カテゴリー [大阪市改革]

●大阪市議会、情報公開の遅れが歴然

以下は日経。情報公開についていえば大阪市役所の成績が良い。関改革の成果だ。最近の不祥事の続出も関改革の時代に作り上げた情報公開の仕組み(議会をのぞく)が機能しているからこそ。ところでこれは関前市長が残してくれた遺産でしかない。
 今の大阪市役所についていえば、改革が前に進んでいるとはいえない。だが大きく後退もしていない。関時代に改革を後退させられないシステムがビルトイン済みである。停滞もしくは漂流。その最大の理由は大阪市特有の政治構造だ。特に大阪市議会は地下鉄民営化、水道の府市統合などの本質課題をおそらく自力では解決できない。大阪市は今の政治・選挙区構造のままでは大きくは変われない。3セク破綻による財政再生団体への転落、あるいは道州制もにらんだ府や国の手による制度改革のいずれかを経るしかないだろう。

<データ読解>大阪府28位、奈良県は44位――自治体の情報公開度
橋下徹知事の就任で、予算編成の過程など様々な情報公開が動き出した大阪府。テレビや新聞のニュースを見て「自分の住む自治体の透明度は?」と思う人も少なくないはず。近畿2府4県と4政令指定都市の実態はどうなのか。全国市民オンブズマン連絡会議(名古屋市)が3月に発表した「情報公開度ランキング」をひもといた。 「知事部局」「議会」「警察」の3つを合わせた総合ランキングでは、2府4県は全都道府県の中で「並かそれ以下」のグループでいまひとつ。一番いい和歌山県でも16位。滋賀県、京都府が19位で続く。調査時点が橋下知事の就任前だった大阪府は28位。奈良県は最下位に近い44位と低迷する。
 大半は「知事部局」のランクはもう少し高いものの、奈良県が「議会」部門で、兵庫県が「警察」部門で全国最低の47位となるなど、ほかの部門の影響でランクが下がった。奈良県議会は政務調査費や議会運営委員会、兵庫県警は再就職情報の審査項目で得点が低かった。 一方、政令市の総合ランキングを見ると、近畿では大阪市の4位が最高。京都市8位、神戸市15位、堺市16位といずれも不本意な結果になった。実は5つある審査項目のうち大阪市は「交際費」「再就職情報」「予算編成スケジュール」の3部門で全政令市中でトップ。不祥事が続き、改革も停滞しているイメージがあり、意外な感じを受ける。むしろ足を引っ張ったのが「議会の政務調査費」(全国7位)と「議会運営委員会」(17位)の透明度の低さ。市議会改革も必要なようだ。地方分権の必要がいわれる中、「今後、自治体の財政や政策の中身が妥当か、市民がチェックすることが重要になる」と同会議の大河内憲司代表幹事は指摘する。情報公開はその大前提だけに、知事や市長らトップの姿勢が問われる

カテゴリー[ 大阪市改革 ], コメント[0], トラックバック[0]
登録日:2008年 05月 04日 05:37:15

●大阪市役所、改革よりも賃上げ

以下は読売、続いて毎日。大阪市は財政危機と裏金疑惑の中で賃上げ、挙句の果てにマニフェストの削減目標は達成困難といいだした。マニフェストでは早期退職金の原資も織り込んで目標設定はしたはずである。今になってそれを理由に「できません」というのは詭弁である。賃下げをしてでも目標達成すべきではないか。
□以下読売
大阪市の杉本佳英・市政改革室長は21日の市議会で、2006年度から5年間で人件費など経常経費の900億円カットを掲げた市政改革マニフェストについて、退職金の負担増を理由に「期限内に目標達成は困難」との認識を示した。改革の現場責任者が、マニフェストの実現に否定的な見解を示すのは初めて。マニフェストは、関淳一前市長時代の06年2月に策定され、昨年11月の市長選で関氏を破って初当選した平松邦夫市長も踏襲することを表明。10年度までに▽公共事業など投資的経費1100億円▽特別会計繰出金250億円――を減額し、計2250億円を歳出削減するとしている。この日の市議会市政改革特別委員会で、杉本室長はマニフェストの実現について「かなりハードルが高い」と言及。その理由について、「08年度までに、投資的経費は目標の92%、特別会計繰出金は同127%をカットしたが、人件費が約6割を占める経常経費の達成率は48%で、予想以上の早期退職者があり、退職金が急増したため」と説明している。
□以下は毎日新聞
大阪市長:日当、首相並み 出張でも厚遇、「府内・公用車」も支給
 大阪市が職員の出張時に支払っている日当が他都市より高く、市長は首相と同額になっていることが分かった。06年度の総額が約3715万円に上っていることも判明。日当を巡っては、財政難や公費支出の透明化の観点から大阪府が99年度に府内出張で廃止、神奈川県が01年度に全廃するなど各地で見直しが進んでいるが、財政難の同市は05年に職員厚遇が問題化した際も議論の対象になっていなかった。日当は出張旅費について定めた条例などに基づき、多くの自治体で交通費とは別に支給。出張先で必要となる通信費や移動費などに充てるのが目的だが、定額になっている。大阪市では市長は3800円で、首相や最高裁長官と同額。副市長などは3300円で大臣と同じ、局長級は3000円で中央省庁の事務次官や局長などと同格との位置づけになっている。大阪府知事は3000円、神戸市長は2800円、京都市長は2300円で、大阪市の厚遇ぶりが際立っている。さらに、大阪市では大阪府内や近隣地でも市外に出た場合は定額の2分の1を支給しているほか、その際の移動に公用車を利用しても4分の1に当たる950~575円を払っている。4分の1支給は大阪市独自の制度といい、水道局2443件▽健康福祉局616件▽建設局367件--など7局で100件以上あった一方で、14局では10件未満と局によって大きな差が見られた。水道局は「大半が市外の料金滞納者への徴収業務」としている。神戸市は「交通の便がよくなり、市民目線では理解が得られない」として03年度から鉄道で往復400キロ未満の出張について日当を廃止、京都市は04年度に額を1000円減らしている。一方、大阪市の現行制度は国に合わせて90年度に改定されたままという

カテゴリー[ 大阪市改革 ], コメント[0], トラックバック[0]
登録日:2008年 04月 22日 06:29:39

●地味だけど着実な努力:大阪市教育委員会

以下は大阪日日新聞。識者も交えた教育論が盛んだが、「事件は現場でおきている」。教育は教室で教師がやっている。教師を支援する体制作りこそが行政の責任である。大阪市の市政改革でも67事業の経営分析の中で唯一、義務教育は特別扱いとした。現場の教師の評価や管理の強化、合理化よりも、彼らをいかに支援すべきかを考えた。支援策の第一が「モンスターペアレント」の存在を世に知らせ、教師を支援する体制とマニュアルを作成することだった。
ーーー
「保護者の苦情」対応マニュアル 教職員向けに作成
大阪市教育委員会は、学校への行き過ぎた要求や苦情を突き付ける保護者「モンスターペアレント」への対応をまとめた教職員用のマニュアルを十日、作成したと発表した。具体的な事例などでポイントを解説。市立小中学校四百二十九校の全教員に配布するなどし、学校と保護者らの良好な信頼関係に結び付けたい考えだ。対応マニュアルは、教育現場が保護者らの要望などの対応に苦慮していることが、校長へのアンケートなどによって判明したことを受け、学校への無理難題要求の問題に詳しい小野田正利・大阪大大学院教授の協力で作成した。対応のポイントとして▽訴えの内容を丁寧に聞き取る初期対応▽担任や子どもから複数で聞き取り、記録を残す事実確認▽管理職を中心に対策チームを立ち上げるなどの組織的な対応▽教育委員会ら関係機関との有機的な連携-の四点を提示。また、保護者が担任を辞めさせるよう求めた苦情への対応例など十二事例を挙げ、具体的に対応手順を解説している。市立小中学校の全教員をはじめ、幼稚園や高校などには各校一部ずつ配布。今後は教員の研修会などで使い、各学校の実情に応じたマニュアル作りの参考にするという。

カテゴリー[ 大阪市改革 ], コメント[0], トラックバック[0]
登録日:2008年 04月 12日 04:20:09

●秩序崩壊寸前?大阪市環境局

以下は読売。環境局は以前から問題の多い局だった。市役所全体の士気のバロメーター的存在である。そこで急速にたがが緩んできている。合計367件もの不正支給が「単なるミス、悪質性は低い」と言い放つ?いったい誰が信じるだろうか?1年前なら全件徹底調査し、情報公開したはずだ。関係者の処分も徹底を極めた。裏金調査といい、これといい全くおざなりではないか?ここまで堕ちると心配なのが市民を巻き込んだ事故である。市政改革以前に頻発していた事故がまた増えてくるはずだ。それだけは避けてほしいと祈るのみである。
 さてこの記事がもし真実だとすれば「うそつき大阪市役所」が完全に復活しつつあることを物語る。組織は恐ろしい生き物である。わずか数ヶ月でここまで堕落する・・。これからいったいどこまで堕ちるのだろう?幸いというか、怖いことに経営が緩んでも過去3年間に2重、3重に打ち込んだ監視システムは自動存続する。なぜならこういう事態を想定して随所に楔を打ち込んであるからだ。今後、数年間、大阪市役所は不正事例をひたすら露呈し続けるだろう。しかし、これだけあきれた話が毎日続くと市民もマスコミももはや驚かない。ある種の異常感覚に陥りつつあるのではないか?
ーーーーーー
不適切手当 100万円…市環境局、関係者処分へ
 大阪市環境局が職員に支払った超過勤務手当や夜間勤務手当のうち、公休を取った職員に支給するなどの不適切なケースが2004年11月~今年2月に367件、計約100万円にのぼることが、同局の調査でわかった。「ほとんどは事務担当者の記載ミスで、悪質性は低い」としているが、市は職員に返還させ、関係した職員を処分する方針。全庁的なカラ残業が発覚した04年11月以降について全職員約3600人への手当の支給実態を調査。支給の手続き書類と職員の出勤簿を照合した結果、公休を取った職員に手当を支給したり、手当を二重支給したりしたケースが発覚した。こうした不適切な支給は超過勤務手当で217件(約71万円)、夜間勤務手当で109件(約20万円)、特殊勤務手当で41件(約4万円)にのぼった。同局によると、勤務するごとに手続き書類を作成しなければならないのに、各事業所の担当者が月末にまとめて処理したため、ミスが生じたという。(2008年4月4日 読売新聞)

カテゴリー[ 大阪市改革 ], コメント[0], トラックバック[0]
登録日:2008年 04月 08日 00:02:44

●市長と市議会の英断(大阪市)

以下は朝日新聞。
チェックオフ制度のおかしさは3年前の職員アンケートで多数の職員が指摘していた。半強制的な天引き制度は労使関係の正常化をはかる上でぜひ見直すべきと私も主張した。だが当時は廃止の手段が思い浮かばなかった。今回は政治の力を痛感した、脱帽である。
 平松市長はたいへんバランスのとれた賢明な判断をされた。さすが市民派市長である。条例改正を提案した自民、公明、そしてあえて反論しない民主も立派である。党利党略や政治的思惑ばかりが喧伝されるがもともと組合費を天引きするという制度がおかしい。源泉徴収ですら納税者意識を阻害すると批判される時代だ。自分の給与は自分で使い道を決めるべきだ。今回の措置は単なる正常化でしかなく、遅きに失したとすらいえるのではないか。
 ちなみに制度の見直しは労組が自らのあり方を見直すよい機会になるだろう。抜本的な経営改革は市役所だけでなく労組にも必要なのではないか?
ーーーーーーーーーーーーーーー
平松市長、苦渋の決断 チェックオフ09年度廃止を表明 2008年04月01日

 大阪市の平松邦夫市長は1日記者会見し、市職員の労働組合費を給与から天引きするチェックオフ制度を廃止する条例改正案を可決した市議会に対し、再議を求めない考えを正式に表明した。自民、公明両党が多数を占める議会との関係を重視した市長の判断で、制度は09年度から廃止されることが確定した。制度廃止は団結権侵害との指摘もあり、昨年の市長選で平松市長を支援した市労働組合連合会(市労連)は反発を強めている。
 「市民生活に直結しない問題であり、再議権を行使することで、ほかの重要課題の推進に混乱をまねくことは私の望むところではない」。平松市長は記者会見で再議を求めない理由をこう説明した。 条例改正案は3月28日、市議会の多数野党の自民、公明両党の賛成多数で可決。地方自治法の規定では、市長の再議要請で条例改正案を再度可決するためには出席議員の3分の2の賛成が必要だ。 自公だけでは届かないため、民主党や市労連の支援を受ける平松市長がチェックオフ制度を維持することは可能だった。だが、ここで再議にかければ「自公と全面対決になる」(市幹部)。平松市長は円滑な議会運営を優先したというわけだ。

 少数与党の民主党にとっても難しい選択だった。市労連は4年前に大阪市を揺るがした一連の職員厚遇問題や、勤務時間中に組合活動をする「ヤミ専従」などの元凶と名指しされた経緯もあるからだ。 「最悪のシナリオは市長不信任で辞職に追い込まれ、再選挙で『労組の肩を持った市長と民主』のレッテルを張られることだ。平松市長は苦しい選挙を戦ってやっと誕生させた。そこまではしたくない」(民主党市議)という判断も働いた。 平松市長は1日、周囲に苦しい胸の内を明かした。「やっとの思いで新年度予算を通した。ここでけつまずくわけにはいかない」 実際、平松市長の議会運営は厳しい局面が続いている。3月市議会では自公の反対にあい、3人目の副市長人事を議会に諮ることを断念したばかり。ある自民市議は「再議に持ち込んでいたら、5月議会で副市長候補にだれを持ってきても通さなかった」。 別の自民ベテラン市議も「実際に再議にかければ、3分の2の賛成を取るのは難しかったと思う。結果的にチェックオフ制度廃止は、平松市長が野党に歩み寄るかどうかを試す『踏み絵』の形になった」と満足げだ。
 一方、再議権を行使するよう要請していた市労連は、平松市長の決定について「組合費が天引きでなくなると負担感が倍増する。未払いや脱退する組合員が増え、組織が弱体化する」(幹部)と困惑を隠さない。昨年11月の市長選では平松市長を支援しただけに、「残り3年半の任期で自公と仲良くやろうという考えが勝ったのなら、政治家として失格だ」(幹部)と不信感も強めている。 市労連は9割超の組織率を誇り、加入職員は約3万4350人。チェックオフ制度は加入職員の95%程度が利用しているとみられる。06年度は計約21億2800万円を集めた。このうち、条例改正の影響を受けるのは市職員労働組合(市職)加盟の1万3500人で、市労連の約3分の1にあたる。今年2月だけで、市職が集めた組合費は計約6500万円だった。

カテゴリー[ 大阪市改革 ], コメント[0], トラックバック[0]
登録日:2008年 04月 02日 11:41:19

●サンケイのインタビュー:大阪府・市改革の展望

以下はサンケイ。

上山信一慶大教授に聞く 大阪府市改革の現状と展望

 橋下徹知事に請われ、4月から府特別顧問となる上山信一慶応大教授(50)。大阪市の市政改革推進会議委員長を3月まで務め、徹底したデータ比較と、歯にきぬ着せぬ発言で市政改革をリードした。時には急進的ともとれる提言を、米国でも仕事をしていた経歴をもじって「アメリカ人」とも評された上山教授に、府市の改革の現状と展望を聞いた。

--知事はいきなり1100億円の経費削減を掲げたが

「府の財政規模で1100億円は驚くほどの額ではない。人件費の1割カットなどで出てくる数字。補助金もなくてもいいようなものがけっこうある。一気に目標を出して後は痛み分けというやり方以外にないと、私も思う。ただし補助金と人件費だけでなく建設費や貸付金も見直すべき。橋下知事が施設や人事制度の見直しなど色々な材料を出してくるタイミングはすごくいい。発言には『不発弾』もあるが、学習のプロセスと考えたらいい」

 --府の特別顧問としてはどのような仕事を

「不祥事の調査で民間を代表して入った大阪市とは状況が違う。知事を補佐する改革の顧問なので『この予算を削れ』とかいう権限も基準もない。(漫才で言えば)橋下さんはウルトラ・ツッコミ。私は大阪市ではツッコミ役だったが、府では『そんなに急いで大丈夫か』というボケ役にもならなくてはならない」

--市の改革について

「職員厚遇問題に始まって、市政改革、地下鉄民営化論にまで改革の風呂敷を広げていけたのはひとつの成果。当時の大平光代助役や関淳一市長と、やらなくてはならないと言っていたことが2年半でかなりできた。不祥事から出発したからこそ、外部の人間が入って、白黒をはっきりさせ、リアルタイムの劇場型改革ができた。“外の人第1号”として、大平さんがいたことが非常に大きい。大平さんに自由にさせた関さんもすごい。本質的な提言を出されていた本間正明阪大教授(当時)を、ご本人にとっては不本意な形で市がやめさせたことも大きい。おかげで市は私をやめさせにくくなった。本間先生には期せずして改革の人柱になっていただいた」

--改革の将来像は?

「市政改革推進会議では、公開の場で、身の丈改革を越えたところまで議論できた。得た結論は3つ。府市連携をしないと答えが出ない事業がいくつかあり、その典型が水道だということ。また都市の構造を変えていくためには、地下鉄の民営化が必須。そして、現在24ある区は、10区ぐらいでいいということだ」

--平松邦夫市長の就任で、大阪市営地下鉄の民営化は取り下げられた

「今は自活する能力がある息子(地下鉄)が、いつまでも何となく親(市)のすねかじりをしている状態。親が倒れたらどうするのか。鉄道にとって将来への投資は非常に大切だが、市営地下鉄は、余剰人員の雇用と高賃金を維持するため投資を絞り、安全を犠牲にしてまで利益を出す領域に入りつつある。東京なら当然の相互乗り入れも限定的だ。ニューヨークのように24時間運転をしてもいいのに、公営企業では労組との協議が必要で終電も遅くできない。余剰人員、過剰賃金の問題も民営化しないと解決は不可能だ」

--平松市長に望むことは

「バス事業の赤字を、地下鉄事業の黒字で補填(ほてん)するのは粉飾会計だ。平松政権の最大のミスといってもいい。バスは福祉という位置づけで赤字補填するなら、一般会計から入れるべき。地下鉄は帳簿上は黒字に見えるが巨額の借金を返すめどがたたない。借金への認識が甘すぎる。市長自身は情報公開や裏金問題などいろいろがんばっている。しかし経営感覚を発揮されているかどうかは疑問だ。市役所自体の経営感覚がにぶいので、民間から来た人はもっと鋭敏になっていい」

--府市連携について

「府市連携は、『大阪都構想』など長い歴史がある。一番難しいのは府市合併で、その次に難しいのが二重行政の解消。一番難しいところから議論したのが、府市連携の歴史の不幸なところ。企業がM&A(合併・買収)をやるときでも、いきなり合併なんて話から入らない。まずは業務の提携から始めるべきだ」

--水道事業の統合を巡る府市の議論について

「水道事業については今回、いきなり組織統合を持ち出した府の出し方がまずかった。まず、余った水を市が府に融通し、今後の設備更新の計画を見せ合って一緒にやる。そこから始めるべき。次の段階で、それぞれ水道部門を別法人にして外に出し、合併するということにしなければ話がまとまらない」

--大阪の行政の現状についてどう考える

 「東京がまだまともで大阪がダメな理由の1つは、府と市という役所が2つあるから。経済規模が3分の1で役所が2つでは、パワーは6分の1になる。地域が衰退するのは当たり前。私も大阪人の端くれで実に歯がゆい思いだ」

【うえやま・しんいち】 昭和32年大阪市生まれ。京都大法学部卒、米プリンストン大院修了(公共経営学修士)。運輸省(現国土交通省)、米コンサルタント会社、米ジョージタウン大学研究教授を経て平成15年から現職。18年3月~20年3月まで大阪市市政改革推進会議委員長。

カテゴリー[ 大阪市改革 ], コメント[0], トラックバック[0]
登録日:2008年 03月 28日 23:37:54

●区役所に市民参加(東成区)

以下はサンケイ。
裏金問題で信頼喪失の大阪市役所だが、多くは昔の話が今になって発覚したもの。今の現場職員のなかにはがんばっている方も多い。市長も各区長もそうした動きを支持してみんなでがんばっている。ささやかだが以下のような動きが人を変えていく。
ーーーーー
 まるで森の中-。大阪市の東成区役所内に、市民が作り上げたコミュニケーションスペースが23日にオープンした。行政主導を改め、内装やレイアウトに企画段階から区民が参加。市民の目線から空間づくりを目指し、「窮屈」「硬い」といったお役所のイメージから脱却するのがねらいだ。庁舎内1階の約200平方メートルを活用。区内で活動する個人やグループの交流拠点を目指して、情報発信のチラシやパンフレットが並んだ情報コーナーを設置。イベント開催も可能でスタッフが常駐する。憩いの場としても開放し、イスやテーブルを置いて訪れた人がふらりと立ち寄って休憩することも可能だ。驚きは「森」をイメージした部屋の内装。柱(直径1・2メートル)は杉板で囲み、樹齢100年を彷彿(ほうふつ)とさせる大木に変身。窓は木の葉のステンドグラスを採用し、やわらかい光が差し込む。名前は公募で「ふれ愛パンジー」に決まっている。市の区政改革の一環で、区役所は昨年7月、公募で「参画協働センターをいっしょにつくろう会」を発足。約20人が月2回会議を重ね「パソコンは置いたほうがいいか」「内装の雰囲気はどうするか」「利用のルールは」などを決めてきた。区役所の市民参画担当は「初めは市民の方にどこまで任せたらいいか分からなかったが、会議を重ねるごとに熱意と行動力を感じ、黒子に徹することに務めた」と説明する。大阪市では、本庁の窓口的な位置づけだった区役所を、市民ニーズを吸い上げる機関にするために、平成19年3月から区政改革をスタート。今回は市民参加のモデルケースと注目を集めている。参加した市民の一人、会社員の板垣理恵子さん(52)は「市民と職員が普通にあいさつできる関係になれば、職員にも市民の税金を無駄なく使おうという気持ちになり、裏金問題などは生まれない。今回のセンターのオープンは区役所と市民をつなぐきっかけになればと思います」と話す。今後の運営も市民が中心となる予定で、つくろう会の座長の上小牧秀彦さん(43)は「話し合いのイメージに近い空間ができました。今後も利用者が意見を出し合って変えていきたい」としている。

カテゴリー[ 大阪市改革 ], コメント[0], トラックバック[0]
登録日:2008年 03月 25日 23:05:15

●「大阪市改革」、調査報道

以下はサンケイの調査報道記事。
「大阪改革」はどこへ 平松市長、「顔の見えない」就任3カ月

 平松邦夫市長が大阪市長に就任し、19日で3カ月。当初予算を審議する市議会の論戦も山場を越えつつあるが、少数与党の平松市長は、独自色を極力抑えた「守り」に徹している。選挙期間中から、前任者の行財政改革について「改革は続けるが必要なものは見直す」と主張してきたが、現在の守りの姿勢には庁内から「反発を招いてでも、長期的な視野に立って推し進めていくような改革は望めない」と、改革の減速を懸念する声が強まっている。
・甘い経営計画
 「こんな計画を平気で出してくるなんて、どういうつもりや」前任の関淳一市長のもとで市政改革を担ってきた担当者は、平松市長の就任後に民営化の話が取り消された市営地下鉄事業について、市交通局が市議会直前に示した中期経営計画に不快感を隠さなかった。提示された計画からは、これまで検討していた人員削減目標などがなくなっていた。それどころか新規採用も見込んだ平成23年度の人件費は、19年度から3億円以上増え545億円になるという内容だ。
 また21年度以降の3カ年で地下鉄事業から計221億円を赤字のバス事業に投入するが、前提になっていたバス路線見直しや全職員対象の3~10%の給与カットも触れてはいなかった。「改革派といわれ民営化を前提に改革を進めようとしてきた職員が、(市長という後ろ盾を失って)急速に力を失ったのだろう」と、自民市議は分析する
・懸案は山積
 大阪市は、関前市長が作成した現行の市政改革マニフェストを達成したとしても、23年度以降財源不足に陥る。それを避ける手だては、大阪府が太田房江知事時代に使った「禁じ手」。将来の借金返済のために、積み立てた公債償還基金から借入するという、自らの足を食うやり方だ。平松市長は今議会で、基金からの借入には「極力頼らない」とする姿勢を示したが、その支えとなる解決策は示しておらず、努力目標の範囲を出ていない。そもそも現行マニフェストでさえ、経常経費の900億円削減という目標を達成するには職員の昇給停止などの政治判断を避けられないとみられるが、これに対しても具体的な意思表明はまだない。
 今後、市長が決断を迫られる場面は次々続く。来年度早々に迫る第3セクター「大阪ワールドトレードセンター」(大阪市住之江区)の最終処理案決定。さらに、次期マニフェストの策定に向けて今年の秋までに設立するとしている外部委員会の人選など。いずれもどの選択肢を選んでも反発は避けられず、一度決めた方針を貫くにはぶれない決意が必要だ。
・改革減速を懸念
 市議会で少数与党の平松市長にとって、今議会の最優先課題は「来年度予算案を通す」。そのため、会期中の同意取り付けに意欲を示していた4月以降の3人目の副市長人事の提案も見送った。ほとんどは市長就任前の問題である裏金問題でも頭を下げ続けている。各方面と衝突することを極力避けた「さざなみスタート」。その効果は「野党」からも好意的な声が聞かれるようになるなど、ないとはいえない。
 しかし、市政改革の継承を掲げながら、「振れすぎた振り子は、戻す必要がある」と常々語る平松市長が、行財政改革の新しい波をどこまで起こせるかについては、肝心の改革推進役の市幹部に懐疑的な見方が広がっている。
 ある市幹部は「平松市長は行財政改革のブレーキを踏むわけでもないけれどアクセルも踏まない。ギアをニュートラルに入れたまま、惰性運転を続けている。それでは減速は避けられない。市のような巨大な行政組織は、いったん改革の動きを止めてしまうと再スタートさせるのは本当に難しいのだが」と話している。

カテゴリー[ 大阪市改革 ], コメント[0], トラックバック[0]
登録日:2008年 03月 20日 08:37:47

●大阪市改革の経過を本で紹介しました

大阪市のこの3年間の経営改革の経過とその意義をまとめた論文を本に掲載しました。日経新聞社から今月でたばかりの「公会計改革」です。第2章に私が大阪市改革の例をもとに全国の自治体経営改革の総括をしています。第1章は東大神野先生、後半は公会計制度改革の最新動向が詳しく書いてあります。財政、行革担当の方ぜひご一読ください。

カテゴリー[ 大阪市改革 ], コメント[0], トラックバック[0]
登録日:2008年 03月 16日 21:22:37

●たいへんな仕事・・大阪市長

以下は朝日。
平松市長の赤裸々かつ率直なコメントが新聞に載った。とてもいい記事である。大阪市役所とは3年つきあった。度し難い組織だと僕もしみじみ思う。煮ても焼いてもなかなか食えない・・。しかし優秀で希望を持って意気盛んな職員も多い。メディアも、バッシングだけでなく彼らに力を発揮させる環境を作ってほしい。

 不祥事はさておき、こういう市長の赤裸々なコメントが新聞にのるのはすばらしい。残業問題をめぐる橋下知事と職員の率直なやりとりともあわせてみれば、つくづく府も市も新しい時代に入ったと思う。府も市も関・太田時代の限界、役所育ちのトップの閉塞感を突き抜けつつある。選挙、住民の直感というのはすごい。トップが民間から市役所・府庁に入ることのインパクトは予想外に大きい。
 外から入ればおかしさに気づく。気づいたことをすぐに口にして「おかしい」といえる。大阪のあけっぴろげな風土ともあわせ、これは実はよその自治体にはないすごさである。 
 大阪市は裏金、大阪府は借金がばれた。どっちも困ったものだが、「ばれた」「修正」「再発防止にトップも悩む」という姿勢はアメリカ的というか明るい。不祥事が次々出るのは全国に恥をさらしているようだが、日銀総裁人事で行き詰まる霞ヶ関・永田町、そして新銀行東京をめぐる都庁の停滞に比べるとはるかにまともな課題処理プロセスだといえる。
 それにしても平松氏はすごい。ここまで自分を飾らない、演出しない市長は珍しい。当初は既得権益に配慮風の方かと思ったが違った。事件事故をばねに大成する首長は多い。ここで踏ん張ってぜひ思う存分ご活躍いただきたいものだ。
PS
裏金や借金隠しは全国の自治体にひそかに蔓延している。それがどんどん表に出てきている大阪市や大阪府は実は「先進」なのかもしれない。
ーーーーーーーーーーー
大阪市裏金問題、幕引き見えず 平松市長「自信喪失」
2008年03月14日

 大阪市の裏金問題が泥沼の様相を見せている。2月初旬に始まった全庁調査で総額2億8千万円の裏金の存在が明らかになったが、全容解明は難しく、最終報告は先送りされたままだ。平松邦夫市長は朝日新聞のインタビューに、裏金づくりにかかわった職員の刑事告訴や国や府に裏金の一部を返還する考えも表明。一連の問題に厳しく対応する姿勢を示したが、一方で「自信喪失状態だ」と心情も吐露した。   ◇
「かかわった職員全員のクビを切れ」「薄汚い職員が薄汚い職員を調べても何も分からない」 裏金問題の調査を担当する市法務監察室には13日も、市民からの抗議や批判の電話が約20件あった。問題が大きく報道された後には数十件に達することもある。激高して訪れる市民もおり、職員は「何を言っても言い訳にとられるので平謝りするしかありません」。 こうした状況に、平松市長は朝日新聞のインタビューで「市民感情として納得できないのは当然。襟を正せという声は強い」と述べ、関係職員の刑事告訴を検討することを明かした。

 裏金づくりが横行していたのは区の選挙担当で、元をただせば選挙予算が原資だ。大阪市は昨年の参院選では国から大阪府を通じて交付金を、今年1月の大阪府知事選では府の選挙委託金をそれぞれ約5億9千万円受けている。平松市長は「不適切な使い方をしたのであれば、当然返さなければいけない」と語り、国や府に返還する意向を示した。 2月初めに東住吉区の選挙担当部局で発覚した裏金問題は、これまでに8局17区で総額約2億8120万円にのぼる。 裏金づくりの手口は大きく分けて2種類。一つは生野、平野など9区で発覚した「窓口払い」の悪用だ。職員は架空の見積書や請求書をもとに区役所などにある銀行窓口で現金を受け取り、裏金として職員名義の口座に入れたり、現金で管理したりしていた。2月26日には、市収入役室は「窓口払い」を廃止した。 もう一つは裏金を業者に管理させる「預け金」だ。取引業者に架空の請求や実際の取引より金額を上乗せした請求をさせ、差額分を業者の元で管理させる。中央、浪速など8区と6局で発覚。業者が介在し、癒着に結びつく可能性も高い。 青少年課(現・子ども青少年局青少年事業企画担当)の手口は「預け金」の中でも一歩進んでいた。契約額を他業者の見積もりと比較する必要がない10万円以下にするため、日付の違う支出決議書を二つ作成。課長らの決裁印が押され、市は「虚偽公文書作成にあたり得る」としている。
・平松市長の談話は次のとおり。
裏金問題は無くなったと思っていたが、普通のこととして存在していた。多くの部署が「手元の小口現金」と認識しており、裏金だという認識が薄い。税金を納めていた側の人間として、職員には「えっ、こんな使い方してええの」という感覚を持って欲しいと思う。虚偽公文書作成ということになれば、それなりに対応しないといけない。
情報管理という部分で市役所の中に甘さがある。最高機密に近い人事情報がすっと流れていく。私が把握する前の情報も職員から漏れる。私は聞いていないのに謝るのは私。市長の仕事は難しい。自信喪失状態に陥るときもあります。言いたいことと違う部分が報道され、「どうせいちゅうねん」と思う時もある。 情報公開を言い続けてきた私はリーダーシップを発揮しないといけないんだろう。ただ、職員のレクチャーを受ける中で妙に納得してしまう部分がある。市役所の水に慣れ始めているのかもしれない。気をつけないと。 市役所始まって以来の全職員聞き取り調査をやって、職員の末端まで意識改革が、小さな一歩でも進んだことは確かです。だんだん加速度がついてくれたらいいと思っています。

カテゴリー[ 大阪市改革 ], コメント[0], トラックバック[0]
登録日:2008年 03月 14日 13:24:14

1   |   2   |   3   |   4   |   5      »      [16]

プロフィール
上山信一
(男)
http://www.pm-forum.org/ueyama/
慶應義塾大学総合政策学部教授、改革コンサルタント。専門は大企業・行政・NPO等の経営刷新。近年は地域再生も手がける。大学では「経営戦略」「公共政策」等を教える。旧運輸省、マッキンゼー共同経営者等を経て現職。大阪市生まれ。50歳。中央省庁・自治体の各種委員、企業顧問等を兼務。京大法、米プリンストン大修士。趣味は登山、鉄道、料理。メール:ueyama@pm-forum.org
検索