目的に共感ができても、その手段が……

デング熱対策で「遺伝子組み換えの蚊」に賛否両論、マレーシア

【4月28日 AFP】デング熱の感染が拡大しているマレーシアで、デング・ウイルスを媒介する「ネッタイシマカ」の対策として遺伝子組み換え(GM)を施した蚊(カ)、数百万匹を試験的に放つ計画が進められている。
≫続きを読む…
(c)AFP

AFPBB News


新たな災いを生まなければいいのだが。

以下、遺伝子組み換え(GM)技術に対する
不信感丸出しのエントリとなるが。


研究室のような閉鎖空間での、1対1(オスとメス)だけでの実験結果と、
自然界において天敵やその他
複数の生物種とのかかわりを持ちながらの結果とでは、
とてもではないが同じものとはならないと思う。
このGM蚊を食った天敵はどうなったか
(しかも捕食者は何も1種の生物だけではない)、
その(GM蚊を捕食した)天敵たちの子孫に遺伝的な影響は無いか、
また近種との交雑の不安はないか、などなど、不安は尽きない。

現に、
たとえば食品関係でいえば、
GMナタネが非GMナタネと交雑をして次世代が育ってしまった、
というような事例もある。 ※1

また、対象が昆虫の場合、生命のサイクルが短いがため、
植物以上にこうした「雑種」が確立されやすいのでは、という心配もある。
そいつがデング熱を媒介するものだった場合、
あるいはもっとたちの悪い病気を発生させるものとなった場合、
そこに対しての対処は実際問題可能なのか、否か、
その点は、どこまで検討しているのだろうか。

基本的には、
この手のものは放ったが最後、
やべぇ、失敗した! と判明したところで、
後になって回収する・自然環境の状況を元に戻す、といったことが
不可能な場合がほとんどだ。

これはGM技術だけではなく
外来種(移入種・侵入種)問題でも一緒だけれども、
自然界というのは、そういう
 ニンゲンのコントロールのきかない空間
であるという認識は、科学者であるなしにかかわらず
持っておくべきことだと思う。


 やってみなけりゃ わからない
けど、
 やり直しがきかない
ような事例の場合は、あえて「やらない勇気」(研究室だけにとどめておく)
てなことも必要だと思う。※2


お題にもあげたとおり、
デング熱の感染者を将来的にはゼロにしていくという目的は
まず否定できないとしても、
そのために取った手段が穴だらけで、
デング熱こそ遠ざけることができたけれども、
それ以外の災いを新たに呼び込んだ、なんてことは
誰も望んではいないと思う。※3


※1:04月21日 日経BPネット(写真アリ)
  美しい菜の花畑に潜む遺伝子組み換え品種 交雑で2代目も出現 
   http://www.nikkeibp.co.jp/sj/2/column/z/28/
  本文は<続きを読む>に収納。

※2:それとこの場合、生物種の絶滅を願うような手法が好ましいのかどうか、という視点は持ち得ないのだろうか。これが美しい哺乳類の希少種であれば検討課題にすら上らないだろうと言うことを考えると、昆虫思いっきり差別されてまんがな、という話に聞こえなくもない。(まあ、この程度で絶滅するような蚊ではないとも思うが)

※3:これはGM蚊の開発をしている科学者たちだってそうだろう。

.
 ... 続きを読む

カテゴリー[ 環境配慮 ], コメント[0], トラックバック[0]
登録日:2008年 05月 03日 23:43:55

事務連絡(猫のヒゲ関係)

IOC会長、中国への非難中止を要求 発展には時間が必要

【4月27日 AFP】国際オリンピック委員会(International Olympic CommitteeIOC)のジャック・ロゲ(Jacques Rogge)会長(65)は欧米諸国に対し、北京五輪を控える中国への人権問題を振りかざした非難を中止するよう呼びかけた。
≫続きを読む…
(c)AFP

AFPBB News


環境以外のテーマになるので、この写真記事に関して、
はてなでちまちまやっている非環境系ブログ(このメモは猫のヒゲ)の方で取り上げました、
というお知らせを。
 →04月29日
   このものごっつい上から目線に怒りを抱かないのか、中華民族は

ご興味ありましたら、ぜひともご訪問のほどを。お待ちしております。 


※:実は、29日の夕方から1日半ほどActiblogへのアクセスが(なぜか)できなかった(画面の様子から、Acti側の回線容量の問題かと推測)。そのため、お知らせも2日遅れに。お知らせ遅くなったこと、お詫びしつつ。

.

カテゴリー[ 共に生きる ], コメント[0], トラックバック[0]
登録日:2008年 05月 02日 00:02:28

不純な動機

動植物の絶滅は人間の治療薬開発にも打撃、専門家らが警告

【4月29日 AFP】多数の動植物を絶滅から救えず「生物多様性」が失われることになった場合、新世代の抗生物質の開発が行き詰まり感染症やガンの治療の未来が閉ざされることになるとの専門家の報告が、23日に発表された。
≫続きを読む…
(c)AFP/Martin Abbugao

AFPBB News


これは以前にも、どこかで見かけた訴えだな、と思いつつ。

1980年代の後半から90年代初頭にかけて、
世界の原生林に対して行われている商業伐採の問題が
盛んに取り上げられていた頃も、
このようなことは(それほど大きくはないけれども)もちろん言われていた。

当時 言われていたことは、
地球表面の数パーセントの面積を占めるに過ぎない熱帯林において、
全生物種の約半数を数えることができること、
また抗生物質の、これもまた約半数が熱帯の生物由来のもので、
工業製品でもなんでもないこと、
(よく勘違いしているヒトがいるけれども、薬の多くは自然物由来である)
という指摘。
これはもちろん科学的にも動かしがたい事実。
で、
それだけ豊かな生態系を育んでいる熱帯林が失われてしまえば、
将来薬になるかもしれない植物やその他林産物や動物といった希少生物を、
発見の前に失ってしまうのではないか
……ということは、もう20年以上前
(自分が知っている限りにおいてだから、
さらにそのもっと前から言われていたかもしれない)
から明らかなことであった。

まあ、このテーマだけに絞った本が出るというのは
恐らくほとんど無かったと思うので、
その意味ではいい問題提起になるものとは思う。
医療の専門家が噛んでいるのであれば、尚のこと。


◆ ◆ ◆

たぶん小学校か、せいぜい中学で習うと思うのだが、
生態系ピラミッドという、食物連鎖をわかりやすく図にしたものがある。
どのような生物種であっても、
ものを食べることで生きている存在である以上、
この生態系ピラミッドの中に含まれる。
そこから外れる存在はない。

命あるものはかならず、
ある存在からは食べられ(または分解され)、
あるいは他の命あるものを食らわなければ、
この地球上で生きながらえることはできない。

それは、ニンゲンも同じこと。

理科や生物の授業などで習う生態系ピラミッドの図に
ニンゲンが入っている図というものは
滅多にみかけないのだが、
(見たことのあるヒトは情報宜しくです) ※1
実はニンゲンだってちゃんとそこに含まれている。
 生きものではない食べものだけを食べること
で生き続けることのできるニンゲンなんて
一人もいないのだ。


◆ ◆ ◆

ある種が絶滅してしまうということは、
食う・食われるというこの生態系ピラミッドのピースの一欠片が
永遠に失われるということである。
欠片の喪失が少なければまだ多少は持ち堪えたとしても、
失われるものが増えると
やがてはピラミッドそのものが崩壊する。

もちろん、この生態系ピラミッドは
全ての生物種が関わっているものであるから、
どこか遠くの、
ジンルイにほとんど知られていない何らかの種が絶滅したとしても、
それが巡り巡ってジンルイにまで影響を及ぼす、
ということもまた起こりうる。

この写真記事が取り上げているのは薬品・医療関係に絞った問題提起だが、
食べものだけではなく、
薬のような命の危機や体調管理に関するセーフティー・アイテムについても、
同じことが言える。
(薬草を使うのは何もニンゲンだけではない。
他の生物も食糧以外の用途で他生物を利用することある)

また、別の角度からの影響もある。
森林伐採が進んだことでマラリア蚊が人里にまで広まった、という例も
(絶滅かどうかは別として)あるように、
そこに他の生物種が存在してくれていたおかげで食い止められていた
災害や疫病のようなマイナスの要素が増大する、
ということも起きてくる。


そう考えた場合、
自分の、あるいはジンルイの安全保障という面からも、
種の多様性(生物多様性)の保全や環境破壊問題への取り組みというのは、
意味があるのだ。


◆ ◆ ◆

もちろん、森林にしてもまたそこに生きる野生生物にしても、
存在していること、そのものは価値があるのだと思う。

けれども、そうした価値観を抜きにしても、
「自分が生き延びるために」
野生生物保護に取り組んでみたり、
原生林保護活動に参加してみたり、というのは
家の頭金作りのために残業して働くのと、ある意味地続きでもあるのだ。
ものすごく判りづらいし見えづらいかもしれないけれども。


ここで動機の純・不純を問うという行為は、
今まさに絶滅に瀕している動植物の当事者にしてみたら、
ほとんど意味のないことだと思う。

その動植物を保護したいという動機が、
・その対象物が好きだから(美しいから・可愛いから・価値があるからetc.)
というような精神論だけではなく、
・その対象物を保護・保全することで経済的な価値を生むから
・その対象物を保護・保全することで
 ニンゲンの生存に関する安全保障が高まるから
であっても、
絶滅の淵から生還できるのであれば、
こんなに意味のあることはない。

むしろ、動植物の保全活動なるものは、
「オランウータンがかわいそう」「ガラパゴスゾウガメはかっこいい」
というような視野が狭窄した動物ヲタク(自分のことだ)や、
「希少種はそれだけで存在する意義が高い」
「命あるものは命があるということに意味がある」
というような哲学的な観点からものを語れる人びとだけが
やるもんでもなかろう。

誰もがめぐり巡って関係しているのが、生物界というものなのだから。


もっと、利己的でもいい。
もちろん、利己的とはいえ、
地球は別にニンゲンのものでもなんでもないのだし、
ましてや他の生物種を所有しているわけでもないので、
そこんところさえ勘違いしなければ、
という点を踏まえてのことだが。 ※2


※:ニンゲンの入っている生態系ピラミッドを滅多に見かけない理由は、きっと「ジンルイが多すぎるから」だと思う。それは、生態系ピラミッドの頂点に近い生物種は数が多すぎると生態系のバランスを崩す、という生態系ピラミッドの根本を突く提起になってしまうというのもあるし、あとはただ単純に美的なデザインに収められないから、ということもあると思う。

※2:同時に、その「利己的」の中身を問い続けていくこともまた必要かもしれない。

※3:2年前にも同じようなエントリを上げていた。
  →絶滅の「何が」問題か http://www.actiblog.com/yamaneko/3990

.

カテゴリー[ 種の多様性 ], コメント[0], トラックバック[0]
登録日:2008年 05月 01日 23:28:27

今年も報道が少ない。チェルノブイリから22年。

チェルノブイリ原発事故から22年、追悼式典

【4月27日 AFP】チェルノブイリ(Chernobyl)原発事故から22年目の26日、ウクライナの首都キエフ(Kiev)で追悼式典が行われた。
≫続きを読む…
(c)AFP/Oksana Grytsenko

AFPBB News


2006年(20年目)、2007年と続けてきたが、
今年も去年同様、報道は極端に少ない。

ニホンの報道で拾えたのは、AFPBB以外では、これだけ。

04月27日 中國新聞(goo経由)
脱原発訴え80人が座り込み
 http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn200804270025.html

それと、日経の経済記事で。
04月28日 日経新聞
G8、チェルノブイリ安全対策に490億円追加支援
 http://www.nikkei.co.jp/news/past/honbun.cfm?i=AT2M2601L%2028042008&g=G1&d=20080428

と、表題写真のAFPBB。

でもまあ、今年のAFPの写真は、少数ながらも粒揃い。なかなかいい。
追悼の顕花をするひとびとあり、
アピールをするひとびとあり、
式典に出る地元首長あり、と。ツボを押さえて紹介している。


◆ ◆ ◆

気になるのが日経の記事で、
事故から22年も経っている現在において、なおも、
G8(含むニホン)が、その安全対策のために
総額3億ユーロ(約490億円)もの金額を支援している、という事実。

その用途はというと、
使用済み核燃料の処理施設や放射能防御壁といったものの
整備資金という。

たかだか20年そこらで劣化するようなコンクリで囲っておくとか
そういう手法で隔離し続けるしかない毒物であるところの放射性物質を
(放射性元素によってさまざまだが、親子三代隔離し続けても
その毒性が半分も減らない、てな物質もざらだ)
どうして燃料にしようなどと思うのか、
(しかも温暖化防止になるだなんて、どうみてもただの口実つきで)
この報道ひとつでそのリスクのでかさ加減が理解できると思うのだが。


報道の方々も、
馬鹿の一つ覚えみたいに原発が温暖化対策だなんて言い募る暇があったら、
チェルノブイリの現状でも見てきたらいいと思う。
(特に、今も健康被害を受けている人びとの、その苦しみを)


あと、座り込み云々の報道が広島の平和記念公園しかないってのも
なんか手抜き感が漂っているというかなんというか。
東京や大阪といったような大都市でも、その手の集会はやっていると思うのだが。
まあ、地味で地道すぎて、しかも事前の勉強もいるから、
報道側が、やめとこ、となっただけのような気もする。


と、論評している自分も、今年何もしていないのだけれども。
(と、いうか、この日は自分の所属している森林保護団体の集まりの
裏方をしていた)


◆ ◆ ◆

>ウクライナ政府の統計によるとこの事故処理に当たったウクライナやロシア、ベラルーシからの「解体業者」と呼ばれる作業員2万5000人以上が死亡した。2005年9月に発表された国連(UN)の統計では犠牲者は4000人とされているが、この数字については複数のNGO(非政府組織)から疑問の声が上がっている。
>ウクライナだけで230万人が「後遺症に苦しんで」おり、事故当時子どもや若者だった約4400人が被ばく者に典型的な甲状腺がんの手術を受けている。

これらの多数の犠牲者の方、
そして今も苦しんでいる人びとに、正義がもたらされんことを。
祈りをこめて。


※:報道本文は<続きを読む>に収納。

.
 ... 続きを読む

カテゴリー[ 資源・エネルギー ], コメント[0], トラックバック[0]
登録日:2008年 04月 29日 19:02:51

全ては わたしたちの欲望から

【動画】野生動物密売がはびこるベトナム、保護施設が直面する問題とは?

【AFP】カンボジア、マレーシア、ラオスから中国へ売買される野生動物の違法取引で中継地となるベトナムは、密猟業者の拠点となっている。ベトナム南部で唯一の保護施設は、違法取引から救い出された動物たちで溢れている。(c)AFP


<AFP動画ニュース一覧へ>

AFPBB News


下のエントリに関連して、少し前の動画から。
これ、とても気になる事例なのだけれども、
どうせならこの運営を行っている団体の連絡先なんかがあると
もっと良かったのに。
途中WWFが出てくるけれども、WWFの施設だという感じでの紹介では
なかったし。


さて。
下のエントリではリスの避妊だったが、
こちらは逆に数を増やさなければいけない動物、希少種がほとんどの模様。

そして、それらの動物が保護されるまでの経緯も、
ホテルでショーをやらされていたマレーグマから、最後のカワウソまで、
いずれもニンゲンの欲がからんでいる。
熊の胆は言うに及ばず、
面白い動物・珍しい動物を飼ってみたいというエゴや
美しい動物・かわいい動物の仕草を見て楽しみたいという欲望まで、
ニンゲンの欲望はほんまに数限りないというかなんというか。

毛皮が欲しいとか象牙が欲しいとか熊の胆が欲しいとかいうような、
比較的わかりやすい直接的な物欲もあれば、
クヌートやフロッケを見る、あるいはこの動画にいた
マレーグマの「ナン」のショーを見て楽しみたいというような、
その動物の加害に直接加担していることが
当人にはわかりづらいパターンの欲望もある。 ※
(クヌートは不明だが、フロッケの「育児放棄」については、ニンゲンの、
「かわいい仔グマの写真を撮りたい」という欲望が直接の原因ととなっていることを
動物園側も明らかにしている)

けれども、その欲望の発露がどういうものであれ、
動物たちは捕らわれ、あるものは見世物に、またあるものは命を落とす。
運よく生き延びた個体も、囲い地の中で虐待に近い扱いを受ける。
そして野生下ではその種の生きものが数を減らし、
種の多様性(生物多様性)に赤信号を灯す。

地球環境において、生物種の数が減ること、
またその多様性が保たれないということは、
その生物種の環の中の一つでしかないジンルイにとっても、
地球環境上の安全保障を揺るがすものとなるというのに。


温暖化同様、目先の欲望が回りまわって自分の首を絞めることになる、
と、いうことに、その欲望の主が気づいてくれること。
地味でも、こういう記事を見たり知らせたりして
意識を喚起していくしかないのだろう。
あまりの歯がゆさに、地団太踏みたくなるときもあるのだけれども。


※:「かわいい(美しい、面白い、etc)」生物は、「だから所有したい」「だから見てみたい」という欲望を安易に引き出す。その意識はまた、「かわいくない(醜い、つまらない、etc)」生物を軽んじていい、というふうにひっくり返らないとも限らない。これは保護の立場も一緒で、「かわいい(美しい、略)」から保護する、「かわいくない(醜い、略)」から保護はせんとく、というような恣意的な選択へとスライドしがちなことも注意。PETAが扱っているのがいわゆる「かわいい」動物がほとんどであるのが、いい例だ。もちろん、そうした情感の全否定をするわけではない。長年保護を続けるためのモチベーションを維持するには、やはりある程度の贔屓目というか情というか思い入れは絶対に必要となる。やっぱ。

.

カテゴリー[ 絶滅危惧種 ], コメント[0], トラックバック[0]
登録日:2008年 04月 29日 00:17:30

条件付で賛成(条件によっては反対)

リスに避妊薬を投与、米カリフォルニア州サンタモニカ

【4月27日 AFP】米カリフォルニア(California)州サンタモニカ(Santa Monica)の市当局は、パリサデス公園(Palisades Park)に生息するリスに避妊ワクチンを投与して個体数を削減する。サンタモニカ市などを含む郡は、リスの増加が公共の衛生に悪影響を及ぼすと懸念を表明、市に対策を求めていた。市は一般的な安楽死ではなく、より愛護的な手段でリスの個体数を減らすことを決めた。(c)AFP

AFPBB News


まあ、お題にした通りなんだけれども。
ニンゲンだって避妊するんだし。

増えすぎたのであれば、リスにも避妊がなされるのは「仕方ない」と思う。
ただし、条件というのは、「増えすぎた理由」がニンゲンの身勝手ではないこと、
および、それによってリスの生息数が逆に減るなど、
希少化が進むなんてことに絶対にならないと確証が持てた場合。
特に後者は慎重に検討をして、確実であること。
その上で、だ。


これ、情報があまりにも少なくて、どうしてリスが増えているのかというのが
よくわからないのがネックなのだが、
ヒト側が生息地を広げたことによって、リスのフィールドが減った、
結果的に出会う頻度が増えたから、というようなケースを、第一に想像した。
これと似たようなものとして、欧州で殺されたヒグマの事例がある。
最近もAFPBB他で関連の報道があったので、ご存じの方も多いだろう。
2つめの想像として、
ニンゲンが公園などを整備したために、リスが暮らしやすくなり、
結果的に数を増やしていった、というようなケース。
ヒトが環境を変えたことによって数を増やしている生きものと言えば、
都市部のクマネズミやハシブトガラスなどが有名だろう。
3つめの想像は、
上の例とも若干かぶるのだが、
リスの可愛さがそれに輪をかけているようなケース。
これは、公園でハトに餌をやるように、リスにも餌をやる、というようなこと。
餌が多ければ、繁殖もまたしやすくなり、その結果 数も増える、という。
とりわけリスは、見た目が相当にかわいい。
仕草もかわいいし、ついつい餌をやりたくなる心理は、よくわかる。
自分も、恐らくその誘惑には勝つのは難しいと思う(てか、負けてしまうかも)。※1

一方、これと逆の例が、オオカミだ。
かわいいシカを捕食する「悪い」生きものだ、
というニンゲンの勝手な価値判断を投影されて、
どんどん数が減ってしまったという、とても悲しい歴史を持っている。
欧州や北米大陸はもとより、ニホンオオカミに至っては……あまりにも悲しい。

生態系にとっては
その生きものが「かわいい」か「きれい」か「きたない」か「悪い」か「醜い」か、
そういったニンゲンのモノサシは意味がない。

というか、生きもの中の一つの要素にすぎないニンゲンが
その判断を下すというのは、
おこがましいことこの上ない。

今回も、かわいいリスが、という見た目でもって
感覚的にこの判断を支持できないヒトも多いかもしれないが、
そうした理由だけで判断を行うことは
正直ニンゲンの身勝手でしかないということは、理解した方がいい。
それに、現実のこととして、
そうしたニンゲンの身勝手の積み重ねによって
自然界の生物のバランスが崩れている例は枚挙に暇が無いほどであることもまた
知っておくべきである。


とはいえ、この少ない情報から結論を出すのもなんだが、
これはやはり、想像の2や3の方の要因の方が大きそうな気がする。

なので、現時点では、これはまあ条件つきの賛成、ということで。


※0:3月からはじめたニュースサイトでもこの記事ちょこっとだけ取り上げている。
 →カメでも読める のてのて環境ニュースクリップ
  http://d.hatena.ne.jp/J-yamanekoya/20080427/1209302986

※1:基本、野生生物に対して餌をやる行為、いわゆる餌付けは、推奨されるような行為ではない。餌付けを受ける生物が優位に立つためその地の生態系バランスを崩したり、餌付けの食べ残しがその地のごみになるなど(湖などだと水質悪化)、問題も多い(白鳥への餌付けに関して、そうした観点からの問題提起がなされている例もある)。ケースにもよるが、その生物がどんなにかわいくても、美しくても、ここは心を鬼にして餌をやるのをやめなくてはならないのが、やはり基本だろう。

.

カテゴリー[ 野生動物 ], コメント[0], トラックバック[0]
登録日:2008年 04月 28日 23:00:26

多様な選択肢がある、ということ

松下、世界最高効率の家庭用燃料電池新システム開発

【4月16日 AFP】松下電器産業(Matsushita Electric Industrial)は14日、4万時間の連続使用が可能な、実用化レベルの家庭用燃料電池コージェネレーション(熱電併給)システムを開発したしたことを発表した。世界最高の発電効率を実現。耐用年は10年以上が想定されている。6月から生産を開始する。(c)AFP

AFPBB News


正直、10年はちょっと短いかなーとも思ったりするが。

まあ、今の家電の想定耐用年数がそのくらいだから、
家電の延長で考えればそのあたりが妥当なのかもしれないけれども。

と、いっても、コージェネレーション(コ・ジェネレーションとも言う、略してコ・ジェネ)は、
別に家電ではなく。
家庭で発電するときに、その廃熱をさまざまに利用していく、という
エネルギー効率をアップさせる仕組みであったりする。
詳しい仕組みをよく知りたい方は、環境gooの用語集あたりが便利。
 →環境goo 用語 「コージェネレーション Co-Generation」

自分が大阪を離れる2000年頃に、大阪ガスが、
ニホン初の家庭用コ・ジェネの製品化を、とかってやっていたけれども、
今では大阪ガス、東京ガス以外に家電メーカーまで参入とは。
時代も進んだものだな、と、しみじみ。

この松下のものについては、
日経エコロジー(日経BP経由)でも取り上げられていた。
04月21日 松下電器、発電効率と耐久性高めた家庭用燃料電池コジェネシステムを開発

また、企業サイトの告知はこちら。
 松下電器産業 プレスリリース
  http://panasonic.co.jp/corp/news/official.data/data.dir/jn080414-1/jn080414-1.html?ref=news

14日に、大掛かりな記者会見・プレス発表を行ったっぽい。


◆ ◆ ◆

実はコ・ジェネ、現時点ではまだそれほど浸透度が高くない(、と思う)。
たぶん、エコアイスやオール電化などよりもマイナーだろう。
エコ関係の記事でも、普及率で電力会社に水をあけられているだとか、
その手の話をいくつか見たことがある。

元々、コ・ジェネは家庭用というよりも業務用など
大規模なものに向いている技術であったということもあり、
家庭用の製品開発がかなり遅れた。
が、一番大きい要因は、やはり
広告の上手さでは電力会社の方が上だった、
というところじゃなかろうかと踏んでいる。

確かに、発電のために熱エネルギーを使うという点については
火力や原子力の発電と同じである。
だが、それを小さく、コンパクトに、各家庭で行うことで、
家庭のような小さい規模であれば、
発電の際に生じた廃熱を給湯や冷暖房のエネルギーとしても利用して、と
熱エネルギーを2度、3度と転用していくことが可能になる。

大規模発電所で、発電だけして後は捨てられている廃熱のエネルギーや
(温暖化対策云々の宣伝に言われている原発でも、廃熱は捨てられている。
でっけー矛盾だよな) ※
送電によるエネルギーロスを考えると、
コ・ジェネの考え方はそれほど難しいものでもないし、
環境配慮面からしたらかなり理に適っている。


逆に考えれば、
こんな簡単な発想が、どうしてそれに見合った広がりを持たないのか、
ということが不思議に思えてくるような。


◆ ◆ ◆

ともあれ。
エネルギーを作ったり使ったりといった分野において選択肢が増えることは、
暮らしの中でエネルギーをどう有効活用していくか(含む省エネ)、というような
現実的な面から見ても意味があるものだと思う。
たとえば、新築や増改築を考えているような人には、特に有効な情報だろう。

それに、コ・ジェネに限らないけれども、
複数の選択肢があること、
それらをよく調べて、厳選して使っていくこと、
そうした努力を手を抜かないできちっと行っていくことは、
それが何の問題にせよ、問題解決における基本だろうと思うし。


※:原発で二酸化炭素排出削減を、ということを言うヒトから、原発から出る廃熱を直接利用しようとかなんとかいうような話を聞いたためしがないんだが。それをやるとなると、原発はやはりもっと都市部にないといけないんだけれども。それともやはり、放射能汚染が怖いんですかね?

.
 ... 続きを読む

カテゴリー[ 資源・エネルギー ], コメント[0], トラックバック[0]
登録日:2008年 04月 21日 23:45:18

問題は、「バイオ」よりも「グローバリズム」、つづき

バイオ燃料の排斥こそ「人道に対する罪」、ブラジル大統領が反論

【4月17日 AFP】国連(UN)の特別報告官がバイオ燃料の大量生産は「人道に対する罪」だと発言した問題で、ブラジルのルイス・イナシオ・ルラ・ダシルバ(Luiz Inacio Lula da Silva)大統領は16日、開発を促進する原動力と成り得るバイオ燃料を「排斥することこそが本当の意味での人道に対する罪」だと反論した。
≫続きを読む…
(c)AFP

AFPBB News


ここで言う人道とは、たぶん自国の大規模農家たちのことを指しているのだと思う。
それはさておき。


先日拾ったロイターの記事(原文:Terry Wade)に、
ちょっと面白い指摘があったので、
その一部を引用・紹介する。
記事そのものに全部賛同、というわけではないし、また
記事はバイオ燃料について取り上げているものでもない。 ※

けれども、これはバイオ燃料(エタノール)を考える際の、ヒントのひとつになる
と思う。


◆ ◆ ◆

04月18日 ロイター
世界各地で食糧価格が高騰、見直される「ジャガイモ」の魅力
 http://news.goo.ne.jp/article/reuters/world/JAPAN-313843.html

このロイターの記事では、ジャガイモの利点がいくつもあげられている。

たとえば、安価で栽培できること、
栄養価が高いこと、
水分をあまり必要としないこと(水資源確保の心配が減ること)、
最短で50日と短い時間で生長すること、
収量が大きいこと(記事では麦や米の2-4倍としている)、などなど。
そうして、食糧不足問題に対する解決策のひとつとして、
ジャガイモの見直しをすすめてる。
また、バイオエタノールの原料としての可能性も含めて語られている。


◆ ◆ ◆

少し話がずれるが、
ニホンでも、米によるバイオエタノールの研究は開始されている。

実際、ニホンには休耕田がいっぱいあり、
また減反による農業者のモチベーションの低下など、
農業は大きな問題をいくつも抱えている。

米によるバイオ、というとまた
「食べものを燃やして……」という抵抗感を持つ向きもあるだろうが、
少なくとも荒れるに任せた休耕田の有効利用や
農業者の事業性という観点も含めて見た場合、
感覚的な理由で頭ごなしに全否定するのは時期尚早だと思う。

さらに、休耕田を利用した他の作物、菜種によるバイオディーゼルならば、
既に実用には何ら問題がないところにまできている。


と、まあ、バイオ燃料の原料生産については、
その地その地に合わせたそれ相応のやり方がある、ということを
もう少し見て、ということなのだが。


◆ ◆ ◆

話を元に戻して、ジャガイモの記事から。

>ジャガイモ消費量が拡大すれば、その多くを栽培する発展途上国の農家の収入増加にもつながる。前述のアンダーソン氏は「(発展途上国は)ジャガイモを食糧安全保障と収入創出の両面で選択肢の1つと見ている」と語った。

アンダーソン氏とは、ペルーのリマにある
「国際ジャガイモセンター(CIP)」の所長さんである。
そのアンダーソン氏が、ジャガイモを単なる農作物としてだけではなく、
地域の経済発展や、さらには国家の安全保障という観点から提示しているのは
とても興味深い。

さらに個人的に興味深かったのが、記者自身の記述部分となる以下の点。

> <投機マネーに縁薄いジャガイモ>(←記事の小見出し;引用者注)
 ジャガイモの価格が高騰していない理由の1つに、小麦などと違って国際的に取引されてないため、投機マネーを引き付けていない点が挙げられる。
(中略)
>これにはマイナス面もある。一部の国では、ジャガイモの価格が農家にとって魅力的ではなく、作付けの動機になりにくいことがある。

この記者個人の意見、あるいはロイターの記事のトーンとして打ち出しているのは、
だから科学の進歩で長期の流通に耐えうるジャガイモの開発が待たれる、
ジャガイモも国際市場に、
という流れで、実際の記事はそうした視点で締めくくられる。
だが、この欠点と思われている部分は、逆に利点に取れなくもない。

それは、グローバリズムへのアンチテーゼともなり得る。

もちろん、投機に縁の薄い作物だからこその問題点もあることは理解している。
儲けが薄い、作付けの動機付けがなされにくい、という指摘は、
販売だけを考えれば確かに強いマイナス要因でもある。

けれども、半ば自給、そして地域の食糧として、
さらには国家(あるいはより小さく地域だけでもいい)の安全保障として
位置づけた場合、
必要最低限の収穫さえ維持できれば、いわゆる「食糧問題」に対して
これはとても大きな力を持つものになり得る。

逆に、投機に煽られるような作物というのものは、
経済的価値だけに重きが置かれる分、
暴落による経済危機などの危険性にもさらされる。
リターンも大きいが、より大きなリスクもつきまとう。
地域で、投機筋から縁遠い作物としてあるだけならば、
こうした大きなリスクからもまた逃れられる。
まさに、安全保障、だろう。

トウモロコシやサトウキビといったグローバリズムに則った農作物は、
思いっきり投機に左右され、それゆえに暴落などの不安にもさらされている。

そして今、その投機行動を動機付ける要因のひとつとして、
バイオエタノールが相応の位置づけにある。
温暖化が語られ、さらにはその被害が大きく言われることで、
または新たなエネルギー源としての期待が囁かれることで、
そうした投機はまたさらにどんどんと大きく動く。

そりゃ、大統領も必死になるでしょう、といったように。


ジャガイモの例に限らず、
ニホンでも米や菜種、さらに木質バイオマスといったように、
投機からは縁遠いけれども
その分政府のフォローなりコントロールがあること、
そしてそれがきちんと立ちゆくものであれば、
食糧との競合を避けられるバイオ燃料の原料は
いくつもある。

バイオ燃料問題と食糧問題を単純に結びつけて
コインの裏表として捉えるだけでは、その全体像が見えてこない。
そうではなく、世界経済と社会構造の流れも丁寧に見ていくことで、
道はきっと拓ける。

だいたい、温暖化対策、そして石油等地下資源の枯渇ということで言えば、
省エネやエネルギー効率の向上といったすぐにできるようなことこそ、
まず先に考えなければいけないことのはずだし。


※:特に、記事の結論で、ジャガイモの病気の防止策として遺伝子組み換えを例に出すのは、単なる信仰としての科学を妄信しているだけだと思う。

.
 ... 続きを読む

カテゴリー[ 資源・エネルギー ], コメント[0], トラックバック[0]
登録日:2008年 04月 20日 23:55:42

問題は、「バイオ」よりも「グローバリズム」

ロンドンで抗議デモ、バイオ燃料導入義務制度に反対

【4月16日 AFP】英国ロンドン(London)の運輸省前で15日、同日実施された再生可能燃料導入義務制度(Renewable Transport Fuel ObligationRTFO)に反対する活動家らが抗議デモを行った。

 RTFOは温室効果ガスを削減するため燃料販売事業者に自動車用燃料販売量の2.5%をバイオ燃料とすることを義務づける措置だが、活動家は食糧を燃料にすることなどを問題視している。(c)AFP

AFPBB News


写真のねーちゃんがかわいい。
んなことはどーでもいいんだが、このねーちゃんの持っているプラカードは、
「パームオイル」、つまり「ヤシ油」に注視せよ、ということ。
(ヤシ油の二酸化炭素の排出は化石燃料よりも悪いぞ、というこっちゃな)

緑を身にまとっていることから想像するに、恐らくは
ヤシ油をつくるための大規模な開発・プランテーション化に対する抗議のアピールかと。
プランテーションを造成するには、
とにかくものごっつい面積の森林を伐採して裸地にして植林せなあかん、
という工程が必ず必要だから。最初に。

ヤシ油は、食料にもなっているけれども、それ以外にもいろいろと使われている
(たとえば洗剤だとか口紅だとか)
ため、ここでアピールされていることは、
単純に「食べものを燃やすな」ということではない、
というか、そういう単純化された話だけではない、ということは
知っておいた方がいいと思う。

今日は別のニュースも出ていたようだけれども、
(04月16日 バイオ燃料生産は「人道に対する罪」、国連報告官
食料を燃料にすること云々の言い分の方が、比較的スムーズに訴えやすいし、
理解もしやすい。
と、同時に、簡単なことを見落としてしまったりもする。

けれども、この問題の本質をきちんと理解したいと思うのであれば、
トウモロコシやダイズといった食品から燃料(エタノール)を作る愚、
という側面だけではなく、
それらが産業としてどういう方向性を持っているのか、という視点が必要だ。

たとえば、ヤシ油(アブラヤシから作る油)の環境破壊性への理解は、
食料問題(人権問題と言い換えてもいいが)という視点だけでは抜け落ちる。
厳密には、プランテーションの開発によって先住民族をはじめとする地元民への
人権侵害は起こっているので、
狭義の人権問題という視点を持つことは可能ではある。

逆にバイオ(生物由来)燃料全部をひとくくりにしてダメだと切って捨てることは
廃油利用や木質バイオマス(その多くが廃材や間伐材などの廃物利用)といった
他の角度から見ても環境負荷が低くて、実際に二酸化炭素の排出量も抑えられる、
(もちろん食料とは競合しない)
という素材に対して、無駄な逆風ともなりかねない。

この手の話はこのブログで何度も取り上げてきているので、
過去記事にお目通しを頂きたいのだが、
(左の「資源・エネルギー」のタグなど。最近の記事なんかだとこれとか)
今、食料問題を引き起こすと言われていたり、
二酸化炭素の排出量以外の環境負荷がいわれていたり、
あるいは計算上その二酸化炭素すら化石燃料以上に必要だったり、
というものに共通しているのは、
「どこか遠くで」
「(原料を)大量につくって」
「(製品も)大量生産で(そうしないとコスト的に割が合わないから)」
「(原料か製品のどちらかまたは両方が)長距離の輸送をしないと手元に届かない」
といった、グローバリズムに則った方針を持っているものだったりする。
この点、石油や原子力のような地下資源と、全部が全部ではないけれども
とてもよく似ている。
最後の長距離輸送に至っては、
フードマイレージならぬオイルマイレージを考慮しないといけない。
が、それを考えることで、むしろ
その物質の環境負荷がかなり明確に意識できると思う。

逆に同じバイオマスエネルギーと言われるものでも、
地元で採れる農業廃棄物(麦わらなど)を燃料に加工して地元で消費する、
というようなモデルであれば、
上記のグローバリズムの構造からは大きく外れるけれども、
環境負荷は恐らく相当小さいものと予想できる。

とまあ、ここで問われていることは何か、
問題は「食料問題」なのか(あるいは「食料VS燃料」なのか)、
「二酸化炭素排出削減(=とにかく化石燃料を減らせ)」なのか、
それらを含めた広義の環境負荷全般なのか、
まずはそこんところをきちんと頭の中に整理整頓していかないと、
なーんも問題は解決しないと思うんだがな。


また、この件に関していくつか関係しそうな最近の報道のコピペを
<続きを読む>に残しておくので、
ご興味がある方はぜひご一読を。

.
 ... 続きを読む

カテゴリー[ 資源・エネルギー ], コメント[0], トラックバック[0]
登録日:2008年 04月 16日 23:07:09

ヒトは皆、自分に甘い

フロッケ初の一般公開、ドイツ全土が熱狂

【4月9日 AFP】(写真追加)ドイツ南部ニュルンベルク(Nuremberg)の動物園で8日、ホッキョクグマのフロッケ(Flocke)が初めて一般公開された。
≫続きを読む…
(c)AFP

AFPBB News


ニュルンベルグ動物園の園長の談話を読んで、お題のようなことを思った。

まあ、確かに可愛いっちゃー可愛いけれども、
いつまでも(それほど)でかくならない猫などとは違って
あっという間にでかくなるからな、クマは。
その点、猫や犬はいつまでも可愛いっちゃー可愛い。
外見も、精神面でも。
ペット(もといコンパニオン・アニマル)と野生動物との、
最も違う点のうちのひとつだろう。


◆ ◆ ◆

そうした、
野生のもんをペットかなにかと勘違いさせるような見せ方は、
やはり「商業主義」という非難がぴったりなんだろうね。
だって、それは何かを学び知る機会というよりも、
ただの猫可愛がりを楽しむ「娯楽」だろうから。


◆ ◆ ◆

さて。
きっと元記事もそうなんだろうけれども、
母親の育児放棄ばかりが強調されている。
が、
その原因となったニンゲンのカメラ取材の行動、
その件については最近のニュースでは全然触れていないんだが、
それはどうしてなんだろう。

その方が同情が引けるから?
あるいは、
同類(ニンゲン)がフロッケに対する加害者の一員であることを
広告的にイメージさせたくないから?

なんて、穿った見方をしちまうのも、
こちらの心が貧しい証拠ですかね?


◆ ◆ ◆

ところで、一時もてはやされたあのクヌートはどうなっているんだろうか。

>動物愛護団体によると、体重150キロになったクヌートは現在、不安行動を見せているという。

つまらん喩えだが、最近の加護亜衣の話題を連想。
小学校を出て間もない内にアイドルとしてちやほやされて、
中学もろくに行かず(そして恐らく「学ぶ」楽しさもほとんど知らず)、
スキャンダルをきっかけに芸能界を干されて、 ※
そりゃリスカもしたくなりまんがな、という彼女。

それと似てるのかどうかは、ようわからへんけれども。

ともあれ、クヌートにしても、
あれだけ世界中からちやほやされていたけれども、
まあ、ちやほやすることと「きちんと子育てすること」とは
全然違うもんな、というようなことがあってもおかしくはないというか。

言い換えれば、クヌートの不安行動とは、
結局ホッキョクグマの子育てをニンゲンがきちんとできるのか、という
(それこそ身を呈した)問題提起でもあるのだろう。

それと子育てということでいえば、
クヌートの母が育児放棄をしたように、
クヌート自身も親となれるのかどうかは、はなはだ疑問だ。
人工授精用の種要員と考えれば別だけれども。


フロッケは、大丈夫だろうか。


◆ ◆ ◆

で。
ハナシはお題にしたことに立ち戻る。
>園長は「野生のホッキョクグマは絶滅の危機にさらされているが、密猟などの直接的な人間の影響ではなく、間接的な地球温暖化が原因」と指摘

はいはい、温暖化、温暖化。

とりあえず〒ポストが赤いのも電信柱が高いのも、みーんな温暖化。の、
訳は無いが、
まあ何かあったらとりあえず地球温暖化を悪者にしておけば大丈夫。
温暖化は、加害者がいっぱいいっぱいいっぱいいて、
自分の罪悪感を薄めてくれる、恰好のアイテムだからな。


でもさ。
選んだ写真にはこ~んなにカメラがいっぱいおるんだが、
このカメラたちのせめて半分でも、
これだけの熱意をもって、きちんと「温暖化」についての報道をしてくれれば、
世の中もっともっと温暖化についての興味がぐんと高まると思うんだけどな。

てか、どうして「密猟」などという喩えを引き合いに出したんだろう。
どこかやましいところでもあるのか、
誰かツッコミ入れてくれればよかったのに、これ。


※:スキャンダルそのものは自身で起こした問題かもしれないが、そもそも10代そこらの子どもの身辺をきちんとコントロールできなかった、また自身で身を律することを学べる機会を与えなかった事務所なりつんく♂なりにも相当の加害性があると思う。その意味でも、クヌートと飼育動物園との関係と、ローティーン・アイドル(崩れ)と所属事務所の関係って、ちょっと……似てへんか、やっぱ(←かなり強引)? 

カテゴリー[ 野生動物 ], コメント[0], トラックバック[0]
登録日:2008年 04月 10日 00:23:37

1   |   2   |   3   |   4   |   5      »      [51]
カレンダー
< 2008年 05月 >




1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31
プロフィール
山猫通信社 篠宮
山猫通信社
カメでも読める のてのて環境ニュースクリップ
このメモは猫のヒゲ
◆環境カウンセラー兼フリーランスのライター・編集業の「山猫通信社」については、上のHPをぽちっとどうぞ。ブログをみてのご連絡は、sorano_ki@yahoo.co.jpへ。
◆屋号の「山猫」は宮沢賢治から。大阪に長くいたので時々関西弁が混ざることあり。
◆07年3月、ブログタイトルを一部変更。今後も、カメだけでなく、ワニやラクダやトカゲからも いろいろと学べるもんだろうと思いつつ、のてのてと更新中。
◆トラックバック、どうも故障中の模様(早く直してくれAFP)。
最近のトラックバック
検索