●大国と世界の歴史について良く知るための本

・トクヴィル「アメリカの民主政治(上・中・下)」(講談社学術文庫)、石原莞爾「最終戦総論」(中公文庫)
 1831~32年、フランス人貴族A・トクヴィルが米国を旅した。それを元に書いた著書「アメリカの民主政治」の中で彼は「20世紀には米国とロシアが大国に発展し世界を制覇する。そして両者は戦う」と予言した。本書はもともとは旅行記だが米国がどのようなOSを持つのか、またそこからどうやって新聞や政党などのAS(アプリケーション・ソフト)が生まれるのかを見聞に沿って生き生きと解説する。トクヴィルは「アメリカ以上のものをアメリカで見た」という。よしあしは別として米国標準が世界標準になる時代だ。どの分野のプロを目指すにしても本書が語る米国のDNAの構造を知っておくと役に立つだろう。石原莞爾は戦前の日本陸軍の参謀だ。1930年代に著書の「最終戦総論」で「まもなく国家壊滅型の最終戦争が起こる」「一発あたると何万人もがペチャンコにやられる・(中略)・大威力のもの」「その後に絶対平和が到来する」と太平洋戦争、原爆投下、さらに戦後の国際秩序をも見通していた。人は歴史の洞察でここまで先を見通せるものかと戦慄すら覚えさせる一書である。

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登録日:2007年 10月 07日 14:28:31

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プロフィール
上山信一
(男)
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慶應義塾大学総合政策学部教授、改革コンサルタント。専門は大企業・行政・NPO等の経営刷新。近年は地域再生も手がける。大学では「経営戦略」「公共政策」等を教える。旧運輸省、マッキンゼー共同経営者等を経て現職。大阪市生まれ。50歳。中央省庁・自治体の各種委員、企業顧問等を兼務。京大法、米プリンストン大修士。趣味は登山、鉄道、料理。メール:ueyama@pm-forum.org
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