●AO入試で得る異能
以下は朝日新聞。私の意見も両学部長と同感。わがSFCではAO入試は目覚しい成果を挙げている。AO入試の面接は信じがたいほど優秀な若い異能との対面の場である。もうすぐ4月、新入生との対面が楽しみである。
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AO入試「完全に定着」 導入18年、慶応大SFC2学部(03月18日)
学科試験重視から脱却し、面接や志望書による総合的な人物評価で合否を決めるAO(アドミッションズ・オフィス)入試。実施する大学が07年度に全体の6割に達した一方、九州大法学部など廃止を決める動きも出てきた。90年度から導入し、国内の先駆けとされる慶応大湘南藤沢キャンパス(SFC、神奈川県藤沢市)の総合政策、環境情報両学部の実情はどうなっているのか。両学部長と、AOで入学した卒業生に聞いた。
・阿川氏 顔見える入試に価値 。徳田氏 ピカッと光る人入る
――AO入試を廃止する動きが出ています。SFCでは導入から18年がたちますが、当初の目的は達成できていますか。
阿川尚之・総合政策学部長 AOはSFCでは完全に定着した。追跡調査を見る限りAOの学生は一般入試の学生よりいい成績を残し、学内の賞を取る率も高い。私たちも教えていて、AOの学生は元気がよく、やりたいことがはっきりしていると感じる。
徳田英幸・環境情報学部長 既にある入試制度に後付けでAOを導入した大学と、最初からその後の授業の枠組み、フォローアップも含めて設計していた大学の違いが出てきたのでは。他大学が言うようなAOの弊害、あまり機能していないという点は、私たちの感覚とだいぶ違う。
――AOは他大学にも広がってきました。入ってくる学生の質に変化は。
阿川 子どもが少なくなり、SFCもその余波は受けている。90年の開設当初はある種のSFCブームもあり、わっといい人が来てくれたが、なかなかそういう人が来てくれない時期もあった。何年は良かったとか、ワインに似ているかもしれない。
徳田 他大学にもかなりのスピードで広がり、競争は激化した。それでもピカッと光る面白い人が入り、キャンパスの活性化に貢献してくれている。
――学業成績を重視するB方式は、従来のAOの目的にそぐわないのでは?
徳田 他大学との競争が激化する中、取る人に漏れがあるのではないかと見直し、05年度からB方式を導入した。高校の評定平均値4.0以上という基準をなくして色々な人が来るようになったこともあり、学業がずばぬけてよくてSFCでやりたいことが明確な人も取ろうと。
――AO対策に力を入れている予備校もあります。AOの性質と相いれないという声もありますが、影響は出ていませんか。
阿川 指導を受けた子も本来の自分が持っているものを出さないとなかなか通らない。私たちもその子が本来持っているポテンシャルをちゃんと見てあげたい。教員がわりと一生懸命やってくれるのは、面接する中で感動や驚き、あきれなどを一日のうちに何度も感じられるからだと思う。ペーパーに書かせて採点するのとは全然違う。顔の見える入試であり、それだけでも続ける価値はある。
――一部の国立大で廃止の動きが出ています。
阿川 慶応やSFCがユニークな大学であるということは守りたいと思っているから、他大学が全部やめようと関係ない。
徳田 法人化で本来個性を持つべき国立大が横並びでやめていったとしたら、全然法人化できていないことになるし、我々にとっては有利だ。
――学力低下の一因という声も上がる中、AOと推薦入試に対する学力検査などの導入案が、中央教育審議会で検討されています。
徳田 大学機関が金太郎あめのような人を次々と出したいのか、一人ひとり個性豊かな人を出したいのか。それは、どういう人を育てたいかというキャンパスの個性だと思う。ゆとり教育と同様、揺れる問題になるだろうが、試験の導入はAOのもともとのエッセンスをかなり逸脱する。
・歌舞伎AO、ダムAO…
AO入試で総合政策学部に合格し、転部して環境情報学部を02年に卒業した中沢久美さん(現・NPOカタリバ代表)の話
受験の時は慶応を含めて4大学のAOを受けましたが、当時の慶応は面接が40分近くあり、質問も厳しかった。でも、一人の受験生にこんなに長い時間、3人もの先生方が向き合ってくれる大学ってどんな所なんだろうと、かえって思いが強くなりました。 入学してみてもAOで入った先輩は面白かった。何かのリーダーだったりプロジェクトをやっていたり。「AO生がSFCの文化をつくっている」と感じました。学内ではAOで入ったとわかると、「何AO?」というのが合言葉のようになっていました。どういう活動を評価されて入ったかという意味で、歌舞伎AOとか野球AOとか。私は面接の時、地元岐阜のダム開発問題について主張したので、ダムAOです。 AOは、志望書を作る時とかすごく考えないといけないし、自分を振り返るいい機会になると思います。
・SFCのAO入試 「問題発見解決型」「創造性開発型」の教育を掲げるSFCの総合政策、環境情報両学部は、90年度の設立時からAO入試を実施。定員は100人ずつ(一般入試は275人ずつ)で、基本的に書類審査と面接で選ぶ。 以前は高校の各教科の評定平均値4.0以上を基準としていたが、1999年度にやめた。2005年度に評定平均値4.5以上と学業成績を重視するB方式を新設し、従来の選抜法をA方式とした。08年度にはコンテストの入賞者らを対象に書類審査を免除するC方式を加えた。A方式の面接は25分間で、うち7分間はプレゼンテーションをすることも可。 同大の追跡調査では、両学部にAOで入った学生の成績の平均値は、他の方法で入った学生より05年まで一貫して高かった。 AOが学力低下の一因という指摘もあり、中央教育審議会(文部科学相の諮問機関)の作業部会はAOと推薦入試に対する学力検査などの導入案をまとめた。
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登録日:2008年 03月 18日 23:30:27
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- プロフィール
- 上山信一
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- 慶應義塾大学総合政策学部教授、改革コンサルタント。専門は大企業・行政・NPO等の経営刷新。近年は地域再生も手がける。大学では「経営戦略」「公共政策」等を教える。旧運輸省、マッキンゼー共同経営者等を経て現職。大阪市生まれ。50歳。中央省庁・自治体の各種委員、企業顧問等を兼務。京大法、米プリンストン大修士。趣味は登山、鉄道、料理。メール:ueyama@pm-forum.org
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