みなさん、さようなら。ブログ連載から降ります。
【ラスベガス/米国 6日 AFP】音楽チャート誌「ビルボード」が主催するビルボード音楽賞(2005 Billboard Music Awards)の授賞式が、MGMグランドガーデン・アリーナ(MGM Grand Garden Arena)で開催され、カニエ・ウェスト(Kanye West)が特別賞(Artist Achievement Award)を受賞した。(c)Getty Images/AFP Ethan Miller
みなさん、こんにちは。この欄の担当筆者、烏賀陽(うがや)です。
きょうはちょっと残念なお知らせをしなくてはいけません。実は、このAFPBBのブログ連載から降りることにしました。その理由をご説明したいと思います。いつもとちがってロックの話題から外れますが、インターネットメディアにとっては、とても大事な話なので聞いてください。
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登録日:2006年 06月 08日 00:41:10
文学に肩を並べるロックだってある
<オリンパス・ファッション・ウィーク>イードゥン 2006年秋の新作を発表
【ニューヨーク/米国 12日 Getty Images/AFP】オリンパス・ファッション・ウィーク(Olympus Fashion Week)で5日、歌手のボノ(Bono)らが立ち上げたブランド、イードゥン(Edun)が2006年秋の新作発表を行った。写真は、新作発表会に出席したボノ(中右)、夫人のアリ・ヒューソン(Ali Hewson、左)、ルー・リード(Lou Reed、中左)、ローリー・アンダーソン(Laurie Anderson、右)。(c)Getty Images/AFP
ブンガクの世界でよく使われる言葉に「アフォリズム」というのがある。「簡潔な、圧縮された形で表明された人生・社会・文化などに関する見解」(広辞苑)のことだ。「警句」とか「箴言」ともいう。
有名なアフォリズムの例はというと、村上春樹のデビュー作「風の歌を聴け」(1979年)の書き出し「完璧な文章などといったものは存在しない。完璧な絶望が存在しないようにね」だろう。デビュー作の冒頭でいきなりこんな大見得を(というか弁明を)カマした村上春樹という作家は、やはり今から振り返っても大物だったんだなあ。この一文にダマされて、いや励まされて小説を書き始めた人間は山ほどいるだろう。
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登録日:2006年 04月 30日 02:42:12
意味のない「再結成」はやめてくれ
【カリフォルニア/米国 16日 AFP】14日、80年代に米国のニューウェイヴバンドとして人気を博したボストン出身のロックバンド「ザ・カーズ(The Cars)」が、米国のマルチ・ミュージシャン/トッド・ラングレン(Todd Rundgren、中央)をニューリーダーに迎え「ザ・ニュー・カーズ(The New Cars)」としてバンドを再結成し、17年ぶりにツアーを開始することを記者会見で発表した。(c)AFP/Getty Images Kevin Winter
若いころに輝くような才能のきらめきを見せてくれたミュージシャンが、加齢とともにみっともない姿をさらすのは、本当に悲しい。もうとっくに解散してしかるべきバンドが無益に駄作を出し続けるのもみっともないが、いったん解散したバンドがこれといった創作上の必要性もないのに、お金がほしくて(あるいは忘れられるのがイヤで)再結成をするのは、もっとみっともない。
先日、1992年なんて大昔に死んだフレディ・マーキュリーの代わりにポール・ロジャースを入れて再結成、来日したクィーンとか、30年以上前にフロントマンであるジム・モリソンが死んでいるのに、フジロックフェスティバルのために再結成したドアーズ(バンド名の使用をめぐってメンバー間の訴訟沙汰にまでなった)などは、その代表例だろう。
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登録日:2006年 04月 24日 02:31:03
なぜ日本には健全なポピュラー音楽評論が育ちにくいのか
【ニューヨーク/米国 20日 Getty Images/AFP】19日、ニューヨークのSteven Kasher Galleryで、ミュージシャンのルー・リード(Lou Reed)の写真展が開催された。ルー・リードはニューヨークという街を愛し、長年に渡って収めてきた写真をこの写真展で展示している。この写真を集めた写真集も、このギャラリーで購入する事が出来る。(c)Getty Images/AFP Andrew H. Walker
今回もルー・リードに戻れないが、まあいいや。
前回書いたコラムに、非常に重要なコメントで寄せられた。4/9付のalivedragon氏の投稿である。「音楽評論家の主たる活動の場はいわゆる音楽雑誌であり、それはレコード会社の広告費で成り立っているという現実があります。また、こうした評論家の多く(特に洋楽)はCDのライナーノートを書いたりしています。職業評論家の肩を持つわけではありませんが、一部のビッグネームを除いて、好きなことを自由に書ける環境にないということも低レベルな評論がまかり通る理由だと思います」。
今回は、これに応えて「なぜ日本には健全なポピュラー音楽評論が育ちにくいのか」についてぼくなりの考えを書いてみようと思う。
このコメントを読んで、ぼくはとてもうれしく思った。この指摘の内容はおおむね正しい。リスナーがちゃんとこういう正確な知識を持って評論やマスメディアに接しているのは、非常に健全なことだ。難しい言葉でいうと「メディア・リテラシー」が育っているのだ。日本の自称「音楽評論家」諸氏(そこにはぼくも含まれる)も、こういう目の肥えたリスナーを前提に仕事をすべき時代が来たということだろう。
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登録日:2006年 04月 16日 20:02:52
ポピュラー音楽をどう査定するか その2
<オリンパス・ファッション・ウィーク>イードゥン 2006年秋の新作を発表
【ニューヨーク/米国 12日 Getty Images/AFP】オリンパス・ファッション・ウィーク(Olympus Fashion Week)で5日、歌手のボノ(Bono)らが立ち上げたブランド、イードゥン(Edun)が2006年秋の新作発表を行った。写真は、新作発表会に出席したボノ(中右)、夫人のアリ・ヒューソン(Ali Hewson、左)、ルー・リード(Lou Reed、中左)、ローリー・アンダーソン(Laurie Anderson、右)。(c)Getty Images/AFP
ルー・リードの話に戻りたいんだけど、前回「ぼくはポピュラー音楽をどう査定しているのか」についてざっと話しただけで紙数が尽きてしまったので、続きを書く。もう一度おさらいしておくと、次のような座標軸をぼくは設定することにしている。
(1) 作曲者(コンポーザー)としての能力
(2) 作詞者(リリシスト)としての能力
(3) アレンジャーとしての能力
(4) イノベイターとしての能力
(5) プレイヤー(楽器演奏者、歌唱者)としての能力
(6) パフォーマー(舞台上での演奏、歌唱)としての能力
(7) エンターテイナーとしての能力
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登録日:2006年 04月 07日 19:26:05
ポピュラー音楽はどう査定すればいいのか?
ルー・リード ナポリで写真展「Lou Reed New York」を開催 - イタリア
【ナポリ/イタリア 10日 AFP】1960年代に最も影響力のあるのロックバンドの一つ、ヴェルヴェット・アンダーグラウンド(The Velvet Underground)を結成し、解散後もソロミュージシャンとして精力的な活動を続ける、ルー・リード(Lou Reed)がこよなく愛する街、ニューヨークをデジタルカメラで撮った写真作品展「Lou Reed New York」がアートギャラリーのPalazzo Delle Arti Napoliで開催されるのを記念し9日、会場にリードが登場した。
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(c)AFP/Mario Laporta
ルー・リードの話が2回続いたので(個人的に好きなもんで、つい書くのに夢中になっちゃった。すみません)、今回はちょっと休憩。
話題をちょっと変えて、ポピュラー音楽家の作品を評価するとき、どんな手法を用いればいいのか、ぼくなりの考えを書いてみようと思う。乱暴な言い方をすれば、一種の「ミュージシャンの業績査定方法論」である。まあ、あくまで「試論」なので「評論家、あるいはジャーナリストとしてのウガヤはこんな考え方でプロのミュージシャンの仕事を価値評価している」くらいに受け取っておいてもらえれば結構だ。
なんでこんな方法論を提示するのかというと、現況の日本のポピュラー音楽批評は、ごく少数の例外を除いて、たいして読む価値のない「印象批評」に終始しているからである。
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登録日:2006年 04月 01日 15:14:03
ルー・リードその2 ロックはジャーナリズムにもなる
【ニューヨーク/米国 20日 Getty Images/AFP】19日、ニューヨークのSteven Kasher Galleryで、ミュージシャンのルー・リード(Lou Reed)の写真展が開催された。ルー・リードはニューヨークという街を愛し、長年に渡って収めてきた写真をこの写真展で展示している。この写真を集めた写真集も、このギャラリーで購入する事が出来る。(c)Getty Images/AFP Andrew H. Walker
さて、先週のルー・リードの話の続き。
ルー・リードがすぐれたソング・ライターだという話は先週書いたけれど、じゃあ彼がパーフェクトなミュージシャンなのかというと、そんなことは全然ない。
はっきり言って歌はヘタだ。声域は1オクターブもないんじゃないだろうか。声量もない。ぶつぶつボソボソ、つぶやく、というか、ぶっきらぼうで、おっさんのひとり言みたいな歌い方である。わざとそういう歌い方をしているのかと思ったら、たまにライブで張り切って歌っている録音を聞くと、音程が見事に外れている。どうやら本当にそういうブツブツボソボソな歌い方しかできないらしい。
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登録日:2006年 03月 24日 00:36:37
ルー・リード ロックの巨人が残したもの
ルー・リード ナポリで写真展「Lou Reed New York」を開催 - イタリア
【ナポリ/イタリア 10日 AFP】1960年代に最も影響力のあるのロックバンドの一つ、ヴェルヴェット・アンダーグラウンド(The Velvet Underground)を結成し、解散後もソロミュージシャンとして精力的な活動を続ける、ルー・リード(Lou Reed)がこよなく愛する街、ニューヨークをデジタルカメラで撮った写真作品展「Lou Reed New York」がアートギャラリーのPalazzo Delle Arti Napoliで開催されるのを記念し9日、会場にリードが登場した。
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(c)AFP/Mario Laporta
ルー・リード(1942年生まれ)が今日のロックに与えた影響は巨大だ。このコラム1回で語り尽すなんて無理だ。それだけで連載がひとつ、あるいは本が一冊書けてしまう。というわけで、何回かにわけてルー・リードについて書いてみよう。
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登録日:2006年 03月 19日 16:30:06
ロックに自然な加齢ってないのだろうか?
<NFL・スーパーボウル>ハーフタイムショーはローリング・ストーンズ
【デトロイト/米国 2日 AFP】NFL・第40回スーパーボウル(Super Bowl XL)、シアトル・シーホークス(Seattle Seahawks)vsピッツバーグ・スティーラーズ(Pittsburgh Steelers)のハーフタイムショーでパフォーマンスを行う英国のロックバンド、ローリング・ストーンズ(The Rolling Stones)のメンバーが記者会見に出席した。(c)Getty Images/AFP Jeff HAYNES
●タトゥーに人気なのは「死人」
さて、前回のローリング・ストーンズの話の続き。
数年前の話だ。ニューヨークでタトゥーを入れに行ったとき、無聊の慰めに「ロック・アーティストでタトゥーの柄になることが一番多いのは誰なんだろう?」と彫り師のお兄さんに聞いてみた。その彫り師のお兄さんがしばらく考えて言ったのは「ジム・モリソンとジミ・ヘンドリクスかなあ」だった。
なるほど。納得できる話だ。タトゥーとは不思議なもので、入れた瞬間に、その絵柄が自分の体の一部として栄養を吸いながら生きているような気がするのだ。
ジミ・ヘンドリクスは1970年、ジム・モリソンは71年、どちらも27歳で死んでいる。二人とも天才だった。ヘンドリクスはギターで、モリソンは歌と詩で、短い期間に、それまでのロックの流れを一気に塗り替える大きな仕事をいくつも成し遂げたあと、あっという間に世を去っていった。
つまり二人は死人(しびと)なのだ。死人だからこそ、人々はその姿をタトゥーにして体に入れ、新しい命を吹き込もうとするのだろう。
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登録日:2006年 03月 12日 19:52:16
ローリング・ストーンズはすでに死んでいる
<NFL・スーパーボウル>ハーフタイムショーはローリング・ストーンズ
【デトロイト/米国 2日 AFP】NFL・第40回スーパーボウル(Super Bowl XL)、シアトル・シーホークス(Seattle Seahawks)vsピッツバーグ・スティーラーズ(Pittsburgh Steelers)のハーフタイムショーでパフォーマンスを行う英国のロックバンド、ローリング・ストーンズ(The Rolling Stones)のメンバーが記者会見に出席した。(c)Getty Images/AFP Jeff HAYNES
●アメフトの座興になぜストーンズが?
ローリング・ストーンズが、米国スーパーボウルのハーフタイムで演奏した、という話を聞いて仰天した。確かに「全アメリカ人の半分が見る」と言われるスーパーボウルである。桧舞台にはちがいない。が、単独でスタジアムをいくつも満杯にする実力のある「ロックバンドの世界最高峰」とまで称されるローリング・ストーンズとなると話は別だ。なぜ彼らがアメフトの座興など務めねばならんのか。
実際に中継を見たアメリカ人の友人に何人か聞いてみても、やれ「音が最悪だった」「会場がでかすぎて親近感がない」と評判は散々だった。そりゃそうだ。幕間の座興なのだから、ベストコンディションのコンサートなどできるはずがない。ますます理由が納得できない。
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登録日:2006年 03月 05日 00:28:01
- プロフィール
- 烏賀陽(うがや)弘道
- (男)
- 63年生まれ。「アエラ」編集部などを経て03年朝日新聞を定年退職。著書に「『朝日』 ともあろうものが。」「Jポップとは何か」。
*得意ジャンル:世界のポピュラー音楽、ジャーナリズム論、医療、アメリカ社会、国際政治(軍事論)
*ひとこと:世界のポピュラー音楽を軸に、人や社会、そしてぼく自身についてゆるゆると考え書いております。
*リンク先:Http;//www.ugaya.com
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