●ミュージアムの指定管理者制度はケースバイケース

以下は日経新聞から抜粋引用。
私のコメントもある。要は都市部での指定管理者制度は、プールやホールには向いても、コレクションや企画に精通したスタッフを自前で維持すべき美術館・博物館・動物園などには向かないことが多い。こういう施設は民営化はありえないし、さりとて直営は非効率。独立行政法人という選択肢や財団による運営がおそらく正解(その際には、天下り理事会の整理、民間人によるガバナンス改革、労使関係の正常化が大前提だが)。
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「公立ミュージアム 指定管理見直し 最適な運営探る。地域の特性や規模に対応」

公立の美術館・博物館に指定管理者制度が導入されて三年。運用を見直す動きが全国の自治体に広がり始めた。廃止や変更に踏み切る事例が相次いでいるほか,独立行政法人化といった代替方式を模索するケースも現れた。ミュージアムに最適な運営方法が改めて問われている。
・・・北海道伊達市に立つ市立宮尾登美子文学記念館。市は地元のNPO法人,だて観光協会を指定管理者に選び,運営を任せてきたが,今年度から直営に切り替えた。
 理由は,館の設置目的を従来の観光客誘致から,市民のための文化施設へと大きく変換したためだ。「市全体で文化を柱にした街づくりを進めたい。その拠点となる施設は直営が望ましいと判断した」と山崎博司・商工観光水産課長は言う。・・・市は館の位置づけ自体が誤っていたとして,管轄を観光担当の経済環境部から教育委員会に移管。同委員会の組織で市の文化事業を担う噴火湾文化研究所に委ねた。大島直行所長は「本当の意味の文学館を目指し,十年,二十年先を見据えた企画に取り組む」と話す。
・・・昨年,文化庁の調査によれば,回答した公立館550のうち,全体の17%にあたる93館が(指定管理者制度を)導入していた。
 その一方,運営主体を数年ごとに選び直す仕組みは,継続的な研究や企画,人材育成を必要とする美術館・博物館にはなじまないという主張も以前からある。・・・栃木県足利市は・・・来年度の管理者更新を機に,直営に戻すことを決めた。・・・「継続して運営できる保証がなければ市民の信頼は得にくくなる。作品寄贈や寄託が減る恐れを感じていた」と足利市立美術館の吉田哲也館長は語る。長野県も06年度から長野県信濃美術館に(指定管理者制度を)導入してきたが,来年度の管理者更新期には業者を公募しないことにした。当面は,現在の県文化振興事業団を管理者に指定し続ける方針だ。
・・・慶応大学の上山信一教授は「運営形態は各自治体が地域や施設の特性,規模などに応じて,ケース・バイ・ケースで考えるべきだ」と話す。重用なのは「優秀な人材を確保できる形態を選ぶこと」。・・・「直営に戻すから改革後退というものでもない」
 これまで自治体は施設の特性や人材確保より越すと削減効果を狙って,指定管理者制度に飛びついた側面があった。直営への揺り戻しといった“反省”を経て,個々の美術館・博物館に見合う運営方式を選ぶ機運が生まれてきたともいえる。・・・・・(文化部 小川敦生,白木緑,舘野真治)

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登録日:2008年 07月 23日 00:49:22

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プロフィール
上山信一
(男)
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慶應義塾大学総合政策学部教授、改革コンサルタント。専門は大企業・行政・NPO等の経営刷新。近年は地域再生も手がける。大学では「経営戦略」「公共政策」等を教える。旧運輸省、マッキンゼー共同経営者等を経て現職。大阪市生まれ。50歳。中央省庁・自治体の各種委員、企業顧問等を兼務。京大法、米プリンストン大修士。趣味は登山、鉄道、料理。メール:ueyama@pm-forum.org
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