カテゴリー [ライターから見たWBC所感 ]
イチローと俊足コンビが導いた優勝
<ワールド・ベースボール・クラシック>里崎と喜びを分かち合う大塚
【サンディエゴ/米国 20日 AFP】野球の国別対抗戦、ワールド・ベースボール・クラシック(World Baseball Classic)決勝、日本vsキューバ。試合は日本が10-6でキューバを破り、初代王者に輝いた。写真は試合に勝利して駆け寄った捕手の里崎智也(Tomoya Satozaki、左)と抱き合って喜びを分かち合う日本の大塚晶則(Akinori Otsuka、右)。(c)AFP/Getty Images Donald Miralle
キューバを1点に抑えた先発松坂の好投も見事だったが、日本の勝利には、やはりイチローの力が不可欠だった。1点差にまで追い上げられた9回表1死一、二塁の場面で、外角寄りのカーブを弾き返し、計ったようなゴロを一、二塁間の真ん中に通した。ライトからの好返球にも、二塁走者川崎がキャッチャーのブロックをかいくぐり、右手でホームベースを払ってホームイン。その間に、ライトからの返球が中継を挟まずダイレクトだったのを見て、一塁走者西岡と打者走者イチローはすかさず二、三塁に進塁した。このプレーが大きかった。この試合3安打を放っていた松中をキューバは敬遠し、1死満塁。この後、代打福留の2点タイムリーと小笠原の犠牲フライでこの回に一挙4点をあげて勝負を決めた。
キューバの5番手投手パルマに抑え込まれ、5点あったリードを1点差にまで迫られた時点で、打ち損じをせずにタイムリーを放ったイチローの技術と精神力は、キューバとの準決勝で好機に凡退を繰り返したドミニカのオルティースやプホルスを上回っていた。そして、川崎、西岡の好走塁がチャンスを大きく広げ、大量点を導いてキューバを突き放した。小差のリードのまま9回裏を迎えていたら、いかに大塚が投げていても、キューバの反撃にあい、試合はもつれていたかもしれない。
スピードと技術を兼ね備えた選手をそろえた日本代表の強みが土壇場で発揮され、優勝をつかむ決め手となった。(伊勢 一郎)
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登録日:2006年 03月 21日 22:07:35
WBC優勝のカギは効果的なホームラン
<ワールド・ベースボール・クラシック>タイムリーヒットを放つ宮本
【サンディエゴ/米国 18日 AFP】野球の国別対抗戦、ワールド・ベースボール・クラシック(World Baseball Classic)準決勝、日本vs韓国。7回表、日本の宮本慎也(Shinya Miyamoto)は、韓国の5番手ソン・ミンハン(Min Han Son)からレフトへタイムリーヒットを放つ。試合は日本が6-0で勝利し、決勝進出を決めた。(c)AFP/Getty Images Jed Jacobsohn
明日対決するキューバ相手には、守りあいになると日本は厳しい展開になる。国際試合の経験が豊富で、エラーをするかと思えばそれをカバーするファインプレーで相手の攻撃をしのぎ切る守備力は群を抜く。日本のようにきれいは勝ち試合は少なく、どの試合も相手のエラーや内野ゴロの間に得点を重ねることの多い、一見ちぐはぐな内容だが、勝負所での攻守の集中力は日本よりも上だろう。この相手に1点差勝負を挑むのは不利に思える。
一方で、2次リーグから準決勝までの4試合でキューバの放ったホームランは3本、対して日本は4試合連続の5本。相手投手との兼ね合いがあるとはいえ、長打力は決してひけをとらない。ただし、2次リーグのアメリカ戦でのイチロー、韓国戦での西岡のホームランはいずれもソロだった。一方、メキシコ戦での里崎、準決勝の福留は2ランホームランを放ち、チームを勝利に導いた。ソロホームランでは相手に大きなダメージは与えられないし、味方にも精神的な余裕をもたらさない。勝利に必要なのは走者を置いての効果的なホームランだ。
どれほど守備が鍛えぬかれていても、フェンスを越えてアンタッチャブルなゾーンに入るホームランには対処できない。2ラン、3ラン、欲を言えば満塁ホームランを放つことが、キューバとの試合を有利に進める手段となる。
そのためには、走者を置いての送りバントの多用は避けるべきだろう。準決勝での多村をはじめ、スラッガーに不慣れなバントを強要して仮に1点を入れても、相手へのプレッシャーにもならず、チームの雰囲気も縮こまり、大量点にはつながりにくい。キューバ守備陣の力から見て、内野を抜ける当たりをファインプレーされて、逆に相手を乗せてしまう怖れもある。それよりも、準決勝での福留や、WBC最多の5本塁打を放った韓国のイ・スンヨプのような、ホームランへの決意に満ちた状態にして打席に立たせることがポイントとなる。多村や松中のような主軸でも、川崎のような伏兵でもいい。ランナーを置いてのホームランを奪うことができれば、日本の勝利はぐっと近づくだろう。(伊勢 一郎)
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登録日:2006年 03月 20日 21:27:47
福音となった福留のホームラン
【サンディエゴ/米国 18日 AFP】野球の国別対抗戦、ワールド・ベースボール・クラシック(World Baseball Classic)準決勝、日本vs韓国。韓国の先発・ソ・ジェウン(Jae Weong Seo)は、日本打線を相手に5回を3安打無失点に抑える好投を見せる。試合は日本が6-0で勝利し、決勝進出を決めた。(c)AFP/Getty Images Jed Jacobsohn
全てを救った当たりだった。7回表1死2塁、代打福留の打球はライナーでライトスタンドに飛び込み、2点を先制した。その後は堰を切ったように里崎、宮本、イチローのタイムリーが続き、勝負を決めた。8回には多村のホームランも飛び出し、6対0と快勝した。不振の福留を代打に送り結果を出した王監督の判断は見事だった。
日本の打線は本来、長打力がないわけではない。多村、岩村、松中、控えの新井など、軽く振ってもスタンドインする長距離砲が揃っている。それがこのWBCシリーズでは、多村や新井らは力みから大振りしすぎ、松中はチームプレーを意識するあまりに振りが鈍くなっていた。手堅くいこうとするあまり、チーム全体が縮こまっていた。
王監督の采配もチームの固さを助長した。4回にレフトへの大飛球を放ち、その裏にはレフトポール際のファウルボールをジャンピングキャッチするファインプレーで乗ってきていた多村に、7回無死2塁で送りバントを指示したのがその最たるものだ。最も伸び伸びと打てる場面で慣れないバントを指示された多村は、ぎごちなく失敗を繰り返し、2ストライク後にバントの構えからヒッティングに出て空振り三振。危うくチームの流れを止めてしまうところだった。その直後に出た福留のホームランは、監督の失策も、萎縮しそうになるチームの雰囲気も、全て吹き払ってくれた、まさに福音だった。その後は、王監督の望んだ日本の華やかなプレーを披露することができた。
決勝で当たるキューバは常にナショナルチームでプレーしているので、試合の流れをつかむのが巧みだ。監督も選手も、自らを萎縮させるようなプレーを選択せずに、いかに伸び伸びと試合を楽しめ方向に持っていけるかがポイントになる。
(伊勢 一郎)
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登録日:2006年 03月 19日 17:01:36
決勝まで進めば日本に勝機あり
先に行われた準決勝、キューバ対ドミニカ共和国は、キューバが3対1の勝利。ドミニカの得点は相手の失策によるもので、強力打線は完全に抑えられ、安打数でも上回ったキューバの完勝だった。優勝候補の筆頭を破ったキューバの力は本物だが、日本が決勝まで進めば、勝算はある。ドミニカ戦でロングリリーフをしたエースのペドロ・ラソが登板しないからだ。
キューバは負けられない試合には必ずラソをロングリリーフさせた。2次リーグ初戦のベネズエラ戦、と準決勝のドミニカ戦だ。いずれも相手打線を翻弄して、勝利を収めてきた。この絶対的な存在がいない決勝の投手陣からなら、日本の打者はじゅうぶんに対応できる。今日の韓国戦を乗り越えれば、キューバを倒して優勝する可能性は高い。(伊勢 一郎)
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登録日:2006年 03月 19日 11:26:20
拙攻続きは真剣勝負の表れ
WBC2次リーグの最終戦は、ドミニカ共和国対ベネズエラ、韓国対日本、メキシコ対アメリカの3試合が2対1のスコアとなり、キューバ対プエルトリコも4対3と、全て1点差で勝負がついた。好守備も数多く見られたが、韓国対日本戦を含め、好機に攻めあぐねた試合が多く、タイムリーヒットは数えるほどだった。
昨シーズンMVPのプホルスや打点王のオルティーズらの強打者をそろえたドミニカ打線は、ベネズエラの三投手に6安打で本塁打なしに抑えられ、先制点は内野安打、決勝点も2死満塁からのパスボールによるもの。一方のベネズエラ打線は1本しかヒットを打てず、内野ゴロの間にようやく1点を入れただけでは勝ち目がなかった。
メキシコ対アメリカ戦では、メキシコの1点目は塁審のひどい判定をはね返すカントゥの見事なセンター前タイムリーだったが、アメリカの同点打は犠牲フライ、メキシコの決勝点も内野ゴロの間に入れたものだった。アメリカは最終回1死1、2塁の場面でもショートゴロ併殺打が出て万事休した。
キューバ対プエルトリコは、キューバが満塁から押し出しの1点で勝ち越し、なおも2死満塁の場面でショートゴロエラーの間に2者がかえり4-1が3点をリードした。プエルトリコは7回無死1、3塁からセカンドゴロエラーの間に1点返したが、無死満塁から併殺打。8回の1死満塁も併殺でつぶした。
いずれの試合でも、メジャーの強打者が難しくないボールを打ち損じていたのが目についた。準決勝進出がかかる緊張の中で、ピッチャーよりもバッターにより重圧がかかった結果だろう。日本の放送席では「決勝戦のような雰囲気」と表現していたが、ここにきてWBCは、メジャーリーグの人気を世界に広げるというMLBの思惑を超えて、国別対抗戦の真剣勝負が鮮明になってきた。すかっとしたタイムリーの出ない拙攻続きの展開も、緊迫感の表れと考えれば納得がいく。残り3試合。ゲームは真剣だからこそ面白い。
(伊勢 一郎)
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登録日:2006年 03月 18日 19:52:23
韓国と日本を鍋にたとえると・・・
鍋料理はだいたい好きなのだが、寄せ鍋を作るのはあまり得意ではない。スター級の素材ばかり、ごちゃごちゃ入れても、調和がいまいち取れないような気がする。
WBCの米国チームは、いわば「寄せ鍋」だ。
日本にとって強敵なのは、むしろキムチパワー全開の韓国だと予想していた。
疲れた胃袋もチゲを食べると、すっきりしてしまう。
韓国代表チームは、ひとつひとつの具がもつ個性といい、強さといい、協調性といい、穴どれない。
崔煕渉は昔からフレンドリーな性格で、カブスにいるときは韓国人タウンに幾つか行きつけの店があり、カラオケにはまっていた。
日本人メディアのところに来て、「僕は韓国のイチローだ」と笑わせたりしていた。大柄なパワーヒッターなので、イチローというより感じではないが。
吉井理人投手は以前、「身体がゴツイからオオ!と思わされるけど、意外に積極的ではないというか、打席では慎重なタイプ。でも、すごくいいバッターという印象を受けました。僕はイチローというより、オルルドみたいなバッターに成長するかと思いましたね」と語っていた。
英語での表記は、Hee Seop Choiと書く。むずかしい漢字を使うことが多いので、韓国人の選手がでてくると本人に直接どういう字なのか、スコアノートの横に書いてもらう必要がある。
韓国には兵役があり、それがまた非常につらい2年間2か月だと聞く。家族や恋人と引き離され、携帯電話の使用すら許されず、マスクをつけて毒ガスの部屋で耐えたり、苦しい訓練の日々を送らなければいけない。
1998年にアジア大会で活躍した朴賛浩が、兵役免除になった。2000年のシドニー五輪でも徐在応らが銅メダル獲得して、兵役を免除になった。このWBCでも勝ち残れば、兵役免除につながる可能性がきわめて高い。
彼らは必死なのだ。負けるわけにはいかなかったのだ。
ところで、今回の日本代表チームを鍋にたとえるとしたら、何になるのだろう。しゃしゃぶか・・・。はたまたフグ鍋かな?キムチのぴりっとした辛さに対抗するために、あと一人、もみじおろしのような存在がほしかった。(梅田香子)
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登録日:2006年 03月 17日 00:36:15
緻密さでも韓国に及ばず
2回裏2死二塁から里崎のライト前ヒットが出た際に、二塁走者の岩村のスタートが2死にもかかわらずやや遅れ、ホームでタッチアウトになった場面。8回表1死一塁でセンター前ヒットが出た際に、韓国の走者がサードを狙ったクロスプレーで、負傷した今村に代わって替わって三塁手に入った今江が、タッチの時にグラブを走者の体に巻き込まれ落球した場面。そして9回裏、西岡の本塁打で1点差に迫った後で、エラーした今江の代打に出た新井が、2ボール1ストライクからの絶好球を力んで空振りした場面。
いずれもほんのわずかずつ歯車が狂った試合を押し返す力が日本には足りなかった。一方の韓国は6試合で無失策。5人の投手を早めにつぎ込む継投策も含め、緻密さでも日本を上回った。(伊勢 一郎)
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登録日:2006年 03月 16日 17:52:52
頭脳と力の噛み合った松坂の快投
日本はメキシコを6-1で破り、1勝1敗として、明日の韓国戦に準決勝進出を賭けるが、その立役者である松坂の頭脳的ピッチングが光った。
立ち上がりはスライダーが多めで、唯一のヒットを打たれたカントゥを含め、いずれも変化球を外野フライとされたが、2回表に日本が拙攻でチャンスを逃してからは、がらりと配給を変え、150キロを超えるストレートを意識的に高めに集めた。滑りやすいWBC仕様のボールでもストレートならそれほど制球に影響がない、という判断もあっただろう。メキシコ打線は松坂の球威に力負けし、内外野へ詰まった打球を打ち上げた。
味方が4点を先取した後の4回裏も、あっさりと四球を出すいつもの悪い癖も出さず、3人の打者をフライに打ち取った。 2次リーグでは80球以内という投球制限も、球数の多い松坂への不安材料だったが、5回を1安打無失点、イニングごとの投球数は18、17、12、11、15と安定し、まさに大人のピッチングだった。
WBCの規定により、次の登板は準決勝以降となるが、今度は95球まで投球制限が延びる。明日の韓国戦を勝ち上がり、沈着冷静な松坂のピッチングを再び見てみたい。〔伊勢 一郎)
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登録日:2006年 03月 15日 12:00:06
またも失点率に脅かされるアメリカ
日本が惜敗したアメリカを、韓国が7対3で下した。イ・スンヨプの4試合連続となる先制本塁打、チェ・ヒソプ(ドジャース)の代打3点本塁打などが飛び出し、2勝0敗として準決勝進出に大きく前進した。
それにしてもアメリカは1次リーグのカナダ戦での教訓を生かしていない。ローテーションとはいえ、カナダ戦と同じく昨季のメジャー最多勝投手ウィリス(マーリンズ)を先発させ、3回3失点でまたも降板。4回までに6点と序盤での大量失点により、攻めも粗くなり、毎回のようにランナーを出しては残塁を重ねた。
この結果、日本がメキシコ、韓国に連勝できれば、アメリカ、韓国と同じ2勝1敗で並び、失点率の低さにより順位が決まることになる。その場合、アメリカは韓国に喫した7失点が大きく響いてくる。1次リーグでも、カナダへの8失点により、一時は予選突破が他力本願となったが、今回も同じ思いを味わうかもしれない。試合順からいっても、日本と韓国が先に全試合を済ませ、リーグ最終戦のアメリカ対メキシコ戦は消化試合となる可能性もあるのだ。
もちろんアメリカ選手は真摯にプレーしているが、投手起用や継投のタイミングなど、首脳陣にはどこか、自チームの方が上だという慢心が感じられる。失点率というWBC特別ルールの怖さを思い知しらせる展開にするためにも、日本代表はまず明日のメキシコ戦を最小失点で勝ち抜くことだ。(伊勢 一郎)
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登録日:2006年 03月 14日 20:36:38
投手力で全勝を続けるプエルトリコ
2次リーグ2組はプエルトリコがドミニカ共和国に7対1で勝利した。これで4試合で失点7点の投手陣は安定感抜群。この結果、優勝候補の双璧だったベネズエラとドミニカのどちらかが2次リーグで敗退することが決定的となった。
2次リーグ4試合を通して、先発投手はどのチームも無難につないだが、ベネズエラとドミニカの2番手が崩れ、試合を壊してしまった。あらためて、野球はピッチャーの非常が高すぎるスポーツだと実感した。投げてみなければわからないのがピッチャーの厄介なところだが、不調の兆しをいかに早くとらえて3番手を繰り出すか。監督の危機管理能力が問われる。
それにしても、同点の6回無死2、3塁からタイムリーを打たれた際のドミニカの中継プレーのお粗末なこと。大きくそれた外野手の返球をカバーリングもできず、打者走者を2塁に進塁させ、追加点を奪われるはめになった。ヤンキースの松井選手が「身体能力はすごくても、メジャーの中で野球の細かさ、精密さが備わっている選手は少ない」と語っていたのを思い出した。(伊勢一郎)
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登録日:2006年 03月 13日 20:42:00
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