●橋下知事の新施策

 橋下知事が新施策を出し始めた。まずは公債発行問題。結局、主張を修正して朝礼暮改という批判が出たが、「収入以上の金は使えない」という原理原則にこだわったもので好感が持てる。「やむなく修正」の過程で財政危機の厳しい現実が全国に知れ渡り、予算編成に向けた牽制効果もあった。「若いから」「知らないから」こそ、できる問題提起でよかった。次に打ち出したのが職員互助会への補助金廃止。既得権益打破に大鉈を振るうには役所がまず自らの身を削る。そうでなくては府民の理解は得られない。大阪市はとっくに廃止したのに大阪府は残したままだった。当然の措置だが、英断である。次が以下の朝日にある企業誘致の補助金の見直し。これも妥当な判断。そして御堂筋パレードへの分担金ださないというのもこれまた見識だろう(正式に決めるには手順が必要だが)。
 私は映画はたくさん見るがテレビはほとんど見ない。弁護士時代の橋下氏を見たことがない。「信用できる、できない」といった人物評をする材料もない。
 だが知事は、いい仕事をすればいいわけで、すくなくとも施策の中身、タイミング、出し方を見る限り好調な滑り出しに思える。物事を変えるポイントをすばやく見抜く才能はありそうだ。原理原則を曲げず、要所に針を打ち込んでいってほしい。
〇以下は朝日新聞
1社150億円の補助撤廃へ 橋下新知事、条例を見直し
2008年02月02日
次期大阪府知事の橋下徹氏は、先端産業の進出企業に1社あたり最高150億円を補助するとした現行制度を見直す方針を固めた。太田房江知事は今年度から上限額を引き上げ、シャープの工場群誘致に結びついたが、財政再建を優先させる橋下氏は「関連企業にまで補助するのは失態」と批判、府も条例の要綱改正に向けた検討に入った。 府の先端産業補助金は府内7カ所の産業拠点や誘致対象地区に進出するバイオやロボット、情報家電などの企業に対し、投資額の一部を補助する制度。従来最高5年間で1社30億円だった上限を、昨年4月から1社につき10年間で150億円まで引き上げた。 これまでに堺市に進出するシャープの液晶パネル工場に136億円、関連して進出する企業2社に72億円、合計208億円の補助金交付を決めている。シャープ関連では総額330億円の補助金枠を設けている。 だが、橋下氏は府知事選の前の記者会見で「シャープに出しても、他には補助金を出さなくてもよかったはず。府の失態。条例は見直すべきだ」と述べていた。 具体的には条例の要綱を改正し、1社あたり150億円だった上限を、1地域あたり150億円とする案が出ている。既に交付決定したシャープ関連企業は補助を受けられるが、今後の進出企業は影響を受けることになりそうだ。 こうした見直しについて財界幹部は、「(補助金の)上限が上がったことで、誘致先に関西を売り込みやすい環境になっていた。情報家電産業の一大集積地になりつつあるのに、水を差さなければいいが」と懸念する。別の財界幹部は「補助金は金の卵。財政再建には、企業を呼び込んで税収を増やした方が長期的には効果があるのに」と話している。

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登録日:2008年 02月 02日 10:57:57

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プロフィール
上山信一
(男)
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慶應義塾大学総合政策学部教授、改革コンサルタント。専門は大企業・行政・NPO等の経営刷新。近年は地域再生も手がける。大学では「経営戦略」「公共政策」等を教える。旧運輸省、マッキンゼー共同経営者等を経て現職。大阪市生まれ。50歳。中央省庁・自治体の各種委員、企業顧問等を兼務。京大法、米プリンストン大修士。趣味は登山、鉄道、料理。メール:ueyama@pm-forum.org
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