●改革路線維持へ・・大阪市予算

以下は日経。「平松カラー出し切れず」というちょっと冷やかな見出しだが事実上破産している自治体の予算である。市長のカラーを強く出したら大赤字が出る。
 マスコミはむしろ「改革の流れは止めたくない。何もかもひっくり返すわけにはいかない」という市長の真摯な言葉をきちんと報道してほしい。乏しい財源の中で改革を維持するのはたいへんな苦労である。そのなかで予算をまとめあげた市長にはもうすこし暖かい言葉があってもいい。「選挙戦で否定した前任者の改革路線をあえて維持する」・・これもひとつの立派なリーダーシップの発揮だと思う。これが実は、平松カラーであり市民はそうした人柄を評価したのではないか?
  以上の評価を前提としつつ先を見越して注文をつければ、
①前年比2%ではまだまだ甘い。従前のマニフェストを超えるレベルで、もっともっと予算は削減できる余地がある。個別事業の具体に踏み込んで精査すべきだ。
②賃上げ、総額11億円はいかがなものか。カラ残業、裏金事件のなかでの賃上げ・・。市民の目にはあまりにもKYに見えるのでは?
③職員採用、当面は数十人だがいずれ一部労組などの横槍でじわじわ増える可能性が高い(②③は、土手にあいた針の穴)。
④加えて三セク2次破綻。そうなると地下鉄の補修メンテナンスのお金も出てこない。「地下鉄民営化」以外に大阪市が生き延びる財源は見当たらない。2008年初頭の民営化見送り判断が、実は大阪市役所の存亡にかかわる致命的な判断ミスだったと市民が気づくのは2、3年後である。
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――大阪市08年度予算案
2008/02/21配信
 「子育て支援策などを盛り込み、色は出せたのかなと思う」。予算案発表の記者会見で、平松市長はこう自己評価した。しかし、選挙戦で掲げた政策は、重要度の高いもの以外は盛り込まれておらず、「平松カラー」は薄い予算案となった。予算案には平松市長「肝いり」の事業として、乳幼児医療費の助成拡充(41億4000万円)、妊婦検診の助成拡充(6億7500万円)などの子育て支援施策や、市長と市民との懇談会開催(500万円)といった市民参画の促進などが並んだ。だが、関前市長の改革路線を継承したことや、圧縮を進めている市債残高もなお5兆円を超える厳しい財政状況を受け、カラーを前面に押し出すまでには至らなかった。「就任時には予算の大枠が決まっており、自由が利く部分は限られていた」と平松市長。市政改革で経費節減を進める中、市長の意向を反映できるのは、ごくわずかだったという。市長自らの意向が反映されなかったテーマは明らかにしなかったが、選挙公約に掲げていた総合的な雇用対策やセーフティーネットの構築などで、目新しいものは見当たらない。暫定予算の策定という思い切った手を打ってまで独自色を出そうとする大阪府の橋下徹知事に比べると「平松カラー」は薄く見える。平松市長は「改革の流れは止めたくない。何もかもひっくり返すわけにはいかない」と強調する。改革の流れを止めず、いかに独自色を出すか。平松市長にとって今後の大きな課題となりそうだ。

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登録日:2008年 02月 21日 19:08:02

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プロフィール
上山信一
(男)
慶應大学総合政策学部教授。大阪市生まれ54歳。専門は企業・行政機関の経営戦略と組織改革。都市・地域再生も手がける。旧運輸省、マッキンゼー共同経営者等を経て現職。国交省政策評価会(座長)、大阪府と大阪市の特別顧問、新潟市都市政策研究所長、日本公共政策学会理事、各種企業・行政機関の顧問や委員等を兼務。府立豊中高、京大法、米プリンストン大学修士。著作等 ツイッター@ShinichiUeyama
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