●大阪府下22市町村長への疑問

 予算カットを主張する橋下知事の懇願に反発する大阪府下の市町村長たちへの批判が集まっている。だが、市町村長の主張は一様ではない。もうすこし冷静に論点と主張を整理する必要があるのではないか。総論反対で始まった折衝だが、各論賛成という出口を期待したい。
 さて市町村側の懇願には大きく分けて4種類ある。
タイプ1、21年度からなら予算廃止、削減を考えるが20年度のいきなりの強要はやめてくれという懇願・・これはある程度理解できる。府からの補助金で外郭団体の人を雇っている場合などは確かに困るだろう。「執行猶予」の懇願である。しかし、懇願だけではだめで21年度から確実にこうする、といった具体案や代案を出すべきだ。
2、単に弱者いじめはやめろ、セーフティネットだから切るなといった懇願・・気持ちはわかる。だが原資がない。他府県にはないような過剰サービスも多い。見直しを弱者いじめと一律に批判するのは無理がある。かりそめにも市町村長の経営者なのだから単に反対というのでは無責任である。代替政策を考えるとか、あるいは自ら独自の財源を作り出す。それこそ20年度だけ職員人件費に切り込み、弱者対策をするといった覚悟がほしい(一部の実施は21年度としてもである)
3、府主導ではじめた事業だから裏切られた。困るという主張・・心情はよくわかる。しかし時代は変わった。知事が変わり、財政も危機だ。国の方針もころころ変わっている。言っても仕方がない。時代についていけない方々かもしれない。
4、府よりも先に財政再建団体になってしまうという懇願・・これは理解できるが本当にそうか、きちんとシミュレーションをして数字を市民と知事に示すべきである。

 総じて気持ちは良くわかるが、現時点では情緒的反応の域を越えない。みなさん真剣勝負である。知事をいじめたという言い方は失礼だが「反対」「反対」の大合唱は集団としての弱さを逆に全国に露呈させるばかり。いつまでもこういう姿勢では地元市民にもあいそをつかされる。そもそも大多数の市民が橋下知事を支持しているのである。市民は改革の覚悟ができているのに市町村長はできていないという見方もできる。加えて以下のサンケイ記事。
 摂津、枚方など以下の市町村は大阪市や府で起きた裏金問題がないかどうかの点検調査をしていないそうだ。これら市町村長には、府の改革を批判する資格があるのかどうか疑わしい。

「豊能町、池田市、箕面市、茨木市、高槻市、豊中市、吹田市、摂津市、枚方市、寝屋川市、守口市、門真市、東大阪市、八尾市、羽曳野市、千早赤阪村、堺市、高石市、泉大津市、貝塚市、熊取町、泉南市」

以下、サンケイ
22市町村 裏金調査せず 自主的に確認 5市町のみ
 大阪府、大阪市などの一連の裏金問題を受けて、自主的に全庁調査を実施し、不適正な「プール金」や、業者への「預け金」などについて確認したのは、大阪市を除く府内の42市町村のうち、岸和田市や能勢町などわずか5市町にとどまっていたことが15日、産経新聞が首長らを対象に実施したアンケートでわかった。13市町が今回のアンケートを受けて調査を実施、あるいは実施予定とし、内部の不祥事をきっかけに独自調査を行った2市を除く22市町村は調査さえ行わないまま、「裏金問題はない」と回答した。大阪市の裏金問題では、市が実施した公金外現金などの会計処理状況の調査や、法令順守制度の整備が、問題発覚の契機となっている。調査も行わずに「裏金はない」と断言する市町村長の姿勢は、説明責任能力や規範意識の点で疑問視されそうだ。アンケートは3月、府内42市町村の首長を対象に実施。その結果、箕面市や豊能町など、少なくとも7市町で過去に不適切な「プール金」や職員の私的流用など会計処理上の不祥事が起きていることが判明した。そのうち河南町では、隣町の不祥事を受けて今年2月に自主的に全庁調査を行った結果、同町が管理する商工会支部の預金口座から、職員が230万円を着服していた事案が発覚。摂津市では福祉団体の会費をめぐり管理の甘さが問題になり、是正措置を取っていた。

 また、今回のアンケートを受けて、12市町が全庁調査を実施、交野市は4月中の調査を予定していると回答した。一方、22市町村は全庁調査さえ行わず、「過去、現在にもわたって裏金問題はない」などと答えた。調査しなかった理由について、「会議で周知しており、特に必要ない」(泉南市)、「定期的に人事異動を行っており、職員は十分違法性を認識している」(吹田市)―などと回答した。過去4回にわたって、不適正な会計処理が問題になった豊能町も、「改善措置を取ったのちに問題は発覚していない」などとし、改めての調査は実施しないとしている。     
大阪府内の自治体で裏金調査を行ったかどうかは以下の通り。

【調査せず】豊能町、池田市、箕面市、茨木市、高槻市、豊中市、吹田市、摂津市、枚方市、寝屋川市、守口市、門真市、東大阪市、八尾市、羽曳野市、千早赤阪村、堺市、高石市、泉大津市、貝塚市、熊取町、泉南市
【アンケート受け調査】大東市、柏原市、松原市、藤井寺市、太子町、富田林市、大阪狭山市、河内長野市、和泉市、忠岡町、田尻町、阪南市、交野市(予定)
【内部不祥事で調査】四條畷市、泉佐野市
【府で発覚時に調査】能勢町、島本町
【その他の理由で調査】河南町、岸和田市、岬町

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登録日:2008年 04月 15日 23:54:34

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プロフィール
上山信一
(男)
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慶應義塾大学総合政策学部教授、改革コンサルタント。専門は大企業・行政・NPO等の経営刷新。近年は地域再生も手がける。大学では「経営戦略」「公共政策」等を教える。旧運輸省、マッキンゼー共同経営者等を経て現職。大阪市生まれ。50歳。中央省庁・自治体の各種委員、企業顧問等を兼務。京大法、米プリンストン大修士。趣味は登山、鉄道、料理。メール:ueyama@pm-forum.org
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