派に育った子や孫を見せてあげたかった」。式典では、「元気に暮らしていますよ」と夫に呼びかけながら、深いしわが刻まれた手を合わせた。

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登録日:2007年 08月 15日 16:35:24

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プロフィール
上山信一
(男)
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慶應義塾大学総合政策学部教授、改革コンサルタント。専門は大企業・行政・NPO等の経営刷新。近年は地域再生も手がける。大学では「経営戦略」「公共政策」等を教える。旧運輸省、マッキンゼー共同経営者等を経て現職。大阪市生まれ。50歳。中央省庁・自治体の各種委員、企業顧問等を兼務。京大法、米プリンストン大修士。趣味は登山、鉄道、料理。メール:ueyama@pm-forum.org
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