★★大阪市:改革派市長VS守旧派与党★★
大阪市役所は関市長を中心に大胆な改革に取り組む。情報公開、採用凍結、民営化、既得権益廃止など。ところが選挙で市長の改革路線を支持したはずの与党自民党の一部の守旧派市議が反発。
議会質疑では、予算審議そっちのけで職員の深夜タクシー代、外部委員の報酬・交通費、外注コンサルの発注手続きなどを執拗にあげつらう。さらには一度も会ったことのない外部の民間委員をいきなり議場で誹謗中傷する有様だ。
悪質な嫌がらせの意図が丸見えで「まるで総会屋」と市民の嘲笑を浴びる。 挙句のはてに「改革本部こそ自らを律すべき」と開き直る。自らの政務調査費(年間720万円)の使途隠しを棚に上げ、ひたすら改革本部と民間委員を批判する姿は、醜さを通り越して哀れですらある。
市民は冷たい。「そんなに改革がいやなら与党の改革代替案を出すべき」「市長の不信任案を出せばよい」「民間委員を批判したいなら堂々と本人に会いに行くなり、議会に参考人でよぶべき」といった正論が渦巻く。
さらに批判は続く。「大阪市役所の不祥事・不正を野放しにしてきたのは与党の責任」「与党議員が率先して辞職し過去を総括すべき」という批判が根強い。
不祥事から1年。与党幹部が率先して改革を邪魔する姿は極めて異常だ。
(以下は一連の記事)
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●3月15日:日経新聞
14日に開いた大阪市議会の財政総務委員会で、市改革本部のけん引役である上山信一・慶応大教授が「知人の会社に特命随意契約で市の事業を受託させている」などと自民市議に批判され、上山教授が急きょ記者会見し、反論する異例の事態となった。市政改革で外部人材を巡る“場外乱闘”は、昨春に諮問会議座長を解任された本間正明・大阪大大学院教授、今年1月に市議会の反発で市の法律顧問就任を辞退した前助役の大平光代弁護士に続き3人目となる。
批判したのは自民会派の大丸昭典幹事長。改革の基礎資料となる事業分析を、市が約2700万円で上山教授の知人の会社に委託したのが不透明だと指摘。上山教授の市からの報酬にも疑問を呈した。関淳一市長は「専門性を有する作業で、本部との密接な連携も必要」と答弁し、問題はないとの見方を示した。
上山教授は同日夜、出張先の福岡市から急きょ大阪市入り。「市から頼まれ複数の業者を紹介しており委託を決めたのは市。契約額も高くない」と反論。報酬額を明らかにした市にも「個人情報を不当に漏らした」と不快感を示した。
●15日:読売新聞
大阪市の自民市議団の大丸昭典幹事長が14日、市議会委員会で、市政改革本部の中心メンバーの上山信一・慶応大教授が紹介した会社と市がコンサルタント業務を随意契約したと指摘、「不透明」と批判した。上山教授は緊急会見を開いて「市から頼まれて紹介しただけ。大変迷惑な話」と猛反発。さらに同委員会で市から教授への報酬額が公表されたとして「個人情報保護法違反だ」と、前助役の大平光代弁護士に法的措置の検討を依頼した。改革論争が“場外戦”にもつれ込んだ様相。市民からは「もっと建設的な論戦を」との声も漏れた。
大丸昭典・自民市議団幹事長 大丸幹事長は、市が地下鉄、ごみ収集などを巡る改革本部の事業分析(2675万円)を随意契約で委託した会社(東京)の社長が、上山教授が社外役員を務める別会社のスタッフをしていると問題視。「我々がこんなことをやったら、議員をすぐ辞めないといけない」と追及した。
市側は「上山教授に推薦をお願いして、会社を選んだ。今後は透明性を高めたい」と答弁。関淳一市長は「本部員と連携し、迅速に作業することが必要で、随意契約にならざるを得なかった」とした。
一方、改革本部を所管する経営企画室は「(委託業務は)事業を民間の経営手法で分析するもので、前例もほとんどなかった。入札に必要な仕様書を作ることもできず、入札になじまなかった」としている。
上山教授は会見で、委託先の会社がまとめた報告書を高さ数十センチまで積み上げて「これだけのボリュームで、この委託費はボランティア。レベルの高い複数社を推薦し、うち1社が安い報酬で納得してくれた。高いか安いかは第三者に検証してほしい」と訴えた。
また、市側が答弁で、教授への報酬を公表したことを「議会の圧力が大きかったのだろうが、個人情報保護法違反だ」と批判、大平弁護士に対応を求めたことを明らかにした。
さらに怒りが収まらない様子で「市長へのアドバイスや(改革本部の)事務局との連絡などで、ほぼ毎日(時間を)費やす。仕事量を考えると完全な赤字。報酬は(全国最高水準の大阪市議の)政務調査費より安い」「大平さんが助役を辞めた理由がよくわかった」などと、まくし立てた。
大平弁護士は「改革の中心人物への議会の圧力で、抵抗勢力による改革つぶしだ。改革を進めるほど中傷され、邪魔されたのは私も同じ。法的対応を検討したい」と話している。
●17日:朝日新聞
報酬額を公開したのは個人情報保護条例違反でした――。大阪市は16日、市政改革本部員の上山信一・慶応大教授の報酬額を市議会で明らかにしたことが条例違反にあたるとして、京極務・経営企画監が市議会で「ご迷惑をおかけして申し訳ない」と陳謝するとともに、直接、上山氏に会っておわびを伝えた。
上山氏の報酬については、自民党市議団の大丸昭典幹事長が14日の市議会財政総務委員会で、改革本部の予算の使い方に関連して質問。市側が05年度について「日額2万5千円で計74日あり、184万円余り」と答弁した。これに対し、上山氏が同日夜に急きょ記者会見し、「私の了承なく公開したのは個人情報保護違反。よほど議会の圧力がすごいと思わざるを得ない」と批判していた。
京極氏は16日の同委員会で、公明市議から「条例違反ではないか」と指摘され、「事前に、市議会で報酬額が質疑されると上山教授に報告し、同意を得たと思っていた。厳密に意思確認せず申し訳ない」と釈明した。
●18日:読売新聞
大阪市の市政改革を巡って対立している市議会最大会派・自民市議団の大丸昭典幹事長と市政改革本部外部委員の上山信一・慶応大教授が17日、初めて会談した。「私はボランティアでやっている」と改革の正当性を主張する上山教授に対し、大丸幹事長は「市民は改革を肌で感じてない」。
関係者によると、上山教授が同日夕、アポなしで幹事長室を訪ね、30分間にわたって意見交換(中略)最後は握手をして別れた2人だが、大丸幹事長は「手打ちではない。今後、聞きたいことは直接、質問する」と話している。
大丸幹事長は14日の市議会委員会で、上山教授ら外部委員が主導する改革の手法を批判。上山教授の報酬額を市側に答弁させた。上山教授は猛反発し、市側の答弁を「個人情報を公にした」と反撃した。
●21日毎日新聞
大阪市議会の2委員会が20日開かれ、自民党委員(市議)が市政改革本部について追及、改革本部員の上山信一・慶応大教授や大平光代前助役への批判を展開した。一方、上山教授は反論しながら「議員と市の関係の改革が今後テーマになる。勇気ある問題提起と受け止め、健全な議論に発展させたい」と強調した。
財政総務委員会では、自民市議団の大丸昭典幹事長が、上山教授が同委員会の速記録を、権限もないのに議会事務局に不当に請求したと批判。大丸幹事長は14日の同委員会で市政改革本部が市の事業分析調査3件を上山教授の知人が代表を務める会社と随意契約していた問題を取り上げ、追及していた。民生保健委員会では太田勝義委員が「大平氏が『改革の本丸は議会』と言っている」などとただした。関淳一市長は「上山先生には適切な助言を頂き感謝している」「改革の本丸は行政の体質を改めること。議会は行政と車の両輪だ」と双方に配慮した。
20日夜に会見した上山教授は「大丸議員はあちこちにあるフラストレーションを受け、やむにやまれず稚拙な質疑をした」としながら、「2人とも改革を次の段階に進める意識があるのかもしれない」と話した。
一方、上山教授の報酬額を市が無断で公開した問題で、関市長は06年度からは外部委員の報酬額を公開対象にすると明らかにした。
●21日:朝日新聞
大阪市政改革をめぐり、市議会最大会派の自民党(37人)が、改革をリードする市政改革本部の上山信一・慶応大教授に批判の集中砲火を浴びせている。20日の市議会では、質問に立った市議5人が次々と、上山氏の言動を追及。背景には、改革の主導権を上山氏に握られた自民党側の焦りがあると見られる。上山氏は大平光代・前助役を含む4人の弁護団を結成し、「議員による誹謗(ひ・ぼう)中傷が続くなら、訴訟も辞さない」としている。
「鎌倉幕府には執権、江戸幕府には側用人がいた。今の改革本部はそういうイメージだ」 自民党の大西宏幸市議は20日の財政総務委員会でそう語り、「改革本部は議会に悪意を持っているとしか思えない」と言い切った。
自民党市議団の大丸昭典幹事長は14日の委員会に続き、市が上山氏に紹介された企業にコンサルタント業務を随意契約していた問題を取り上げた。さらにこの日は、市水道局も上山氏に紹介された大阪府内のコンサルタント会社に計約1840万円の仕事を依頼していたと「暴露」。他の自民市議が「上山氏の口利きじゃないか」と続いた。
上山氏は元運輸官僚で、外資系コンサルタント会社マッキンゼーの共同経営者を務めた。大平氏が市役所を去った後、改革の司令塔役を一手に引き受けた感があり、口利き問題を巡る大平氏とのバトルが一段落した市議側が、批判の矛先を転じた形だ。
これに対し、上山氏は20日夜、市役所で急きょ記者会見。「水道局から大阪でコンサルを知らないかと言われ、後輩の会社の存在は伝えた。知り合いを使ってくれと売り込む口利きとはまったく逆で、批判は極めて心外だ」と反論した。自らのブログでも「守旧派市議の改革妨害」などと訴えている。
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登録日:2006年 03月 21日 20:30:01
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- プロフィール
- 上山信一
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- http://www.pm-forum.org/ueyama/
- 慶應義塾大学総合政策学部教授、改革コンサルタント。専門は大企業・行政・NPO等の経営刷新。近年は地域再生も手がける。大学では「経営戦略」「公共政策」等を教える。旧運輸省、マッキンゼー共同経営者等を経て現職。大阪市生まれ。50歳。中央省庁・自治体の各種委員、企業顧問等を兼務。京大法、米プリンストン大修士。趣味は登山、鉄道、料理。メール:ueyama@pm-forum.org
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