2006年 12月
額面と手取りと人件費の本当の話
【香港 20日 AFP】20日、付加価値税の導入に反対する抗議デモが行われた。政府は7月18日、物品やサービスに課税する付加価値税の導入を発表し、高齢化社会に向けた懸案事項だった税収基盤拡大の第一歩を踏み出した。香港は市民の税負担の低さで有名であるが、付加価値税の導入により、300億香港ドル(約4470億円)の歳入の増加が見込まれている。政府案は、低所得層に対する所得税率を削減し、商業活動に関する課税を強化、住宅ローン減税の拡大を提案している。写真は、横断幕を掲げデモを行う人々。(c)AFP/TED ALJIBE
税金を上げると、どの国の国民も反対する。それを煙にまくのに、もっともよい方法は、税金を天引きすることだ。
来年から定率減税が廃止となり中間層の負担は重くなる。当局は、額面で650~850万という層の厚い部分を逃さず、たくさん負担させる考えだ。そもそも日本では、第二次大戦中のどさくさのなかで戦費調達を目的として導入された「天引き」制度が未だ続いており、額面と手取りの違いを認識しずらい。さらに1人あたり人件費について理解している人はもっと少ない。雑誌の年収ランキングも、実態を表しているとは言いがたい。まずはそのあたりの疑問をすべて解消しよう。
俗に、「衣食足りて礼節を知る」「胃袋があって道徳がある」などと言われるように、そもそも金銭面の不安が大きいと、仕事上の自己実現や、「やりがい」も何も、あったものではない。自分1人が食えないのだから、自分のことで精一杯で、ましてや家族のことや社会のことなど考える余裕は生まれないものだ。「人は資産が1億円を超えると篤志家になる」などと半ば冗談で言われるのも同じこと。人間には、何をするにも、まずは経済的余裕が必要なのである。
それでは、どの程度のカネが必要なのか。それはなぜか、あまり深く議論しないこととされてきた。実際、「マネー教育」の類は、日本の義務教育はおろか、高校・大学でもほとんど皆無に近いのが実態だ。その一因は、「士農工商」の一番上に位置しながらも、「武士は食わねど高楊枝」といわれた武士道の精神など、日本固有のカルチャーに根付く面があると思われる。
この「カネ儲けは汚らわしい」とでも言いたげな道徳と、経済の実態との狭間で、逡巡しているのが今の日本である。その結果、おカネに関することが「皆が思っていることだが、道徳的な見地から、暗黙の了解で言わないことになっている」ことになった。「それを言っちゃあオシマイよ」「身も蓋もないよね」といった類の話だ。だから、「カネで買えないものはない」などと書いたホリエモンは、世間から非難を浴びた。
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登録日:2006年 12月 31日 14:48:44
中川秀直は新聞族でも幹事長
【東京 25日 AFP】自民党の安倍晋三新総裁(52)は25日、幹事長に中川秀直政調会長(62)、政調会長に中川昭一農相(53)、総務会長に丹羽雄哉元厚相(62)をそれぞれ指名した。同日午後の党総務会で、正式に決定される。新幹事長となる中川秀直氏は、安倍氏の後見人的存在の保守派で、中国との関係修復を目指すと述べている。写真は25日、安倍新総裁(右)と新幹事長に指名された中川秀直氏(左)。(c)AFP/YOSHIKAZU TSUNO
◇新聞業界の政治献金ランキング
総務省がこのほどWEBサイトに掲載した2005年分までの政治資金収支報告書を集計すると、「日販協」(日本新聞販売協会)が有力政治家に政治献金を続けていることがよくわかる。
日販協は、全国にある新聞販売店の同業組合で、新聞社と一心同体の組織だ。
この分野に詳しいジャーナリスト・黒藪さんが、2003~2005年までの政治資金収支報告書に記載された献金先と献金額(セミナー参加費)を合計してランキングを作ってくれた。
それを見ると、新聞族議員の親玉・中川秀直幹事長を中心に、献金が行われていることがよく分かる。
清和政策研究会とは、中川秀直・自民党幹事長が所属する派閥で、旧森派のことだ。献金の名目は、いずれも「セミナー参加費」だ。
【献金額ランキング】(03~05年)
1位 中川秀直 350万円
2位 清和政策研究会 50万円
3位 丹羽雄哉 20万円
4位 島村宜伸 18万円
5位 鴨下一郎 12万円
5位 椎名一保 12万円
たとえば2005年は、下記のとおり。
【2005年】
10万円 2月1日 倉田寛之さんを囲む新春の集い
20万円 3月1日 秀政会
10万円 3月14日 中川秀直君を囲む会
10万円 4月12日 中川秀直シンポジウム
10万円 5月17日 清和政策研究会
5万円 6月6日 白根の会
20万円 6月1日 中川秀直シンポジウム
20万円 7月20日 秀政会
20万円 9月27日 秀政会
6万円 11月10日 椎名一保国政報告会事務局
20万円 11月28日 在職25年中川秀直君の会
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登録日:2006年 12月 25日 12:32:48
オフィス環境が先進的な会社、旧来型の会社
【ニューヨーク/米国 30日 AFP】米マイクロソフト(Microsoft)は30日、新基本ソフト(OS)「ウィンドウズ・ビスタ(Windows Vista)」の業務用アプリケーションの販売開始すると発表した。
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(c)AFP/MICROSOFT
オフィスといっても、バーチャルでないほうのオフィスの話だ。
◇フリーアドレス制、目的は経営側のコスト削減
私が新聞社からコンサルティング会社に転職した際(99年)、最も驚いたことの1つが、オフィス環境の激変だった。
当時、恵比寿ガーデンプレイスタワーにあったPWCのオフィスは、最先端とされ、連日、企業のファシリティー担当や業務改革担当らが、ぞろぞろと視察ツアーに訪れていた。社員をモルモット代わりに、先進的とされるオフィス環境で働かせ、実績を数字で計測し、その成果をクライアント企業に訴え、導入プロジェクトを売り込む営業手法だった。
まず、フリーアドレス制。コンサルタントは顧客先でプロジェクトにアサインされてナンボなので、自社のオフィスには、社員の3分の1分ほどしか、席がない。図書館のように大きなヒラ机の、任意の場所に座り、ノートパソコンをLANポートにつないで仕事をする。
異動自由にするため、全員がPHSを持たされ、固定電話や郵便フォルダは、数十人を1人で担当するセクレタリの席にしかない。紙資料は原則禁止され、資料は「ロータス・ノーツ」にデジタルファイルで保存・共有することが徹底されていた。
PHSとPCをつなげればいつでもイントラネットにアクセスしてメールやデータベースに接続、仕事ができてしまうため、「どこでもオフィス」などと言われていた。「仕事の生産性が高い場所は、個人によって違う」というコンセプトだ。
だが、出社しても席がない場合も多く、私など、喫茶店で、どれほど仕事をしたか分からない。周囲は皆、そうだった。その後、漫画喫茶が出現し始めると、顧客向けの報告書を“満喫”で作るコンサルタントもいた。
もちろん、自宅で仕事をしてもよい。必要なのは成果だけだ。だが日本の住宅事情では、自宅に十分なスペースを確保できない場合も多い。それでも会社が補助を出してくれるわけではない。出るのは、月額2千円のADSL費用だけだった。会社は、オフィスコストを減らした分、利益を拡大させることができた。
経営側のオフィスコスト削減メリットは大きく、今ではアクセンチュアやトーマツなど、コンサル会社の多くで採用されており、SEなど顧客先のプロジェクトルームで働くのが基本の職種でも広がっている。営業だけでなく、2005年夏から情報システムを導入する部隊にもバーチャルオフィスを導入した日本IBMでは「箱崎のオフィスには今、20~30人に1人分しか席がない」(30代SE)。
NTTドコモの法人営業部隊も導入済み。2006年には、日本企業の典型ともいえる日立製作所の営業まで、導入を始めた。PWC会長だった倉重英樹氏が社長に就任した日本テレコムでも、全く同じ仕組みが導入されている(現在は孫正義氏が社長となり、倉重氏は退任)。
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登録日:2006年 12月 23日 03:17:25
社員の離職率が低いワケ
【ウォルフスブルク/ドイツ 21日 AFP】欧州自動車最大手の独「フォルクスワーゲン(Volkswagen)」は19、20の両日開かれた監査役会で、グループの不採算部門であるフォルクスワーゲン部門での徹底したリストラ推進を承認したと発表した。同社は深刻な経営危機に陥っており、最大2万人の雇用削減を伴う抜本的な対策が再建に向けた唯一の打開策とみられている。写真は20日、ウォルフスブルク(Wolfsburg)で行われた監査役会に出席したフェルディナント・ピエヒ(Ferdinand Piech)監査役会長。(c)AFP/JOCHEN LUEBKE
こうした事例に比べ、日本では、人的なリストラが難しい。日産並みに経営が悪化して、初めて正当化される。したがって、離職率が低く、中途採用も少ない企業が、日本では多い。
これらの企業では、なぜ中途採用は活発化しないのか。それは、社員が自発的に辞めない限り、会社側には解雇する手段がないため、中途採用をとればとるほど人件費が高騰してしまい、さりとて、それに伴って売上が上昇するほどに高成長は望めない会社群だからだ。
そうなると、チャンスは事実上、新卒入社の1度しかない。安倍政権は、これが再チャレンジの機会を奪い、格差を固定化させる原因だとしている。
経済財政諮問会議の民間委員に選ばれた八代尚宏・国際基督教大学教授は、明確に、正社員の解雇要件を緩和する方針を打ち出している。現状では、正社員はひとたび雇用したら、よほど業績が悪化しない限り、法的には解雇できない。これは判例があるため、企業は勝手に解雇しても訴訟で負けてしまう。
このため、大企業に入るということは、生涯賃金4億円ほどの“利権”を手に入れたのと同じことを意味し、この利権を手放すというのは、相当にハードルが高いことになる。なにしろ、毎日、会社に時間通りに行くとか、言われたことをやるとか、ごく当り前のことさえしていれば、絶対に解雇されないのだから。
私はコンサルタントとして、リストラを支援するプロジェクトを手掛けてきた。簡単にいうと、たとえば現在の課長の業務を分析すると、「本来の課長業務」以外に、派遣社員やヒラ社員でもできるような難度の低い仕事を、3~4割やっている。ということは、今、3人の課長業務を統合して再分配すると、2人分の課長業務と、1人分の派遣・平社員業務が出来あがる。
そこで、課長を1人リストラして、派遣社員と置き換えると、1,000万円の人件費が300万円になり、業務水準を変えることなく700万円のコストカットになる。これを大規模に展開し、人員再配置を、誰がいつリストラ(肩たたきや転籍含む)され、いつ派遣社員を雇うかまで、人事部や業務改革担当者と一緒に、具体名でスケジューリングしていくのだ。
そういったプロジェクトのなかで、外資系企業の人事部長が言っていた言葉が印象的だった。「日本では、いくら仕事ができなくても、ちゃんと時間通りにオフィスに来て座っている以上、解雇ができない仕組みなんですよ」。実際、その会社では、精神的な病で、療養生活を兼ねて北海道の拠点に移り住んで勤務する社員のために、仕事を作るようなことまでしていた。一概に悪いことではないが、同じ境遇で、正社員でない人もいる訳で、格差社会という点では、議論があるところだ。
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登録日:2006年 12月 05日 14:48:23
- プロフィール

- 渡邉 正裕
- (男)
- 1972年05月26日
- MyNewsJapan
- (株)MyNewsJapan代表取締役、編集長、ジャーナリスト。慶應義塾大学総合政策学部にて政治学、政策過程論を専攻。卒業後、日本経済新聞社にて1,000本超の記事を日経各媒体に執筆。外資系コンサルティング会社を経て2004年、起業。2006年、有料会員1千人超となり、採算ベースに乗せる。著書に『これが働きたい会社だ』『企業ミシュラン』『これが本当のマスコミだ』。
*URL:http://www.mynewsjapan.com/
*連絡先:info@mynewsjapan.com
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