●再び、大阪市バスの会計粉飾問題

以下はサンケイ
 70歳以上の大阪市民を対象に、市営地下鉄と市営バスが無料になる「敬老優待パス」を導入している大阪市交通局が「高齢者はほとんどバスしか使わない」という根拠のない利用予測をもとに、36年間にわたり計1335億円の交付金をバス事業に優先的に振り分けていたことが21日、わかった。実際には地下鉄利用が65%に上り、単純計算で800億円以上余分に補填(ほてん)。平成21年度から見直す予定だが、バス事業の赤字を低く見せかけるための“ごまかし”ともとれる対応に、市議からは「長年、市民をだまし続けてきたようなものだ」との批判が出ている。市は昭和47年から敬老パスを導入している。地下鉄事業とバス事業は別会計になっており、市は一般会計から敬老パスにかかる費用を交付金としてそれぞれに支出している。平成19年度までに計1472億円が交付され、うち1335億円をバス事業に繰り入れた。

 ただ交付金の配分は、昭和40年代の利用予測をもとに決められた「バス利用90%、地下鉄利用10%」との基準が適用され続けていたうえ、実態調査も行われていなかった。

 しかし、平成19年から進められた敬老パスのIC化で、実際は地下鉄利用が65%、バス利用は35%で利用予測とかけ離れていたことが判明。この割合を交付総額に単純に当てはめると、バス事業への交付金は本来は515億円にとどまり、市は820億円を余分に補填したことになる。

 市幹部は「交通局の担当者は敬老パス交付金の配分のおかしさに気付いていたはずだ。バスの赤字の深刻さを過剰な補填でごまかし続けてきたといわれても仕方がない」と述べる。

 バス事業は556億円(19年度)の累積赤字を抱えながら、年収1300万円以上のバス運転手がいたことや余剰人員が表面化。民間委託が進む一方で正規採用の運転手と嘱託運転手とで2倍前後の賃金格差が出ていることが問題になっている。

 市交通局幹部は「地域団体や地元市議らからの強い要望を受け採算度外視のコースを走るバス路線も1本や2本ではない。おかしいと思ってもなかなか見直せない」とも明かす。

 市交通局は21年度から実績に従って配分を決める方針で、バス事業への交付金は今年度から40億円近く削減される見通し。これを受け市交通局は、バス事業の経営健全化団体への転落を回避するため、地下鉄事業から20、21年度だけで106億円の財政支援を行う方針という。

 市交通局は「改革が遅れているという指摘は重く受け止める。21年度にはバス路線の抜本見直しも含めた改革を予定しており、財政支援をなんとか認めてもらいたい」としている。

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登録日:2009年 02月 22日 10:32:26

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プロフィール
上山信一
(男)
慶應大学総合政策学部教授。大阪市生まれ54歳。専門は企業・行政機関の経営戦略と組織改革。都市・地域再生も手がける。旧運輸省、マッキンゼー共同経営者等を経て現職。国交省政策評価会(座長)、大阪府と大阪市の特別顧問、新潟市都市政策研究所長、日本公共政策学会理事、各種企業・行政機関の顧問や委員等を兼務。府立豊中高、京大法、米プリンストン大学修士。著作等 ツイッター@ShinichiUeyama
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